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『Underground wolF』
歪な波紋
しおりを挟む俺は結局そのまま一週間の入院を余儀無くされた。その間の会食や打ち合わせは当然全てキャンセル。俺の代わりに山室や慎太郎を向かわせるなんて頭は最初から無い。俺は山室の言う通り、何でも自分一人でやらないと気が済まないのだ。
純平は一時山室に預かってもらう事にして久しぶりの邪魔者のいない生活。会社を立ち上げて十年にはなるが、これ程迄ゆっくりと過ごす時間はあっただろうか。メールや電話で済ませられる仕事はしていたものの、面会に来る僅かな人間と会話をするだけの時間。だがカーテンの隙間から漏れる陽光に微睡む優しい休息は、逆に俺の心を疲弊させて行った。
その日もガラス越しに聞こえる薄い蝉の声をBGMにぼんやりと風に揺れる深緑の樹木を眺めていると、病室の扉が遠慮も無く開かれた。
「おう将生。元気そうじゃねえか」
ズカズカと静かな個室に突撃して来た人物は、浅黒いスキンヘッドの中年男。組の幹部であり、立場上は俺の兄貴分でもある篠原文徳。枕元の椅子に腰を下ろした途端に煙草に火を付ける様な、品性の無い野郎だ。
この男がここに来た理由は何も弟分の入院を心配してではない。大方昨日行われた寄り合いで何か唯ならぬ報告が上がって俺の所にも来たのだろう。談笑する気にもなれないし、適当に頭を下げた後は篠原の言葉を待っていたのに、何を思ったか咥え煙草の男は辺りを見回しながら小さく舌打ちをして見せた。
「……今日はいねえのか」
それが誰の事かは考えなくても分かる。あわよくば俺の下で働く山室に会えればと思ったのだろう。
今は立場上俺の会社の社員である山室は、元は俺が腰を据えている山室組の若頭だった。それも二十年近く前の話しにはなるが、篠原の様な古参は山室の事を良く良く知っている。無愛想で硬いあの男は不思議と誰からも好かれる。篠原も随分可愛がっていたとは興味も無いのに良く聞かされたもんだ。そんな破門された山室を隠して使ってた事がバレたのはつい二年程前の事だ。組長は激昂していたが、そこは何とか俺が準構成員ではなく社員だと押し通して今に至るのだが。
目当ての男がいない広い個室を見回す事に飽きたのか、篠原は俺に向けてニヤリと口元を歪め、金歯の光る白い歯を見せた。
「どうだ。隆司は使えてんのか?」
「勿論。あの人の息子ですから」
「そうかい?俺には組長の息子とは到底思えねえけどな」
そう言って豪快に笑う篠原を前に、俺の表情には作られた笑みすら無い。元々組の連中に愛想笑いを送る気も、謙る気も更々無い。俺が無理にでも愛想を振りまくのは、金を落としてくれる人間だけだ。当然可愛げの無いその性質のお陰で組で疎まれはするが、俺は最早三下が手出し出来るような立場にはいない。その為にわざわざ煩わしいヤクザの社会で幹部迄這い上がって見せたんだ。稼いで来てやっている。だから文句は言わせない。俺は好きにやらせてもらう。それは組長も良く理解してくれている。まあ尤も、組に良い額落としてくれる俺を自由にやらせない手はないだけの話しだ。
しばらくどうでも良い話が続き、何時も通り適当な相槌を打っていると、篠原はふと思い出したように煙草を揉み消した。
「そうそう、近々國真会と金丸組の間で大規模な出入りがあるらしい。特にお前さんは気付けてくれよ?間違っても広島には行くな」
山室組直参の一つである國真会は元々、俺の昔いた組だ。篠原の言ったどちらも広島に拠点を置く暴力団。そして広島は俺の故郷でもある。つい数ヶ月前迄身を隠す為に帰っていた事も事実だ。どちらにも顔が割れている事もあって、決まった舎弟を持たない俺が一人で行くのは危険だと言う事だろう。
「行く訳無いじゃないですか。今更広島に用は無いですよ」
半ば不機嫌になってそう返した俺を見て、篠原は大袈裟に眉を顰めた。
「ああ?何言ってやがる。毎年あの男の命日に墓参りしてんだろ。俺の情報網を舐めんなよ?」
珍しく心臓が竦み上がり、嫌な汗が背中にジワリと滲む。
「しっかし何でまたあんな奴の墓参りなんか行くかね。そんな物好きはお前と孝明だけだ」
遠慮も無く言葉を続ける篠原に、その話はそれ以上するなとの意図を込めて視線を向ける。一応汲み取ってはくれたのか、男は大袈裟に戯けて見せた。
「おいおい悪かったよ。そんな怖え顔すんなよ。飴食うか?廊下で婆さんにもらってよ」
スーツのポケットから取り出された梅の飴は、袋から剥かれ鼻先に突き出された。次いでぐいぐいと押し付けて来るものだから、仕方が無く口を開けて篠原の手から飴を食わされる。まるで餌付けされる動物のようで、酷く不愉快だ。
眉間に皺を寄せたまま梅飴をころころと転がしている俺を見詰めていた男が、再び思い出したように口を開いた。
「ところでお前次の嫁は貰わないのか?」
「……疲れたんですよ」
つい零れた紛れもない本音に、篠原は再び豪快に笑った。
「なあに生意気な事言ってんだこの色男さんよ」
痛む頭に無遠慮な拳が見舞われ、思わず顰めた顔を、適度に年を重ねた男が覗き込む。
「しかし何時見てもお前の面には何もねえな。夢もねえ。目標もねえ。野心すらねえ。死に掛けの爺でももちっとマシな面構えしてるぜ?まあ、どうでも良いけどよ。邪魔したな。しっかり直せよ」
適当に手を振って、篠原は宛ら嵐のように去って行った。ドッと押し寄せる怠惰感に耐え切れず白いシーツに身体を沈め、ゆっくりと瞼を閉じる。
……結婚ね。俺は一年程前に四度目となる離婚をして、今では特定の相手も持たない自由な身だ。元々結婚してようが自由である事に変わりは無いが、其れ相応の気遣いはしなくちゃならない。血の繋がらない人間同士が書類を提出するだけで〝家族〟と言う名の囚人になる。四人目の妻と別れて以来、俺はそんな結婚と言う巫山戯た形式が鬱陶しくなっていた。
幸せにしてね。幸せになろうね。どの女も夢を見ている間は示しを合わせたように瞳を潤ませてそう語り掛ける。結婚したら幸せになれるのか。赤の他人が身を寄せ合い生きる。それの何処が幸せなのか。理解に苦しむ。だが愛情と言う物を崇拝している人間にとって、他人と人生を共に歩むと言う行為は、この上ない幸福なのかもしれない。それも俺には無縁の思想だ。だが他人に縋られる度に湧き上がる疑問。地球上に天敵のいなくなった人間が何故、孤独をこんなにも恐れるのだろう。それは唯一俺がどれ程考えても分からない謎だ。
「痛──」
動き続ける脳は、頭に重い鈍痛を呼んだ。
その後は組の人間も顔を見せず、穏やかと言えば穏やかに日々が過ぎて行った。この一週間の入院生活の中で面会に来た物好きは山室か慎太郎、一応俺付きと言う体の三下と山室組の若頭の後は煩い純平位。なるべく何も考えないように日々を過ごしたお陰か、経過は順調で、俺は予定通りに退院の日を迎えた。
「おはようございます」
「おはよう」
迎えに来た慎太郎が纏めた荷物を手際良く手にし、俺達は白衣に身を纏った若い看護師に見送られて病院を後にした。慎太郎は持ち前の頑丈さでもう大袈裟な包帯も取れていたし、少し傷は残っているが本当に大した事はなかったようだ。
広い病院の駐車場迄の道程、言葉を交わす事も無い。慎太郎は山室と違い、普通に人を憎む事の出来る男。俺も好かれようとは思わない。憎まれた方が楽だ。
病院の自動ドアが開いた途端、吹き込んだ熱風に、一気に汗が滲んだ。乾いたアスファルトがジリジリと熱せられ、地面が陽炎に揺れる。久しぶりの外界は余りにも厳しい物だった。ゆっくりと進む俺に慎太郎が扉を開けて乗車を促す様に視線を投げる。こんな風に、どんなに嫌いな相手にも従順な慎太郎が可笑しくて思わず小さく笑いを漏らすと、心底嫌そうな顔を向けられた。
「山室の家寄ってくれる?」
運転席に座りエンジンを掛けるのを待ってから行き先を告げると、慎太郎はバックミラー越しに眉を顰めた。大方俺の目的を察したのだろう。慎太郎はそう言う頭の働く男だ。ギアを入れる手が何時もより重く動き、意を決したように口が開く。
「……純平なら後で俺が連れて行きますよ」
「良いから、行けよ」
一瞬の間を置いて車は静かに走り出す。
「慎太郎。まさかとは思うけど、雪を庇おうとでもしたの?」
その答えは返っては来なかった。仲の悪かった筈の二人が何時の間にか心を通わせている。それは俺に似ていた雪が変わった何よりの証拠。だからバカな幻想を抱き、冬弥に居場所を教えるなんて余計な事をする。それが許せなかった。
沈黙を守り続ける車が幹線道路を抜け細い道を進むと、やがて下町情緒溢れる街並みが姿を現した。懐かしく感じるのは、東京に出て来たての頃に住んでいた街に似ているからだろうか。低い平屋の隙間を縫って点在する赤錆の浮いたアパート。ポツンポツンと見受けられる寂れた商店に、黒い煙を吐き出す銭湯。同じ東京の筈が、俺の住む街とは流れる時さえ違うような錯覚を覚える。だが古き良き時代とは良く言った物で、例に漏れず俺もこの街並みは嫌いじゃない。
そんなノスタルジックな景色に思考を奪われている隙に車はこの辺りでは大きめのマンションの前で止まった。車から降りて後部座席の扉を開ける慎太郎の表情は何処か浮かない。大方雪が心配なのだろう。しかし喧嘩を売ったのは雪の方だ。どんな目に合おうが自業自得。
そもそも俺はそう言う人間だ。気に食わなければ簡単なきっかけで暴力に訴えるようなド底辺のチンピラと同じ。だが自分の奥底に眠るそんなバカげた狂気も今では飼い慣らしてはいる。前科者ではあるが雪が堅気の人間である事も大きい。相手が堅気じゃなかったら、俺はこの湧き上がる静かな怒りをも抑える事は出来なかっただろう。それに、今は会社を経営している身。下手は打てない。
社会の目を欺いて、法の網目を掻い潜り、人生を金儲けの為に浪費して行く。……つまらない人生だ。全く反吐が出る。六階迄の短い道程、そんな途方もない所迄思考は沈む。俺の悪い癖だ。
俺も何度か訪れた事のある山室の家の扉を慎太郎がゆっくりと開く。鍵もかけてないなんて無用心だな。そんな事を考える俺を置いて、慎太郎は遠慮も無く家へと上がって行った。その背中を追い掛けリビングに顔を出すと、山室と雪が並んで純平に字を教えている所だった。
「将生!」
デカい子供は俺の姿を目にするとまるで犬のように飛び付いて来た。その様子に二人揃って顔を上げると山室だけが小さく頭を下げる。
「お疲れ様です。どうですか?身体の方は」
そんな事はどうでも良い。
「何で来たか、分かっているよね?」
腰元に抱き付く薄い色の髪を撫でながらなるべく静かに言い放つと、一瞬にして狭いリビングに緊張の糸が張り詰める。微かに焦りを見せた山室とは対象的に、俺の視線の先の人物は表情を微塵も崩さない。
「雪は俺の気持ちを一番理解してると思っていたけど?」
慎太郎より、山室よりも付き合いが長いのは雪だ。この驚く程に美麗な顔立ちの男がまだ十七歳の時から俺はこいつを知っている。快楽に溺れ遊んで、挙句面倒になって切り捨てたうちの一人。俺の性根に近いものを持ち、そして山室に出逢い重い暗闇を抜けて行った人間。
睨み合う時間だけが流れ、雪は俺の問い掛けに中々答えを出さない。それが無駄な時間に感じて、俺はさっきより強く問い掛ける。
「どうして冬弥に居場所を教えたりした?」
「じゃあ逆に聞くけど、何で冬弥に未練を残した?」
半ば食って放たれた言葉に一瞬にして全身の血が引いて行く。目の眩む程の衝撃を受けたような、不気味な寒気が背筋を駆け巡った。
「ねえ、知ってる?あんたが姿晦ました後、たまに冬弥が俺に電話して来てたの」
そんな事を俺が知る訳ないし興味も無い。だがゆっくり立ち上がった雪が、不思議とこの世で何よりも恐ろしい物に思えた。
「変だなと思ったよ。あんたは何時も未練すら残してはくれないからね。だから隆司さんに何でこうなったのか詳しく聞いた。……驚いたよ。あんたらしくない」
俺は無意識に雪の胸倉を掴み上げていた。放り投げられた純平の小さな悲鳴が何処か遠く耳を掠った気がしたがどうでも良い。目敏い仔猫が剥いた牙は、思いの外深く平常心を抉る。
「……だったら、何?」
絞り出した声は、自分が思うよりも冷たい物だった。慎太郎も山室も、息を詰めているのが良く分かる。だが余りにも衝動的なこの暴挙を誰一人止めようともしない。雪の気持ちを尊重してるつもりだろうか。気持ちが悪い。俺を見上げる雪の口元が歪み、張り付いたような厭な笑を浮かべた。
「みっともねえな。何取り乱しちゃってんの?」
その言葉で漸く俺の頭から昇った血が引いて行く。確かに、みっともない。
「答えてよ。どうして?俺ね、それだけが分からないんだ」
落ち着け。冬弥を捨てた事に、何も後ろ暗い事など無かった筈だ。どうして何て、知れてる。あの時は目的の為にそうするしか無かった。それだけだ。俺が、冬弥にだけ特別な感情を抱いていたとでも?……下らない。全く愚かな事をしてくれたもんだ。
ゆっくりと掴み上げた襟元から手を離し、俺のお陰で乱れた衣服を丁寧に整える。完全に冷え切った頭で思考を巡らせ、この不躾な青年を黙らせる方法を用意してから俺は重い口を開いた。
「ねえ、雪。そんなに俺の事を知っているなら分かるだろう。未練に引き摺られて生きていた方がマシだったんじゃない?こんな下らない仏心出しても余計に冬弥を苦しめるだけだよ」
「……それを決めるのは俺達じゃない。冬弥だ」
一瞬の間は、心の何処かで同意しているからだ。雪はよくよく知っている。俺に関わって、苦しまない筈が無い事を。それを知りながら進むと言うのなら、教えてやる迄だ。
「誰かを愛し、その相手が自分を愛してくれるなんて、そんな人生は素晴らしい物だよね」
深い絶望の中で膝を抱え叫び続け、優しく手を引いてくれた山室にさえ牙を剥いて、傷付け合ったその果てに、幸せを手にした雪。愛情がどれ程尊い物か身を持って知ったからこそ、俺ですら変われると思ったのだろうか。それとも単純に冬弥を想っての事なのか。前者でも後者でも、どちらにしても愚かしい事この上ない。愛情で幸せになれる人間もいる。
「だけどね、俺には必要ない。俺が俺に固執する人間を無情に斬り捨てる理由はね、お前みたいに引き摺られたくないからだ。お前にとっては大切なそれも、俺にとっては邪魔なんだよ」
俺はそもそも幸福を望んだ事すらないのだから。
思惑通りそれ以上雪が口を開く事もなく、俺は純平を連れて山室宅を後にした。運転手である慎太郎は当然ながら、何故か呼んでもいない山室がその後を追う。
後部座席を開き純平を乗り込ませ、俺も乗り込もうとした所で山室が小さく俺を引き止めた。
「将生さん……ちょっと良いですか?」
思い詰めたような不安気な瞳が酷く似合わない男だ。
「……何?」
渋々扉を閉めて向き合うと、一つ息を吐き出した後に山室は重い口を開いた。
「その、伊崎に聞いてからずっと気になってたんですが……もしかして、米倉さんの事をまだ──」
嗚呼、本当に今日は厄日だ。そんな溜息が漏れそうになって、慌てて俺は何時ものように笑って見せた。
「米倉?ああ、いたねそんな奴。バカな男だよね」
「将生さん……」
物言いた気な瞳が、深い悲しみを映し出す。だが心の底で火の付いた残虐性は優しいこの男を傷付けたいとさえ訴えた。山室を見ていると思い出す。底無しにバカだった、米倉って男の事を。
「俺が……引き摺っているんじゃないかって?確かに目の前で脳天撃ち抜いて死なれたんじゃ堪らないよね。普通の神経してたら発狂してたんじゃない?俺でさえ今でもたまに夢に見るよ。バカな男の死に顔なんて今更見たくも──」
「将生さん!」
鋭い怒声とは裏腹に、山室の瞳は揺れていた。
「そんな言い方……するもんじゃねえ」
だったら、どう言えば良い。悲しみに暮れてやれば良いのか?泣いてやれば良いのか?
「ねえ、山室。死んだ人間を偲んで何になる?罪悪感なんて感じて何の意味がある?米倉さんはもうこの世にはいない。それだけが、変わる事の無い真実だ。分かっているだろう?俺はそう言う人間だよ」
諦めろ。俺は変わらない。
立ち尽くす山室を置いて、車が静かに走り出す。波立たぬ筈の静かな心の水面を揺らす、小さな波紋。元國真会若頭、米倉輝樹の遺した爪痕が今になり化膿してじくじくと弱い痛みを断続的に引き起こす。重く憂鬱な思念の波に呑まれ、引き摺り出された紅く熟れた古傷の姿。真夏の炎天下に立ち尽くす俺の鼻先に突き出された缶コーヒーの冷たささえ、蘇るようだ。
共に歩んだ日々を懐かしみ、あの人のくれた愛情を撫でる。俺の為に命を捨てた事を責め、俺の所為で命を落とした事を罪に感じる。そんな事をして何になる。
罵って、見下して、嘲笑ってもみた。その裏側で情に絆されいっそ声を上げて泣く事が出来るのではないかと思った事もあった。だが凍て付いた心は、その何もかもを闇に沈めた。
どんなに願ったとしても、もう、届きはしないのだから。
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