47 / 92
45.
しおりを挟む
「まぁ…それは今、さておき、マリコとココット…2人の力を得て。僕達の開発を融資してくれる人を見つけ、情報を集め、技術者を集め…僕はこの国にはまだ無いものを作成して商会を設立した。そして、その商会が先日、やっと国に承認された。」
この国にはまだ無いものを作成して商会を設立?
商会?
この国にまだ無いものを作成?
「え…じゃあもしかして、このフォーンも…」
私はおもむろにポケットからフォーンを出す。
「あぁ。それもうちの商会の品物だ」
……
「えぇぇぇっっ⁉︎凄いっっ」
思わず大声をあげてしまう。
「フォーンはまだ試運転の状態だけどね。他には、食品を冷して長期保存する為の冷蔵庫と、食品をすぐに温められる電子レンジ。それに、衣類を簡単に自動で洗える洗濯機を商品化して取り扱っている。」
聞いただけでもなんだかすごい。
でも、ここまでの開発をするのに融資をするって…かなりの額になりそうだけど…
この国でそれなりの融資をできる人物はそう多くない。
その中でハウル商会を除くとなれば…もしかしてお父様が関わっている?
「アロン…融資者ってもしかして…」
私が恐る恐る聞くと、アロンはフッと笑う。
「大丈夫。ミスドナ伯爵の力は一切借りて無い。」
それを聞いて私はなぜだかホッとする。
「じゃあ…」
「うちの商会の融資者はこの学園の理事長であるウィストン公爵とサムル王太子殿下だ。」
「……っっ」
思いがけない人の名前が出て私は言葉を詰まらせる。
「そして、学園長であるマッド様に技術の協力を得ている」
「学園長に?」
「この学園の学園長マッド・トルニアは現在44歳。
科学者であり発明家。平民の育ちだけど、現在は男爵位を受けている。
マッドが発明した物は生活に革命を起こし、生活を豊かにさせてくれた。この国が産業国として成り立っているのもマッドの功績が大きいと言われている。」
ハイスさんが参考書を読むかの様にスラスラと学園長の情報を教えてくれる。
正直、学園長がそんな方だなんて知らなかった。
「あぁ。因みに俺の父親ね。5年前に母と離縁して俺は今、母方の方にいるけど」
……学園長が…ハイスさんの父親???
「あっ。因みに、今のマッドの恋人は私ね」
マリコ先生がなんの躊躇いもなく情報を付け加える。
「ちょ…ちょっと待ってください…情報が多すぎて…」
私が混乱していると、アロンが再び私の隣に腰掛ける。
「ごめんね。一気に話過ぎた…」
「いえ…なんか凄いワードばかりで…私の頭がついて行けません…」
私が気持ちを落ち着かせていると、私の目の前までマリコ先生がくる。
「カロリーナさん。余計なお節介かもしれないけど、良く聞いて。
貴方がビックリする様なこの凄い人脈も、この世界に無いものの開発も、全てアローンが貴方をずっと強く思っていたから成し得た成果よ。
聞いただけでは分からない苦悩や正直、他人に恨まれても仕方ない様な悪事もなかったとはいえません。自身の人生を掛けたギリギリの取引だってやってきたんです。わかりますか?ここまでするアローンの気持ち。」
「マリコっっ」
マリコ先生の言葉をアロンが止める。
「真実よ。私は間近でそれを見てきた。だから、口を出さずにはいられない」
マリコ先生の言葉が私の胸に深く刺さる。
そして、私の中に生まれるのは後悔の嵐だった。
アロンは私との約束を守るために諦めず頑張ってくれていた。
でも、私は諦めて逃げた…
アロンの想いを信じないで、逃げてしまった。
だから、今、マルク様との婚約なんてどうしようもない状況を作ってしまった。
そして、そのせいでアロンを苦しめる事になっている。
私はなんて馬鹿なんだろう…
なんで…アロンを信じられなかったのだろう…
なんで…アロンへの想いを断ち切るのではなく、その想いの為に自ら頑張れなかったのだろう…
また、涙がとめどなく溢れてくる。
「ごめんなさい…ごめんなさい…アロン…私…」
「カロンは悪くないよ。何も力を持たず…何も言えなかった僕がいけなかったんだ。でも、どんなに過去を恨んでも、過去はどうやったって変えられない。だからこれからどうして行くかを考えよう…」
アロンの優しい言葉は私のどうしようもない後悔をそっと包んでくれる。
アロンは昔も今もなんでこんなに私に優しいんだろう…
この国にはまだ無いものを作成して商会を設立?
商会?
この国にまだ無いものを作成?
「え…じゃあもしかして、このフォーンも…」
私はおもむろにポケットからフォーンを出す。
「あぁ。それもうちの商会の品物だ」
……
「えぇぇぇっっ⁉︎凄いっっ」
思わず大声をあげてしまう。
「フォーンはまだ試運転の状態だけどね。他には、食品を冷して長期保存する為の冷蔵庫と、食品をすぐに温められる電子レンジ。それに、衣類を簡単に自動で洗える洗濯機を商品化して取り扱っている。」
聞いただけでもなんだかすごい。
でも、ここまでの開発をするのに融資をするって…かなりの額になりそうだけど…
この国でそれなりの融資をできる人物はそう多くない。
その中でハウル商会を除くとなれば…もしかしてお父様が関わっている?
「アロン…融資者ってもしかして…」
私が恐る恐る聞くと、アロンはフッと笑う。
「大丈夫。ミスドナ伯爵の力は一切借りて無い。」
それを聞いて私はなぜだかホッとする。
「じゃあ…」
「うちの商会の融資者はこの学園の理事長であるウィストン公爵とサムル王太子殿下だ。」
「……っっ」
思いがけない人の名前が出て私は言葉を詰まらせる。
「そして、学園長であるマッド様に技術の協力を得ている」
「学園長に?」
「この学園の学園長マッド・トルニアは現在44歳。
科学者であり発明家。平民の育ちだけど、現在は男爵位を受けている。
マッドが発明した物は生活に革命を起こし、生活を豊かにさせてくれた。この国が産業国として成り立っているのもマッドの功績が大きいと言われている。」
ハイスさんが参考書を読むかの様にスラスラと学園長の情報を教えてくれる。
正直、学園長がそんな方だなんて知らなかった。
「あぁ。因みに俺の父親ね。5年前に母と離縁して俺は今、母方の方にいるけど」
……学園長が…ハイスさんの父親???
「あっ。因みに、今のマッドの恋人は私ね」
マリコ先生がなんの躊躇いもなく情報を付け加える。
「ちょ…ちょっと待ってください…情報が多すぎて…」
私が混乱していると、アロンが再び私の隣に腰掛ける。
「ごめんね。一気に話過ぎた…」
「いえ…なんか凄いワードばかりで…私の頭がついて行けません…」
私が気持ちを落ち着かせていると、私の目の前までマリコ先生がくる。
「カロリーナさん。余計なお節介かもしれないけど、良く聞いて。
貴方がビックリする様なこの凄い人脈も、この世界に無いものの開発も、全てアローンが貴方をずっと強く思っていたから成し得た成果よ。
聞いただけでは分からない苦悩や正直、他人に恨まれても仕方ない様な悪事もなかったとはいえません。自身の人生を掛けたギリギリの取引だってやってきたんです。わかりますか?ここまでするアローンの気持ち。」
「マリコっっ」
マリコ先生の言葉をアロンが止める。
「真実よ。私は間近でそれを見てきた。だから、口を出さずにはいられない」
マリコ先生の言葉が私の胸に深く刺さる。
そして、私の中に生まれるのは後悔の嵐だった。
アロンは私との約束を守るために諦めず頑張ってくれていた。
でも、私は諦めて逃げた…
アロンの想いを信じないで、逃げてしまった。
だから、今、マルク様との婚約なんてどうしようもない状況を作ってしまった。
そして、そのせいでアロンを苦しめる事になっている。
私はなんて馬鹿なんだろう…
なんで…アロンを信じられなかったのだろう…
なんで…アロンへの想いを断ち切るのではなく、その想いの為に自ら頑張れなかったのだろう…
また、涙がとめどなく溢れてくる。
「ごめんなさい…ごめんなさい…アロン…私…」
「カロンは悪くないよ。何も力を持たず…何も言えなかった僕がいけなかったんだ。でも、どんなに過去を恨んでも、過去はどうやったって変えられない。だからこれからどうして行くかを考えよう…」
アロンの優しい言葉は私のどうしようもない後悔をそっと包んでくれる。
アロンは昔も今もなんでこんなに私に優しいんだろう…
41
あなたにおすすめの小説
『白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?』
夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」
教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。
ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。
王命による“形式結婚”。
夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。
だから、はい、離婚。勝手に。
白い結婚だったので、勝手に離婚しました。
何か問題あります?
〖完結〗その子は私の子ではありません。どうぞ、平民の愛人とお幸せに。
藍川みいな
恋愛
愛する人と結婚した…はずだった……
結婚式を終えて帰る途中、見知らぬ男達に襲われた。
ジュラン様を庇い、顔に傷痕が残ってしまった私を、彼は醜いと言い放った。それだけではなく、彼の子を身篭った愛人を連れて来て、彼女が産む子を私達の子として育てると言い出した。
愛していた彼の本性を知った私は、復讐する決意をする。決してあなたの思い通りになんてさせない。
*設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。
*全16話で完結になります。
*番外編、追加しました。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
〖完結〗では、婚約解消いたしましょう。
藍川みいな
恋愛
三年婚約しているオリバー殿下は、最近別の女性とばかり一緒にいる。
学園で行われる年に一度のダンスパーティーにも、私ではなくセシリー様を誘っていた。まるで二人が婚約者同士のように思える。
そのダンスパーティーで、オリバー殿下は私を責め、婚約を考え直すと言い出した。
それなら、婚約を解消いたしましょう。
そしてすぐに、婚約者に立候補したいという人が現れて……!?
設定ゆるゆるの、架空の世界のお話しです。
教養が足りない、ですって
たくわん
恋愛
侯爵令嬢エリーゼは、公爵家の長男アレクシスとの婚約披露宴で突然婚約破棄される。理由は「教養が足りず、公爵夫人として恥ずかしい」。社交界の人々の嘲笑の中、エリーゼは静かに会場を去る。
幼馴染の王女様の方が大切な婚約者は要らない。愛してる? もう興味ありません。
藍川みいな
恋愛
婚約者のカイン様は、婚約者の私よりも幼馴染みのクリスティ王女殿下ばかりを優先する。
何度も約束を破られ、彼と過ごせる時間は全くなかった。約束を破る理由はいつだって、「クリスティが……」だ。
同じ学園に通っているのに、私はまるで他人のよう。毎日毎日、二人の仲のいい姿を見せられ、苦しんでいることさえ彼は気付かない。
もうやめる。
カイン様との婚約は解消する。
でもなぜか、別れを告げたのに彼が付きまとってくる。
愛してる? 私はもう、あなたに興味はありません!
一度完結したのですが、続編を書くことにしました。読んでいただけると嬉しいです。
いつもありがとうございます。
設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。
沢山の感想ありがとうございます。返信出来ず、申し訳ありません。
【完結】婚約者の義妹と恋に落ちたので婚約破棄した処、「妃教育の修了」を条件に結婚が許されたが結果が芳しくない。何故だ?同じ高位貴族だろう?
つくも茄子
恋愛
国王唯一の王子エドワード。
彼は婚約者の公爵令嬢であるキャサリンを公の場所で婚約破棄を宣言した。
次の婚約者は恋人であるアリス。
アリスはキャサリンの義妹。
愛するアリスと結婚するには「妃教育を修了させること」だった。
同じ高位貴族。
少し頑張ればアリスは直ぐに妃教育を終了させると踏んでいたが散々な結果で終わる。
八番目の教育係も辞めていく。
王妃腹でないエドワードは立太子が遠のく事に困ってしまう。
だが、エドワードは知らなかった事がある。
彼が事実を知るのは何時になるのか……それは誰も知らない。
他サイトにも公開中。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる