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『Underground tigeR』
山室秀司
しおりを挟む俺を山から拾った山室晋三は、俺にアパートの一室と、ガラの悪い一人の男を寄越した。田島と言う男だった。そして戸籍と言うもの、名前を初めてもらった。田島一平としての人生は、名前も知らず何年も共に過ごしたホームレスの男の死から始まった。
学校には馴染めなかった。一日だけ行ったが、それきりだった。そもそも文字が読めない。会話もろくにできない。人間と言う生き物に慣れていない。何もかもが恐ろしくて堪らなかった。
結果毎日家で膝を抱えていたが、田島は決して俺の事を喜んで世話をしている訳ではなかった。思い出したように銀色の深い器を投げてよこした。生臭い魚のすり身のようなもの。それが猫の餌だと言う事も俺は知らなかった。
家を空ける事も多く、時折山室晋三の部下や、本人が様子を見に来る事もあった。その度に田島は叱られていたようで、当て付けに俺に暴力を振るった。暴力は嫌いだったが慣れてはいた。叫べば叫ぶほど痛い目を見る事も知っていた。だから俺はじっと田島の目を見て耐え忍ぶ。田島に言わせてみれば、それが余計に不気味だったのだろう。
バレなかったそんな虐待も、遂に山室晋三が気付く事になった。気まぐれに旅行に連れて行かれ、風呂に入った時に身体中のあざを見られそれきり。田島は二度と俺の前に姿を見せなかった。
何故誰にも言わなかったと山室晋三はいったが、誰かに言って何がどうなる訳でもない事を俺は知っていた。この男に会うまでは。
学校は遂には行く事ができず、人と関わりも持てないまま年だけ取って、やがて十七になる辺りで、山室組の構成員として山室晋三の家に入る事になった。その時の俺はヤクザと言う稼業が何であるかもよく知らなかったし、山室晋三と言う男がどう言う人物かも知らなかった。興味もなかった。ただ飯が食えるのなら何でも良かったし、自分で何かを決める能力においてはゼロに等しい。
人としての能力がない俺なんかを何故、とも思わなかった。それ程に知識がなかったからだ。今なら思う。何故俺なんかを、と。
「人の顔をよく見ろ。お前に足りないものの全てを誰もが持ってる。学べ、一平」
山室晋三は事あるごとに俺にそう教えた。その意味も理解は出来なかったが、それから俺は人の顔を観察するようになった。
他の組員の手前部屋住みから始めたものの、敬語を知らなかった俺は随分と苦労をした。組長にすらタメ口を聞くものだから、周りも毎度慌てふためいていた。俺の生い立ちははぐらかされて伝えていたようで、ただネグレクトを受けていたと言う事だけだったようだ。そんな奴は珍しくもない。ただただ口の聞き方を知らない舐め腐ったガキが入ってきたものだから、血気盛んな部屋住の下っ端はカッとなってよく暴力に訴える。山室晋三はそんな俺を痛めつける兄貴衆を宥めていつも納めてくれていた。
そんな中でも俺を気に掛けてくれていたのは、山室晋三の息子、秀司さんであった。彼はまるでこの家に住む極道者とは程遠い、出会った事のない柔らかな空気を纏う男だった。年は二つしか変わらなかったが、特異な生い立ちの俺を面白がっていたのか、憐んでいたのか。今では分からない。
まだ組員になる前から面識はあり、秀司さんは俺を色々なところへ連れて行ってくれた。動物園、水族館、遊園地や海。ありとあらゆる場所に俺を連れ回しては、表情が動かない俺を前にしても楽しそうに笑っていた。
「ほら、一平にそっくりだ」
動物園に行けばいつもそう言って虎を指差す。
「でも、一平の方が目が鋭いね。野生っぽい」
よく意味が分からなくて、俺は大概シカトしていた。ただ秀司さんが俺に似ていると言った大きな縞模様の猫は、とても気に入っていた。
秀司さんは俺が組員になってからも変わらなかった。当時は秀司さんの兄である隆司さんが若頭だったが、忙しく動き回っていて殆ど会った事はない。秀司さんは実いえば組員でもなく、ただ実家に暮らしているだけのようだったから、きっと俺に構っても許されたのだろうと思う。
「一平、こっちへおいで」
秀司さんはいつもそう言って、コミュニケーションも上手く取れず、兄貴衆に虐められる俺を部屋へ導いてくれた。沢山の本に囲まれ、彼はいつも微笑んでいた。
「よし、今日はここまでやってみよう」
読み書きの出来ない俺にひらがなを教えてくれたのも秀司さんだった。俺が苦労しないように、敬語も教えてくれた。上達は遅かったが、それでも二人でする毎日の勉強や秀司さんの話を聞く時間は不思議と嫌ではなかった。
そうこうしているうちに、俺が組員となって一年程だろうか。組内では大きな出来事があった。隆司さんが破門され、服役したのだ。十三年の実刑だそうで、次の若頭は誰になるのか、部屋住の下っ端の中でもその話題で持ちきりだった。
俺にとっては関係のない事。そう思っていたのだが、いつも通り仕事もできない何もする事がなく、ただただ呼ばれるままに秀司さんの相手をしている俺へ、秀司さんは少し困ったような笑みで打ち明けてくれた。
「一平、もう一緒に遊べないかもしれないねえ」
「なんで」
「俺ね、兄貴の後釜になるんだ」
後釜が何か分からなかった俺は首をかしげる。
「俺がこの組の若頭になるんだよ。親父の後継。親父が死んだら、俺が組長になるんだ」
秀司さんはそう言うと、不思議な表情をした。初めて見る顔だった。笑っている。けれどそれだけじゃない。
「この組を潰す、絶好の機会だ」
そう言って俺の髪を撫で、秀司さんは人差し指を自身の唇にそっと当てた。
「俺と一平の秘密だよ」
俺と、秀司さんの初めての秘密。その重さを俺はまるで知らなかった。
秀司さんの心配を他所に、それからもあまり変わりはなかった。秀司さんは忙しくしていたが、暇さえあれば変わらず俺を部屋に呼び色々なことを教えてくれた。
当時秀司さんは男が好きなのだろうかと思った事もあった。女気がなく、その割に俺に簡単に触れるから。実際そう言う噂も立っていた。俺もまた、一切女と言う生き物を知らなかったからだ。秀司さんは何も気にしてはいなかったように思う。俺にしてもカシラのネコと呼ばれる事はあったが、当時は意味がよく分からず一切反応を見せない俺を、徐々に周りは気味悪がっていた。
その事もあったのか、その頃にはやっと俺はどこかおかしい奴だと認識されていっていたように思う。そもそも本当に若頭となった秀司さんの情夫だったら大事だ。次第に腫れ物に触れるように、暴力は遠ざかった。
今にして思えば、秀司さんはヤクザと言う生き物を忌み嫌っていたのだと思う。それはどこか思い詰めたように生きる兄、隆司さんを見てそう思ったのか、チンピラのような部屋住に囲まれて育ったからなのかは分からない。だが組を潰すと言う大層な野望を持って山室組若頭の席に腰を据えたからではなく、俺以外の人間には分け隔てなく朗らかに愛想を振り撒き、その実決して深く立ち入ろうとも立ち入らせようともしない態度がそう俺に思わせたのかもしれない。秀司さんと触れ合う度に、人間は面白いものなのだと感じた。それは動物園で動物を見る感覚と、なんら変わりはなかったように思う。
その日も秀司さんの部屋で、俺は秀司さんの話しをただただ聞いていた。俺は秀司さんの教えてくれる話の中で、農業の話が一番好きだった。米一粒がどうやって出来るのか、土を育てることの大切さ。空腹に喘ぐ事がなくなっても俺はまだ、やはりあの頃のまま。突然この生活が終わり再び飢餓が訪れる事を深層で恐れていた。
「田舎に土地を買おうと思ってね。老後はそこで畑を作って自給自足で暮らすんだ」
いつもの秀司さんの夢。春夏秋冬、どんな野菜を作るかを語る秀司さんの瞳は、いつでも煌めいていた。
「一平、一緒においでよ」
「うん」
何も考えず頷くと、秀司さんは嬉しそうに笑った。
「二人じゃあそんなに沢山はきっと出来ないけど、俺たちが作った野菜を使って、一平みたいにお腹を空かせた子供達のための食堂を作りたいな」
俺のような子供にとって、そこは天国になるだろう。秀司さんの夢を聞きながら、俺はぼんやりと山での暮らしを思い出していた。
不意に襖が無遠慮に開く。そんな事をできる人間は一人しかいない。
「またここにいたのか。少しは金稼ぐ事も教えてやれよ」
呆れたようにそう言うと、山室晋三はどかりと俺の横に腰を下ろした。
「いいんだよ、一平の分は俺がなんとかするから」
確かに俺は組員になってから何一つ仕事をしていない。日がな一日秀司さんの話し相手になっているか、秀司さんがいない時は部屋でぼんやりしている。まだ漢字が読めず本は読めないから、幼児用の本なんかを読む事もあった。それに対して疑問はなかった。金の意味も価値も、何も知らなかったから。
山室晋三は俺の顔を覗き込むとちいさくため息を吐く。
「いい手本だろう。秀司は人タラシだ」
「そういう才能は兄貴の方が数段上だったよ。あれは天然だ。俺のは人工」
秀司さんがそう言った瞬間、山室晋三は鋭い視線を秀司さんに向ける。秀司さんは怯えもせず、戯けたように肩を竦めて俺を抱き寄せた。
「怖い怖い。一平、あれが怒りだ」
「怒り」
「そう、親父は今すごい怒ってる。目をかけていた兄貴が裏切ったからね」
その怒りがまだおさまっていないのだと続けながら、秀司さんはその顔に柔らかな笑みを浮かべた。
「俺はね、兄貴の選択は間違っていないと思ってる。兄貴には幸せになってもらいたかった」
「幸せじゃないのか……ですか」
山室晋三の手前、俺は精一杯の敬語を使わなければならない。意識がそちらに向きながらも、数度しか見かけた事のない秀司さんの兄の顔を思い出していた。隆司さんのあの顔を見れば、幸せとは程遠かったのだろうと普通は思うだろう。だがそもそも幸せとは何なのかも俺には分からない。
「どうだろう。親父が面会に行かせてくれないから」
「お前が子猿使ってこそこそ様子を見に行っている事を俺が知らないと思っているのか」
秀司さんはとぼけていたが、山室晋三も本気で怒っているわけではないようだ。
二人の和やかな親子の会話を眺めながら、相変わらず俺は考える。幸せとはなんだろう。どう言う感情なのだろう。
「幸せって、なんですか」
思わず口に出すと、驚く事もなく秀司さんは俺に微笑みかけた。
「一平はどんな時に嬉しくなるの」
「嬉しいとは」
「思わず顔の筋肉がふやけちゃう時かなあ」
「顔の筋肉がふやけたことはないと思う、ます」
「そうだねえ、笑ったとこ見た事ないな」
秀司さんは全てに対して質問してくるこんな面倒くさい俺に対して、いつも真摯に向き合ってくれた。
「ちょっと笑ってみてよ」
秀司さんの柔らかな笑顔を思い出しながら、真似て見る。顔の筋肉をふやけさせ、歯を見せて頬を持ち上げる。こんなものだろう。そう思っていたが、秀司さんは吹き出して笑った。
「変な顔だなあ」
山室晋三も耐えきれなくなったように吹き出す。俺の初めての笑顔は、二人の本物の笑顔にかき消されてしまった。
ひとしきり笑い終わると、随分と前にいつも通りの真顔に戻っていた俺の髪を撫で、山室晋三は静かに、だが強く放った。
「一平よく見ろ。これが人間の顔だ。ヘラヘラと笑って、心のうちで泣くんだよ」
「いやだな、変なこと教えないでほしいよ。俺は本当に笑っているよ。一平といると弟ができたみたいで楽しいから」
そう言いながらも、確かに秀司さんの柔らかな笑みはいつでも少しもの悲しげだったように思う。
「いいんだよ、一平。嘘だって信じ込ませたらこっちの勝ちだ」
それが秀司さんの口癖だった。
秀司さんは確かに魅力的な人だった。山室晋三は事あるごとに秀司から学べと言い続けていた。笑い方、怒り方、人との会話の仕方。秀司さんは全て俺に教え、そして俺が組に入りまもなく十年が経とうとしていた頃、突然動かなくなった。それが初めて人の死と言うものについて考えた瞬間だった。
きっと秀司さんは組を潰すために動いていたはずだ。それなのに、敵対するどこぞの鉄砲玉にやられたと言う事になっていた。俺には若頭になった時一度漏らしたきり、何も教えてはくれなかったが、仕事も始めヤクザとしての生活に少し慣れてきていた俺は何か裏があるのではと疑わずにはいられなかった。何故今秀司さんが襲撃される必要があるのか全く分からないと、幹部陣がこそこそと話しているのを耳にしたからかもしれない。それでも真相は闇の中。秀司さんの野望は二度と叶う事なく潰えたのだ。
父親である山室晋三は息子の突然の死にも気丈に振る舞ってはいたが、その心の憔悴は長年目をかけてもらっていた俺には何となく感じられた。そして俺もまた、動かなくなった人間を前に、自身の中に眠る感情と言うものを初めて感じた。
家で一番大きな広間で棺に寝かされた秀司さんの顔を見詰めていても、何も頭が働かなかった。文字通り真っ白に弾け飛び、目の前に横たわる現実を受け入れる事ができない。どうして動かない。こんなにも綺麗な顔をしているのに。眠っているだけなんだろう、そう心のうちで語りかけ、手を伸ばし触れて見る。あれだけ熱を帯びていた身体は、ひんやりと冷たかった。
人々が集まりだしても、俺は秀司さんの頬に触れたまま何も頭には思い浮かばずぼんやりとしていた。
「一平、そろそろどきな」
見兼ねた一人にそう言われてようやく秀司さんの元を離れ、下っ端が手際よく並べた座布団の一番後ろの列に腰をおろす。そもそも俺も稼ぎが悪く下っ端にかわりはないが、秀司さんが目を掛けていたということで誰も何も言わなかったのだろう。
やがて葬儀が始まる。啜り泣く声がそこかしこから上がり、俺は空気も読めずぼんやりとした心地でそれでも人の表情が見たくて辺りを見回していた。それが気に食わなかったのだろう。
「てめえは、あんだけ世話になった秀司さんがやられたってのに眉ひとつも動かねえのか」
突然隣にいた男はそう言うと、俺の胸ぐらを力任せに掴み上げた。男泣きに泣く男の顔を間近で見詰めながら、なんとなく真似てみる。途端みるみるその表情は変わった。
「バカにしやがって」
掴みかかってきた男の顔面が間近に迫った時、それまで機能していなかった脳が物凄い速さで反応した。暴力が恐ろしくて堪らない。今までは秀司さんが守ってくれていた。それがもうないのだ。これからはきっと、こうして再び暴力によって痛め付けられる日々がまた始まる。図体ばかり無駄にデカくなっても、俺の本質は何も変わらない。そう思っていた。
しかしふと我に帰ると、俺は数人に羽交い締めにされていて、俺に掴みかかった男は床に倒れていた。その足は曲がってはいけない方向に曲がっていて、男は悲鳴を上げ、怒りに満ちた顔で俺を指差し喚いている。
「山本、しっかりしろ」
「てめえ田島、何しやがる」
誰からともなく飛びかかってくる。殴られ蹴られ、怒号の中葬式は進む。秀司さん亡き今、誰にもそれを止める理由がない。
「やめねえか」
突然騒然とする和室に轟いた声に、ぴたりと混乱が止む。
「俺の倅の葬式だぞ」
押し殺したようなその声に、その後誰一人口を開くものはなかった。啜り泣きすら消え静まり返る中、俺はただただ坊さんの読む経を聞いていた。
葬儀も終わり、秀司さんは灰になった。遺影の中の笑顔は、変わらぬまま。俺は二度と戻らぬ秀司さんの部屋に立ち尽くし、あの人が俺に教えてくれた全てを思い起こす。不思議だった。親と言う名の女が死んだ時も、俺を気まぐれに拾い育てたホームレスが死んだ時も感じなかった気持ち。ひどく胸が痛む。この気持ちを、どんな顔で表したらいいのだろう。
ふと思い出すのは、柔らかな秀司さんのあの笑み。
「ここにいたか」
その声に振り返る。どこか疲れたような顔で、山室晋三は俺と共に部屋を見回した。
「ああ、参ったな」
そう言って老いた指先を目頭に押し当てる姿を眺めながら、俺は何故かこんな時に笑みを作ろうと躍起になっていた。
笑え、一平。今は笑う時だよ──そう、秀司さんが言っているような気がした。
「下手くそだが、いい顔するようになったじゃねえか、一平」
そんな俺を見て、山室晋三はそう言うと微かに笑った。その瞳にもう涙はない。へらへらと笑って、心のうちで泣く──山室晋三はやはり、秀司さんの親なのだと知った。
俺たちが互いに心のどこかで秀司さんとの思い出を愛でていると、襖の向こうから山室晋三を呼ぶ声がした。
「入れ」
その言葉にゆっくりと襖が開く。手本のような所作で襖を開いた若い組員は、部屋には入らず入り口でそのまま額を床につけた。
「こんな時に、すみません」
「足洗うか」
山室晋三はその若者が何故ここに来たのか、全て分かっていたようだ。
「はい。秀司さんがいないなら、俺はここにいる理由がないんで」
山室晋三は大きく息を吐くと、未だ額を床についたまま顔を上げない男の元へゆっくりと歩み寄り、そしてその肩にそっと手をかけた。
「うちの倅がどっちも世話になったな、慎太郎。悪かった。その礼だ。このまま出て、二度とこの世界に帰るな」
それまで必死で耐えていたのか、慎太郎と呼ばれた若い男は山室晋三の言葉に遂に声を押し殺して泣いていた。山室晋三に見送られ、何度も深く頭を下げながら去って行くその男の顔を見詰めまたぼんやりと考える。この気持ちを、そうやって表現すればいいのか。もう少し早く知れていたら、俺も秀司さんにその顔を見せてやれたのに。
慎太郎を見送り、また二人静かに秀司さんを偲ぶ。そうしているうちに、山室晋三は徐に俺を振り返った。
「一平、俺の三人目の倅にならねえか」
余りにも突然のことに、俺は数度瞬きを繰り返す。
「三年生き残ったら、お前を後継にしようと思う」
三年生き残ったら──その言葉の意味は文字通り。まだまともに稼げもせず、部屋住の三下である俺がこの山室組の若頭となる意味。歳は二つしか変わらなくとも、実息であり才覚もあった秀司さんと俺とではまるで違う。相当な反発があるだろうことは、こんな俺にもよく分かる。
だが俺は自分で何を決める事も、考える事も、未だ何もできない。了承するより他、生きる術を知らなかった。
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