『ブラックボックス』

うどん

文字の大きさ
31 / 197
〜第1章〜

㉚『〜リン奪還編〜ボヤ騒ぎ』

しおりを挟む


廃墟の雑居ビルに侵入するみつれとしおん。
2人はリンが監禁されている地下に向かう。

1階までなんとか見つからずに来たが、
地下に降りる階段に見張りがいた。

しお「見張りが2人か……どうする?」
みつ「地下にもおそらく見張りがいるだろうな…」
2人は立ち往生してしまう。
一刻も早くリンを助け出さなければならないのに。

しお「ッ!!いいこと思いついた。」
しおんはある作戦を思いついた。

しお「4階でボヤ騒ぎを起こすんだよ。そしたら消火活動しようとここの奴らは4階に向かう。人1人監禁してるから消防や警察なんて呼ばないハズだ。」
みつ「なるほど…その隙にリンを助け出すってことか。けどどうやって?」

しお「僕が4階まで行って火をつける。奴らが騒ぎ出したらみつれさんは地下に行ってリンさんを救助して!」
みつ「お前はどう抜け出すんだ?4階に集まってくるんだぞ?」
しお「なんとか抜け出すよ。さぁ、どうする?」

みつ「・・・分かった。それで行こう。」
みつれはしおんを見つめる。
みつ「しおん。絶対死ぬなよ。絶対抜け出せ。」
しお「みつれさんこそ絶対リンさんを助け出してよ。」
2人は手を握り合い、しおんは4階へ向かった。


しお「ありゃ…3階に人がいるなぁ…3人か…」
しおんの行く先には男が3人いた。

しお「さて、どうしようか…」

しおんは誰もいない部屋に入り込む。
しお「・・・外から行くかぁ。」

しおんは窓から出て4階を目指す。

軽快に登っていくしおん。
なんとか無事4階にたどり着いた。

窓から入った部屋は喫煙所の様だった。
しお「うわっ…タバコくさっ……。みつれさん、4階についたよ。・・・みつれさん?あれ?」

しおんはインカムを落としていたのに気がついた。
しお「あちゃー…やっちゃった…。」

しょんぼりするしおん。
しかしいつまでも悠長なことしてる場合じゃない。

しお「ここは喫煙所か……ちょうどいい。ここに火をつけよう。」

しおんは置かれていたオイルライターを手早く分解し中のオイルを取り出す。

それを灰皿に撒き、火をつける。

しお「・・・ちょっと弱いな…他になにか燃やす物……」 

部屋を物色していたら、火炎瓶をつくる材料が一式入ったラックがあった。

しお「火を使う喫煙所で火炎瓶って…テロリストってぶっ飛んでるね…」

しおんはそれを使い、火を更に大きくした。


しお「((これで大丈夫でしょ…後は少し待てば奴らは気づく。))」

しおんは窓の外で待機することにした。








リン「うぅぅ……」
リンは地下の檻のような一室に閉じ込められていた。

見張りの男がリンに声をかける。

「アンタ…刑事なんだってなぁ。いい身体してんなぁ…。」
男はリンの裸体をまじまじと見つめる。
リンは男をキッと睨む。

「おぉー。おっかないねぇ~。美人な刑事さんに睨まれたら興奮してくるよ。」

男は鍵を開け、檻の中に入る。

リン「近づかないで!!」

「怖いか?怯えた顔をみるのも悪くねぇなぁ…。」

リンににじり寄る男。
いやらしい目つきでリンの身体を触ろうとする。

リン「やめて!!来ないで!!」

その時、地下に続く階段で見張りをしていた男が地下に降りてきた。

「おい!4階で火事だってよ!!!」

リンに触ろうとした男が振り返る。
「なんだって!?」

「俺ら消しに4階行くわ!!サツやら来られたら厄介だからな!お前はその女見とけ!!」

「わかった!!」

見張りの男は階段を上り消火しに向かった。


「・・・なんだかよく分からねぇが、ラッキーだな…しばらくは帰って来ないだろ…へへっ…」
男は再びリンににじり寄る。

「邪魔者はいない。じっくり楽しもうぜ。刑事さんよぉ…」

リン「い、いやァァァァ!!」

みつ「おい。」

みつれは後ろから鉄パイプで男の後頭部を殴る。

男は脳震盪を起こし、その場で倒れた。

みつ「リン!助けに来たぞ!」

リン「みっちゃん!!!」
 
みつれは男が持っている鍵でリンの拘束を解く。

みつ「みっちゃん!!」
リンはみつれに抱きつく。

リン「ごめんね…みっちゃん…ごめんね…」
みつ「よく耐えたな。リン」

2人はぎゅっと抱き合った。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

病弱な彼女は、外科医の先生に静かに愛されています 〜穏やかな執着に、逃げ場はない〜

来栖れいな
恋愛
――穏やかな微笑みの裏に、逃げられない愛があった。 望んでいたわけじゃない。 けれど、逃げられなかった。 生まれつき弱い心臓を抱える彼女に、政略結婚の話が持ち上がった。 親が決めた未来なんて、受け入れられるはずがない。 無表情な彼の穏やかさが、余計に腹立たしかった。 それでも――彼だけは違った。 優しさの奥に、私の知らない熱を隠していた。 形式だけのはずだった関係は、少しずつ形を変えていく。 これは束縛? それとも、本当の愛? 穏やかな外科医に包まれていく、静かで深い恋の物語。 ※この物語はフィクションです。 登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。

true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。 それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。 これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。 日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。 彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。 ※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。 ※内部進行完結済みです。毎日連載です。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

処理中です...