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【 第十二章 】 それぞれの価値
② ずっとこのまま
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「ほう、女性がひとりで旅をしているのか」
小さな木造りの家に通されると、少年に祖父を紹介された。
祖父は齢60ほどだろうか、日々の農作業でよく日焼けした、健康的な農夫であった。その表情や眼光など、年齢を感じさせる深みのある人物だ。
アリアンロッドはいつもの交渉に入る。
「しばらく泊めてもらいたいんです。農作業、狩り、炊事洗濯、なんでもやります!」
彼にか細い女性の申し出を断る理由もない。それに孫が彼女を気に入っているようだ。
「近くに持ち家があるから使えばいいよ。蜘蛛の巣だらけだから、今から掃除しなくてはな」
「ありがとう!」
ただ彼は不思議に思う。旅の途中と言っているのに彼女に手荷物はないし、着ているものがとても上質だ。
そのうち話してくれるだろうか、と考え、彼は自分たちのことを話した。彼らは血の繋がった祖父と孫ではなく、少年、テーハは、拾い子だった。実子たちの巣立った後、彼とその妻はみなしごだったテーハを乳児院から引き取り育てた。
妻は2年前他界したが、テーハは彼女を本当の母のように慕っていた。それは聞けば聞くほどアリアンロッドの好きな、「心温まる話」であった。
翌朝からアリアンロッドは精力的に仕事をこなした。本当に家事はなんでも引き受けるし、女であるのに狩りにも付いていける。その技量は半端でない。10日も過ぎると少年と祖父は、彼女がとても好きになった。
アリアンロッドもこうやって知らないところで過ごしていると、現実から一時、目を伏せて、朗らかでいられた。
なので今までまず旅先で聞いていた、“ここはいつのどこであるのか”を、彼らに尋ねることはしなかった。然るべき時に元の世界へ戻されることも分かっているからだ。
(でも、どうして私はここに飛ばされたのかしら。神は気まぐれ。今までだって、理由なき処へ飛ばされてたことあったんじゃ……)
「あれ? あったっけ??」
どれもこれも神が彼女を愛でるがゆえの神隠しだということを、彼女は心得ていない。
その後、数日間、しとしと雨が続き、外での仕事ははかどらなかった。アリアンロッドは祖父と縄を作る作業などをしていた。
一方、テーハは悪天候でもここぞとばかりに洞窟へ出かけて、朝から晩まで掘り続けていた。それをちょくちょくアリアンロッドも手伝った。
「もっと広くなったらここを整えて、祖父さんに住んでもらうんだ」
アリアンロッドは今でも住めなくはなさそうだと思ったが、彼はもっと広くて快適な住居を想像しているらしい。
「ああ、一緒に住むからもっと広くね。それなら、いつ頃になるの?」
「何年かかるかなぁ!?」
どうにも楽しみだという彼に、ふとアリアンロッドは考えた。そうはいっても彼の祖父はもういい年だ。健康そうに見えてもほぼ長老の域なのだ。
しかしそんなことは口にせずともよいのだろうし、引き続き少年の夢を聞いていた。彼の口ぶりだと、今後も彼は子どものままで、祖父は元気な長老のまま、何も変わっていかないような印象を受ける。今の温かい暮らしが永遠に続いていくと、信じて疑わないのだろう。
自分も12の頃はそうだったかもしれない、と思い出に浸りながら、アリアンロッドは力いっぱい踏み鋤を振り落とした。
◇◆◇
いったん雨が止んだ日の昼間、家の畑のものを採っている時、祖父がアリアンロッドに語りかけた。
「君が何者なのかは、この際聞くつもりもないのだが」
アリアンロッドは相槌を打つ。その頃、遣いに出ていたテーハが家の垣根のところまで帰っていたのを、彼女はちらりと横目にした。
「お願いしたいことがある。テーハを頼みたいのだ」
「頼む、というのは?」
「テーハを引き取ってもらえないかと」
彼はいつになく真剣な表情だ。
「……私はただの旅人ですよ?」
「君が初め着ていたものは、我々には手の出ない上質のものであったし、君の雰囲気から、きっと高貴な家の女性なのだろうと思ったんだ。図々しい願いだと分かっているが、あの子に知識を授けてやれたらと、日頃から考えていてな……」
「街の人も、そういった願いがあるのですね……」
「ただの民草が望むことではないよな。俺も実子を育てていた間は食わせることだけに精一杯で、こんな考えは浮かびもしなかった」
彼は、身分制に反発しようと思っているわけではないと念を押す。
「しかしテーハはあれでなかなか賢い子ではないかとね。機会さえあれば、地域の役に立つことができる男になるかもしれない」
「いいと思います。武功を立てて役人になる民がいるように、持つ教養を証明して出世する民がいてもいい。ただ知力は武力と違って、特別に磨く機会がないとね」
「そうなんだよ。だから、下働きとしてで構わない。あの子に多少の学びの機会を与えてもらえないかと」
アリアンロッドとしては、これが自身の住む世でのことなら、前向きに考えるところだった。しかし、いつか戻らなくてはならない。うまく連れて帰れる気もしない。
「……考えてみます……」
何より自身ももう、いつどうなるか分からない身の上なのだ。安請け合いは、やはりできない。
この時、いつまた雨が降るかという空模様だったので、大人たちはこの隙に外の仕事に精を出していた。アリアンロッドも慌ただしく手伝っていたのだが。
夕方になってもテーハは帰ってこない。ふたりは心配になった。近所の人も見ていないという。すぐ日は暮れ、もしかしたら友人のところにいるのかもしれない、翌朝探しに出ようという話になった。
朝、ふたりは早くから近場を回ったが、友人知人のところにもおらず、次は例の洞窟に向かった。
「今までもこんなことあったんですか?」
「叱った際に、洞窟に一晩隠れていたことは幾度かあったが、昨日は何もなかったよな……」
アリアンロッドは、そういえば彼は一度帰ってきたような、と思い出した。
洞窟をのぞいてみたが、結局そこにはいなかった。一度戻ってまた近所を探しても、昼を過ぎても帰ってこない。小雨がまた降り始め、近所の人らも共に、今度は洞窟の向こうの森に足を延ばしてみようとなった。
森に入ったところでいったん祖父とアリアンロッド、協力者らと二手に分かれた。祖父は声を張り上げテーハの名を呼ぶが、返事は一向に返ってこない。
「ここには来てないのかしら」
「いや、以前一度、この森の奥でふてくされていたこともあった。確かその時は……」
彼は思い立ったようで、さらに奥へ進んでいった。
「もうすぐ行ったところに崖のくぼみがある。子どもたちの、たまの遊び場になっているところなんだが」
そこを抜けたら、幅の狭い川を挟んだ崖の向こう側、下方の岩崖のえぐれたところに、うずくまるテーハをふたりは見つけた。
「テーハ!」
祖父は今のところ彼が無事であることに安心したようだが、一刻も早く保護しなくてはいけない。そこで少年は何か必死に叫ぼうとしているのだが、ふたりには聞こえてこない。
「もしかして、声が出なくなってるの!?」
しかも自力で動けないようだ。足を怪我しているのかもしれない。
「今行くからな!」
深い谷になっているそこは、降り続いた雨で増水している。今もまだ雨は続き、狭い谷川の水位は更に上がる。向こう側はこちらより低い。あとどれくらいもつだろう。
「向こう側へはどうやって!?」
「少し行くと、つり橋が掛かっている!」
それを伝って子どもたちはよくあちら側へ行っていた。橋の向こうも崖のえぐれで狭い通路となっており、その少年のいる行き止まりは袋のように広くなっている。
確かにつり橋はあるが、それは今にも切れ落ちそうだ。
アリアンロッドは渡るべきではなかったが、それに気付かず彼について行った。
この状況に、冷静でいられるわけもなく、祖父もアリアンロッドに、そちらに残るよう指示を出す余裕はなかった。
アリアンロッドが渡りきるというその時、つり橋はとうとう切れて落ちた。その直前、間一髪で彼は、彼女の手を引っ張った。
「あ、ありがとう……」
すでにアリアンロッドは真っ青な顔になっているが、さらに今、ハッと気付いた。
(ここからどうやって戻るの……?)
小さな木造りの家に通されると、少年に祖父を紹介された。
祖父は齢60ほどだろうか、日々の農作業でよく日焼けした、健康的な農夫であった。その表情や眼光など、年齢を感じさせる深みのある人物だ。
アリアンロッドはいつもの交渉に入る。
「しばらく泊めてもらいたいんです。農作業、狩り、炊事洗濯、なんでもやります!」
彼にか細い女性の申し出を断る理由もない。それに孫が彼女を気に入っているようだ。
「近くに持ち家があるから使えばいいよ。蜘蛛の巣だらけだから、今から掃除しなくてはな」
「ありがとう!」
ただ彼は不思議に思う。旅の途中と言っているのに彼女に手荷物はないし、着ているものがとても上質だ。
そのうち話してくれるだろうか、と考え、彼は自分たちのことを話した。彼らは血の繋がった祖父と孫ではなく、少年、テーハは、拾い子だった。実子たちの巣立った後、彼とその妻はみなしごだったテーハを乳児院から引き取り育てた。
妻は2年前他界したが、テーハは彼女を本当の母のように慕っていた。それは聞けば聞くほどアリアンロッドの好きな、「心温まる話」であった。
翌朝からアリアンロッドは精力的に仕事をこなした。本当に家事はなんでも引き受けるし、女であるのに狩りにも付いていける。その技量は半端でない。10日も過ぎると少年と祖父は、彼女がとても好きになった。
アリアンロッドもこうやって知らないところで過ごしていると、現実から一時、目を伏せて、朗らかでいられた。
なので今までまず旅先で聞いていた、“ここはいつのどこであるのか”を、彼らに尋ねることはしなかった。然るべき時に元の世界へ戻されることも分かっているからだ。
(でも、どうして私はここに飛ばされたのかしら。神は気まぐれ。今までだって、理由なき処へ飛ばされてたことあったんじゃ……)
「あれ? あったっけ??」
どれもこれも神が彼女を愛でるがゆえの神隠しだということを、彼女は心得ていない。
その後、数日間、しとしと雨が続き、外での仕事ははかどらなかった。アリアンロッドは祖父と縄を作る作業などをしていた。
一方、テーハは悪天候でもここぞとばかりに洞窟へ出かけて、朝から晩まで掘り続けていた。それをちょくちょくアリアンロッドも手伝った。
「もっと広くなったらここを整えて、祖父さんに住んでもらうんだ」
アリアンロッドは今でも住めなくはなさそうだと思ったが、彼はもっと広くて快適な住居を想像しているらしい。
「ああ、一緒に住むからもっと広くね。それなら、いつ頃になるの?」
「何年かかるかなぁ!?」
どうにも楽しみだという彼に、ふとアリアンロッドは考えた。そうはいっても彼の祖父はもういい年だ。健康そうに見えてもほぼ長老の域なのだ。
しかしそんなことは口にせずともよいのだろうし、引き続き少年の夢を聞いていた。彼の口ぶりだと、今後も彼は子どものままで、祖父は元気な長老のまま、何も変わっていかないような印象を受ける。今の温かい暮らしが永遠に続いていくと、信じて疑わないのだろう。
自分も12の頃はそうだったかもしれない、と思い出に浸りながら、アリアンロッドは力いっぱい踏み鋤を振り落とした。
◇◆◇
いったん雨が止んだ日の昼間、家の畑のものを採っている時、祖父がアリアンロッドに語りかけた。
「君が何者なのかは、この際聞くつもりもないのだが」
アリアンロッドは相槌を打つ。その頃、遣いに出ていたテーハが家の垣根のところまで帰っていたのを、彼女はちらりと横目にした。
「お願いしたいことがある。テーハを頼みたいのだ」
「頼む、というのは?」
「テーハを引き取ってもらえないかと」
彼はいつになく真剣な表情だ。
「……私はただの旅人ですよ?」
「君が初め着ていたものは、我々には手の出ない上質のものであったし、君の雰囲気から、きっと高貴な家の女性なのだろうと思ったんだ。図々しい願いだと分かっているが、あの子に知識を授けてやれたらと、日頃から考えていてな……」
「街の人も、そういった願いがあるのですね……」
「ただの民草が望むことではないよな。俺も実子を育てていた間は食わせることだけに精一杯で、こんな考えは浮かびもしなかった」
彼は、身分制に反発しようと思っているわけではないと念を押す。
「しかしテーハはあれでなかなか賢い子ではないかとね。機会さえあれば、地域の役に立つことができる男になるかもしれない」
「いいと思います。武功を立てて役人になる民がいるように、持つ教養を証明して出世する民がいてもいい。ただ知力は武力と違って、特別に磨く機会がないとね」
「そうなんだよ。だから、下働きとしてで構わない。あの子に多少の学びの機会を与えてもらえないかと」
アリアンロッドとしては、これが自身の住む世でのことなら、前向きに考えるところだった。しかし、いつか戻らなくてはならない。うまく連れて帰れる気もしない。
「……考えてみます……」
何より自身ももう、いつどうなるか分からない身の上なのだ。安請け合いは、やはりできない。
この時、いつまた雨が降るかという空模様だったので、大人たちはこの隙に外の仕事に精を出していた。アリアンロッドも慌ただしく手伝っていたのだが。
夕方になってもテーハは帰ってこない。ふたりは心配になった。近所の人も見ていないという。すぐ日は暮れ、もしかしたら友人のところにいるのかもしれない、翌朝探しに出ようという話になった。
朝、ふたりは早くから近場を回ったが、友人知人のところにもおらず、次は例の洞窟に向かった。
「今までもこんなことあったんですか?」
「叱った際に、洞窟に一晩隠れていたことは幾度かあったが、昨日は何もなかったよな……」
アリアンロッドは、そういえば彼は一度帰ってきたような、と思い出した。
洞窟をのぞいてみたが、結局そこにはいなかった。一度戻ってまた近所を探しても、昼を過ぎても帰ってこない。小雨がまた降り始め、近所の人らも共に、今度は洞窟の向こうの森に足を延ばしてみようとなった。
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彼は思い立ったようで、さらに奥へ進んでいった。
「もうすぐ行ったところに崖のくぼみがある。子どもたちの、たまの遊び場になっているところなんだが」
そこを抜けたら、幅の狭い川を挟んだ崖の向こう側、下方の岩崖のえぐれたところに、うずくまるテーハをふたりは見つけた。
「テーハ!」
祖父は今のところ彼が無事であることに安心したようだが、一刻も早く保護しなくてはいけない。そこで少年は何か必死に叫ぼうとしているのだが、ふたりには聞こえてこない。
「もしかして、声が出なくなってるの!?」
しかも自力で動けないようだ。足を怪我しているのかもしれない。
「今行くからな!」
深い谷になっているそこは、降り続いた雨で増水している。今もまだ雨は続き、狭い谷川の水位は更に上がる。向こう側はこちらより低い。あとどれくらいもつだろう。
「向こう側へはどうやって!?」
「少し行くと、つり橋が掛かっている!」
それを伝って子どもたちはよくあちら側へ行っていた。橋の向こうも崖のえぐれで狭い通路となっており、その少年のいる行き止まりは袋のように広くなっている。
確かにつり橋はあるが、それは今にも切れ落ちそうだ。
アリアンロッドは渡るべきではなかったが、それに気付かず彼について行った。
この状況に、冷静でいられるわけもなく、祖父もアリアンロッドに、そちらに残るよう指示を出す余裕はなかった。
アリアンロッドが渡りきるというその時、つり橋はとうとう切れて落ちた。その直前、間一髪で彼は、彼女の手を引っ張った。
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