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〜第1章〜
㉚『〜リン奪還編〜ボヤ騒ぎ』
しおりを挟む廃墟の雑居ビルに侵入するみつれとしおん。
2人はリンが監禁されている地下に向かう。
1階までなんとか見つからずに来たが、
地下に降りる階段に見張りがいた。
しお「見張りが2人か……どうする?」
みつ「地下にもおそらく見張りがいるだろうな…」
2人は立ち往生してしまう。
一刻も早くリンを助け出さなければならないのに。
しお「ッ!!いいこと思いついた。」
しおんはある作戦を思いついた。
しお「4階でボヤ騒ぎを起こすんだよ。そしたら消火活動しようとここの奴らは4階に向かう。人1人監禁してるから消防や警察なんて呼ばないハズだ。」
みつ「なるほど…その隙にリンを助け出すってことか。けどどうやって?」
しお「僕が4階まで行って火をつける。奴らが騒ぎ出したらみつれさんは地下に行ってリンさんを救助して!」
みつ「お前はどう抜け出すんだ?4階に集まってくるんだぞ?」
しお「なんとか抜け出すよ。さぁ、どうする?」
みつ「・・・分かった。それで行こう。」
みつれはしおんを見つめる。
みつ「しおん。絶対死ぬなよ。絶対抜け出せ。」
しお「みつれさんこそ絶対リンさんを助け出してよ。」
2人は手を握り合い、しおんは4階へ向かった。
しお「ありゃ…3階に人がいるなぁ…3人か…」
しおんの行く先には男が3人いた。
しお「さて、どうしようか…」
しおんは誰もいない部屋に入り込む。
しお「・・・外から行くかぁ。」
しおんは窓から出て4階を目指す。
軽快に登っていくしおん。
なんとか無事4階にたどり着いた。
窓から入った部屋は喫煙所の様だった。
しお「うわっ…タバコくさっ……。みつれさん、4階についたよ。・・・みつれさん?あれ?」
しおんはインカムを落としていたのに気がついた。
しお「あちゃー…やっちゃった…。」
しょんぼりするしおん。
しかしいつまでも悠長なことしてる場合じゃない。
しお「ここは喫煙所か……ちょうどいい。ここに火をつけよう。」
しおんは置かれていたオイルライターを手早く分解し中のオイルを取り出す。
それを灰皿に撒き、火をつける。
しお「・・・ちょっと弱いな…他になにか燃やす物……」
部屋を物色していたら、火炎瓶をつくる材料が一式入ったラックがあった。
しお「火を使う喫煙所で火炎瓶って…テロリストってぶっ飛んでるね…」
しおんはそれを使い、火を更に大きくした。
しお「((これで大丈夫でしょ…後は少し待てば奴らは気づく。))」
しおんは窓の外で待機することにした。
リン「うぅぅ……」
リンは地下の檻のような一室に閉じ込められていた。
見張りの男がリンに声をかける。
「アンタ…刑事なんだってなぁ。いい身体してんなぁ…。」
男はリンの裸体をまじまじと見つめる。
リンは男をキッと睨む。
「おぉー。おっかないねぇ~。美人な刑事さんに睨まれたら興奮してくるよ。」
男は鍵を開け、檻の中に入る。
リン「近づかないで!!」
「怖いか?怯えた顔をみるのも悪くねぇなぁ…。」
リンににじり寄る男。
いやらしい目つきでリンの身体を触ろうとする。
リン「やめて!!来ないで!!」
その時、地下に続く階段で見張りをしていた男が地下に降りてきた。
「おい!4階で火事だってよ!!!」
リンに触ろうとした男が振り返る。
「なんだって!?」
「俺ら消しに4階行くわ!!サツやら来られたら厄介だからな!お前はその女見とけ!!」
「わかった!!」
見張りの男は階段を上り消火しに向かった。
「・・・なんだかよく分からねぇが、ラッキーだな…しばらくは帰って来ないだろ…へへっ…」
男は再びリンににじり寄る。
「邪魔者はいない。じっくり楽しもうぜ。刑事さんよぉ…」
リン「い、いやァァァァ!!」
みつ「おい。」
みつれは後ろから鉄パイプで男の後頭部を殴る。
男は脳震盪を起こし、その場で倒れた。
みつ「リン!助けに来たぞ!」
リン「みっちゃん!!!」
みつれは男が持っている鍵でリンの拘束を解く。
みつ「みっちゃん!!」
リンはみつれに抱きつく。
リン「ごめんね…みっちゃん…ごめんね…」
みつ「よく耐えたな。リン」
2人はぎゅっと抱き合った。
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