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Lesson.3 学園生活の始まりが、悪役令嬢の始まり
19.学院長からの提案
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「さて、お茶もお出しせずに失礼いたしました。」
そういって、学院長はお湯を沸かす魔道具を使用して素早くお茶とお菓子を用意すると、
学院の歴史や生徒たちのこと、カリキュラムのことなど、学院について話をし始めた。
聞けば聞くほど魅力的な学校で、リーリウムもヘンリクスも「自分も通ってみたい」と思うほどの充実さだった。
「貴族学園の卒業生の進路について問題が生じているのを、ご存じだったか?」
ヘンリクスは、今回の視察の目的を改めて学院長に相談した。
「はい。実は私どもも、貴族学園の問題は把握しておりました。
我が校の教師のほとんどが貴族学園の卒業生ですので、我が校もここ数年は優秀な人材がおらず、人手不足が続いているのです。
若い教師たちに尋ねますと、貴族学園は教授の無気力さが一番の問題かと……。
恐れながら、自分の出世のことばかりで実のある授業ができる教授が少ないそうです。
また、授業料の高さも問題です。
あまりに高額なので、通えない家門の方もいらっしゃるのです。
そういった方は、我が校など平民向けの学院に身分を隠して通っておられます。
生徒会副会長のジョン・ハモンドもそのうちの一人で、子爵家の次男だったかと思います。
あとは、今年主席入学をしたアイリ・ウィザーも男爵家のご令嬢です。」
貴族学園の授業料の高さは、リーリウムも気になっていた。
しかし、施設の維持費などのほか、フレエシアたちの研究費にも生徒たちからの授業料が必要なので、安易に下げることもできない。
貴族学園はどちらかというと研究機関としての機能が重要視されており、国の発展のために多数の学者が働いていた。
ただ、子どもたちの学校という機能を今まで放置していたせいで、今回のような問題も発生してしまったのだから、今まで通りというわけにはいかないだろう。
「なるほど。そうであったのか。
貴族なのに貴族学園に通えないとは……。
そのような者たちがいたとは、把握していなかった。
“教授の質”と”学費”、やはりその二点が大きな課題だな。
教授たちがろくな授業をしていないとすると、生徒たちが育つわけがない。
この学院の生徒のように、学ぶ意欲を引き出すことがでればいいのだが……。」
ヘンリクスはどうしたものかと思案していると、学院長が一つの案を提示してきた。
「もし可能でしたら、我が校にいる経済的な問題で貴族学園へ入れなかった貴族家の子どもたちを奨学生として受け入れてみてはいかがでしょうか?」
学院長の提案に、リーリウムは賛同の声をあげる。
「たしかに、優秀な生徒がいれば、学園内の空気が変わるかもしれませんね。
また、アイリ嬢たちも貴族社会について学べますし、将来の社交にも役立ちます。
貴族学園の予算や制度などを確認して、それをクリアできれば実現可能な良い案かと思います。」
リーリウムの意見に、ヘンリクスもうなずき、学院長の案を前向きに検討することにした。
アイリがあのまま貴族としてのたしなみをろくに身につけず、社交界デビューをしてしまうのは、あまりにかわいそうだと二人は考えていたのだ。
「良い案をありがとう。
しかし、貴校の優秀な生徒を貴族学園へ転校させても良いのか?」
「ふふ。殿下、我が校の生徒は貴族の子だけでなく、平民の子も全員が優秀です。
また、貴族の生徒は貴族学園への奨学生を目標に、さらに切磋琢磨するでしょう。
貴族家の子どもたち向けに、奨学生編入試験対策クラスを立ち上げてもいいですね。
彼らが貴族であることを隠さなくなれば、商家の子どもたちにとっては将来の人脈作りにもつながりますし。
我が校としても、メリットが多いかと思います。」
にっこりとほほ笑む学院長に、ヘンリクスもリーリウムも納得した。
二人は、学院長が自校の発展も同時に考えていたことに、感心していた。
「学院長、教育者からの貴重な意見をまた伺いに、訪ねてきても良いだろうか?」
「もちろんでございます。殿下。」
挨拶をして、学院長室を後にする二人。
歩きながら、ヘンリクスとリーリウムは心強い味方を得られたことを喜びあった。
そういって、学院長はお湯を沸かす魔道具を使用して素早くお茶とお菓子を用意すると、
学院の歴史や生徒たちのこと、カリキュラムのことなど、学院について話をし始めた。
聞けば聞くほど魅力的な学校で、リーリウムもヘンリクスも「自分も通ってみたい」と思うほどの充実さだった。
「貴族学園の卒業生の進路について問題が生じているのを、ご存じだったか?」
ヘンリクスは、今回の視察の目的を改めて学院長に相談した。
「はい。実は私どもも、貴族学園の問題は把握しておりました。
我が校の教師のほとんどが貴族学園の卒業生ですので、我が校もここ数年は優秀な人材がおらず、人手不足が続いているのです。
若い教師たちに尋ねますと、貴族学園は教授の無気力さが一番の問題かと……。
恐れながら、自分の出世のことばかりで実のある授業ができる教授が少ないそうです。
また、授業料の高さも問題です。
あまりに高額なので、通えない家門の方もいらっしゃるのです。
そういった方は、我が校など平民向けの学院に身分を隠して通っておられます。
生徒会副会長のジョン・ハモンドもそのうちの一人で、子爵家の次男だったかと思います。
あとは、今年主席入学をしたアイリ・ウィザーも男爵家のご令嬢です。」
貴族学園の授業料の高さは、リーリウムも気になっていた。
しかし、施設の維持費などのほか、フレエシアたちの研究費にも生徒たちからの授業料が必要なので、安易に下げることもできない。
貴族学園はどちらかというと研究機関としての機能が重要視されており、国の発展のために多数の学者が働いていた。
ただ、子どもたちの学校という機能を今まで放置していたせいで、今回のような問題も発生してしまったのだから、今まで通りというわけにはいかないだろう。
「なるほど。そうであったのか。
貴族なのに貴族学園に通えないとは……。
そのような者たちがいたとは、把握していなかった。
“教授の質”と”学費”、やはりその二点が大きな課題だな。
教授たちがろくな授業をしていないとすると、生徒たちが育つわけがない。
この学院の生徒のように、学ぶ意欲を引き出すことがでればいいのだが……。」
ヘンリクスはどうしたものかと思案していると、学院長が一つの案を提示してきた。
「もし可能でしたら、我が校にいる経済的な問題で貴族学園へ入れなかった貴族家の子どもたちを奨学生として受け入れてみてはいかがでしょうか?」
学院長の提案に、リーリウムは賛同の声をあげる。
「たしかに、優秀な生徒がいれば、学園内の空気が変わるかもしれませんね。
また、アイリ嬢たちも貴族社会について学べますし、将来の社交にも役立ちます。
貴族学園の予算や制度などを確認して、それをクリアできれば実現可能な良い案かと思います。」
リーリウムの意見に、ヘンリクスもうなずき、学院長の案を前向きに検討することにした。
アイリがあのまま貴族としてのたしなみをろくに身につけず、社交界デビューをしてしまうのは、あまりにかわいそうだと二人は考えていたのだ。
「良い案をありがとう。
しかし、貴校の優秀な生徒を貴族学園へ転校させても良いのか?」
「ふふ。殿下、我が校の生徒は貴族の子だけでなく、平民の子も全員が優秀です。
また、貴族の生徒は貴族学園への奨学生を目標に、さらに切磋琢磨するでしょう。
貴族家の子どもたち向けに、奨学生編入試験対策クラスを立ち上げてもいいですね。
彼らが貴族であることを隠さなくなれば、商家の子どもたちにとっては将来の人脈作りにもつながりますし。
我が校としても、メリットが多いかと思います。」
にっこりとほほ笑む学院長に、ヘンリクスもリーリウムも納得した。
二人は、学院長が自校の発展も同時に考えていたことに、感心していた。
「学院長、教育者からの貴重な意見をまた伺いに、訪ねてきても良いだろうか?」
「もちろんでございます。殿下。」
挨拶をして、学院長室を後にする二人。
歩きながら、ヘンリクスとリーリウムは心強い味方を得られたことを喜びあった。
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