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Lesson.4 ヒロイン封じと学園改革
59.アンドレアスの不在
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午後の授業を終え、放課後の生徒会室に皆が集まった。
しかし、やはりアンドレアスだけは姿を見せない。
今日は、置手紙もなかった。
リーリウムは、サラの様子がおかしかったことに嫌な予感を覚えた。
「お姉様、今朝、アンドレアス様がヴィオラお姉様に会いにいったそうなのですが、ご存じでしたか?」
「いや、知らなかった。
だけど、お姉様のあの様子なら、すぐに話し合いの場を設けそうだなという予想はしていたよ。」
「アンドレアス様はいつもよりも上機嫌で出かけていったそうなのですが、学園にやってきた時は元気がなさそうだったそうです。
それで、心配したサラ嬢が様子を見に行ったのですが、今度はサラ嬢が元気をなくしてしまったのです。
わたくしたちが何を聞いても『大丈夫』としか言わなくて……。
ヴィオラ姉さまとアンドレアス様の間で、何かが起こったのではないでしょうか?」
「そうだね。その可能性がありそうだ。」
フレエシアは腕組みをして、ヴィオラが怒っているのか悲しんでいるのか、どちらにせよ今晩は大変な夜になりそうだと考えていた。
しんとした、沈黙の時間が流れる。
「アンドレアス様は、今日ずっとアイリと共に行動していました。」
ジョンがその静かな時間を破り、全員がなんとなくそうではないかと考えていた事実を口に出した。
「いつもと同じようにお昼ご飯をいっしょに食べようかと思ってアイリを誘いにいったら、もう教室にはいなくて……。
昨日いっしょに弁当を食べた中庭に行くと、アンドレアス様と共にお昼を過ごしているのを見つけたのです。
アンドレアス様は僕がスパイをしているのをご存知なので、話しかけずに二人の様子を見ていました。
二人はまるで恋人同士のようで……。
もしかすると、すでに僕がスパイだということがアイリにも知られてしまったかもしれません。」
「その可能性は否定できないね。」
フレエシアは頭を抱えたい気分だった。
アンドレアスのヴィオラへの心酔ぶりは、たしかに危ういものだった。
しかし、ここ数年で築き上げたアンドレアスとウェスペル公爵家との絆も、確かにあるのだと信じていたからだ。
しかも、もうジョンはアイリに近づけない。
手段が一つ減ってしまった。
「アンドレアスは、あの令嬢のチャームの魔法にかかってしまっているという可能性はないだろうか?」
ヘンリクスが声を上げる。
フレエシアはギョッとして、リーリウムを見るが、私は話していないとばかりに首を静かに振る。
ヘンリクスは、アイリからの手紙について、マギア教授から聞いた話を皆に伝えた。
「アイリ嬢は魔法の使い手ということですか?」
思わずアーサーが驚いた声を出す。
「いや、まだ確定ではない。
今マギア教授が解析をしている最中だ。
しかし、ジョンがアイリのそばを離れ、我々と行動を共にするようになったとたん、正気にもどったのはそのせいなのではないかと思わずにはいられない。
それに、アンドレアスもだ。
あんなにヴィオラ嬢を大切にしていたのに、急展開すぎないか?」
ヘンリクスは、推論を皆に聞かせた。
「そうなると、俺たちは大丈夫なのでしょうか?
教授は高貴な血にはチャームを無効にする力があるのではと言っていましたが、不確実すぎます。」
ディナルドは、昼から思っていたことをこの機会に話し始める。
「アンドレアスは、本当にヴィオラ嬢を愛していた。なのに……。」
ディナルドは、よくわからない力のせいで愛する者を悲しませるのではないかと考えると、恐ろしくてたまらなかった。
思わず、フレエシアと目が合ってしまう。
「ディナルドや殿下たちは大丈夫だよ。」
フレエシアが笑顔で答える。
「なんで、そう言い切れるんだよ。」
まさか、ユニカ様の日記帳にそう書いてあったとは言えない。
リーリウムは、ハラハラと二人のやり取りを見守っていた。
「今は言えないけれど、ちゃんと大丈夫だと言える根拠はあるよ。」
「そうか、そうお前が言うなら、そうなんだろう。」
アンドレアスが魅了されてしまった理由も、ジョンが正気に戻った理由もまだわからない男性陣だったが、フレエシアの言葉は不思議と信じることができた。
フレエシアやリーリウム、ウェスペル公爵家の娘たちを“無条件で信じ、信じられる”だけで、チャーム無効の恩恵を受けることができていることを、彼らは知る由もなかった。
しかし、やはりアンドレアスだけは姿を見せない。
今日は、置手紙もなかった。
リーリウムは、サラの様子がおかしかったことに嫌な予感を覚えた。
「お姉様、今朝、アンドレアス様がヴィオラお姉様に会いにいったそうなのですが、ご存じでしたか?」
「いや、知らなかった。
だけど、お姉様のあの様子なら、すぐに話し合いの場を設けそうだなという予想はしていたよ。」
「アンドレアス様はいつもよりも上機嫌で出かけていったそうなのですが、学園にやってきた時は元気がなさそうだったそうです。
それで、心配したサラ嬢が様子を見に行ったのですが、今度はサラ嬢が元気をなくしてしまったのです。
わたくしたちが何を聞いても『大丈夫』としか言わなくて……。
ヴィオラ姉さまとアンドレアス様の間で、何かが起こったのではないでしょうか?」
「そうだね。その可能性がありそうだ。」
フレエシアは腕組みをして、ヴィオラが怒っているのか悲しんでいるのか、どちらにせよ今晩は大変な夜になりそうだと考えていた。
しんとした、沈黙の時間が流れる。
「アンドレアス様は、今日ずっとアイリと共に行動していました。」
ジョンがその静かな時間を破り、全員がなんとなくそうではないかと考えていた事実を口に出した。
「いつもと同じようにお昼ご飯をいっしょに食べようかと思ってアイリを誘いにいったら、もう教室にはいなくて……。
昨日いっしょに弁当を食べた中庭に行くと、アンドレアス様と共にお昼を過ごしているのを見つけたのです。
アンドレアス様は僕がスパイをしているのをご存知なので、話しかけずに二人の様子を見ていました。
二人はまるで恋人同士のようで……。
もしかすると、すでに僕がスパイだということがアイリにも知られてしまったかもしれません。」
「その可能性は否定できないね。」
フレエシアは頭を抱えたい気分だった。
アンドレアスのヴィオラへの心酔ぶりは、たしかに危ういものだった。
しかし、ここ数年で築き上げたアンドレアスとウェスペル公爵家との絆も、確かにあるのだと信じていたからだ。
しかも、もうジョンはアイリに近づけない。
手段が一つ減ってしまった。
「アンドレアスは、あの令嬢のチャームの魔法にかかってしまっているという可能性はないだろうか?」
ヘンリクスが声を上げる。
フレエシアはギョッとして、リーリウムを見るが、私は話していないとばかりに首を静かに振る。
ヘンリクスは、アイリからの手紙について、マギア教授から聞いた話を皆に伝えた。
「アイリ嬢は魔法の使い手ということですか?」
思わずアーサーが驚いた声を出す。
「いや、まだ確定ではない。
今マギア教授が解析をしている最中だ。
しかし、ジョンがアイリのそばを離れ、我々と行動を共にするようになったとたん、正気にもどったのはそのせいなのではないかと思わずにはいられない。
それに、アンドレアスもだ。
あんなにヴィオラ嬢を大切にしていたのに、急展開すぎないか?」
ヘンリクスは、推論を皆に聞かせた。
「そうなると、俺たちは大丈夫なのでしょうか?
教授は高貴な血にはチャームを無効にする力があるのではと言っていましたが、不確実すぎます。」
ディナルドは、昼から思っていたことをこの機会に話し始める。
「アンドレアスは、本当にヴィオラ嬢を愛していた。なのに……。」
ディナルドは、よくわからない力のせいで愛する者を悲しませるのではないかと考えると、恐ろしくてたまらなかった。
思わず、フレエシアと目が合ってしまう。
「ディナルドや殿下たちは大丈夫だよ。」
フレエシアが笑顔で答える。
「なんで、そう言い切れるんだよ。」
まさか、ユニカ様の日記帳にそう書いてあったとは言えない。
リーリウムは、ハラハラと二人のやり取りを見守っていた。
「今は言えないけれど、ちゃんと大丈夫だと言える根拠はあるよ。」
「そうか、そうお前が言うなら、そうなんだろう。」
アンドレアスが魅了されてしまった理由も、ジョンが正気に戻った理由もまだわからない男性陣だったが、フレエシアの言葉は不思議と信じることができた。
フレエシアやリーリウム、ウェスペル公爵家の娘たちを“無条件で信じ、信じられる”だけで、チャーム無効の恩恵を受けることができていることを、彼らは知る由もなかった。
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