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〜第4章〜
116.『総理大臣邸篭城』
しおりを挟むしおんの力でなんとか居場所を突き止めた一同。
リンは上司に電話し、総理大臣の自宅に応援を要請した。
リン「だから!大臣を脅迫していた人物から電話が掛かっているんです!それも総理大臣の自宅から!!至急人員と爆弾処理班を送り込んでください!人質が助かるかも知れないんです!!!」
「なんでお前がそれを知っているんだ?どうやって知った?」
リン「そんなこと今はどうでもいいんです!!早く手配お願いします!!人命が掛かってるんです!!」
「・・・わかった。手配する。」
リン「ありがとうございます!!私もスグ向かいます!!!」
「ちょっ!おい…」
リンは上司の返事を待たず電話を切った。
リン「みっちゃん!!」
みつ「あぁ!行こう!!」
みつれとリンは総理大臣の自宅に向かおうとする。
しお「ナビはみつれさんのスマホに送ったよ。」
みつ「じゃあ行ってくる。」
カエ「みつれさん!リンさん!お気を付けて!」
リン「ありがとカエデちゃん。」
みつれとリンは病室を出ていった。
カエ「・・・」
しお「大丈夫だよカエデちゃん。2人を信じて待とう。」
カエ「・・・はい。」
みつれとリンはバイクで総理大臣邸に急いだ。
リンはしおんと電話を繋いで状況を聞いていた。
しお「今通話が終わって、大臣は総理大臣に電話を掛けてます!」
リン「了解!一応総理大臣の通話履歴も調べて!」
しお「もうやってますよ。けどケイ君の番号からは着信は無かった。」
リン「OK!わかった!」
するとリンのスマホに上司から着信が入る。
リン「ッ!?ごめんしおん君!また折り返す!」
リンはしおんとの電話を切り、上司の電話に出た。
リン「もしもし!」
「おう!総理大臣の自宅に不審な人物が見えたそうだ!!今人員を増やすように手配したところだ!お前にも伝えておく!」
リン「ありがとうございます。感謝します!」
「それと先程、長官から連絡があった。警察の全勢力をもって犯人を必ず捕え、人質を救えと告げられた。必ず人質を助けだせ!!!」
リン「了解!!!」
リンは上司から激励の言葉を受ける。
みつ「急ごう!」
みつれはスロットルをまわしスピードをあげた。
2人が総理大臣邸付近に到着すると辺りは警察で待機していた。
リン「ッ!?特殊部隊!?こんなに沢山……」
リンは驚いていた。
みつ「・・・軍隊もいるな…。国も本気というわけだ。」
リン「・・・しおん君!総理大臣邸の見取り図って分かる?」
しお「もう調べてます!みつれさんのスマホに送りました。」
みつれさんは送られた見取り図を確認する。
しお「発信源は細かい場所までは特定出来ませんでしたが、恐らく裏口付近。それが1階か2階かは分かりません。」
リン「了解。だとしたらそこに爆弾は置いてないかもね。」
みつ「いや、そうとは限らない。ヤツらはこうなることも想定していたハズだ……。自爆する気かも知れない。」
しお「そうだとしたら多分人質は建物の真ん中だろうね。逃げるにも助けるにも距離がある。それに警察を爆発に巻き込みたいなら尚更だ。」
しおんは冷静に分析をはじめた。
リン「安易に手出し出来ないってことか……。せめて1階か2階かどちらかが分かれば……」
みつ「しばらくは硬直状態が続きそうだな。」
みつれとリンは見取り図を見ながらディスカッションを始めた。
リン「みっちゃん、みっちゃんが犯人だとしたらこの状況どう切り抜ける?」
みつ「私が犯人だったらか……こんなに包囲されているんだ。逃げれるとは思えないな。なるべく時間を掛けて篭城する。その間に人質を交渉材料に使う。」
リン「ベタだけど一番の正攻法かもね。けど自爆覚悟だったら?」
みつ「・・・あえてスキをみせて突入させる。ギリギリのところまで待って爆破させる。より多くの人間を巻き込みたいならな。」
リン「私も同じ考えだよ。でも少し違う。」
みつ「どう違うんだ?」
リン「私ならより多くの爪痕を残す。テロ組織の強さを世に知らしめる。」
みつ「・・・例えば?」
リン「多分時間が経つにつれてマスコミが嗅ぎ付けると思う。当然カメラがむく。そこで人質を1人殺す。その映像がテレビで流れ、国民の目に触れる。」
みつ「なるほど。最悪だな。」
リン「うん。最悪だけど一番爪痕を残せる方法だと思う。今はネット時代だからスグに拡散される。この国だけに留まらず全国で拡散されるよね。」
みつれとリンは最悪のケースを想定した。
みつ「それは阻止しないとな。リン!警察にマスコミとかの規制を呼びかけてくれ。」
リン「わかった。」
緊迫した状況が立ち込める総理大臣邸。
みつれとリンの次の手は………。
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