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〜最終章〜
169.『報告』
しおりを挟むカエデが出した案にその場にいた全員が驚き、カエデの案で動くことに決まった一同。
そのためにはシロサキを捕まえなければならない。
ユウゼンからの情報では、シロサキはみつれ達を始末したがっている。
行方をくらましていたシロサキの足を掴むチャンスだ。
カオ「・・・では仕事に取り掛かりましょうか。よつばのこと頼みますね、しおんさん。」
カオリは立ち上がり、よつばをしおんに託した。
しお「はい。」
まるで彼女の父親に娘のことを任された気分だった。
よつ「え!?ご主人様!?どちらに?」
カオ「薬の調合は私1人で十分と言ったでしょ。お前はしおんさん達をサポートしなさい。私は例の喫茶店に居ますから。」
カオリはよつばの頭を撫でながら優しく微笑む。
よつ「わ……わかりました…///」
顔を赤くしながらカオリの命令を受けるよつば。
カオリは事務所を出た。
みつ「・・・とりあえず、私はリンに話してくる。…カエデ、お前も来てくれ。」
カエ「え!?あ、はい!」
みつ「しおんとよつばさんはユウゼンからシロサキの情報を聞き出してみてくれ。」
しお「わかったよ。気をつけてね。」
みつれは颯爽と部屋を出る。
それにとたとたとついて行くカエデ。
みつれの部屋にはしおんとよつばだけが残された。
しお「・・・また2人きりになっちゃったね。」
よつ「なんだよ、不満か?」
よつばはムッとする。
しお「そんなわけないでしょ。嬉しいよ」
しおんはよつばにキスをしようとしたがよつばはかわした。
よつ「調子乗んなエロガキッ!」
よつばは顔を赤らめながらも、しおんの頭を軽く叩く。
よつ「そ、それよりッ!父親にシロサキのこと聞き出すんだろ?」
しお「あぁそうだね。ごめん、一緒に居れるのが嬉しくてつい…」
しおんは照れながらよつばに言った。
よつ「そういうのは終わってからにしろ馬鹿。」
よつばは顔を赤らめたまましおんに背を向け、部屋を出た。
みつれとカエデはリンに連絡し、直接会うことになった。
リンを待っている間、カエデはみつれに質問をした。
カエ「あの…みつれさん、しおんさんとよつばさんって………」
みつ「年頃のお前でもわかったか。…そういうことだよ。」
薄々感じていたカエデはほぇーっと顔を赤らめる。
みつ「だがあの2人が結ばれることは無いだろうな。よつばさんはカオリさんの傍から離れないだろう。」
カエ「それは主従関係…だからですか?」
みつ「…そんなところだ。カオリさんもよつばさんのしおんに対する気持ちに気付いてる。だから敢えてしおんによつばさんを任せたんだ。」
カエ「なるほど……優しいんですね、カオリさんは。」
みつ「・・・楽しんでる部分はあると思うがな。」
そんな話をしているうちに車に乗ったリンが到着した。
リン「お待たせ。待たせてごめんね。」
みつ「わざわざ悪いな、リン。」
リン「そういえばみっちゃんのバイク私んちに停めてるもんね。私んちで話しよっか。」
みつ「あぁ。」
リンは2人を車に乗せ、自宅に向かった。
到着した3人は腰を下ろし、本題にはいる。
みつ「・・・ということだが……どうだ?」
みつれはリンにハナを助け出す作戦を包み隠さずに話した。
リン「・・・」
沈黙するリン。
作戦が作戦なだけに無理もなかった。
コーヒーをひと口飲んだ後、リンは重くなった口を開いた。
リン「・・・わかった、それでいこう。シロサキを捕まえて、ハナちゃんの安全を確保してからだね。」
みつ「あぁ、先にシロサキを捕まえよう。」
リンの理解を得たカエデは静かに安堵した。
しかしその反面、拒否して欲しかった気持ちもあった。
その後、リンからトドロキの司法解剖にはもう少し時間が掛かると告げられた。
リン「・・・とまぁ、報告は以上かな。そういえばもう闇医者には会ったの?」
みつ「あぁ。カオリさんも協力してくれることになった。『オビディエンス』を複製してもらうことになって、今作業にはいってもらっている。」
リン「わかったよ。じゃあ、私は1回署に戻るよ。組織について少しわかりそうな事があるんだ。」
みつ「わかった。なにかわかったら教えてくれ。…行こうカエデ。」
カエ「は、はい!」
みつれとカエデは腰を上げ、リンの部屋を出ようとする。
リン「・・・みっちゃん……夜、時間いいかな?」
みつ「ん?あぁ、大丈夫だ。」
リンの表情で察した様子のみつれ。
みつ「夜、また来る。」
そう言って、みつれとカエデは部屋を出た。
リン「うん……待ってる。」
みつれはカエデを乗せてバイクを走らせた。
カエデを自宅まで送った後、みつれはしおんに電話を掛ける。
みつ「・・・しおん。今日はそっちに帰らない。リンのトコロに泊まる。……あぁ、カエデは家まで送った。……わかった。なにか進展があったら教えろ。……あぁ。」
しおんとの電話を切ったみつれは再びバイクを走らせた。
一方、カモミール事務所にいる2人は…。
しお「みつれさんは今日帰ってこないらしい。……どうしようか、よつばさん。」
よつ「どうも無いだろエロガキ。とりあえず夕食にしよう。腹減っただろ?」
よつばはキッチンへと歩いていく。
しお「またよつばさんの手料理が食べれるんだね!!」
よつ「・・・特別だぞ?……アンタは作業してろ。」
はぁーいと返事をするしおん。
しおんは再びモニターを見つめ、よつばは料理を始めた。
しばらくお互い無言のまま、しおんのタイピングの音とよつばの調理の音だけが聞こえていた。
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