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第5章:会長と勇者
第12話:ミカエルちゃんはちょっとおバカ?
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「このダンジョン内では、時が止まっている?」
「ああ、外部とは隔絶された時の中に居るとでも思って貰えたら」
「ということは、外の時間は止まっているというのか?」
俺の言葉に、ミカエルが驚きの表情を浮かべている。
「えっと……俺、報告しましたよね?」
「いや、てっきりすぐに逃げ出したのを誤魔化す為の例えだとばかり……」
「俺、そんなに信用無いっすか?」
ローレルが恐る恐ると言った様子で、ミカエルに訪ねたがバッサリと斬って捨てられる。
信用があるかどうかは別として、この子は色々と思い込みが強い子だという事が分かった。
どうにかやり取りができるようになったが、さっきまで半べそでグチグチ言っていた内容も酷いもんだったわ。
悪い奴が正義の味方に勝てる訳が無いとか。
「俺、自分の事悪いと思って無いし……むしろ何もしてないよね?」
「言ってる意味がわかんないー!」
「いやいやいや、俺……他のダンジョン以外攻めて無いし……町とか人に被害出た?」
「ローレル達がやられたし」
「それ、そっちが勝手に侵入してきたからだよね? 普通知らない人の家にいきなり入り込んだら殺されても文句言えないよね?」
「……」
ミカエルが黙り込む。
「ミカエル様……ヘンリー王子が」
「そうだ! お前らヘンリー王子を攫ったじゃ無いか!」
「いや、それはお前がそこらのちっちゃいダンジョンを荒らして回るからだろ? お前をおびき寄せる為だけに攫っただけだし」
「魔物が人間にとって害悪だから滅ぼしただけだろ!」
「そっちの都合じゃねーか! 大体ダンジョンマスターってのはそこの王だぞ? でもって、そこの魔物や魔族は住民なんだ。一つの生活圏が出来上がってるのに土足で踏み込んで、暴れ回って王族家臣住民皆殺しってどこの蛮族だよ!」
「知るか! 王だかなんだか知らないが、ただの魔物や魔族じゃないか!」
「それはこっちも同じだ! 王子だか勇者だか知らねーが、ただの人間じゃねーか」
「……それは違う! 王子様は国を将来国を背負う重要な方だ」
「分からねー奴だな! ダンジョンマスターってのは、既にダンジョン内の住人の生活を背負ってんだぞ?」
「所詮、魔物の中の話だろ?」
「だから、それはブーメランだってなんべん言えば分かんだよ! 王子の地位なんてのは人間の中の話じゃねーか」
「あんまり、難しい事を言うな! ちょっと黙れ!」
「おまっ! 頭悪いな!」
『マスターが、頭悪いと思うなど相当ですね』
「お前も黙れ!」
「お前が黙れ!」
「お前じゃねー!」
凄く疲れる。
ローレルはオロオロしてるだけだし、カオルちゃんはいつの間にか傍に来ていたファングをモフってるし。
お前らも、少しは参加しやがれ!
「そもそも、魔王は勇者に倒されるべきだ!」
「俺は、魔王なんてイタイ存在じゃねー!」
「なっ! 馬鹿な!」
「馬鹿なって、馬鹿はお前だ! 俺はただのダンジョン相互互助保護会のただの会長だ」
「なんだ、そのソウゴゴジョホゴ界ってのは? 天界や地獄以外の世界の事か?」
「なんで、こんなにこいつは頭が悪いんだよ!」
それからかなりの時間を掛けて、俺の立場や活動を理解してもらった。
理解はしてもらったが、納得はしていないらしい。
「結局、お前らんとこの魔物が人を襲ってるんだろ?」
「だから、それを止めさせるのも込みで活動内容だっつってんだろ?」
「でも、現に魔物の被害は……」
「野生の魔物まで俺達のせいにするなよ! 言っただろ? ダンジョンが魔力を回収して地上から魔力が消えたら魔物は居なくなるって」
「あー、野生の魔物もダンジョンの魔物も一緒だろ?」
「じゃあ、お前は夜盗に襲われたら、その国の王が悪いつって王を殺しに行くのかよ!」
「それとこれとは話が別だ!」
「一緒だよ! むしろ知能を持たない動物相手の分、こっちの方が簡単だろ!」
と終始かなり、思い込みだけで話をする頭の固い子だった。
まあ、人間の立場っていうのも分からなくもないけど。
ましてや勇者だしね。
っていうかさ……なんでローレルまでファングをモフってるんだ?
いつの間にやら、カオルちゃんが動物系の魔物集めてるし。
いま、大事なお話をしてるとこなんだけど?
――――――
「すまない、取り乱した。で、ヘンリー王子は無事なんだな?」
「ああ、さっきまでそこのフェンリルに乗って、牧場エリアで動物と触れ合ってはしゃいでたぞ?」
「なんだ、牧場エリアってのは?」
「えっ? この狼フェンリルなの?」
ミカエルの疑問より大きな声で、ローレルが大声で驚いてた。
撫でられてたファングが一瞬ビクッてなるくらい。
「簡単に俺を噛み殺せる魔獣……」
ローレルの顔が急に青くなったので、ファングが心配して嘗めてあげてる。
「ひっ! あっ、気遣ってくれてるのか。可愛いなお前」
やらんぞ?
あと、意外と適応能力高いなお前。
流石、元勇者なのに勇者の補佐を簡単に引き受けるだけの事はある。
「だから、お前をおびき寄せるための罠の為だけに攫ったつったろ? 大体王城のパニックルームに国王も王妃も王子も居たんだから、そいつら殺す方がよっぽど簡単だし」
「確かに……」
「さらに言えば、俺が本気出して眷族引き連れてったら国の1つなんて簡単に堕とせるから」
「分かったが……引き下がる事は出来ない」
面倒くせーなこいつ。
『何者かが、ダンジョン内の時間軸に干渉しようとしております……恐らく、チジョーン様に使える神の一柱のカイロスかと』
まだ、こっちが解決してないのに新たな厄介事のニホイ。
もう、やだよ。
「ああ、外部とは隔絶された時の中に居るとでも思って貰えたら」
「ということは、外の時間は止まっているというのか?」
俺の言葉に、ミカエルが驚きの表情を浮かべている。
「えっと……俺、報告しましたよね?」
「いや、てっきりすぐに逃げ出したのを誤魔化す為の例えだとばかり……」
「俺、そんなに信用無いっすか?」
ローレルが恐る恐ると言った様子で、ミカエルに訪ねたがバッサリと斬って捨てられる。
信用があるかどうかは別として、この子は色々と思い込みが強い子だという事が分かった。
どうにかやり取りができるようになったが、さっきまで半べそでグチグチ言っていた内容も酷いもんだったわ。
悪い奴が正義の味方に勝てる訳が無いとか。
「俺、自分の事悪いと思って無いし……むしろ何もしてないよね?」
「言ってる意味がわかんないー!」
「いやいやいや、俺……他のダンジョン以外攻めて無いし……町とか人に被害出た?」
「ローレル達がやられたし」
「それ、そっちが勝手に侵入してきたからだよね? 普通知らない人の家にいきなり入り込んだら殺されても文句言えないよね?」
「……」
ミカエルが黙り込む。
「ミカエル様……ヘンリー王子が」
「そうだ! お前らヘンリー王子を攫ったじゃ無いか!」
「いや、それはお前がそこらのちっちゃいダンジョンを荒らして回るからだろ? お前をおびき寄せる為だけに攫っただけだし」
「魔物が人間にとって害悪だから滅ぼしただけだろ!」
「そっちの都合じゃねーか! 大体ダンジョンマスターってのはそこの王だぞ? でもって、そこの魔物や魔族は住民なんだ。一つの生活圏が出来上がってるのに土足で踏み込んで、暴れ回って王族家臣住民皆殺しってどこの蛮族だよ!」
「知るか! 王だかなんだか知らないが、ただの魔物や魔族じゃないか!」
「それはこっちも同じだ! 王子だか勇者だか知らねーが、ただの人間じゃねーか」
「……それは違う! 王子様は国を将来国を背負う重要な方だ」
「分からねー奴だな! ダンジョンマスターってのは、既にダンジョン内の住人の生活を背負ってんだぞ?」
「所詮、魔物の中の話だろ?」
「だから、それはブーメランだってなんべん言えば分かんだよ! 王子の地位なんてのは人間の中の話じゃねーか」
「あんまり、難しい事を言うな! ちょっと黙れ!」
「おまっ! 頭悪いな!」
『マスターが、頭悪いと思うなど相当ですね』
「お前も黙れ!」
「お前が黙れ!」
「お前じゃねー!」
凄く疲れる。
ローレルはオロオロしてるだけだし、カオルちゃんはいつの間にか傍に来ていたファングをモフってるし。
お前らも、少しは参加しやがれ!
「そもそも、魔王は勇者に倒されるべきだ!」
「俺は、魔王なんてイタイ存在じゃねー!」
「なっ! 馬鹿な!」
「馬鹿なって、馬鹿はお前だ! 俺はただのダンジョン相互互助保護会のただの会長だ」
「なんだ、そのソウゴゴジョホゴ界ってのは? 天界や地獄以外の世界の事か?」
「なんで、こんなにこいつは頭が悪いんだよ!」
それからかなりの時間を掛けて、俺の立場や活動を理解してもらった。
理解はしてもらったが、納得はしていないらしい。
「結局、お前らんとこの魔物が人を襲ってるんだろ?」
「だから、それを止めさせるのも込みで活動内容だっつってんだろ?」
「でも、現に魔物の被害は……」
「野生の魔物まで俺達のせいにするなよ! 言っただろ? ダンジョンが魔力を回収して地上から魔力が消えたら魔物は居なくなるって」
「あー、野生の魔物もダンジョンの魔物も一緒だろ?」
「じゃあ、お前は夜盗に襲われたら、その国の王が悪いつって王を殺しに行くのかよ!」
「それとこれとは話が別だ!」
「一緒だよ! むしろ知能を持たない動物相手の分、こっちの方が簡単だろ!」
と終始かなり、思い込みだけで話をする頭の固い子だった。
まあ、人間の立場っていうのも分からなくもないけど。
ましてや勇者だしね。
っていうかさ……なんでローレルまでファングをモフってるんだ?
いつの間にやら、カオルちゃんが動物系の魔物集めてるし。
いま、大事なお話をしてるとこなんだけど?
――――――
「すまない、取り乱した。で、ヘンリー王子は無事なんだな?」
「ああ、さっきまでそこのフェンリルに乗って、牧場エリアで動物と触れ合ってはしゃいでたぞ?」
「なんだ、牧場エリアってのは?」
「えっ? この狼フェンリルなの?」
ミカエルの疑問より大きな声で、ローレルが大声で驚いてた。
撫でられてたファングが一瞬ビクッてなるくらい。
「簡単に俺を噛み殺せる魔獣……」
ローレルの顔が急に青くなったので、ファングが心配して嘗めてあげてる。
「ひっ! あっ、気遣ってくれてるのか。可愛いなお前」
やらんぞ?
あと、意外と適応能力高いなお前。
流石、元勇者なのに勇者の補佐を簡単に引き受けるだけの事はある。
「だから、お前をおびき寄せるための罠の為だけに攫ったつったろ? 大体王城のパニックルームに国王も王妃も王子も居たんだから、そいつら殺す方がよっぽど簡単だし」
「確かに……」
「さらに言えば、俺が本気出して眷族引き連れてったら国の1つなんて簡単に堕とせるから」
「分かったが……引き下がる事は出来ない」
面倒くせーなこいつ。
『何者かが、ダンジョン内の時間軸に干渉しようとしております……恐らく、チジョーン様に使える神の一柱のカイロスかと』
まだ、こっちが解決してないのに新たな厄介事のニホイ。
もう、やだよ。
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