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【 第十一章 】 選ばなかった道の先にある運命
⑥ 親孝行、する気になった時に親は無し、だからね。
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少女が自宅へ帰るという頃、彼女はアリアンロッドにこれをこっそり頼んだのだった。
「しばらくここにいるなら、爺さんを気にかけてやってくれ。この頃、身体がしっかりしてなくてさ」
アリアンロッドが快諾したら、彼女は満足げに駆けていった。
アリアンロッドにとってはここで老人の手伝いをするほかないのだし、気にかけることは構わない。というかそれを建前にしてここに居座り、彼女について探らなくてはならないのだ。胸に聖痕があるのかどうか。ないとしてもこれからかもしれない。今ここで自身と彼女が出会ったことには、何らかの意味があるはずだ。
そんな推論以上に──感じる。きっと彼女は国の求める後継者なのだろうと。
聖女には備わっているのだ。同類のシンパシーというものが。次代を見つける千里眼というのは、「感」なのだ。身体の奥底から湧き上がる「感情」。
会ったばかりなのに愛おしく思う。そばにいればいるほど、話せば話すほど、彼女を愛しく思うようになる予感がある。
アリアンロッドは、“先代大聖女も私と出会った頃、そのような思いであったのだろうか”と、ほかほかした空気に包まれ、借り小屋に向かった。
◇
小屋に着いていったん立ち止まった。すぐそばに、同じ大きさの家が2軒建っている。どっちかな、と入ってみたら片付けてあったので正解の方だ。老人には子どもがふたりいたのかと考えながら、炉で夜の支度を始めた。
小さい部屋だが収納棚がいくつか用意されている。借りた衣服の替えや敷物などをしまっておけて快適だ。
アリアンロッドはその夜、藁の即席ベッドでぐっすり眠り、朝、起きたら着替えを棚の上に置かれたカゴに置いた。
その時、カゴの隣の、長方形の木箱が目に入った。
「何か入ってるのかな」
妙に気になり開けてみる。そこにあったのは、柄の端が輪になっている、ナイフのような道具だった。
「青銅のナイフ……? でも柄の尾が丸……んー、輪になってて、使いにくそう」
やはり気になるので、刃を葉でくるんで懐に忍ばせた。
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アリアが「ナイフ」と言っている道具のシルエットです。↑
おや、なんか見覚えありますね……。
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外に出たら、ちょうど老人が大きなカゴを持って出かけようとしている。川へ洗濯に行くというので、アリアンロッドは積極的に手伝いを申し出た。
「宿代以上の働きしますよ!」
◇
川まで歩く途中、アリアンロッドはふたつある小屋について尋ねた。
「さっきもう一つの方ものぞいてみたけど、同じ大きさで、同じように作られた部屋ですよね」
「ああ、息子が二人おったんでね」
老人には三人子どもがいて、いちばん上が娘、下の二人は双子の息子だったようだ。うち二人は既に亡くなっている。
「寂しいですね……」
「いささか長生きしすぎたようだ」
彼は寂しく笑う。
「じゃあその残るひとりの息子さん?はどこに?」
「死んだとは聞かんし、どっかにおると思うが……もう10年ほど疎遠でよう分からん」
「10年!?」
これは確実に何かあったのだろうが、聞いていいものか彼女には分からないので。
「えっと、奥様は?」
とりあえず話題を逸らした。
「妻が逝ったのも10年前なんだ」
アリアンロッドは、長生きも考えものだな、と新しい見解を得た。きっと奥方も長生きの方だったろうに。
「やっぱり奥様と一緒に物作りをしていたんですか?」
「ああ、妻は俺よりずっと、物作りの才能があってな。妻も子どもの頃、家族とどっかからこの島にやって来たんだよ。あいつは鍛冶屋の一族の出でなぁ」
流れ着いた渡来人の文化を取り入れることで、この島の暮らしは緩やかに、豊かになっている。
「近くの山で銅が採れるから、それでいろいろ考案して作っとったよ。あいつは鍛冶の技術だけじゃなくて、新しいものを考えるセンスもあったんだ」
「すごーい! ……あ、じゃあもしかしてこれ!?」
洗濯の手を止めて、アリアンロッドは懐から例のナイフを出した。
「ああ、それは妻が息子に残したもんだ。あいつの最後の作品でな、大作だって言っとったかなぁ」
彼は笑った。そしてその後に溜め息をついた。アリアンロッドは彼のその態度にも違和感を持ったが、なによりこのおかしな形のナイフが大作、というのも不思議だ。
「これ、ナイフですよね?」
「うん? そうだなぁ」
「でもこれ、変ですよね」
木の刀柄の端が輪になっている。使えなくはないが握ると妙な感覚だ。それに刃をよく見ると、表側にしか刃先がないのだ。そして裏側はどうなっているかというと、非常に細かい横溝が、柄の方までびっしりと刻まれている。
「こんなナイフは見たことがないし、これ、本当に何か切れるのかしら?」
老人はそれを手に取ったが、やはり細かいところはもう見えないらしい。触れればそのざらざらした感覚は得られる。
「……これは俺にとって、いわくつきの品でなぁ」
「いわく? 奥方の霊が憑いているとか?」
「それならむしろ嬉しいさ。そういうことじゃなく……身内の恥をさらすようだが……」
老人は恥とは言うが、昔話がしたくなったようだ。
それは妻が亡くなった後、息子らが兄弟喧嘩をして、片方がこのナイフで片方を刺したという話だった。
怪我をした息子はここを離れ、北の村の方で暮らした。もう一人の息子も父親に咎められ居づらくなり家を出た。こうして家族はばらばらになった。
「どうしてそんなことに……」
「あいつは詳しく語らんかったが……自分だけ母の手作りのナイフをもらえんかったことを、気に病んだふうだったかなと、今思えば……」
「? 奥様は、片方の子だけに渡したんですか?」
「俺はよく分からんのだよ。いつ妻がそれを双子の片方に渡したのか、どうして片方だけなのか。確かにそっちの息子は、子どもの頃から素直ないい子でな。逆にもうひとりは反抗してばっかの怠け者だった。かと言って、あいつが片方だけに何かを渡すなど……ん?」
そのナイフに指先で触れていたところで、老人は何やらに気付いた。
「何か?」
「俺の記憶が確かなら、このナイフの真ん中は……」
アリアンロッドが彼の言う、柄と刃の境目部分を見ると、丸い突起が付いている。
「ぼこっとしとるよなぁ、ここ?」
「ええ」
「息子が兄を刺しちまったナイフ……その真ん中は穴が開いとったはずなんだが」
「穴??」
その後、洗濯から帰ったらルゥが来ていて、本日の彼女もせっせとヨモギを摘んでいた。アリアンロッドは一緒に摘みながら、ルゥに老人の息子について尋ねてみた。
「おじいさんの息子は村に住んでいるのかな?」
「あー、西の村の隅っこに住んでるな。その日暮らしな感じで」
「そう、一緒に暮らせばいいのにね」
ルゥは言う。
「きっと後悔してるんだ。親が死ぬ前に孝行してやらなかったって。だから逃げてるんだよ」
アリアンロッドは、子どものわりに孝行なんて立派なことを考えるんだ、と舌を巻いた。
「でもお母さんが逝った後に後悔して逃げて、お父さんにもできなかったら何の反省にもなってないじゃない」
「反省して、それが生かせるような奴なら、最初から苦労しないだろ」
子どものくせに一丁前に言う、と思ってしまう。
「よし、俺に任せろ。爺さんの駄目息子をここに連れてきてやるよ」
ルゥは自信ありげに言った。そこで、
「俺も、母さまに何かしてやりたいんだ」
と、普段より溜めている思いを吐き出した。
「ん?」
「なんか母さまが望むこと叶えてやりたい!」
だからか、老人の息子にも同情する部分がある様子。
「親孝行ねぇ。家のお手伝いを毎日してることが孝行じゃないの?」
「そんなの誰でもやってることじゃないか。そうじゃなくて、母さまの死ぬまでに叶えたい望みをこの俺が!」
どうやらきょうだいを出し抜きたいらしい。
「ええ? んー、なら、お母さまに何が欲しいか、または、して欲しいか、それとなく聞いてみたら?」
「うん!」
ルゥは真剣な顔で頷いて、走って帰っていった。
「しばらくここにいるなら、爺さんを気にかけてやってくれ。この頃、身体がしっかりしてなくてさ」
アリアンロッドが快諾したら、彼女は満足げに駆けていった。
アリアンロッドにとってはここで老人の手伝いをするほかないのだし、気にかけることは構わない。というかそれを建前にしてここに居座り、彼女について探らなくてはならないのだ。胸に聖痕があるのかどうか。ないとしてもこれからかもしれない。今ここで自身と彼女が出会ったことには、何らかの意味があるはずだ。
そんな推論以上に──感じる。きっと彼女は国の求める後継者なのだろうと。
聖女には備わっているのだ。同類のシンパシーというものが。次代を見つける千里眼というのは、「感」なのだ。身体の奥底から湧き上がる「感情」。
会ったばかりなのに愛おしく思う。そばにいればいるほど、話せば話すほど、彼女を愛しく思うようになる予感がある。
アリアンロッドは、“先代大聖女も私と出会った頃、そのような思いであったのだろうか”と、ほかほかした空気に包まれ、借り小屋に向かった。
◇
小屋に着いていったん立ち止まった。すぐそばに、同じ大きさの家が2軒建っている。どっちかな、と入ってみたら片付けてあったので正解の方だ。老人には子どもがふたりいたのかと考えながら、炉で夜の支度を始めた。
小さい部屋だが収納棚がいくつか用意されている。借りた衣服の替えや敷物などをしまっておけて快適だ。
アリアンロッドはその夜、藁の即席ベッドでぐっすり眠り、朝、起きたら着替えを棚の上に置かれたカゴに置いた。
その時、カゴの隣の、長方形の木箱が目に入った。
「何か入ってるのかな」
妙に気になり開けてみる。そこにあったのは、柄の端が輪になっている、ナイフのような道具だった。
「青銅のナイフ……? でも柄の尾が丸……んー、輪になってて、使いにくそう」
やはり気になるので、刃を葉でくるんで懐に忍ばせた。
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アリアが「ナイフ」と言っている道具のシルエットです。↑
おや、なんか見覚えありますね……。
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外に出たら、ちょうど老人が大きなカゴを持って出かけようとしている。川へ洗濯に行くというので、アリアンロッドは積極的に手伝いを申し出た。
「宿代以上の働きしますよ!」
◇
川まで歩く途中、アリアンロッドはふたつある小屋について尋ねた。
「さっきもう一つの方ものぞいてみたけど、同じ大きさで、同じように作られた部屋ですよね」
「ああ、息子が二人おったんでね」
老人には三人子どもがいて、いちばん上が娘、下の二人は双子の息子だったようだ。うち二人は既に亡くなっている。
「寂しいですね……」
「いささか長生きしすぎたようだ」
彼は寂しく笑う。
「じゃあその残るひとりの息子さん?はどこに?」
「死んだとは聞かんし、どっかにおると思うが……もう10年ほど疎遠でよう分からん」
「10年!?」
これは確実に何かあったのだろうが、聞いていいものか彼女には分からないので。
「えっと、奥様は?」
とりあえず話題を逸らした。
「妻が逝ったのも10年前なんだ」
アリアンロッドは、長生きも考えものだな、と新しい見解を得た。きっと奥方も長生きの方だったろうに。
「やっぱり奥様と一緒に物作りをしていたんですか?」
「ああ、妻は俺よりずっと、物作りの才能があってな。妻も子どもの頃、家族とどっかからこの島にやって来たんだよ。あいつは鍛冶屋の一族の出でなぁ」
流れ着いた渡来人の文化を取り入れることで、この島の暮らしは緩やかに、豊かになっている。
「近くの山で銅が採れるから、それでいろいろ考案して作っとったよ。あいつは鍛冶の技術だけじゃなくて、新しいものを考えるセンスもあったんだ」
「すごーい! ……あ、じゃあもしかしてこれ!?」
洗濯の手を止めて、アリアンロッドは懐から例のナイフを出した。
「ああ、それは妻が息子に残したもんだ。あいつの最後の作品でな、大作だって言っとったかなぁ」
彼は笑った。そしてその後に溜め息をついた。アリアンロッドは彼のその態度にも違和感を持ったが、なによりこのおかしな形のナイフが大作、というのも不思議だ。
「これ、ナイフですよね?」
「うん? そうだなぁ」
「でもこれ、変ですよね」
木の刀柄の端が輪になっている。使えなくはないが握ると妙な感覚だ。それに刃をよく見ると、表側にしか刃先がないのだ。そして裏側はどうなっているかというと、非常に細かい横溝が、柄の方までびっしりと刻まれている。
「こんなナイフは見たことがないし、これ、本当に何か切れるのかしら?」
老人はそれを手に取ったが、やはり細かいところはもう見えないらしい。触れればそのざらざらした感覚は得られる。
「……これは俺にとって、いわくつきの品でなぁ」
「いわく? 奥方の霊が憑いているとか?」
「それならむしろ嬉しいさ。そういうことじゃなく……身内の恥をさらすようだが……」
老人は恥とは言うが、昔話がしたくなったようだ。
それは妻が亡くなった後、息子らが兄弟喧嘩をして、片方がこのナイフで片方を刺したという話だった。
怪我をした息子はここを離れ、北の村の方で暮らした。もう一人の息子も父親に咎められ居づらくなり家を出た。こうして家族はばらばらになった。
「どうしてそんなことに……」
「あいつは詳しく語らんかったが……自分だけ母の手作りのナイフをもらえんかったことを、気に病んだふうだったかなと、今思えば……」
「? 奥様は、片方の子だけに渡したんですか?」
「俺はよく分からんのだよ。いつ妻がそれを双子の片方に渡したのか、どうして片方だけなのか。確かにそっちの息子は、子どもの頃から素直ないい子でな。逆にもうひとりは反抗してばっかの怠け者だった。かと言って、あいつが片方だけに何かを渡すなど……ん?」
そのナイフに指先で触れていたところで、老人は何やらに気付いた。
「何か?」
「俺の記憶が確かなら、このナイフの真ん中は……」
アリアンロッドが彼の言う、柄と刃の境目部分を見ると、丸い突起が付いている。
「ぼこっとしとるよなぁ、ここ?」
「ええ」
「息子が兄を刺しちまったナイフ……その真ん中は穴が開いとったはずなんだが」
「穴??」
その後、洗濯から帰ったらルゥが来ていて、本日の彼女もせっせとヨモギを摘んでいた。アリアンロッドは一緒に摘みながら、ルゥに老人の息子について尋ねてみた。
「おじいさんの息子は村に住んでいるのかな?」
「あー、西の村の隅っこに住んでるな。その日暮らしな感じで」
「そう、一緒に暮らせばいいのにね」
ルゥは言う。
「きっと後悔してるんだ。親が死ぬ前に孝行してやらなかったって。だから逃げてるんだよ」
アリアンロッドは、子どものわりに孝行なんて立派なことを考えるんだ、と舌を巻いた。
「でもお母さんが逝った後に後悔して逃げて、お父さんにもできなかったら何の反省にもなってないじゃない」
「反省して、それが生かせるような奴なら、最初から苦労しないだろ」
子どものくせに一丁前に言う、と思ってしまう。
「よし、俺に任せろ。爺さんの駄目息子をここに連れてきてやるよ」
ルゥは自信ありげに言った。そこで、
「俺も、母さまに何かしてやりたいんだ」
と、普段より溜めている思いを吐き出した。
「ん?」
「なんか母さまが望むこと叶えてやりたい!」
だからか、老人の息子にも同情する部分がある様子。
「親孝行ねぇ。家のお手伝いを毎日してることが孝行じゃないの?」
「そんなの誰でもやってることじゃないか。そうじゃなくて、母さまの死ぬまでに叶えたい望みをこの俺が!」
どうやらきょうだいを出し抜きたいらしい。
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