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第2章:北風とカナタのバジリスク退治!~アリスの場合~
第5話:エストの村のゴブリン退治2
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それから4時間かけて何事もなくエストの村に着いた。
早速村長のところに依頼を受けて来たことを伝えないと……と思ったがすでに日が傾き始めている。
今日のところは、宿に一泊して明日の朝から尋ねた方が良いだろう。
そう思って村で唯一の宿泊施設である、旅人の宿『止まり木』に向かう。
宿は質素な造りになっていて、ロビーにはカウンターしかない。
そこに居るのは中年の男性だ。
かなり剥げてはいるが、ガタイは良い方だと思う。
少なくともアレクよりは強そうね。
「すいません4人一部屋で」
宿屋での受け付けは基本的に私が行う。
宿泊費は一部屋銀貨2枚で1人につき銀貨1枚と銅貨50枚と書いてあった。
部屋数が増えれば、それだけで2枚追加で払わないといけない。
私1人の為にもう一部屋用意してもらえるのは気が引けるしね。
「ああ、俺は自分の分は自分で出すから部屋は二部屋で」
横でカナタが勝手な事を言っている。
割と身勝手ねコイツ。
というか……報酬を4人で分けたら銀貨25枚しか無い事を分かっているのだろうか?
少しでも出費を抑えたいのが、私達新人冒険者なのに。
……でも25枚あったら、銀貨2枚くらい払ってゆっくり寝るのも悪くないわね。
カバチのいびきがかなりうるさくて、寝られない事もあるし。
「えっと、二部屋でそっちの兄ちゃんだけ別か?」
「ちょっと待って、やっぱり三部屋にして!」
「えっ? いっつも一所なのに、なんで?」
「アリス、本当は一緒の部屋が嫌だったんだな。分かった、俺とカバチで銀貨1枚づつ追加で出すよ」
アレクが男前な事を言っているが、これは私の我儘なので出してもらう訳にはいかないよね流石に。
カバチがかなり嫌そうな顔してるし。
「いやそうじゃなくて、よくよく考えたら今回の依頼料から銀貨2枚くらい払ってもいいかなって」
「それ答えになってないよ?」
「やっぱり、嫌だったんだな……配慮が足りなかったよ」
うっ……確かにカバチの言う通りだわ。
今の答えじゃ、お金が勿体ないから一緒の部屋だったけど、お金があるなら別々が良いって聞こえるわ。
「どっちでもいいから早くしない? 腹減ったんだけど」
こいつは! ったく。
まあ、いいか……
「ああ、もうこの話は終わり! いつもは一緒でも良いけど、安宿くらいは男女部屋別で取れるくらいには稼いでるんだからいいじゃない!」
「安宿……」
やばっ!
店主のおっちゃんがちょっとへこんでる……いや、価格の事だからね。
「安い宿って事ですよ! 安いは価格の事だから悪い意味じゃないですよ!」
「んっ! 確かに……だが、安宿と呼ばれると悪口っぽく聞こえるのは不思議だな」
おっちゃんが苦笑いしているが、うまく誤魔化せたようだ。
確かに言われたら、そうだよね。
安宿って、あんまりいい気分しないかも。
まあ、安い宿しか利用できな人が使う宿って事で、客層もお察しってかんじなんでしょうね。
それで、宿の質もお察しって事になるのかな?
「取りあえず、いつものところに飯食いにいくか」
「そうね……安飯屋ね……」
「まあ、この村じゃ安くしないとやっていけんからな」
店主が自虐的な事を言っているが、よくよく考えると宿屋はここしかないわけだから、もっと高くてもやっていけると思うのだけど。
でも、高すぎると誰も来なくなるから、気軽に来られる値段設定の方が良いのかもしれないね。
それからすぐ近くの酒場に移動する。
この世界では特に飲酒に年齢制限は無い。
ただし15歳以下ともなると、保護者が居ないところでは飲んではいけない事になっているが。
といっても年齢確認がある訳でもないし、割とゆるかったりもする。
「さてと、取りあえずカナタさんの入隊祝いも兼ねて今日は豪勢に行くか!」
「そうそう、今日は僕たちが出すよ」
「良いのか? そんなに余裕があるようには見えないけど」
2人がそんな事を言っているが、良く考えて欲しい。
こいつは金貨1枚の宿屋に平気で泊まるような奴だ。
今回の依頼を1人でこなしたとしても、必要経費をさっぴいたら泊まれない宿だ。
とはいえ、まあ歓迎会に関しては私もやぶさかでは無いけどね。
「好きな物を頼んでくれていいよ」
「ん? そうか? といってもこの店のおすすめも分からないから、注文は皆に任せるよ」
多分私達の財布事情を鑑みての発言だろう。
普段から良い物を食べてそうだし。
「じゃあ、まずはこの鳥の串焼きの盛り合わせと、それからスモールボアのステーキ、後はこの村の牛を使った炒め物に、あ、ワイルドディアのもも肉も!」
「ちょっと待ちなさいよ! なんで肉ばっかりなのよ! それに、そんなに食べきれるわけないじゃない!」
「カバチの歓迎会じゃないんだからな!」
カバチが凄い勢いで、肉ばかり注文を始めたので慌ててアレクと2人で嗜める。
肉食のカバチの好みの食材だけでテーブルがいっぱいになりそうだ。
「えっと……じゃあワイルドディアのもも肉は諦めるよ……」
なんであんたがガッカリしてるのよ!
というか、こいつにメニューを持たせたやつ誰だ!
「お前はもう何も頼むな! 取りあえず鳥の串盛り合わせと、ブルートラウトの塩焼き、サラダと、それからパンの盛り合わせ。エールを人数分お願いします」
カバチからメニューを取り上げたアレクが手早く注文を終わらせる。
「あっ、流石にこの村の特産の牛は食べておいた方が良くない?」
「そうだな……まあ、追加でとも思ったけどこのステーキくらいなら食べられるだろう。すいませんエスト牛のステーキ300gも、あっ、切り分けて持ってきてください」
「あらっ、貴方達久しぶりじゃない」
注文を取りに来た女性が私達を見て声をあげる。
そう言えば先々月は採取系の依頼でこの村に来たんだっけ。
その時は宿泊費込みの依頼料で、食事はこのお店の割引券を貰ってたからなんとか利益が出たくらいだったけど。
「あっ、リアナさんだ! お久しぶりです!」
妙にアレクの声が張り切っているのがイラッとする。
確かに私よりちょっと少しかなり胸が大きくて、抱けば折れそうなくびれと、ちょっとだけ透き通るような白い肌と、白魚のようなしなやかな指とが取り柄のだけの女じゃん。
顔だって全然、私の方が上だし……
ちょっと切れ長でありながらはっきりとした二重瞼に、ブルーサファイアの瞳、細く整えられた眉、キリッと通った鼻筋と、血色の良い艶のあるピンク色のぷっくりとした唇……
サラサラの濃紺色のロングヘアーを無造作に垂らしてて……艶のある髪が環状に光を纏っているくらいじゃん!
まっ……まあ、あんな女の事なんかどうでも良いわ、今はここの食事を楽しまないと。
と考えながらも、ついアレクとリアナの方をちらちらと気にしてしまう。
「あら、そっちの人はは初めましてだね!」
「ああ、こっちに観光がてらパーティに加えて貰っているカナタだ」
「宜しくね!」
「こちらこそ」
カナタが差し出された手を、爽やかな笑顔で受けている……ちっ、やっぱりあんたもボンキュッボンが良いのね! というか、この女って本当にあざといわ。
絶対自分が可愛いと思ってるんだろうけど、生憎と町に行ったらあんたクラスなんてうじゃうじゃ居るんだから。
いや、よくよく考えたらカナタっていっつも今みたいな笑顔だったわ……むしろ、この男は笑顔がデフォだから何を考えてるかさっぱり分からない。
流石ね……知ってた。
「じゃあ、今日は歓迎会?」
「そういう事になりますね」
リアナにキラキラとした目を向けられて、アレクが頬を掻きながら答えている。
アレクには効果抜群のようだけどね。
「どうでも良いから、リアナさん早くご飯持ってきてよ!」
「あ、ごめんごめん! オーダー取っただけだったわね。お父さーん! カバチが死にそうだから、取りあえずすぐ食べられそうなのもお願い! あっ! これはカナタさんの歓迎祝いって事で、サービスにしてあげるから」
そう言ってカナタに対してウィンクをするリアナ。
キーッ! なんなのよコイツは!
「わー! 有難うリアナさん!」
そして何故カバチが喜ぶ!
そう言えば、前回来た時はリアナの美貌に対してカバチも特に無反応だったっけ。
ただ、良く食べるからおやっさんにサービスしてもらって餌付けされてたよね。
「フフッ、有難うございます」
それに続くようにカナタも礼を言っている。
なんで、この男はこんな美人にウィンクされて表情一つ変わらない笑顔を維持出来るの!
というか……もしかして、この顔ってお面か何かじゃないよね?
「失礼な事考えてる?」
「なんの事?」
くっ……相変わらず、鋭い。
「まあ、こんな所じゃ収入なんて外からのお客さんがメインだからね……リピーターを作りたいんだろう。現にほらっ」
そう言ってカナタが指刺した先では、旅の行商人っぽい一行が食事を取っている。
その代表っぽい男がチラッチラッとリアナの方を見ているが、バレバレだ。
たまに目があったリアナが微笑み返すと、慌てて目を反らしているが初心なのだろう。
ちなみにおやっさんが居る厨房には一枚の張り紙が張ってある。
――――――
『リアナと結婚出来る条件』
1つ……わしより強い事
1つ……わしより料理が上手い事
1つ……お店を継ぐ事
1つ……リアナを絶対に幸せにする事
1つ……リアナに惚れさせること
――――――
うん……完全に娘まで商売道具にしちゃってるわこのお店。
まずおやっさんより強くないといけないってのが、ちょっとね……
ちなみに、おやっさんはこの条件で先代を納得させて、リアナさんの母親と一緒になったらしい。
さらにいうと、その先代は先々代に対して同じ条件でリアナさんの祖母を勝ち取ったとの事だ。
という事は、世代を経る毎に強くなる料理屋店主が居るこのお店の店主は、もしかしたらA級冒険者クラスの実力があると言われてもおかしくないかも?
というか、このお店と娘を手に入れるクエストとかって張り出したら、間違いなくBランク以上推奨と付けられるだろう。
早速村長のところに依頼を受けて来たことを伝えないと……と思ったがすでに日が傾き始めている。
今日のところは、宿に一泊して明日の朝から尋ねた方が良いだろう。
そう思って村で唯一の宿泊施設である、旅人の宿『止まり木』に向かう。
宿は質素な造りになっていて、ロビーにはカウンターしかない。
そこに居るのは中年の男性だ。
かなり剥げてはいるが、ガタイは良い方だと思う。
少なくともアレクよりは強そうね。
「すいません4人一部屋で」
宿屋での受け付けは基本的に私が行う。
宿泊費は一部屋銀貨2枚で1人につき銀貨1枚と銅貨50枚と書いてあった。
部屋数が増えれば、それだけで2枚追加で払わないといけない。
私1人の為にもう一部屋用意してもらえるのは気が引けるしね。
「ああ、俺は自分の分は自分で出すから部屋は二部屋で」
横でカナタが勝手な事を言っている。
割と身勝手ねコイツ。
というか……報酬を4人で分けたら銀貨25枚しか無い事を分かっているのだろうか?
少しでも出費を抑えたいのが、私達新人冒険者なのに。
……でも25枚あったら、銀貨2枚くらい払ってゆっくり寝るのも悪くないわね。
カバチのいびきがかなりうるさくて、寝られない事もあるし。
「えっと、二部屋でそっちの兄ちゃんだけ別か?」
「ちょっと待って、やっぱり三部屋にして!」
「えっ? いっつも一所なのに、なんで?」
「アリス、本当は一緒の部屋が嫌だったんだな。分かった、俺とカバチで銀貨1枚づつ追加で出すよ」
アレクが男前な事を言っているが、これは私の我儘なので出してもらう訳にはいかないよね流石に。
カバチがかなり嫌そうな顔してるし。
「いやそうじゃなくて、よくよく考えたら今回の依頼料から銀貨2枚くらい払ってもいいかなって」
「それ答えになってないよ?」
「やっぱり、嫌だったんだな……配慮が足りなかったよ」
うっ……確かにカバチの言う通りだわ。
今の答えじゃ、お金が勿体ないから一緒の部屋だったけど、お金があるなら別々が良いって聞こえるわ。
「どっちでもいいから早くしない? 腹減ったんだけど」
こいつは! ったく。
まあ、いいか……
「ああ、もうこの話は終わり! いつもは一緒でも良いけど、安宿くらいは男女部屋別で取れるくらいには稼いでるんだからいいじゃない!」
「安宿……」
やばっ!
店主のおっちゃんがちょっとへこんでる……いや、価格の事だからね。
「安い宿って事ですよ! 安いは価格の事だから悪い意味じゃないですよ!」
「んっ! 確かに……だが、安宿と呼ばれると悪口っぽく聞こえるのは不思議だな」
おっちゃんが苦笑いしているが、うまく誤魔化せたようだ。
確かに言われたら、そうだよね。
安宿って、あんまりいい気分しないかも。
まあ、安い宿しか利用できな人が使う宿って事で、客層もお察しってかんじなんでしょうね。
それで、宿の質もお察しって事になるのかな?
「取りあえず、いつものところに飯食いにいくか」
「そうね……安飯屋ね……」
「まあ、この村じゃ安くしないとやっていけんからな」
店主が自虐的な事を言っているが、よくよく考えると宿屋はここしかないわけだから、もっと高くてもやっていけると思うのだけど。
でも、高すぎると誰も来なくなるから、気軽に来られる値段設定の方が良いのかもしれないね。
それからすぐ近くの酒場に移動する。
この世界では特に飲酒に年齢制限は無い。
ただし15歳以下ともなると、保護者が居ないところでは飲んではいけない事になっているが。
といっても年齢確認がある訳でもないし、割とゆるかったりもする。
「さてと、取りあえずカナタさんの入隊祝いも兼ねて今日は豪勢に行くか!」
「そうそう、今日は僕たちが出すよ」
「良いのか? そんなに余裕があるようには見えないけど」
2人がそんな事を言っているが、良く考えて欲しい。
こいつは金貨1枚の宿屋に平気で泊まるような奴だ。
今回の依頼を1人でこなしたとしても、必要経費をさっぴいたら泊まれない宿だ。
とはいえ、まあ歓迎会に関しては私もやぶさかでは無いけどね。
「好きな物を頼んでくれていいよ」
「ん? そうか? といってもこの店のおすすめも分からないから、注文は皆に任せるよ」
多分私達の財布事情を鑑みての発言だろう。
普段から良い物を食べてそうだし。
「じゃあ、まずはこの鳥の串焼きの盛り合わせと、それからスモールボアのステーキ、後はこの村の牛を使った炒め物に、あ、ワイルドディアのもも肉も!」
「ちょっと待ちなさいよ! なんで肉ばっかりなのよ! それに、そんなに食べきれるわけないじゃない!」
「カバチの歓迎会じゃないんだからな!」
カバチが凄い勢いで、肉ばかり注文を始めたので慌ててアレクと2人で嗜める。
肉食のカバチの好みの食材だけでテーブルがいっぱいになりそうだ。
「えっと……じゃあワイルドディアのもも肉は諦めるよ……」
なんであんたがガッカリしてるのよ!
というか、こいつにメニューを持たせたやつ誰だ!
「お前はもう何も頼むな! 取りあえず鳥の串盛り合わせと、ブルートラウトの塩焼き、サラダと、それからパンの盛り合わせ。エールを人数分お願いします」
カバチからメニューを取り上げたアレクが手早く注文を終わらせる。
「あっ、流石にこの村の特産の牛は食べておいた方が良くない?」
「そうだな……まあ、追加でとも思ったけどこのステーキくらいなら食べられるだろう。すいませんエスト牛のステーキ300gも、あっ、切り分けて持ってきてください」
「あらっ、貴方達久しぶりじゃない」
注文を取りに来た女性が私達を見て声をあげる。
そう言えば先々月は採取系の依頼でこの村に来たんだっけ。
その時は宿泊費込みの依頼料で、食事はこのお店の割引券を貰ってたからなんとか利益が出たくらいだったけど。
「あっ、リアナさんだ! お久しぶりです!」
妙にアレクの声が張り切っているのがイラッとする。
確かに私よりちょっと少しかなり胸が大きくて、抱けば折れそうなくびれと、ちょっとだけ透き通るような白い肌と、白魚のようなしなやかな指とが取り柄のだけの女じゃん。
顔だって全然、私の方が上だし……
ちょっと切れ長でありながらはっきりとした二重瞼に、ブルーサファイアの瞳、細く整えられた眉、キリッと通った鼻筋と、血色の良い艶のあるピンク色のぷっくりとした唇……
サラサラの濃紺色のロングヘアーを無造作に垂らしてて……艶のある髪が環状に光を纏っているくらいじゃん!
まっ……まあ、あんな女の事なんかどうでも良いわ、今はここの食事を楽しまないと。
と考えながらも、ついアレクとリアナの方をちらちらと気にしてしまう。
「あら、そっちの人はは初めましてだね!」
「ああ、こっちに観光がてらパーティに加えて貰っているカナタだ」
「宜しくね!」
「こちらこそ」
カナタが差し出された手を、爽やかな笑顔で受けている……ちっ、やっぱりあんたもボンキュッボンが良いのね! というか、この女って本当にあざといわ。
絶対自分が可愛いと思ってるんだろうけど、生憎と町に行ったらあんたクラスなんてうじゃうじゃ居るんだから。
いや、よくよく考えたらカナタっていっつも今みたいな笑顔だったわ……むしろ、この男は笑顔がデフォだから何を考えてるかさっぱり分からない。
流石ね……知ってた。
「じゃあ、今日は歓迎会?」
「そういう事になりますね」
リアナにキラキラとした目を向けられて、アレクが頬を掻きながら答えている。
アレクには効果抜群のようだけどね。
「どうでも良いから、リアナさん早くご飯持ってきてよ!」
「あ、ごめんごめん! オーダー取っただけだったわね。お父さーん! カバチが死にそうだから、取りあえずすぐ食べられそうなのもお願い! あっ! これはカナタさんの歓迎祝いって事で、サービスにしてあげるから」
そう言ってカナタに対してウィンクをするリアナ。
キーッ! なんなのよコイツは!
「わー! 有難うリアナさん!」
そして何故カバチが喜ぶ!
そう言えば、前回来た時はリアナの美貌に対してカバチも特に無反応だったっけ。
ただ、良く食べるからおやっさんにサービスしてもらって餌付けされてたよね。
「フフッ、有難うございます」
それに続くようにカナタも礼を言っている。
なんで、この男はこんな美人にウィンクされて表情一つ変わらない笑顔を維持出来るの!
というか……もしかして、この顔ってお面か何かじゃないよね?
「失礼な事考えてる?」
「なんの事?」
くっ……相変わらず、鋭い。
「まあ、こんな所じゃ収入なんて外からのお客さんがメインだからね……リピーターを作りたいんだろう。現にほらっ」
そう言ってカナタが指刺した先では、旅の行商人っぽい一行が食事を取っている。
その代表っぽい男がチラッチラッとリアナの方を見ているが、バレバレだ。
たまに目があったリアナが微笑み返すと、慌てて目を反らしているが初心なのだろう。
ちなみにおやっさんが居る厨房には一枚の張り紙が張ってある。
――――――
『リアナと結婚出来る条件』
1つ……わしより強い事
1つ……わしより料理が上手い事
1つ……お店を継ぐ事
1つ……リアナを絶対に幸せにする事
1つ……リアナに惚れさせること
――――――
うん……完全に娘まで商売道具にしちゃってるわこのお店。
まずおやっさんより強くないといけないってのが、ちょっとね……
ちなみに、おやっさんはこの条件で先代を納得させて、リアナさんの母親と一緒になったらしい。
さらにいうと、その先代は先々代に対して同じ条件でリアナさんの祖母を勝ち取ったとの事だ。
という事は、世代を経る毎に強くなる料理屋店主が居るこのお店の店主は、もしかしたらA級冒険者クラスの実力があると言われてもおかしくないかも?
というか、このお店と娘を手に入れるクエストとかって張り出したら、間違いなくBランク以上推奨と付けられるだろう。
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