ヒナの国造り

市川 雄一郎

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第5章・地獄の懸垂と古代都市の復活阻止と成分の正体

直伸拘束作戦③

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とりあえず四人体制(直露・直摩・難麦・茶島)で行動することになった。ところが直露の電話がなった。支援者の一人からだ。

「もしもし起駑川(きぬがわ)君か?え……ヒナちゃんと雪ちゃんが居なくなった?おいおい……マジかよ!!?」

「え?どうしたんだ?」

「ヒナちゃんと雪ちゃんが行方不明らしい…………!!」

直摩は直露から電話を取り上げて起駑川に問い詰めた。

「育宏(いくひろ)さん!!どういうことや!!?二人とも女の子だぞ!!?行方不明じゃまずいだろう!!」

「(おい……何でだよ……誰も二人を守ってなかったのかよ……)」

難麦と茶島は何も言えなかった。どうすれば良いかは分からないから何も言えないのであり、勿論辛いことである。尚、起駑川によると二上達が探しにいってるとのことだが四人も黙っていられなかった。

「探しにいこう!!直伸より二人の安全が優先だよ……!!」

「お兄さん……そうしよう。その方がいいよ……」

「二人には怒らなアカンな……」

「難麦さん、二人は僕が話した限りは良い子です。優しく迎えてあげましょう……それが大人ですよ!」

「直露さんいい人だな……!」

少し感動していた茶島はともかく三人はとにかく二人の安否を一番に気にかけていたのである。必ず見つけてみせるという気持ちがヒナと雪の心配への『見つけてみせる』に変わっていた。

一方で直伸はトライギアの村にあるホテルである人物からの連絡を受けていた……

「ほお……それは好都合だな……これを利用して“あいつら”を引き寄せてやるか……!!」

何か都合のいいことがあったのか直伸は上機嫌だった。とにかく都合のいい方向に事が進みやすい直伸はこの日もなかなか良い展開に事を運んでいったのである。

「とにかく順調だ……これから先に俺がこの地域の主導権を握る日が来るんだ!!グハハハハハハハハ!!!!」

一方で直露達は洞窟が崩れたため遠回りで元の場所に戻るのであった。

「あの……直露さん……」

「どうした?茶島君。」

「実は話をしておきたかったのですが……」

「?」

すると茶島はある事実を語り始めたのである。

「実は僕の妹は直伸達の興行によって殺害されました。」

「!?」

「ある日、妹が『日紙さん(直伸)という人にモデルに勧誘されたの!』と言ってましてね、それを僕も両親も了承しました。しかし撮影日と言って出ていってから帰ってきませんでした。」

「どうして殺されたと分かったの?」

「行方不明になってから1ヶ月後に輪島(わじま)さんという興行の元スタッフだった方から電話をいただきました。その時殺されたと分かり、家族全員で泣くしかありませんでした。」

直露は言葉を出せなかった。『一体何人殺したんだ』という直伸への怒りと茶島の悔しそうな顔から伝わる彼の気持ちへの理解と二つの思いが伝わってきたからだ。
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