【完結】はい、かしこまりました。婚約破棄了承いたします。

はゆりか

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25.

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謝ったはいいものの、段々とモヤモヤした気持ちが湧き出てくる。

“何故挨拶に来なかった”と言われても、マルク様が学園に来る時間なんて教えてもらっていないので知らないし、マルク様が入る寮も知る余地もない。無理難題ってものではないでしょうか?

「学園に行ったら私の手を煩わせるなと言っただろう?最初からそんなんでどうするんだ」

「…はぁ……申し訳ありません」

手を煩わせるなとは“必要以上関わるな“という意味合いではなかったのですか?

「まぁいい。入学式の会場には共に行く」
「えっ?」

“なんで?”と言いかけて口をつぐむ。

「私達が仲睦まじくしている姿を見せなくてはいけないからな」

仲睦まじくしてる姿を見せる?

「…どなたに?」

私が聞き返すマルク様はムッとした顔を私に向ける。

「お前には関係ない。お前はいつも通り私についてくればいい」
「…かしこまりました」

私はマルク様にそう答えると、エリーさんの方を見る。
エリーさんはジッとマルク様を見つめている。

そんなエリーさんの視線にマルク様は気づいて、眉をひそめる。

「この女がお前の案内役か?」
「はい…「なんだか頭の悪そうな奴だな」

そう言ってマルク様はエリーさんの頭の先から足先までをジロリと見つめる。

最悪…。
マルク様のこういう所は本当に好きになれない。


「はじめまして。第2王子殿下でよろしいでしょうか?わたくしこの度、カロリーナさんの案内役となりました。エリー・ココットと申します」

エリーさんはマルク様の失礼な言葉が聞こえていただろうに何事もなかったかの様に笑顔で挨拶をする。

大人だわ。


「ココット?平民か。私の婚約者の案内役が平民で頭が悪そうな奴なんて…学園は何を考えているんだ」

「マルク様っっ」

流石に失礼な言い方に私は思わず声を上げるとエリーさんが私の肩を掴んで止める。


「俺の案内役はローライ・ハリストンだ。名前くらい聞いた事があるだろう」

マルク様は自慢げに言うと、隣に並んでいるスラっと長身の男性が軽く頭を下げる。


ローライ・ハリストン

たしか、先代宰相のトマク・ハリストン公爵の三男。
トマク・ハリストンは当時この国で一番と言われる程に有能な方だった。

若くして宰相の座について先代国王を支えていたけど、先代国王の死に際の暴挙を止められ無かったと自ら宰相の座を退いた。

有能なハリストン公爵はその時初めて挫折を味わったようで、それから公爵自身は公な場所にはあまり出ず、息子達が公務をこなしているらしい。

その中でも、三男のローライは父譲りの有能さを引き継いで発揮していると聞く。

そしてなにより、ローライはサムル王太子殿下と同い年だけど、マサラ王妃とローライのお母様が親しいらしく、サムル王太子殿下よりもマルク様と幼い頃から親しくしている。


流石に王族の案内役ともなれば学園側も気を使うのでしょう。
気難しいマルク様にうってつけな案内役ね。

学園側も、学園内の秩序を崩さないように色々と考えているのね。

そう考えれば、エリーさんも何か意味があって私の案内役になっているのかも?


……だとしたらどんな意味かしら。

見当も付かないわ。
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