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第2章 夏
◆濃厚ベジスイーツ
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【ちょこっとお知らせ】
いつも物語を読んでくださり、本当にありがとうございます。
表題にあります通り、只今、書籍化に向けたお話が進行中です。
読んでもらえること、応援やコメントをいただけること──それは決して当たり前ではないと、いつも胸に刻んでいます。
その大切な時間を糧に続けてきた「毎日投稿」ですが、書籍化準備のため、頻度が下がりそうです。
あたたかな交流が励みとなっていた私としましても寂しい限りではあるのですが、投稿頻度が下がってもあたたかく見守っていただけますと幸いです。とは言え、放置というわけではなく、定期的にカロリーはウーバーしますので、ご安心いただければと存じます。
~皆様に感謝を込めて~
━-━-━-━-━-━-━-━-━-━
今日は新作おやつを作ってみようと思う。
その名も「クラウ(とうもろこしプリン)」。
今年はエルディナさんのおかげで月の魔力と朝露の魔力をたっぷり吸収した極甘なユニ・コーンが獲れたから、これでベジスイーツを作ろうと思って。
うちは育ち盛りがたくさんいるから栄養価も考えて、結構ベジスイーツを作るんだよね。
それに、スイーツならタリサも喜んで食べるしね。
精霊に栄養価とか関係あるかはわからないんだけど、タリサはそのままだと野菜をなかなか食べないのよね。だからそういう意味でもベジスイーツはよく作る。
さて、調理開始!
まずは生のままユニ・コーンを大量に摩り下ろして、ミルクを加え、漉し布で滑らかな口溶けになるように漉したら、ゆっくりと火にかける。
今年のユニ・コーンならこのまま砂糖なしでも十分に甘くなりそう。
丁寧に絶えずかき混ぜていると、ユニ・コーンのデンプンが糊化してぽったりとするので、そこで隠し味のバターを入れる。
バターを入れると、コクと風味が出てすごくリッチな味わいになるの。
火からおろして器に移し、冷やして、食べる直前にシナモンをふったら完成!
今回は更にホイップクリームも足して、見た目は完全なるプリンにしてみたよ。
さっそくタリサに持って行ってあげよう。ガチャ丸達はお稽古でいないから、大人のお茶会になりそうだね。
……いや、ならないな。
------------
「やーん、おいし~♪」
夏の青空をそのまま溶かしたようなセルリアンブルーの長い髪が、風にふわりと揺れて光が差し込む。
すっきりと整った目元は氷のように涼やかで、長い睫毛はまるで光と影の境界を揺らめかせる 帳のよう。
ため息が出るほどに美しい横顔は、鼻筋がスッと通っていて、薄い唇はまるで消えてしまいそうなほどに儚い。
その佇まいには、どこか現実離れした超常の美しさが溢れている。
………はずなのだが、今私の目の前にいる絶世の美女は、スプーン片手に新作お菓子を食べてだらしなく頬を緩ませていた。
「蜂蜜も砂糖も入ってないなんて信じらんないわ」
黙っていれば神殿彫刻のような人、いや、精霊なのに、もう二個目のクラウ(とうもろこしプリン)に手を出して、本当に残念な精霊である。
隣りでは七輪で作った焼きユニ・コーンを上品に食べるエルディナさんが。
そもそも、焼きユニ・コーンって上品に食べられる代物じゃないはずなんだけど、なぜかエルディナさんの手にかかると、食べる姿も淫靡な上品さが漂うと言いますか…。淫靡で上品っていう時点で相反してるんだけど、実際そうなんだよねー。
不思議~。
「私、そっちも食べたい!!」
そう言うと思って準備してましたよ。
もうすぐ焼けるから待ってて。
っていうか、泉で焼くからと思って 煙清炭使ったんだけど、これ本当に燃えてるの?ってくらい煙が出ないわ。
だから、周囲をぐるっと囲まれた泉の中でも全く煙がこもらない。
これなら家の中で七輪使っても全然良さそう。
買ってて良かった便利な炭!!室内で七輪とか最高じゃん!!!
「はい、どうぞ」
ホカホカと湯気を上げる焼きユニ・コーン。
生だとクリーム色に近い瑞々しさのあるユニ・コーンの果肉も、焼くと一気に向日葵色に色付いて、ホカホカと湯気を上げる姿に涎が出てしまう。
「さっきのプリンも良かったけど、焼いただけのこれもなかなかね」
ガジガジとリスの様に焼きユニ・コーンに齧りついている残念精霊。
同じ精霊で一方は何を食べても美しさを損なわないのに、もう一方は何を食べさせても優雅さが失われるのはなぜだろう?
育ち?
そういや、精霊ってどこで育つの?
ま、いっか。私もクラウ食べよっと。
スプーンで掬って、ハムッと。
………!!!
プリンって言うよりはブリュレ!!蕩ける滑らかさと消えてなくなる口当たりが絶品だわ。
それに、ユニ・コーンの自然で優しい透明な甘さとミルクのほのかな香り、バターのコクをキュッと引き締めるシナモンパウダーが、控えめに言って最高です!!
これならホイップクリームいらなかったかも。
小さめのココットでも十分に満足する甘さがあるね。
余計なものを加えなくても、そのままで陽気な南米の味が楽しめるよ。
んじゃ、次は私も焼きユニ・コーン食べちゃおっ♪
もうね、焼いてる時から実はずーーーっと食べたかったのよ。
だって、香りが反則だもの。
では、いざ尋常に!
私も上品さの欠片もなくガジガジしちゃうよ!
はわぁ~。
穀物が陽射しをいっぱい浴びて育ちました!!って感じのお日様が育む濃厚な甘さに、後を引く醤油の塩味が悪魔的でガジガジが止まらないよ~。
チラッとタリサを見てみたら、やっぱり夢中でガジガジしてる。
それに、焼いてパリッとした薄皮が一口齧るごとにプチプチと弾けて、その度に溢れるジューシーな蜜と香ばしさの濁流に意識が遠のきそう。熱々なのに止まらなくて、ハフハフ汗をかきながらそれでも食べちゃう。
結局、その後もタリサにせがまれて、3本の焼きユニ・コーンを作ったよ。
エルディナさんも珍しくお代わりを欲しがったから、合計7本もの焼きユニ・コーンを作ったことになるね。
これは絶対来年もルシアナ草埋めて極上甘々ユニ・コーンを育てねば!!
いつも物語を読んでくださり、本当にありがとうございます。
表題にあります通り、只今、書籍化に向けたお話が進行中です。
読んでもらえること、応援やコメントをいただけること──それは決して当たり前ではないと、いつも胸に刻んでいます。
その大切な時間を糧に続けてきた「毎日投稿」ですが、書籍化準備のため、頻度が下がりそうです。
あたたかな交流が励みとなっていた私としましても寂しい限りではあるのですが、投稿頻度が下がってもあたたかく見守っていただけますと幸いです。とは言え、放置というわけではなく、定期的にカロリーはウーバーしますので、ご安心いただければと存じます。
~皆様に感謝を込めて~
━-━-━-━-━-━-━-━-━-━
今日は新作おやつを作ってみようと思う。
その名も「クラウ(とうもろこしプリン)」。
今年はエルディナさんのおかげで月の魔力と朝露の魔力をたっぷり吸収した極甘なユニ・コーンが獲れたから、これでベジスイーツを作ろうと思って。
うちは育ち盛りがたくさんいるから栄養価も考えて、結構ベジスイーツを作るんだよね。
それに、スイーツならタリサも喜んで食べるしね。
精霊に栄養価とか関係あるかはわからないんだけど、タリサはそのままだと野菜をなかなか食べないのよね。だからそういう意味でもベジスイーツはよく作る。
さて、調理開始!
まずは生のままユニ・コーンを大量に摩り下ろして、ミルクを加え、漉し布で滑らかな口溶けになるように漉したら、ゆっくりと火にかける。
今年のユニ・コーンならこのまま砂糖なしでも十分に甘くなりそう。
丁寧に絶えずかき混ぜていると、ユニ・コーンのデンプンが糊化してぽったりとするので、そこで隠し味のバターを入れる。
バターを入れると、コクと風味が出てすごくリッチな味わいになるの。
火からおろして器に移し、冷やして、食べる直前にシナモンをふったら完成!
今回は更にホイップクリームも足して、見た目は完全なるプリンにしてみたよ。
さっそくタリサに持って行ってあげよう。ガチャ丸達はお稽古でいないから、大人のお茶会になりそうだね。
……いや、ならないな。
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「やーん、おいし~♪」
夏の青空をそのまま溶かしたようなセルリアンブルーの長い髪が、風にふわりと揺れて光が差し込む。
すっきりと整った目元は氷のように涼やかで、長い睫毛はまるで光と影の境界を揺らめかせる 帳のよう。
ため息が出るほどに美しい横顔は、鼻筋がスッと通っていて、薄い唇はまるで消えてしまいそうなほどに儚い。
その佇まいには、どこか現実離れした超常の美しさが溢れている。
………はずなのだが、今私の目の前にいる絶世の美女は、スプーン片手に新作お菓子を食べてだらしなく頬を緩ませていた。
「蜂蜜も砂糖も入ってないなんて信じらんないわ」
黙っていれば神殿彫刻のような人、いや、精霊なのに、もう二個目のクラウ(とうもろこしプリン)に手を出して、本当に残念な精霊である。
隣りでは七輪で作った焼きユニ・コーンを上品に食べるエルディナさんが。
そもそも、焼きユニ・コーンって上品に食べられる代物じゃないはずなんだけど、なぜかエルディナさんの手にかかると、食べる姿も淫靡な上品さが漂うと言いますか…。淫靡で上品っていう時点で相反してるんだけど、実際そうなんだよねー。
不思議~。
「私、そっちも食べたい!!」
そう言うと思って準備してましたよ。
もうすぐ焼けるから待ってて。
っていうか、泉で焼くからと思って 煙清炭使ったんだけど、これ本当に燃えてるの?ってくらい煙が出ないわ。
だから、周囲をぐるっと囲まれた泉の中でも全く煙がこもらない。
これなら家の中で七輪使っても全然良さそう。
買ってて良かった便利な炭!!室内で七輪とか最高じゃん!!!
「はい、どうぞ」
ホカホカと湯気を上げる焼きユニ・コーン。
生だとクリーム色に近い瑞々しさのあるユニ・コーンの果肉も、焼くと一気に向日葵色に色付いて、ホカホカと湯気を上げる姿に涎が出てしまう。
「さっきのプリンも良かったけど、焼いただけのこれもなかなかね」
ガジガジとリスの様に焼きユニ・コーンに齧りついている残念精霊。
同じ精霊で一方は何を食べても美しさを損なわないのに、もう一方は何を食べさせても優雅さが失われるのはなぜだろう?
育ち?
そういや、精霊ってどこで育つの?
ま、いっか。私もクラウ食べよっと。
スプーンで掬って、ハムッと。
………!!!
プリンって言うよりはブリュレ!!蕩ける滑らかさと消えてなくなる口当たりが絶品だわ。
それに、ユニ・コーンの自然で優しい透明な甘さとミルクのほのかな香り、バターのコクをキュッと引き締めるシナモンパウダーが、控えめに言って最高です!!
これならホイップクリームいらなかったかも。
小さめのココットでも十分に満足する甘さがあるね。
余計なものを加えなくても、そのままで陽気な南米の味が楽しめるよ。
んじゃ、次は私も焼きユニ・コーン食べちゃおっ♪
もうね、焼いてる時から実はずーーーっと食べたかったのよ。
だって、香りが反則だもの。
では、いざ尋常に!
私も上品さの欠片もなくガジガジしちゃうよ!
はわぁ~。
穀物が陽射しをいっぱい浴びて育ちました!!って感じのお日様が育む濃厚な甘さに、後を引く醤油の塩味が悪魔的でガジガジが止まらないよ~。
チラッとタリサを見てみたら、やっぱり夢中でガジガジしてる。
それに、焼いてパリッとした薄皮が一口齧るごとにプチプチと弾けて、その度に溢れるジューシーな蜜と香ばしさの濁流に意識が遠のきそう。熱々なのに止まらなくて、ハフハフ汗をかきながらそれでも食べちゃう。
結局、その後もタリサにせがまれて、3本の焼きユニ・コーンを作ったよ。
エルディナさんも珍しくお代わりを欲しがったから、合計7本もの焼きユニ・コーンを作ったことになるね。
これは絶対来年もルシアナ草埋めて極上甘々ユニ・コーンを育てねば!!
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