27 / 92
25.
謝ったはいいものの、段々とモヤモヤした気持ちが湧き出てくる。
“何故挨拶に来なかった”と言われても、マルク様が学園に来る時間なんて教えてもらっていないので知らないし、マルク様が入る寮も知る余地もない。無理難題ってものではないでしょうか?
「学園に行ったら私の手を煩わせるなと言っただろう?最初からそんなんでどうするんだ」
「…はぁ……申し訳ありません」
手を煩わせるなとは“必要以上関わるな“という意味合いではなかったのですか?
「まぁいい。入学式の会場には共に行く」
「えっ?」
“なんで?”と言いかけて口をつぐむ。
「私達が仲睦まじくしている姿を見せなくてはいけないからな」
仲睦まじくしてる姿を見せる?
「…どなたに?」
私が聞き返すマルク様はムッとした顔を私に向ける。
「お前には関係ない。お前はいつも通り私についてくればいい」
「…かしこまりました」
私はマルク様にそう答えると、エリーさんの方を見る。
エリーさんはジッとマルク様を見つめている。
そんなエリーさんの視線にマルク様は気づいて、眉をひそめる。
「この女がお前の案内役か?」
「はい…「なんだか頭の悪そうな奴だな」
そう言ってマルク様はエリーさんの頭の先から足先までをジロリと見つめる。
最悪…。
マルク様のこういう所は本当に好きになれない。
「はじめまして。第2王子殿下でよろしいでしょうか?私この度、カロリーナさんの案内役となりました。エリー・ココットと申します」
エリーさんはマルク様の失礼な言葉が聞こえていただろうに何事もなかったかの様に笑顔で挨拶をする。
大人だわ。
「ココット?平民か。私の婚約者の案内役が平民で頭が悪そうな奴なんて…学園は何を考えているんだ」
「マルク様っっ」
流石に失礼な言い方に私は思わず声を上げるとエリーさんが私の肩を掴んで止める。
「俺の案内役はローライ・ハリストンだ。名前くらい聞いた事があるだろう」
マルク様は自慢げに言うと、隣に並んでいるスラっと長身の男性が軽く頭を下げる。
ローライ・ハリストン
たしか、先代宰相のトマク・ハリストン公爵の三男。
トマク・ハリストンは当時この国で一番と言われる程に有能な方だった。
若くして宰相の座について先代国王を支えていたけど、先代国王の死に際の暴挙を止められ無かったと自ら宰相の座を退いた。
有能なハリストン公爵はその時初めて挫折を味わったようで、それから公爵自身は公な場所にはあまり出ず、息子達が公務をこなしているらしい。
その中でも、三男のローライは父譲りの有能さを引き継いで発揮していると聞く。
そしてなにより、ローライはサムル王太子殿下と同い年だけど、マサラ王妃とローライのお母様が親しいらしく、サムル王太子殿下よりもマルク様と幼い頃から親しくしている。
流石に王族の案内役ともなれば学園側も気を使うのでしょう。
気難しいマルク様にうってつけな案内役ね。
学園側も、学園内の秩序を崩さないように色々と考えているのね。
そう考えれば、エリーさんも何か意味があって私の案内役になっているのかも?
……だとしたらどんな意味かしら。
見当も付かないわ。
“何故挨拶に来なかった”と言われても、マルク様が学園に来る時間なんて教えてもらっていないので知らないし、マルク様が入る寮も知る余地もない。無理難題ってものではないでしょうか?
「学園に行ったら私の手を煩わせるなと言っただろう?最初からそんなんでどうするんだ」
「…はぁ……申し訳ありません」
手を煩わせるなとは“必要以上関わるな“という意味合いではなかったのですか?
「まぁいい。入学式の会場には共に行く」
「えっ?」
“なんで?”と言いかけて口をつぐむ。
「私達が仲睦まじくしている姿を見せなくてはいけないからな」
仲睦まじくしてる姿を見せる?
「…どなたに?」
私が聞き返すマルク様はムッとした顔を私に向ける。
「お前には関係ない。お前はいつも通り私についてくればいい」
「…かしこまりました」
私はマルク様にそう答えると、エリーさんの方を見る。
エリーさんはジッとマルク様を見つめている。
そんなエリーさんの視線にマルク様は気づいて、眉をひそめる。
「この女がお前の案内役か?」
「はい…「なんだか頭の悪そうな奴だな」
そう言ってマルク様はエリーさんの頭の先から足先までをジロリと見つめる。
最悪…。
マルク様のこういう所は本当に好きになれない。
「はじめまして。第2王子殿下でよろしいでしょうか?私この度、カロリーナさんの案内役となりました。エリー・ココットと申します」
エリーさんはマルク様の失礼な言葉が聞こえていただろうに何事もなかったかの様に笑顔で挨拶をする。
大人だわ。
「ココット?平民か。私の婚約者の案内役が平民で頭が悪そうな奴なんて…学園は何を考えているんだ」
「マルク様っっ」
流石に失礼な言い方に私は思わず声を上げるとエリーさんが私の肩を掴んで止める。
「俺の案内役はローライ・ハリストンだ。名前くらい聞いた事があるだろう」
マルク様は自慢げに言うと、隣に並んでいるスラっと長身の男性が軽く頭を下げる。
ローライ・ハリストン
たしか、先代宰相のトマク・ハリストン公爵の三男。
トマク・ハリストンは当時この国で一番と言われる程に有能な方だった。
若くして宰相の座について先代国王を支えていたけど、先代国王の死に際の暴挙を止められ無かったと自ら宰相の座を退いた。
有能なハリストン公爵はその時初めて挫折を味わったようで、それから公爵自身は公な場所にはあまり出ず、息子達が公務をこなしているらしい。
その中でも、三男のローライは父譲りの有能さを引き継いで発揮していると聞く。
そしてなにより、ローライはサムル王太子殿下と同い年だけど、マサラ王妃とローライのお母様が親しいらしく、サムル王太子殿下よりもマルク様と幼い頃から親しくしている。
流石に王族の案内役ともなれば学園側も気を使うのでしょう。
気難しいマルク様にうってつけな案内役ね。
学園側も、学園内の秩序を崩さないように色々と考えているのね。
そう考えれば、エリーさんも何か意味があって私の案内役になっているのかも?
……だとしたらどんな意味かしら。
見当も付かないわ。
あなたにおすすめの小説
婚約者の家に行ったら幼馴染がいた。彼と親密すぎて婚約破棄したい。
佐藤 美奈
恋愛
クロエ子爵令嬢は婚約者のジャック伯爵令息の実家に食事に招かれお泊りすることになる。
彼とその妹と両親に穏やかな笑顔で迎え入れられて心の中で純粋に喜ぶクロエ。
しかし彼の妹だと思っていたエリザベスが実は家族ではなく幼馴染だった。彼の家族とエリザベスの家族は家も近所で昔から気を許した間柄だと言う。
クロエは彼とエリザベスの恋人のようなあまりの親密な態度に不安な気持ちになり婚約を思いとどまる。
【完結】私を裏切った不倫夫に「どなたですか?」と微笑むまで 〜没落令嬢の復讐劇〜
恋せよ恋
恋愛
「早くあんな女と別れて、可愛い子と一緒になりたいよ」
不倫中の夫が笑う声を聞き、絶望の中で事故に遭うジェシカ。
結婚五年目に授かったお腹の子を失った彼女は、
「記憶を失ったフリ」で夫と地獄の婚家を捨てることを決意。
元男爵令嬢の薄幸ヒロインは、修道院で静かに時を過ごす。
独り身領主の三歳の男の子に懐かれ、なぜか領主まで登場!
無実の罪をなすりつけ、私を使い潰した報いを受けなさい。
記憶喪失を装った没落令嬢による、「ざまぁ」が幕を開ける!
※本作品には、馬車事故による流産の描写が含まれます。
苦手な方はご注意ください。主人公が絶対に幸せになる
物語ですので、安心してお読みいただければ幸いです。
🔶登場人物・設定は筆者の創作によるものです。
🔶不快に感じられる表現がありましたらお詫び申し上げます。
🔶誤字脱字・文の調整は、投稿後にも随時行います。
🔶今後もこの世界観で物語を続けてまいります。
🔶 『エール📣』『いいね❤️』励みになります!
姉の婚約者に愛人になれと言われたので、母に助けてと相談したら衝撃を受ける。
佐藤 美奈
恋愛
男爵令嬢のイリスは貧乏な家庭。学園に通いながら働いて学費を稼ぐ決意をするほど。
そんな時に姉のミシェルと婚約している伯爵令息のキースが来訪する。
キースは母に頼まれて学費の資金を援助すると申し出てくれました。
でもそれには条件があると言いイリスに愛人になれと迫るのです。
最近母の様子もおかしい?父以外の男性の影を匂わせる。何かと理由をつけて出かける母。
誰かと会う約束があったかもしれない……しかし現実は残酷で母がある男性から溺愛されている事実を知る。
「お母様!そんな最低な男に騙されないで!正気に戻ってください!」娘の悲痛な叫びも母の耳に入らない。
男性に恋をして心を奪われ、穏やかでいつも優しい性格の母が変わってしまった。
今まで大切に積み上げてきた家族の絆が崩れる。母は可愛い二人の娘から嫌われてでも父と離婚して彼と結婚すると言う。
妹が私の婚約者を奪った癖に、返したいと言ってきたので断った
ルイス
恋愛
伯爵令嬢のファラ・イグリオは19歳の誕生日に侯爵との婚約が決定した。
昔からひたむきに続けていた貴族令嬢としての努力が報われた感じだ。
しかし突然、妹のシェリーによって奪われてしまう。
両親もシェリーを優先する始末で、ファラの婚約は解消されてしまった。
「お前はお姉さんなのだから、我慢できるだろう? お前なら他にも良い相手がきっと見つかるさ」
父親からの無常な一言にファラは愕然としてしまう。彼女は幼少の頃から自分の願いが聞き届けられた
ことなど1つもなかった。努力はきっと報われる……そう信じて頑張って来たが、今回の件で心が折れそうになっていた。
だが、ファラの努力を知っていた幼馴染の公爵令息に助けられることになる。妹のシェリーは侯爵との婚約が思っていたのと違うということで、返したいと言って来るが……はあ? もう遅いわよ。
【完結】婚約者と養い親に不要といわれたので、幼馴染の側近と国を出ます
衿乃 光希@書籍が発売されます
恋愛
卒業パーティーの最中、婚約者から突然婚約破棄を告げられたシェリーヌ。
婚約者の心を留めておけないような娘はいらないと、養父からも不要と言われる。
シェリーヌは16年過ごした国を出る。
生まれた時からの側近アランと一緒に・・・。
第18回恋愛小説大賞エントリーしましたので、第2部を執筆中です。
第2部祖国から手紙が届き、養父の体調がすぐれないことを知らされる。迷いながらも一時戻ってきたシェリーヌ。見舞った翌日、養父は天に召された。葬儀後、貴族の死去が相次いでいるという不穏な噂を耳にする。恋愛小説大賞は51位で終了しました。皆さま、投票ありがとうございました。
現聖女ですが、王太子妃様が聖女になりたいというので、故郷に戻って結婚しようと思います。
和泉鷹央
恋愛
聖女は十年しか生きられない。
この悲しい運命を変えるため、ライラは聖女になるときに精霊王と二つの契約をした。
それは期間満了後に始まる約束だったけど――
一つ……一度、死んだあと蘇生し、王太子の側室として本来の寿命で死ぬまで尽くすこと。
二つ……王太子が国王となったとき、国民が苦しむ政治をしないように側で支えること。
ライラはこの契約を承諾する。
十年後。
あと半月でライラの寿命が尽きるという頃、王太子妃ハンナが聖女になりたいと言い出した。
そして、王太子は聖女が農民出身で王族に相応しくないから、婚約破棄をすると言う。
こんな王族の為に、死ぬのは嫌だな……王太子妃様にあとを任せて、村に戻り幼馴染の彼と結婚しよう。
そう思い、ライラは聖女をやめることにした。
他の投稿サイトでも掲載しています。
【完結】辺境伯令嬢は新聞で婚約破棄を知った
五色ひわ
恋愛
辺境伯令嬢としてのんびり領地で暮らしてきたアメリアは、カフェで見せられた新聞で自身の婚約破棄を知った。アメリアは真実を確かめるため、3年ぶりに王都へと旅立った。
※本編34話、番外編『皇太子殿下の苦悩』31+1話、おまけ4話
「離縁状の印が乾く前に、王太子殿下から花束が届きました」〜五年間「置物」と呼ばれた侯爵夫人、夫が青ざめるのは王家との縁が切れてからでした〜
まさき
恋愛
侯爵夫人として過ごした五年間、夫に名前を呼ばれたことが一度もなかった。
愛人を夜会に連れてきた翌朝、私は離縁状を置いて屋敷を出た。
夫は「すぐ戻る」と思っていたらしい。
でも届いたのは、王太子殿下からの白薔薇だった。
「五年、待ちすぎました。今度こそ私の隣に」
幼馴染の殿下は、いつも私を「アメリア」と呼んでくれた。
ただそれだけで、五年分の何かが、ほどけていった。
夫が全てを失うのはこれからの話。
私が本当の笑顔を取り戻すのも、これからの話。