『ブラックボックス』

うどん

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〜第2章〜

㊳『行方』

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よつばからカオリの捜索の依頼を受けた『カモミール』。
情報を集めてる最中にリンから仕事の電話がかかる。

リンからの依頼内容は…カオリの確保だった。




しお「え!?」

リン「あれ?電波悪いのかな?聴こえるぅ?」

しおんは振り返り、みつれを見る。
会話がリンに聴こえないようにキーボードに打ち込んだ。


『どうします?』

みつれが打ち返す。

『とりあえず仕事を受けよう。だがよつばの依頼内容は隠せ。』


しおんは手でOKサインをする。

しお「あぁーすみませんリンさん。ちょっと聞き取りづらくて…」

リン「ごめんねぇ。それで今回のターゲットは………」

リンは今回の依頼内容を話した。

リン「…という事なんだよぉ。じゃあ頼むね!」

リンは電話を切った。


しお「・・・聴いてましたね?みつれさん。」
みつ「あぁ。」


リンの依頼内容は、闇医者カオリの確保。
以前から警察でマークしてた人物で、普段は後ろ盾に『羽曇組』がいたせいで手出し出来なかったらしい。
しかし今回は単独で仕事に出ていると情報を得て、
警察は逮捕に踏み出したが行方をくらましたらしい。

警察情報では、仕事の相手は反社の人間でテロリストの可能性があるとのこと。

しお「これはまたどうしたものかねぇ」

みつ「テロリストが絡んでるなら都合がいい。ヤツらとはまた再会しそうだな。」

しお「そうなるだろうね。けど、どうする?よつばさんはカオリさんを捜すこと。リンさんはカオリさんを捕まえることだよ。」

みつ「・・・リンには悪いが、先に依頼を受けたのはよつばさんだ。警察には渡せない。」

しお「だね。とりあえず明日、よつばさんに連絡しよう。」



翌日。

しおんはよつばに連絡をする。

しお「もしもし。よつばさん。おはようございます。」

よつ「おはようございます。しおんさん。」

しお「情報が幾つか手に入ったんでお話したいんですけど、今から会えますか?」

よつ「分かりました。今からそちらの事務所に行きます。では。」

よつばは電話を切った。

しお「・・・僕らの事務所まで知ってるんだね。」

みつ「そのようだな。とりあえず待つとしよう。」

しお「あ、そうそう。みつれさんが寝た後にまた新しいことがわかったんだけど」

しおんはモニターに画面を映す。

みつ「これは…」

しお「あの街の防犯カメラの映像。ここ見て!」

しおんが指差した場所には白衣を着た白髪の女性の姿があった。

しお「よつばさんにも確認してもらうけど、多分カオリさんだと思う。」

みつ「そうだろうな。行き先は?」

しお「雑居ビルに入っていったよ。けどそれ以降はビルから出てきてない。」

みつ「じゃあそのビルに行くしかないな。」

しお「そうだね。とりあえずよつばさんに確認してもらおう。」

そうしていたらよつばが事務所に到着した。

よつ「失礼します。」

よつばが事務所のドアを開ける。

よつ「おはようございます。しおんさん。みつれさん。」
よつばは丁寧にお辞儀をする。

みつ「おはようございます。よつばさん。どうぞかけてください。」

よつ「失礼します。」
よつばはソファに腰掛ける。

しお「よつばさん。幾つか情報がわかりました。けどいい知らせと悪い知らせがあります。」

よつ「いい知らせからお聞かせください。」

しお「分かりました。」
しおんは防犯カメラ映像が映ったタブレットを見せた。

しお「これは防犯カメラの映像です。ほら、この人物、カオリさんで間違いないですか?」
しおんは映像に映る人物を指さしてよつばに聞いた。

よつ「間違いありません。」

しお「カオリさんはこの雑居ビルに入って行きました。けどそれから一切出てきません。雑居ビルに何があるのか調べましたが、入ってる店舗は飲み屋数店とカラオケ屋ですね。」

よつ「じゃあそのビルをしらみ潰しに捜せば!!」
よつばは立ち上がった。

しお「落ち着いてください。」

よつ「・・・すみません。」


しお「このビルにはここの他に出入口が無い。まぁ窓とかから飛び降りれば別ですが。…つまりカオリさんはまだこのビルにいるってことです。」

よつ「・・・悪い知らせはなんですか?」

みつ「警察がカオリさんを捕まえようと動いています。」
みつれがしおんの後ろで悪い知らせを伝える。

しお「警察はまだここまでの情報にはたどり着けていません。警察よりも先にカオリさんを見つけないと。」

よつ「分かりました。そのビルに向かいます。」

しお「それともう1つ。カオリさんの仕事相手はテロリストの可能性があります。」

よつ「テロリスト?!」

みつ「このあいだ、警察署が爆破された事件、知ってますか?」

よつ「ニュースでみました。…まさか…」

みつ「その爆破テロを起こした組織が相手かも知れません。」


よつ「・・・」

しお「僕らは警察より先に見つけたいと思っています。こちらとしても警察に捕まって欲しくないですから。」

よつ「なら今すぐ行きましょう!!」

みつ「その前に、よつばさん。あなたのことについて少し聞きたいんですが。」

よつ「なんですか?」

みつ「あなた、カオリさんの助手と言ってましたがそれだけでは無いですよね?」

よつ「・・・どういう意味ですか?」

しお「申し訳ないですが、あなたの事も少し調べました。ヤクザに拉致されて行方不明…だとか…」

よつばは少し驚く。

みつ「あなた、『羽曇組』という組からカオリさんの護衛として使われてるんじゃないですか?」

よつ「・・・」

しお「以前半グレだったあなたが、ヤクザに拉致られてカオリさんの護衛、監視をしている。…と僕らは考えたんですが…違いますか?」

よつばは俯く。

しばらく沈黙の後、よつばが口を開いた。

よつ「・・・違う。ワタシはご主人様に助けてもらった。」

みつ「ご主人様?」



よつ「ワタシはご主人様の……『ペット』です。」
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