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トルネ・マサラダ公爵令嬢
私とマルク様の婚約が決まる前のマルク様の婚約者候補の筆頭。
マルク様とは幼馴染の関係になるらしく、私とマルク様の婚約が決まってからは顔を合わせる度に色々と嫌がらせを受けてきた。
最近、お会いしないと思っていたら学園に入られていたのですね…
「トルネ様…お久しぶりです」
私は、スカートを軽く掴むと軽く頭を下げて敬意の礼をする。
本当はしたくもないけど…
「ふんっ…相変わらず、良い子ちゃんをしているのね。その顔…相変わらずお人形みたいだわ。マルクもなんでこんな見た目だけの子を…」
何回も何回も聞いたことのあるセリフ…
久々に聞いたけれども本当に嫌味な人。
そんなにマルク様がいいのであればいくらでもお譲りしますのに。
とりあえず以前の様にトルネ様が満足して何処かに行くまで笑みを崩さず乗り切ろう…
「あら、マサラダさん。聞きづてならないですね」
そんな風に思っていたらエリーさんが間に入ってくる。
エリーさんは明らかに怒りの満ちた顔でトルネ様を見つめる。
「えっ?…あっココット様っっ!!??」
エリーさんの姿を見た瞬間にトルネ様は急に慌て出して頭を下げる。
トルネ様のこんな姿を目にする日が来るなんて…人生何が起こるかわからないわね。
トルネ様は公爵令嬢。
エリーさんは平民。
どう考えても社交界での力関係はトルネ様の方が上。
でも、これが学園内での構図なのね。
ハイセレクトのメンバーの凄さを思い知る。
「カロリーナさんの案内役は私です。カロリーナさんの学園生活を邪魔するような方には私は容赦しませんよ」
いつもの可愛らしさはどこへやら…
トルネ様に向けらているエリーさんの威圧は半端ない。
助けられている私ですら一瞬ビクッとなってしまう。
どちらの姿が本当のエリーさんなのでしょうか?
「も…申し訳ありません。わ…わたくしはこれで失礼しますわ」
トルネ様はそれだけ言うと足速に食堂を後にするけど、その際に微かな声で『平民が偉そうに…』と呟いた。
「エリーさん。申し訳ありません。ありがとうございます」
「この位、大丈夫ですよ」
先程の威圧感は何処へやら…いつもの様に可愛らしくコテっとして笑うエリーさんにホッとする。
でも、トルネ様が去り際に呟いた言葉が胸に引っかかる…
「エリーさん…助けて頂いたのは嬉しいのですが、トルネ様は公爵家のご令嬢です。卒業後などにエリーさんに支障が出たりとか…」
「うーん。大丈夫ですよ。学園の上位者…特にハイセレクトメンバーに選ばれた平民は国に守られますから。国も優秀な人材をそうそう無碍にはできないでしょう?ヘタな貴族より権力がありますよ。だからこの学園で実力主義が通るのです。国民から信頼を得ているこの学園の学園長も過去の平民出身のハイセレクトメンバーでしたしね。なので、なんの心配もありません」
「そうなのですか…エリーさんに迷惑にがかからないのであればよかったです」
私の言葉にエリーさんは一瞬目を見開いてから、フニャリと今までとは違う笑みを見せる。
「カロリーナさんは本当に天使ですね」
そんなエリーさんの言葉に私は顔を赤らめてしまう。
私とマルク様の婚約が決まる前のマルク様の婚約者候補の筆頭。
マルク様とは幼馴染の関係になるらしく、私とマルク様の婚約が決まってからは顔を合わせる度に色々と嫌がらせを受けてきた。
最近、お会いしないと思っていたら学園に入られていたのですね…
「トルネ様…お久しぶりです」
私は、スカートを軽く掴むと軽く頭を下げて敬意の礼をする。
本当はしたくもないけど…
「ふんっ…相変わらず、良い子ちゃんをしているのね。その顔…相変わらずお人形みたいだわ。マルクもなんでこんな見た目だけの子を…」
何回も何回も聞いたことのあるセリフ…
久々に聞いたけれども本当に嫌味な人。
そんなにマルク様がいいのであればいくらでもお譲りしますのに。
とりあえず以前の様にトルネ様が満足して何処かに行くまで笑みを崩さず乗り切ろう…
「あら、マサラダさん。聞きづてならないですね」
そんな風に思っていたらエリーさんが間に入ってくる。
エリーさんは明らかに怒りの満ちた顔でトルネ様を見つめる。
「えっ?…あっココット様っっ!!??」
エリーさんの姿を見た瞬間にトルネ様は急に慌て出して頭を下げる。
トルネ様のこんな姿を目にする日が来るなんて…人生何が起こるかわからないわね。
トルネ様は公爵令嬢。
エリーさんは平民。
どう考えても社交界での力関係はトルネ様の方が上。
でも、これが学園内での構図なのね。
ハイセレクトのメンバーの凄さを思い知る。
「カロリーナさんの案内役は私です。カロリーナさんの学園生活を邪魔するような方には私は容赦しませんよ」
いつもの可愛らしさはどこへやら…
トルネ様に向けらているエリーさんの威圧は半端ない。
助けられている私ですら一瞬ビクッとなってしまう。
どちらの姿が本当のエリーさんなのでしょうか?
「も…申し訳ありません。わ…わたくしはこれで失礼しますわ」
トルネ様はそれだけ言うと足速に食堂を後にするけど、その際に微かな声で『平民が偉そうに…』と呟いた。
「エリーさん。申し訳ありません。ありがとうございます」
「この位、大丈夫ですよ」
先程の威圧感は何処へやら…いつもの様に可愛らしくコテっとして笑うエリーさんにホッとする。
でも、トルネ様が去り際に呟いた言葉が胸に引っかかる…
「エリーさん…助けて頂いたのは嬉しいのですが、トルネ様は公爵家のご令嬢です。卒業後などにエリーさんに支障が出たりとか…」
「うーん。大丈夫ですよ。学園の上位者…特にハイセレクトメンバーに選ばれた平民は国に守られますから。国も優秀な人材をそうそう無碍にはできないでしょう?ヘタな貴族より権力がありますよ。だからこの学園で実力主義が通るのです。国民から信頼を得ているこの学園の学園長も過去の平民出身のハイセレクトメンバーでしたしね。なので、なんの心配もありません」
「そうなのですか…エリーさんに迷惑にがかからないのであればよかったです」
私の言葉にエリーさんは一瞬目を見開いてから、フニャリと今までとは違う笑みを見せる。
「カロリーナさんは本当に天使ですね」
そんなエリーさんの言葉に私は顔を赤らめてしまう。
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