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〜第4章〜
117.『終結』
しおりを挟む緊迫した状況が立ち込める総理大臣邸。
警察特殊部隊と爆弾処理班は近辺で待機していた。
中に組織の構成員が3人。
人質も中に居た。
男1「おい。周り見てみろよ!警察がいっぱいいるぞ。」
構成員の1人が周囲の警察に気がついた。
男2「大幹部の言った通りだな。作戦は順調だ。」
男3「・・・」
男2「どうした?怖気付いたか?情けねぇ!」
すると構成員のスマホに着信が入った。
男1「ッ!?大幹部からだ!…もしもし!」
リカ「どうだ?状況は。」
男1「はい。大幹部の仰った通りです。警察が周りに集まってきました。」
男1は状況を報告する。
リカ「上々だ。わざとスキをみせてヤツらを突入させろ。その後は分かるな?」
男1「もちろんです大幹部!!必ず遂行させてみせます!」
リカ「・・・スピーカーに切り替えろ。」
男1はスピーカーに切り替えた。
リカ「・・・お前たちは私の勇敢な『犬』だ。私はお前たちを誇りに思う。」
男2「ありがたきお言葉、ありがとうございます!!」
男3「ありがとうございます!!」
男1「大幹部!俺たちは貴方に忠誠を誓った身。俺たちの身体、心、命は貴方様のモノです!!」
リカ「お前たちのことは永遠に忘れないだろう。今までよくやってくれた。」
リカは感謝の言葉を3人に告げた。
3人はリカの感謝の言葉に涙した。
リカ「では成功を祈るぞ。」
男1「大幹部!お達者で!!」
男2「ありがとうございました!!」
男3「大幹部の悲願、心より願っています!」
リカは電話を切った。
男1「・・・よし、やるぞ!!」
3人は最後の作戦を決行する。
みつれとリンは総理大臣邸を見つめる。
みつ「さっき言った通りだったら必ずスキを見せて突入させるハズだ。それかお前の考えの通りになるか…」
リン「わからないけどそろそろなにか動きを見せるはず……」
そうしていると特殊部隊が総理大臣邸に近づいていく。
みつ「ッ!?なにしてるんだアイツら!?」
リン「軍隊も動き出してる!?まさか……」
総理大臣邸の上にヘリが飛んでいる。
そこから部隊が降下していく。
みつ「アイツら爆弾があることを知らないのか!?」
リン「そんなハズは無い!!絶対把握してるハズ!どういうつもり!?」
2人は部隊の動きに慌てた。
ヘリから降下した部隊はスモーク弾を投げた。
そして次々と侵入していく。
みつ「くそ…これじゃヤツらの思うツボだ!」
リン「仕方ない!私たちも行こう!人質を救い出す!!」
みつれとリンは飛び出した。
事態は2人が思い描いたものとかけ離れていた。
まさかこちら側が先に動くとは思ってもいなかったからだ。
2人は総理大臣邸に入ろうとするが既に中で銃声が聴こえていた。
「「人質を確保した!!撤退する!!」」
部隊が人質にケーブルを装着させ、ヘリに上げていく。
リン「ッ!?凄い……」
部隊はテロリストの制圧にむかった。
人質の家族は上空に吊るされて回収される瞬間
、爆発が起きた。
みつ「ッ!?」
地面が揺れるほど激しい爆発音が鳴り響く。
総理大臣邸は炎に包まれた。
2人は燃え上がる総理大臣邸を眺めることしか出来なかった。
リンはしおんに電話を掛ける。
リン「しおん君、人質は部隊が救出した。全員無事だよ。」
しお「よかった……。本当によかった。カエデちゃんにも伝えます。」
しおんは電話を切った。
しお「・・・ケイ君と家族は全員救出されたよ。全員無事だって。」
カエデはそれを聞いてその場でへたりこんだ。
緊張の糸が切れたのか安堵の涙を流した。
カエ「よかった……うっ……よかった……」
しお「本当によかったよ……。」
しおんとカエデは喜びを分かち合った。
リンとみつれは部隊の行動に疑問を持っていた。
みつ「なんであのタイミングで突入したんだ?無茶過ぎる…」
リン「確かに……。どういう指示があったんだろ……。ちょっと上司に聞いてみる。」
リンは上司に電話を掛けた。
「おう、お前か。今回はお前の情報のおかげだ。よくやった。」
リン「あの、少しお聞きしたいんですけど…よろしいですか?」
「どうした?」
リン「何故部隊はあんな無茶な突入をしたのでしょうか?ご存知ありませんか?」
リンは疑問を投げかける。
「それが俺にもわからん。完全に特殊部隊の管轄に切り替わったから俺には分からんのだ……。」
リン「そう…ですか。」
「今入った報告によれば、こちら側の死者はゼロ。テロリストは恐らく死亡しているだろうとの事だ。……お前は1度署に戻って来い。色々と話がある。」
リン「了解しました。」
リンは電話を切った。
リン「上司でも分からないらしい。もうあの時には特殊部隊の管轄に切り替わったんだって。部隊の死者はゼロだそうだよ。」
みつ「そうか。まぁ仕方ない。無事に助け出せたんだ。それだけで十分。」
みつれは少し緊張の糸が解れた。
リン「私は署に呼ばれたから戻るよ。悪いけど送ってくれない?」
みつ「あぁ、行こうか。」
2人はバイクに乗って現場を後にした。
事件はひとまず終結を迎えた。
総理大臣邸は爆発されたが、人質は全員無事救出された。。。
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