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Lesson.3 学園生活の始まりが、悪役令嬢の始まり
16.王国の教育事情
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現在では「エレンシア貴族学園」一校のみが、貴族のための教育機関として残っているが、過去には数校が貴族の子どもたちのために開校していたという。
子息のみが所属できる全寮制のボーディングスクールや、刺繍やマナー、さらに文学や音楽などの文化・芸術の授業が豊富な上位貴族の子女のみが通う学園、さらには魔法に特化した学術院など、規模の大小もさまざまで、多岐にわたっていた。
しかし、魔法の力が衰えてきたころから、国力も徐々に衰え、貴族たちも学校への多額の授業料や寄付金が負担になっていった。
また、進路が決まっている子どもの場合は、学校ではなく、専門の家庭教師を雇った方がより詳しい知識が得られることから、王族や上位貴族の子息・子女は徐々にその生徒数が減っていったのである。
反対に教育機関として成長していったのが、庶民向けに開校していた学校である。
貴族相手の学校から追い出された教授たちが、庶民向けの学校にノウハウを駆使してテコ入れをしていったのだ。
そもそも、その当時、王国の民間向け学校は他国に比べてすでに制度が成熟していた。
はじまりは、やはりユニカ様だった。
最初は教会の神父が自主的に小規模の塾を開校している程度だったものが、王室からの寄付や制度の整備で学校という形態に進化させていったのである。
学校は、当時王妃だったユニカ様によって7歳から12歳までの六年間を初等学院、13歳から18歳までの六年間を高等学院として二段階に分けられた。
初等学院は全国民が通う義務があり、無償で通える。
この課程で読み・書き・計算が出来るようになる。
そのほか、国の歴史や簡単な文学、隣国やかかわりの深い外国の言葉での基本的な会話も身につける。
初等学院を卒業後は、どこかに弟子入りをして職人になったり、家業の手伝いをしたりするのが最終的な進路である。
一般庶民でも文字が読めるので、今でも識字率は他国に比べて驚異的な割合となっていた。
しかし、法律を扱ったり、銀行に勤めたりする場合、さらに宝石商や大規模な商会へ就職したい場合は、有償の高等学院へ進む必要がある。
高等学院へ進学すると、貴族の子息たちと同レベルの教育を受けることができ、さらにマナーも叩きこまれるので、貴族相手に商売することも可能な優秀な人材が育てることができる。
その教育制度と当時の教授たちの尽力により、今では貴族と庶民の教育機関に逆転現象が起こってしまっていたのだった。
リーリウムとヘンリクスは、エレンシア貴族学園への入学までの間に、教育機関について研究をすることにした。
王室図書室や公爵家の秘密の図書館などで、親の世代にはすでに廃れていた他の貴族学園の資料を集め、当時の記録を読み漁った。
しかし、今回のエレンシア貴族学院に役立つ情報はなかなか見つからない。
そこで二人は、後日、庶民が通う学校へ視察に行く事にした。
視察先は王都に数校ある学校のなかでも、最高の名門校とされる「ユニカ高等学院」で、最先端の教育の様子を見ておこうと思ったのだ。
実は、この高等学院は元々は貴族向けの「ユニカ魔法学術院」だった建物を利用した学校で、
その名の通りユニカ様が直接手掛けて開校したという由緒正しい歴史ある学校だ。
ユニカの名前が引き継がれ、庶民の高等学院となった今では、国内の優秀な子どもたちが集まる特別な学校となっている。
主に裕福な商家の子どもたちが勉強に励む、エリート校である。
リーリウムにとっては、祖先であるユニカ様ゆかりの学校とあって、一度訪れてみたい場所でもあった。
リーリウムは、貴族学院について調べていた時、ユニカ様の日記帳に「ユニカ魔法学術院」についての記述がないか、現在の持ち主であるヴィオラに尋ねたことがあった。
ヴィオラがすでに日記帳を一人で読了していたからだ。
「開校した当時の話がちらりと書いてあっただけで、特に目新しい情報はありませんでしたよ。」
と話したあと、ヴィオラは気になる言葉を続けた。
「ただ、ユニカ様自身が学園に通っていた当時の内容は、数十ページにわたって克明に記されていましたわ。
リーリウムとプリムラには、学園の入学前にその内容を知っておいてほしいと思っていましたの。
どうやら、学園には“ヒロイン”が出現する確率が高いそうよ……。」
不穏な宣言をした後「詳しい話はまた今度」と言って、母が待つ領地へ出かけてしまったヴィオラ。
帰ってくるのは数週間後なので、それまでリーリウムはやきもきとした気持ちを抱えて過ごすほかなかった。
子息のみが所属できる全寮制のボーディングスクールや、刺繍やマナー、さらに文学や音楽などの文化・芸術の授業が豊富な上位貴族の子女のみが通う学園、さらには魔法に特化した学術院など、規模の大小もさまざまで、多岐にわたっていた。
しかし、魔法の力が衰えてきたころから、国力も徐々に衰え、貴族たちも学校への多額の授業料や寄付金が負担になっていった。
また、進路が決まっている子どもの場合は、学校ではなく、専門の家庭教師を雇った方がより詳しい知識が得られることから、王族や上位貴族の子息・子女は徐々にその生徒数が減っていったのである。
反対に教育機関として成長していったのが、庶民向けに開校していた学校である。
貴族相手の学校から追い出された教授たちが、庶民向けの学校にノウハウを駆使してテコ入れをしていったのだ。
そもそも、その当時、王国の民間向け学校は他国に比べてすでに制度が成熟していた。
はじまりは、やはりユニカ様だった。
最初は教会の神父が自主的に小規模の塾を開校している程度だったものが、王室からの寄付や制度の整備で学校という形態に進化させていったのである。
学校は、当時王妃だったユニカ様によって7歳から12歳までの六年間を初等学院、13歳から18歳までの六年間を高等学院として二段階に分けられた。
初等学院は全国民が通う義務があり、無償で通える。
この課程で読み・書き・計算が出来るようになる。
そのほか、国の歴史や簡単な文学、隣国やかかわりの深い外国の言葉での基本的な会話も身につける。
初等学院を卒業後は、どこかに弟子入りをして職人になったり、家業の手伝いをしたりするのが最終的な進路である。
一般庶民でも文字が読めるので、今でも識字率は他国に比べて驚異的な割合となっていた。
しかし、法律を扱ったり、銀行に勤めたりする場合、さらに宝石商や大規模な商会へ就職したい場合は、有償の高等学院へ進む必要がある。
高等学院へ進学すると、貴族の子息たちと同レベルの教育を受けることができ、さらにマナーも叩きこまれるので、貴族相手に商売することも可能な優秀な人材が育てることができる。
その教育制度と当時の教授たちの尽力により、今では貴族と庶民の教育機関に逆転現象が起こってしまっていたのだった。
リーリウムとヘンリクスは、エレンシア貴族学園への入学までの間に、教育機関について研究をすることにした。
王室図書室や公爵家の秘密の図書館などで、親の世代にはすでに廃れていた他の貴族学園の資料を集め、当時の記録を読み漁った。
しかし、今回のエレンシア貴族学院に役立つ情報はなかなか見つからない。
そこで二人は、後日、庶民が通う学校へ視察に行く事にした。
視察先は王都に数校ある学校のなかでも、最高の名門校とされる「ユニカ高等学院」で、最先端の教育の様子を見ておこうと思ったのだ。
実は、この高等学院は元々は貴族向けの「ユニカ魔法学術院」だった建物を利用した学校で、
その名の通りユニカ様が直接手掛けて開校したという由緒正しい歴史ある学校だ。
ユニカの名前が引き継がれ、庶民の高等学院となった今では、国内の優秀な子どもたちが集まる特別な学校となっている。
主に裕福な商家の子どもたちが勉強に励む、エリート校である。
リーリウムにとっては、祖先であるユニカ様ゆかりの学校とあって、一度訪れてみたい場所でもあった。
リーリウムは、貴族学院について調べていた時、ユニカ様の日記帳に「ユニカ魔法学術院」についての記述がないか、現在の持ち主であるヴィオラに尋ねたことがあった。
ヴィオラがすでに日記帳を一人で読了していたからだ。
「開校した当時の話がちらりと書いてあっただけで、特に目新しい情報はありませんでしたよ。」
と話したあと、ヴィオラは気になる言葉を続けた。
「ただ、ユニカ様自身が学園に通っていた当時の内容は、数十ページにわたって克明に記されていましたわ。
リーリウムとプリムラには、学園の入学前にその内容を知っておいてほしいと思っていましたの。
どうやら、学園には“ヒロイン”が出現する確率が高いそうよ……。」
不穏な宣言をした後「詳しい話はまた今度」と言って、母が待つ領地へ出かけてしまったヴィオラ。
帰ってくるのは数週間後なので、それまでリーリウムはやきもきとした気持ちを抱えて過ごすほかなかった。
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