【完結】はい、かしこまりました。婚約破棄了承いたします。

はゆりか

文字の大きさ
12 / 92

10.

しおりを挟む
現在、次期国王となるべき第1王子のサムル王太子殿下がいる。
サムル王太子殿下の王としての素質は誰もが認めている。

そして、何よりサムル第1王子が王太子になっていることにはこの国として大きな意味がある。

それを覆す事はマキシマス王国自体の存続にさえ関わる問題だ。


「お前はやはり何も聞いていないのだな…先日、我が家に内密に王妃の使者が来て第2王子の婚約者の家として協力するよう話があった。しかし…」

「お父様。協力する必要はありません」
「でも、カロリーナ…そうなると貴方の立場が…」

お母様が私の隣まで来て私の手をソッと握る。
私はお母様のその手を握り返してニコリと微笑む。

「私は大丈夫ですわ。お母様」

「正直、我が家はいくらお前が第2王子の婚約者だからと第2王子を次期国王に押す事はできない。国の為にも…」

「賢明な判断です。この事は国王陛下はご存じなのですか?」

私の問いにお父様は頭をガシガシと掻いてため息をつく

「多分気づいていない。王妃は今はまだ周りの基盤を固めている所だろう」

「では、その旨を国王陛下にお伝えすべきでは?国王陛下はサムル王太子殿下の存在意義を分かっているはずですから…」

「それは難しい。既に王妃が陛下には気づかれない様手を回している。危機感を持ったものが早々に陛下にこの件を伝えたが逆に返り討ちにあったと報告を受けている。王妃は陛下には地盤が固まり次第上手く話をつけるつもりなのだろう。……マサラ王妃はしたたかなお方だからな…」

「…そんな事をしたら、マキタイ王国が我が国を攻撃するかもしれません」


「そうだな…」

事の重大さに身体がブルリと震える。

「…お父様……私は婚約者といえマルク様が次期国王になる事は反対です。国の為…国民の為にも阻止するべきです」

お父様はコクリ頷くと鋭い瞳で私を見る。

「第2王子が学園に行くことにより王太子派閥と第2王子派の閥争いが秘密裏に激化するだろう。お前は第2王子の婚約者だ。穏やかな学園生活を送りたいだろうが、巻き込まれる事は間違いないだろう」


巻き込まれる…か…

せっかく学園では全てを投げ出して穏やかな生活を送れる様になると思っていたのに…

やはり人生そう上手くはいかないのね。





先程まで楽しみだった学園生活が一気に憂鬱な物へと変わる。

でも、マサラ王妃の企みを知って黙って傍観している訳にはいかない。
国や国民はもちろん、私自身の未来にも関わる大きな問題だ。 

私は拳にギュッと力を込めると自分自身に喝を入れる。


そうよ。私は今、この時の為にマルク様の婚約者となったのかもしれない。婚約者として使えるツールを全て行使して何が何でも阻止しないと。


「お父様。私はとしてマルク様の王位を…マサラ王妃の目論み止めたいとおもいます」

私が決意を新たに宣言すると、お父様は渋い顔をする。
お父様の中で色々な葛藤が渦巻いているのが分かる。

お母様は明らかに不安気な顔をする。
どうしようもない複雑な状況に胸を痛めているのだろう…


そんな優しい両親を見て私の決意はより堅くなる。
しおりを挟む
感想 90

あなたにおすすめの小説

病弱な幼馴染を守る彼との婚約を解消、十年の恋を捨てて結婚します

佐藤 美奈
恋愛
セフィーナ・グラディウスという貴族の娘が、婚約者であるアルディン・オルステリア伯爵令息との関係に苦悩し、彼の優しさが他の女性に向けられることに心を痛める。 セフィーナは、アルディンが幼馴染のリーシャ・ランスロット男爵令嬢に特別な優しさを注ぐ姿を見て、自らの立場に苦しみながらも、理想的な婚約者を演じ続ける日々を送っていた。 婚約して十年間、心の中で自分を演じ続けてきたが、それももう耐えられなくなっていた。

『白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?』

夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」 教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。 ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。 王命による“形式結婚”。 夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。 だから、はい、離婚。勝手に。 白い結婚だったので、勝手に離婚しました。 何か問題あります?

完結 辺境伯様に嫁いで半年、完全に忘れられているようです   

ヴァンドール
恋愛
実家でも忘れられた存在で 嫁いだ辺境伯様にも離れに追いやられ、それすら 忘れ去られて早、半年が過ぎました。

〖完結〗その子は私の子ではありません。どうぞ、平民の愛人とお幸せに。

藍川みいな
恋愛
愛する人と結婚した…はずだった…… 結婚式を終えて帰る途中、見知らぬ男達に襲われた。 ジュラン様を庇い、顔に傷痕が残ってしまった私を、彼は醜いと言い放った。それだけではなく、彼の子を身篭った愛人を連れて来て、彼女が産む子を私達の子として育てると言い出した。 愛していた彼の本性を知った私は、復讐する決意をする。決してあなたの思い通りになんてさせない。 *設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。 *全16話で完結になります。 *番外編、追加しました。

〖完結〗旦那様には出て行っていただきます。どうか平民の愛人とお幸せに·····

藍川みいな
恋愛
「セリアさん、単刀直入に言いますね。ルーカス様と別れてください。」 ……これは一体、どういう事でしょう? いきなり現れたルーカスの愛人に、別れて欲しいと言われたセリア。 ルーカスはセリアと結婚し、スペクター侯爵家に婿入りしたが、セリアとの結婚前から愛人がいて、その愛人と侯爵家を乗っ取るつもりだと愛人は話した…… 設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。 全6話で完結になります。

【完結済】破棄とか面倒じゃないですか、ですので婚約拒否でお願いします

恋愛
水不足に喘ぐ貧困侯爵家の次女エリルシアは、父親からの手紙で王都に向かう。 王子の婚約者選定に関して、白羽の矢が立ったのだが、どうやらその王子には恋人がいる…らしい? つまりエリルシアが悪役令嬢ポジなのか!? そんな役どころなんて御免被りたいが、王サマからの提案が魅力的過ぎて、王宮滞在を了承してしまう。 報酬に目が眩んだエリルシアだが、無事王宮を脱出出来るのか。 王子サマと恋人(もしかしてヒロイン?)の未来はどうなるのか。 2025年10月06日、初HOTランキング入りです! 本当にありがとうございます!!(2位だなんて……いやいや、ありえないと言うか…本気で夢でも見ているのではないでしょーか……) ∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽ ※小説家になろう様にも掲載させていただいています。 ※作者創作の世界観です。史実等とは合致しない部分、異なる部分が多数あります。 ※この物語はフィクションです。実在の人物・団体等とは一切関係がありません。 ※実際に用いられる事のない表現や造語が出てきますが、御容赦ください。 ※リアル都合等により不定期、且つまったり進行となっております。 ※上記同理由で、予告等なしに更新停滞する事もあります。 ※まだまだ至らなかったり稚拙だったりしますが、生暖かくお許しいただければ幸いです。 ※御都合主義がそこかしに顔出しします。設定が掌ドリルにならないように気を付けていますが、もし大ボケしてたらお許しください。 ※誤字脱字等々、標準てんこ盛り搭載となっている作者です。気づけば適宜修正等していきます…御迷惑おかけしますが、お許しください。

〖完結〗では、婚約解消いたしましょう。

藍川みいな
恋愛
三年婚約しているオリバー殿下は、最近別の女性とばかり一緒にいる。 学園で行われる年に一度のダンスパーティーにも、私ではなくセシリー様を誘っていた。まるで二人が婚約者同士のように思える。 そのダンスパーティーで、オリバー殿下は私を責め、婚約を考え直すと言い出した。 それなら、婚約を解消いたしましょう。 そしてすぐに、婚約者に立候補したいという人が現れて……!? 設定ゆるゆるの、架空の世界のお話しです。

【完結】辺境に飛ばされた子爵令嬢、前世の経営知識で大商会を作ったら王都がひれ伏したし、隣国のハイスペ王子とも結婚できました

いっぺいちゃん
ファンタジー
婚約破棄、そして辺境送り――。 子爵令嬢マリエールの運命は、結婚式直前に無惨にも断ち切られた。 「辺境の館で余生を送れ。もうお前は必要ない」 冷酷に告げた婚約者により、社交界から追放された彼女。 しかし、マリエールには秘密があった。 ――前世の彼女は、一流企業で辣腕を振るった経営コンサルタント。 未開拓の農産物、眠る鉱山資源、誠実で働き者の人々。 「必要ない」と切り捨てられた辺境には、未来を切り拓く力があった。 物流網を整え、作物をブランド化し、やがて「大商会」を設立! 数年で辺境は“商業帝国”と呼ばれるまでに発展していく。 さらに隣国の完璧王子から熱烈な求婚を受け、愛も手に入れるマリエール。 一方で、税収激減に苦しむ王都は彼女に救いを求めて―― 「必要ないとおっしゃったのは、そちらでしょう?」 これは、追放令嬢が“経営知識”で国を動かし、 ざまぁと恋と繁栄を手に入れる逆転サクセスストーリー! ※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。

処理中です...