ヒナの国造り

第１６章・ステラガーデン編

成功の剣

　一方で成功は松原警察の瀬戸に電話をかけていたのである。


　「もしもし……周参見野です。」


　『周参見野さんですか？』


　「はい、そうです。」


　『そちらの方はどうでしょうか？』


　「順調ですよ……」


　瀬戸は元々成功と親しく、お互いの信頼関係も強いようだ。


　「瀬戸さん……栗原君から連絡を頂いたときは驚きましたよ。まさか奴等に関わる連中と交える機会を頂けるとは……」


　『でしょうな。確か周参見野さんは由良さんからも連絡を頂いたでしょう？』


　「はい、頂きましたよ。確か……」



　…………回想に入る…………


　９月１１日、成功は松原警察の栗原から連絡を受けた時である。


　「もしもし、栗原君か？」


　『はい、松原警察の栗原です。周参見野さんお久しぶりです。実は小川村で女性が行方不明になったと連絡を頂いたのですが……実はある連中が関わっているかもしれないと……』


　「ある連中ってもしかしてグリーンウッドフィールドのことか？」


　『ええ、黒岡の自宅からグリーンウッドフィールドとのやり取りの手紙が見つかったようで関連を急いでいますが間違いなくそうでしょう。以前から郵便局員の方が僕の方に密告で連絡をくれていまして瀬戸さんには僕が以前から伝えていました。』


　「その郵便局員ってまさか……(笑)。」


　『はい、潜入捜査官です(笑)。郵便局から許可を得て情報収集してくれていました。』


　「さすがだな。君のところの特殊班は(笑)。それと女性の家族の方は何をされていますか？」


　『今日はこの後由良さんと話を……』


　「なら由良さんに連絡する。俺の方に被害者の親族の方にこちらに連絡をしてもらうよう頼んでみる。」


　少ししてから尚徳宅の前に来ていた由良に成功から連絡があった。


　「もしもし、由良です。」


　『由良さんですか、周参見野です。これから栗原君から聞いたんだけど関係者の方と会話ですかな？』


　「栗ちゃんから聞いたのか……そうそう。行方不明になった件でね。」


　『なら話が終われば俺の方にその方から連絡を入れるよう頼んでくれませんか？』


　「え……そりゃ構いませんがまた何か……？」


　『ええ……奴等の尻尾をつかめそうでね……』



　…………回想終わり…………


　成功は瀬戸と話をしながら尚徳が連絡をくれた時の経緯を語ったのであった。


　『つまり猫屋敷さんは偶然成功さんに連絡できたのではなくそうなるように仕向けていたのですね……さすがですわ。』


　「まあ、これくらいしないと奴等を倒すことは難しいからね……」


　『敵に回すと怖い人だ……』


　瀬戸は少し苦笑いをしていたのであった。成功は本当に計算をして行動をしていたのだ。


　「ところで瀬戸さん、俺の剣は完成しましたか？」


　『はい、完成したようですよ。そちらに１０日までに到着させます。』


　「ありがとう。宿泊先は……」


　成功は宿泊先を瀬戸に伝えたのであった。剣はいつ届くのだろうか。