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王太子妃→王妃→王太后→后王太后……疲れた
第14話:マリアンヌの行く末
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「さて侯爵……戦争の大義名分は得た。フィアンス侯爵家の至宝たるマリアンヌ様を虚仮にされて、そのまま引き下がるおつもりですか?」
「も……勿論、断固抗議させてもらいます……もらうつもりだ」
つい敬語になってしまったのかな?
マリアンヌがおたおたしてるけど、いまはあの馬鹿をぶちのめしたい気持ちでいっぱいだから彼女を気遣う余裕なんて微塵もない。
「抗議するだけですか? 婚約は破棄されなくても?」
「向こうの出方次第ですな。とぼけるようならこちらにも考えがある」
「ふふ……幸い陛下は子だくさんですからね。代わりはいくらでもいますし。そうですねぇ……せいぜい生涯側妃を娶らない制約くらいは、結んでもらいましょう」
「それは、流石に断られるのではないか?」
「結婚前にその程度の誠意も示せない相手とか……」
「その程度だから、あんなふざけた事をマリアンヌに抜かすのだ!」
「宜しい、ならば戦争だ!」
「おう!」
「おう! じゃありませんわ! お父様、どうなさったのですか?」
「絶対強者の御意を得たのだ! 問題あるまい!」
私の言葉に、フィアンス侯爵が鼻息を荒くして大きく頷いている。
そしてマリアンヌが首を傾げている。
「お……お父様、その彼女は平民でして」
「ふむ……そう聞いていたが、生まれながらの王者の資質があるのだろう。彼女であれば、あの第一王子の手綱を握ることはできるだろうから……確かにお前が正妃で彼女が側妃なら安心できそうなのだが」
「魅力的ではあるが、生憎と私は馬鹿が嫌いでね」
「エリスさん……正直すぎます。その方に、私は嫁ぐことになるのですが」
馬鹿を馬鹿と言って何が悪いんだい! と、王太后だったころの私でも、怒鳴ってるだろうね。
「正直、幸せになれるとは思えんね。婚約を破棄するかあの馬鹿を矯正するしか、マリアンヌが幸せになる未来は無いと思うよ」
「とうとう、呼び捨て……」
「ふむ、婚約破棄を視野に、少し方針を考える必要がある……か」
「お父様も、この状況を当たり前のように受け入れないでください!」
確かに……最初こそ使用人たちも固唾を飲んで見守っていたが、いまはどこか遠い目をしている。
「なんというか……ご友人からは先代の王妃に似た圧力を感じるのだが」
「あの、聖母として名高いアレクサンドリア王太后ですか? ただし、決して怒らせてはいけないとのお話ですが」
「ああ、アレクサンドリア様が怒る一歩手前の雰囲気が、今の彼女にそっくりなのでね……つい、萎縮してしまって」
まあ、アレクサンドリア様はあの馬鹿に泣かされてばかりの私を叱咤激励して、裏で色々と叩き込んでくれた方だからね。
おかげで、王妃になるころにはほとんどの貴族を掌握することができて、あの馬鹿の力をだいぶ削ぐことができたが。
しかしあの立派な女性の孫が、なんであんな馬鹿に育ったのか分からないけど。
どうも、王妃の教育が悪かったようだ。
先代王妃の申し出を断って、自分であの馬鹿の教育を主導した結果があの馬鹿だ。
そのくせ、私の息子を取り上げるとか。
馬鹿のときの反省を生かして、今度こそ立派な王族をとはっちゃけたらしいけどね。
根本が、甘やかしいなのだろう。
違う意味で、残念な結果だったとしか言いようがない。
「とりあえず、私はあの馬鹿の側妃はまっぴらごめんだよ。関わりたくもないんでね! ということで、話も終わったみたいだし、そろそろお暇させてもらおうかね」
「お待ちください! 今日は、もう遅いので泊まっていらしてください」
流石に、急にお泊りは迷惑……いや、拉致されて連れて来られた時点で、私が迷惑を掛けられている側か。
謝罪代わりに、美味しい料理と柔らかい寝具を提供してもらってもいいかねぇ。
「しかし、「その、お友達が泊まりにこられるのに憧れてまして、ベッドで寝るまでおしゃべりもしたいですし」」
……変に懐かれちゃったねぇ。
まあ、このモードの時の彼女は、親しみやすいし。
まあ、いいかねぇ。
「も……勿論、断固抗議させてもらいます……もらうつもりだ」
つい敬語になってしまったのかな?
マリアンヌがおたおたしてるけど、いまはあの馬鹿をぶちのめしたい気持ちでいっぱいだから彼女を気遣う余裕なんて微塵もない。
「抗議するだけですか? 婚約は破棄されなくても?」
「向こうの出方次第ですな。とぼけるようならこちらにも考えがある」
「ふふ……幸い陛下は子だくさんですからね。代わりはいくらでもいますし。そうですねぇ……せいぜい生涯側妃を娶らない制約くらいは、結んでもらいましょう」
「それは、流石に断られるのではないか?」
「結婚前にその程度の誠意も示せない相手とか……」
「その程度だから、あんなふざけた事をマリアンヌに抜かすのだ!」
「宜しい、ならば戦争だ!」
「おう!」
「おう! じゃありませんわ! お父様、どうなさったのですか?」
「絶対強者の御意を得たのだ! 問題あるまい!」
私の言葉に、フィアンス侯爵が鼻息を荒くして大きく頷いている。
そしてマリアンヌが首を傾げている。
「お……お父様、その彼女は平民でして」
「ふむ……そう聞いていたが、生まれながらの王者の資質があるのだろう。彼女であれば、あの第一王子の手綱を握ることはできるだろうから……確かにお前が正妃で彼女が側妃なら安心できそうなのだが」
「魅力的ではあるが、生憎と私は馬鹿が嫌いでね」
「エリスさん……正直すぎます。その方に、私は嫁ぐことになるのですが」
馬鹿を馬鹿と言って何が悪いんだい! と、王太后だったころの私でも、怒鳴ってるだろうね。
「正直、幸せになれるとは思えんね。婚約を破棄するかあの馬鹿を矯正するしか、マリアンヌが幸せになる未来は無いと思うよ」
「とうとう、呼び捨て……」
「ふむ、婚約破棄を視野に、少し方針を考える必要がある……か」
「お父様も、この状況を当たり前のように受け入れないでください!」
確かに……最初こそ使用人たちも固唾を飲んで見守っていたが、いまはどこか遠い目をしている。
「なんというか……ご友人からは先代の王妃に似た圧力を感じるのだが」
「あの、聖母として名高いアレクサンドリア王太后ですか? ただし、決して怒らせてはいけないとのお話ですが」
「ああ、アレクサンドリア様が怒る一歩手前の雰囲気が、今の彼女にそっくりなのでね……つい、萎縮してしまって」
まあ、アレクサンドリア様はあの馬鹿に泣かされてばかりの私を叱咤激励して、裏で色々と叩き込んでくれた方だからね。
おかげで、王妃になるころにはほとんどの貴族を掌握することができて、あの馬鹿の力をだいぶ削ぐことができたが。
しかしあの立派な女性の孫が、なんであんな馬鹿に育ったのか分からないけど。
どうも、王妃の教育が悪かったようだ。
先代王妃の申し出を断って、自分であの馬鹿の教育を主導した結果があの馬鹿だ。
そのくせ、私の息子を取り上げるとか。
馬鹿のときの反省を生かして、今度こそ立派な王族をとはっちゃけたらしいけどね。
根本が、甘やかしいなのだろう。
違う意味で、残念な結果だったとしか言いようがない。
「とりあえず、私はあの馬鹿の側妃はまっぴらごめんだよ。関わりたくもないんでね! ということで、話も終わったみたいだし、そろそろお暇させてもらおうかね」
「お待ちください! 今日は、もう遅いので泊まっていらしてください」
流石に、急にお泊りは迷惑……いや、拉致されて連れて来られた時点で、私が迷惑を掛けられている側か。
謝罪代わりに、美味しい料理と柔らかい寝具を提供してもらってもいいかねぇ。
「しかし、「その、お友達が泊まりにこられるのに憧れてまして、ベッドで寝るまでおしゃべりもしたいですし」」
……変に懐かれちゃったねぇ。
まあ、このモードの時の彼女は、親しみやすいし。
まあ、いいかねぇ。
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