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〜第2章〜
㊴『ペット』
しおりを挟むよつ「ワタシはご主人様の…『ペット』です。」
しお「『ペット』!?」
しおんは驚いた顔をするが、みつれは静かによつばを見つめていた。
よつ「ワタシとご主人様は主従関係です。ワタシを組から救ってくれたのはご主人様です。もうワタシは組の手から離れていますので、羽曇組は関係ありません。」
よつばは組とは関係が無いと言い切る。
しお「差し支えなければ、よつばさんが羽曇組に捕まってからこれまでの経緯を知りたいんですが…」
よつばは無言で頷き、話を続ける。
よつ「ワタシが羽曇組に捕まってから、ご主人様は組の指示でワタシを娼婦として金になるように監禁して調教しました。そんな組の所有物だったワタシをご主人様は主従関係を結ぶことでワタシを組から解放してくれたんです。」
よつばは少し嬉しそうな顔をして話す。
よつ「ワタシはご主人様に服従すると決めてお傍に置いてもらってます。ご主人様の為なら何でもします。人でも殺します。死ねと言われれば喜んで死にます。それがワタシの喜びですから。」
しおんが思わず絶句する。
よつ「とりあえずワタシはそのビルに向かいます」
よつばは事務所から飛び出して行った。
唖然とするしおん。
しお「・・・なんか凄い話聞いちゃったね。」
みつ「まぁ気持ちは分からなくも無い。私も昔はそうなりかけてたからな。」
しお「それより早く追わないと!!!行こう!みつれさん!」
みつ「そうだな。あの感じだとなにするか分からないからな。」
2人は急いでよつばの後を追った。
タクシーを待つよつばを見つけた2人は彼女を呼び止めた。
しお「ちょっと待ってください!よつばさん!」
よつ「一緒に乗りますか?」
しお「じゃなくて!作戦を考えましょう!むやみやたらに突撃してもどうにもなりません!」
よつ「・・・それもそうですね。」
みつ「とりあえず一旦事務所戻りましょう。」
2人はよつばを事務所に連れ帰る。
戻った一行はしおんのモニターの前に集まる。
よつ「で、作戦とは?」
しお「まずはこれを見てください。このビルに入ってる店舗一覧です。ビルは4階建てで、1階2階は飲み屋。3階はカラオケ屋。4階は店舗が入ってません。」
みつ「おそらく4階だろうな。」
しお「多分ね。外からのビルの図はこんな感じ。」
しおんはビルの図をモニターに出した。
よつ「出入口が1つしか無いですね。」
しお「そう。このビルには裏口や非常階段が無い。けどカオリさんがビルを出た様子がない。だからこのビルにいることは確かなんです。」
よつ「じゃあ4階を調べに行きましょう。」
みつ「けど恐らくテロ組織のグループがいる可能性がだろうな。」
よつ「・・・ご主人様はテロ組織に監禁されているってことですか?」
しお「多分テロリストの治療をしてるんだろうねりそのまま帰してもらえず監禁されているって考えるのが妥当だろうね。」
よつ「ご主人様を監禁するなんて許せない…。で、どう乗り込むんですか?」
しお「まずはドローンを飛ばして窓が開いてるか確認だね。僕が開いてる所から侵入する。みつれさんは正面からだね。」
みつ「了解。」
よつ「ワタシも正面から行きます。
しお「よつばさんは……そうだね。よつばさんなら大丈夫か。」
元半グレグループのリーダーだったから腕っぷしはあるだろうとしおんは了承した。
みつ「よつばさん。相手はもしかしたらテロリストかも知れない。最悪怪我では済まないかも知れませんよ。」
よつ「それは相手に言うことでしょ。怪我だけでは済ませない。サツにも先を越されるわけにもいかない。」
しお「よし。じゃあその作戦で行きましょう。」
よつ「必ず助け出す……」
3人はカオリがいるであろう雑居ビルに向かった。
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