悪役令嬢にならないための指南書

ムササビ

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Lesson.5 物語の終わり

135.これから2

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「殿下、私は令嬢方をお送りしてから、自宅へ戻り父と兄に状況を報告しようと思います。
魔法が使えるようになったことで、今後に多大な影響を及ぼすと思うので」

「そうね、昔は魔法騎士団もあったものね」

ディナルドの言葉を受けて、ユニカがつぶやく。
ユニカの時代も、ルーナノワ公爵家が軍部を司っていた。
ずっと変わらないものもあることに、ユニカ少し安堵する。
今後、魔法が使えるようになって、宰相のウェスペル公爵も騎士団をまとめるルーナノワ公爵も多忙になるだろう。

「ふむ。おそらく、明日の朝早々に公爵たちには招集がかかるだろう。では、ここでお別れだな」

「お姉様、わたくしはヘンリクス様と共に王宮へ戻ってもよろしいでしょうか?」

リーリウムが、おずおずと話しかける。

「それはいいけれど、体は大丈夫なの?」

ヴィオラが病み上がりのリーリウムを労わる。

「はい、体内の魔力が安定したようで、もうすっかり」

リーリウムが笑顔で応える。
そして、ヘンリクスを見つめると、「一緒に叱られると、先ほど約束したので……」と、小さな声でヴィオラに伝える。
ヴィオラは、かわいらしい妹の言葉に微笑みながらうなずいた。

「殿下、リーリウムも共に行かせてもよろしいでしょうか?」

ヴィオラがヘンリクスに尋ねる。

「もちろんだよ!」

ヘンリクスはそう言って、リーリウムの手を取り歓迎する。

「リナ、リーリウムのドレスを出してくださる? せめて身支度くらいはしないと!」

「だけどコルセットを付けたり、ヘアセットをする時間はないよ?」

礼節を重んじるヴィオラに、フレエシアが忠告する。
舞踏会の時に来ていたドレスは、着用するだけで時間がかかる。

「簡易的なドレスもあったと思うんだけど、ちょっと待ってて」

リナはそう言うと、アイテムボックスから淡いピンクのスカート部分にチュールがたっぷり使われたドレスを取り出す。

「リーリウムは細いから、コルセット無しでも入ると思うんだよね」

「あら、このドレス……。ちょっと見せて?」

ユニカはそのドレスを手に取ると、真剣な様子で確認をする。

「これ、私たちの世界のドレスの縫製に似ているわね」

「そうなんだよ。
昔転生してきたヒロインの子がさ、元々は服飾関係の学校に行ってたらしくて、こっちでも洋服を作って生活してたんだよ。
恋愛より布地探しだって言って、世界中を旅したりね……
その集大成として晩年、このドレスを私にくれたんだ」

「いろいろな子がこの世界にやってきていたのね……」

ユニカは感心しながらドレスの繊細な刺繍をそっと撫でる。
そして、ドレスをリーリウムに手渡すと、リナに言って目隠しの魔法を唱えさせた。
リーリウムは目隠しで包まれた空間の中で、ヴィオラに手伝ってもらいながらそのドレスに腕を通した。
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