33 / 197
〜第1章〜
㉜『〜リン奪還編〜最悪の再会』
しおりを挟む隣のビルに飛び移った2人はリンと合流するため、ビルの出口を目指した。
みつ「リンはどの方向に行ったんだ?」
しお「北に進んで走っていった。まだそんな遠くへは行けてないはず。」
みつ「なら急いだ方がいいな。けど顔は見られてないからといって走ってビルを出るのは目立ち過ぎる。なるべく歩いて出よう。」
しお「おっけー」
2人が乗ってきたバイクは少し離れた路地裏に置いている。
2人はビルを出てバイクを置いている場所に向かう。
しお「そういえば、別の部屋からリンさんの警察手帳を拾ったよ。服はハサミかなんかで着られてて駄目だったけど。」
みつ「上出来だ。合流したらリンに渡してやってくれ。」
しお「そうするよ。けど奴らの情報はなにも見つからなかった。」
みつ「とりあえずは救出出来たんだ。今回はそれで充分だ。」
2人は小声で話しながら路地裏に入る。
しお「そうだね。リンさんにはレスキュー代として別途請きゅッ!?……」
しおんが突然倒れる。
左腕からは血が出ていた。
みつ「しおん!おい!どうした!?」
みつれは左腕をおさえてるしおんをみる。
みつ「血が出てる。…銃弾!?」
?「久しぶりだねぇ。」
後ろから声がした。
みつれが振り返ると影に隠れて誰かはよく見えないがサイレンサーを装着した銃を持っていた。
みつれはサバイバルナイフを取り出して構えた。
みつ「誰だ!?」
?「おや、忘れたのかい?私だよ。『ポチ』。」
みつ「ッ!?…う、うそだろ……」
影から現れた人物は、3年前にみつれを監禁していた躾役の『スイ』だった。
みつ「あ、アンタ…死んだはずじゃ……」
スイ「ずっと会いたかったよポチ。やっと会えたね。私のポチ♡」
しお「み、みつれさん…誰?…そいつ…」
しおんは痛みに耐えながら左腕をおさえて立ち上がった。
しおんはみつれに質問したが返答が無い。
みつれは呼吸を荒くして震えている。
スイ「また昔みたいに可愛がってあげる♡アンタの何もかも、また私が管理してあげる。」
スイは銃を構えながらにじり寄ってくる。
みつ「はぁ…はぁ…はぁ……」
スイをみて怯えるみつれ。
ナイフを落とし、腰を抜かして失禁した。
スイ「おやおや、粗相はダメだよポチ。出すならちゃんと許可取らないと。昔みたいに言ってごらん?『ポチの排尿の許可をお願いします。』ってね。」
みつ「あぁ…あぁ………」
ガチガチと震え、目には涙をためながらスイから目を離せれないみつれ。
彼女は1歩も動けなかった。
異常なほど怯えるみつれをみるしおん。
しお「((なんだ!?なにがどうなってる!?こんなみつれさんは初めてだ…))」
スイはしおんに銃口を向ける。
スイ「お兄さんには悪いけど、その女を寄越しな。じゃないと撃ち殺す。」
しおんは本能的に命の危険を感じ、
ビルから盗ってきた発煙弾をとっさに投げた。
スイ「ッ!?」
辺り一面煙に包まれる。
しおんは急いでみつれを抱えてバイクに乗せて逃げた。
煙幕の中、スイは微笑む。
スイ「・・・また会おうね。ポチ。」
スイはその場から姿を消した。
しおんの後ろで放心状態のまま震えているみつれ。
しお「((危なかった。奇跡的に逃げれた…))」
しおんはしばらくバイクを走らせた後、
狭い路地にバイクを止まった。
しお「みつれさん。大丈夫?」
みつれからは返事は無く、まだ震えていた。
みつれをバイクから降ろして一度落ち着かせる。
しお「落ち着いて。みつれさん。僕をみて。」
ずっと放心状態のみつれ。
しおんはとにかくみつれを落ち着かせるしかなかった。
するとしおんのスマホの着信が鳴る。
知らない番号からだった。
電話に出るとリンの声がした。
リン「しおん君!今どこ?無事?」
しお「リンさん!無事に逃げれたの?」
リン「私は大丈夫!しおん君とみっちゃんは!?大丈夫!?」
しお「なんとか逃げれたけど…大丈夫じゃあないかな…」
しおんは撃たれた傷が痛んだ。
アドレナリンが出て痛さを忘れていたようだ。
リン「今そっちに行く!どこ!?」
しお「無我夢中で来たから分からない…。『サファイア』って店の看板がみえる……ぐっ…」
リン「わかった!!すぐ行く!待ってて!!」
リンは電話を切った。
しお「…みつれさん…もうすぐリンさんが来るよ。もう大丈夫だから……。」
しおんの意識が遠くなる。
かなりの出血だった。
しお「((くそ…だめだ……まだ……ま………))」
パトカーのサイレンの音が聞こえる。
しお「((リンさん……かな………よかっ……))」
しおんはその場で倒れた。
みつれは震えたまま動けなかった。
数分後にリンと警察官が到着する。
リン「みっちゃん!!しおん君!!」
リンは2人を発見した。
血を流して倒れてるしおんと放心状態で震えているみつれを見て、ただ事では無いと気付いた。
リン「救急車呼んで!!はやく!!」
2人は病院に搬送された。
0
あなたにおすすめの小説
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
月弥総合病院
僕君☾☾
キャラ文芸
月弥総合病院。極度の病院嫌いや完治が難しい疾患、診察、検査などの医療行為を拒否したり中々治療が進められない子を治療していく。
また、ここは凄腕の医師達が集まる病院。特にその中の計5人が圧倒的に遥か上回る実力を持ち、「白鳥」と呼ばれている。
(小児科のストーリー)医療に全然詳しく無いのでそれっぽく書いてます...!!
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
診察室の午後<菜の花の丘編>その1
スピカナ
恋愛
神的イケメン医師・北原春樹と、病弱で天才的なアーティストである妻・莉子。
そして二人を愛してしまったイケメン御曹司・浅田夏輝。
「菜の花クリニック」と「サテライトセンター」を舞台に、三人の愛と日常が描かれます。
時に泣けて、時に笑える――溺愛とBL要素を含む、ほのぼの愛の物語。
多くのスタッフの人生がここで楽しく花開いていきます。
この小説は「医師の兄が溺愛する病弱な義妹を毎日診察する甘~い愛の物語」の1000話以降の続編です。
※医学描写はすべて架空です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる