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第二章 始まる争い
5話 必要素材…パなくない?
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「エレナ…お主、恨むぞ…」
「そんなこと言ったって、あんたが逃げ遅れるからじゃない。」
イスに座り、紅茶にレモンを絞るエレナと、その対面で紅茶を飲みながら不満を露わにするウォタ。
イノチはそれには関わらず、ベッドの上で携帯画面を確認している。
「あの後、大変であったのだ!ミコトに怒られ問い詰められ…我は悟ったぞ。このクランのカーストトップはミコトだ…あれに逆らってはいかん!」
「そっ…そんなに…?朝はそうでもなかったけど…」
「お主は気づかんかったのか?ミコトはまだ激烈に怒っとる!朝食の食べ方など、まるで修羅の如くであったぞ!」
ウォタは思い出して身震いした。
それを見たエレナも、今朝のことを思い出してみる。
エレナの記憶では、今朝の朝食でのミコトは笑顔で皆に挨拶していた。食べる時もいつもと変わらなかったはずだが…
それなのにウォタのこの怯えようは…
「今頃…ゼンは…はぁぁぁ…奴のことが心配になってきた…」
「あっ…あたしも怖くなってきたわ…」
カタカタと歯を鳴らし、小刻みに震えるウォタを見ながら、エレナは後でミコトに謝る事を決意する。
「まぁ、盗み聞きはよくないよな。」
話を聞いていたイノチは、他人事のように言いながら近づいてくると、携帯画面を二人に見せた。
「…これはなんだ?」
「ランクが『80』になった時に使えるようになった機能。朝話した通り、明日からは『超上級ダンジョン』に挑戦するから、その前にエレナを強くするんだ。」
「あたしを?ふーん、悪くないわ。」
「我は!?我も強くできんのか?!」
さっきまで浮かべていた恐怖の表情はどこへ行ったのか…ウォタは楽しげな顔でイノチに問いかけてくる。
「残念ながらウォタは無理みたい…この一覧にはウォタの名前が載ってないんだ。」
イノチは画面をスクロールして、ウォタへ説明する。
「推測だけど、ウォタはガチャ魔法じゃなくて、この世界で直接仲間になったから、俺の力が及ばないんじゃないかな?」
「なんだつまらんのぉ…まぁよい、我は強化なんぞせんとも最強であるからな。」
鼻を鳴らし、偉そうに腕を組むウォタに苦笑いしつつ、イノチはエレナを向く。
「今からエレナのレアリティを上げるんだけど、とりあえずこれ、確認しておいて。」
イノチの言葉に、エレナは差し出された携帯画面に目を落とす。
エレナ=ランドール(R)
【タイプ】物理アタッカー
【得意武器】短剣(二刀)
【性別】女
【種族】ヒューマン
【必要素材】
『オークの魔石(R)』×2
『暗褐色の巨人の心臓(R)』×3
『イービルアイの眼核(SR)』×1
『エレナのレアリティを『R』から『SR』へランクアップさせますか?YES/NO』
内容を確認したエレナは、携帯をイノチへと返して、小さくつぶやく。
「あたしは構わないけど、フレデリカは?文句言いそうだけど…」
「残念ながら、フレデリカは素材が足りないんだ。必要な素材がエグすぎてさ…」
「そんなに?」
イノチは再び携帯を操作して、フレデリカの『ランク解放』画面を開く。
「ほら…これ。」
「えっと…ん~」
フレデリカ=アールノスト(UR)
【タイプ】魔法アタッカー、アルケミスト
【得意武器】剣、銃
【性別】女
【種族】ドラゴニュート
【必要素材】
『デーモンの魔石(UR)』×2
『メドゥーサの瞳(UR)』×3
『デュラハンの心魂(SUR)』×1
『フレデリカのランクアップに必要な素材が足りません。』
「げぇっ…何よこれ。」
「ほう…フレデリカのやつ、なかなか難儀よのぉ。」
「だろ?フレデリカもだいぶ不満そうにしてたけどな…ただこれで想像できることもある。」
「想像できること?」
イノチの言葉に、エレナとウォタが首を傾げる。
「あぁ…エレナの素材って、主に『上級ダンジョン』までで獲得できたものなんだ。特に『イービルアイ』は上級でしか出現しなかった。ということは、『超上級ダンジョン』ではSR素材をドロップするモンスターが多く出現する可能性が高いと、俺は考えてる。」
「なるほどのぉ…確かに『メドゥーサ』や『デュラハン』はそこらのモンスターとは格が違うからな。本来はこの国にも分布しておらんモンスターたちだ。」
「え?そうなの?」
「あぁ…そやつらは『リシア帝国』や『ジプト法国』に生息するモンスターたちだ。そもそも、この『ダンジョン』と言うものも、昔とは様子が全く違う…」
「昔と今で『ダンジョン』が違うって…どういうことだ?」
「本来、『ダンジョン』というものは洞窟や山岳地帯に長年魔力が溜まり、自然的に発生するものだ。それが今では、突然、森や平原に姿を現しておる。」
「なるほど…なら、ダンジョンの不自然な発生が始まったのは?」
「この不可思議な『ダンジョン』が現れ始めたのは20年前くらいからだな。突然、ポツンと現れて気づいたら消えとる。我がナワバリにしておった『アソカ・ルデラ山』でも、同じことが起こっておったぞ。」
それを聞いたイノチは考えを巡らせる。
(ウォタの話から推察するに、やはり『ダンジョン』は"ウンエイ"が別に作り上げたものである可能性が高い、ということか…でも、現実に存在する世界でそんなことが可能なのかな…ゲームと称した"アクセルオンライン"と、現実世界である"バシレイア"…ウンエイの言うその"現実の世界"っていうのは、どこまで信用できるものか…)
「BOSS…難しい話は終わったかしら?そろそろ本題の、あたしのランクアップをしてくれない?」
「確かに!どこまでエレナが強くなるのか、我も気になるところだ!」
深く考え始めたイノチに痺れを切らし、エレナが頬杖をついたまま、イノチに声をかける。
ウォタも楽しげに尻尾をユラユラとさせている。
「…ん?あぁ、そうだったな。んじゃまぁ、エレナの『ランク解放』をしてみようか!!」
「「おおーーー!!!」」
◆
「ゼンちゃん、ごめんね。」
「ミコトが謝ることではないさ。」
ミコトとゼンは、自室で携帯画面を見ている。
ミコトはその画面をもう一度見直してため息をついた。
明日から挑む『超上級ダンジョン』に備え、獲得キャラの『ランク解放』をしておこうとイノチと話した矢先、ゼンのランクアップに必要な素材を見て、ミコトは愕然とした。
ゼン(SUR)
【種族名】ファイアドラゴン
【属 性】炎
【タイプ】火炎の極意
【備 考】竜種、世界最強の一角
【必要素材】
『ドラゴンオーブ(SUR)』×1
『ドラゴンキラーの真核(SUR)』×1
『極意の極み(SP)』×1
『モユルモノ』×1
『ゼンのランクアップに必要な素材が足りません。』
「なっ…なにこれ…!」
どれもこれも、現時点では獲得不可能なものばかり…というか見たことも聞いたこともないアイテムばかりであった。
がっくりと肩をうなだれるミコトを、ゼンはなぐさめる。
ふと、外から声が聞こえて来ることに気づき、窓の外に目をやると、エレナとウォタが向き合い、何やら話しているようだ。
「カカカカカ…エレナよ。強くなった証を証明してみせぃ!!」
「後で吠え面かかないでよ!!」
「ふっ…ふたりとも!庭が壊れるからやれてくれよぉ!!」
エレナのランクアップが終わったのだろう。飛びかかるエレナをウォタがいなして、組み手を行なっている。
その横でイノチが泣いているが…
確かにウォタと刃を交えるエレナの動きは、今までに比べて格段に向上しているのが見てわかる。
ゼンはウォタを見据えていた。
その瞳には、ウォタの姿を映しつつ、奥に何かを宿しているのであった。
「そんなこと言ったって、あんたが逃げ遅れるからじゃない。」
イスに座り、紅茶にレモンを絞るエレナと、その対面で紅茶を飲みながら不満を露わにするウォタ。
イノチはそれには関わらず、ベッドの上で携帯画面を確認している。
「あの後、大変であったのだ!ミコトに怒られ問い詰められ…我は悟ったぞ。このクランのカーストトップはミコトだ…あれに逆らってはいかん!」
「そっ…そんなに…?朝はそうでもなかったけど…」
「お主は気づかんかったのか?ミコトはまだ激烈に怒っとる!朝食の食べ方など、まるで修羅の如くであったぞ!」
ウォタは思い出して身震いした。
それを見たエレナも、今朝のことを思い出してみる。
エレナの記憶では、今朝の朝食でのミコトは笑顔で皆に挨拶していた。食べる時もいつもと変わらなかったはずだが…
それなのにウォタのこの怯えようは…
「今頃…ゼンは…はぁぁぁ…奴のことが心配になってきた…」
「あっ…あたしも怖くなってきたわ…」
カタカタと歯を鳴らし、小刻みに震えるウォタを見ながら、エレナは後でミコトに謝る事を決意する。
「まぁ、盗み聞きはよくないよな。」
話を聞いていたイノチは、他人事のように言いながら近づいてくると、携帯画面を二人に見せた。
「…これはなんだ?」
「ランクが『80』になった時に使えるようになった機能。朝話した通り、明日からは『超上級ダンジョン』に挑戦するから、その前にエレナを強くするんだ。」
「あたしを?ふーん、悪くないわ。」
「我は!?我も強くできんのか?!」
さっきまで浮かべていた恐怖の表情はどこへ行ったのか…ウォタは楽しげな顔でイノチに問いかけてくる。
「残念ながらウォタは無理みたい…この一覧にはウォタの名前が載ってないんだ。」
イノチは画面をスクロールして、ウォタへ説明する。
「推測だけど、ウォタはガチャ魔法じゃなくて、この世界で直接仲間になったから、俺の力が及ばないんじゃないかな?」
「なんだつまらんのぉ…まぁよい、我は強化なんぞせんとも最強であるからな。」
鼻を鳴らし、偉そうに腕を組むウォタに苦笑いしつつ、イノチはエレナを向く。
「今からエレナのレアリティを上げるんだけど、とりあえずこれ、確認しておいて。」
イノチの言葉に、エレナは差し出された携帯画面に目を落とす。
エレナ=ランドール(R)
【タイプ】物理アタッカー
【得意武器】短剣(二刀)
【性別】女
【種族】ヒューマン
【必要素材】
『オークの魔石(R)』×2
『暗褐色の巨人の心臓(R)』×3
『イービルアイの眼核(SR)』×1
『エレナのレアリティを『R』から『SR』へランクアップさせますか?YES/NO』
内容を確認したエレナは、携帯をイノチへと返して、小さくつぶやく。
「あたしは構わないけど、フレデリカは?文句言いそうだけど…」
「残念ながら、フレデリカは素材が足りないんだ。必要な素材がエグすぎてさ…」
「そんなに?」
イノチは再び携帯を操作して、フレデリカの『ランク解放』画面を開く。
「ほら…これ。」
「えっと…ん~」
フレデリカ=アールノスト(UR)
【タイプ】魔法アタッカー、アルケミスト
【得意武器】剣、銃
【性別】女
【種族】ドラゴニュート
【必要素材】
『デーモンの魔石(UR)』×2
『メドゥーサの瞳(UR)』×3
『デュラハンの心魂(SUR)』×1
『フレデリカのランクアップに必要な素材が足りません。』
「げぇっ…何よこれ。」
「ほう…フレデリカのやつ、なかなか難儀よのぉ。」
「だろ?フレデリカもだいぶ不満そうにしてたけどな…ただこれで想像できることもある。」
「想像できること?」
イノチの言葉に、エレナとウォタが首を傾げる。
「あぁ…エレナの素材って、主に『上級ダンジョン』までで獲得できたものなんだ。特に『イービルアイ』は上級でしか出現しなかった。ということは、『超上級ダンジョン』ではSR素材をドロップするモンスターが多く出現する可能性が高いと、俺は考えてる。」
「なるほどのぉ…確かに『メドゥーサ』や『デュラハン』はそこらのモンスターとは格が違うからな。本来はこの国にも分布しておらんモンスターたちだ。」
「え?そうなの?」
「あぁ…そやつらは『リシア帝国』や『ジプト法国』に生息するモンスターたちだ。そもそも、この『ダンジョン』と言うものも、昔とは様子が全く違う…」
「昔と今で『ダンジョン』が違うって…どういうことだ?」
「本来、『ダンジョン』というものは洞窟や山岳地帯に長年魔力が溜まり、自然的に発生するものだ。それが今では、突然、森や平原に姿を現しておる。」
「なるほど…なら、ダンジョンの不自然な発生が始まったのは?」
「この不可思議な『ダンジョン』が現れ始めたのは20年前くらいからだな。突然、ポツンと現れて気づいたら消えとる。我がナワバリにしておった『アソカ・ルデラ山』でも、同じことが起こっておったぞ。」
それを聞いたイノチは考えを巡らせる。
(ウォタの話から推察するに、やはり『ダンジョン』は"ウンエイ"が別に作り上げたものである可能性が高い、ということか…でも、現実に存在する世界でそんなことが可能なのかな…ゲームと称した"アクセルオンライン"と、現実世界である"バシレイア"…ウンエイの言うその"現実の世界"っていうのは、どこまで信用できるものか…)
「BOSS…難しい話は終わったかしら?そろそろ本題の、あたしのランクアップをしてくれない?」
「確かに!どこまでエレナが強くなるのか、我も気になるところだ!」
深く考え始めたイノチに痺れを切らし、エレナが頬杖をついたまま、イノチに声をかける。
ウォタも楽しげに尻尾をユラユラとさせている。
「…ん?あぁ、そうだったな。んじゃまぁ、エレナの『ランク解放』をしてみようか!!」
「「おおーーー!!!」」
◆
「ゼンちゃん、ごめんね。」
「ミコトが謝ることではないさ。」
ミコトとゼンは、自室で携帯画面を見ている。
ミコトはその画面をもう一度見直してため息をついた。
明日から挑む『超上級ダンジョン』に備え、獲得キャラの『ランク解放』をしておこうとイノチと話した矢先、ゼンのランクアップに必要な素材を見て、ミコトは愕然とした。
ゼン(SUR)
【種族名】ファイアドラゴン
【属 性】炎
【タイプ】火炎の極意
【備 考】竜種、世界最強の一角
【必要素材】
『ドラゴンオーブ(SUR)』×1
『ドラゴンキラーの真核(SUR)』×1
『極意の極み(SP)』×1
『モユルモノ』×1
『ゼンのランクアップに必要な素材が足りません。』
「なっ…なにこれ…!」
どれもこれも、現時点では獲得不可能なものばかり…というか見たことも聞いたこともないアイテムばかりであった。
がっくりと肩をうなだれるミコトを、ゼンはなぐさめる。
ふと、外から声が聞こえて来ることに気づき、窓の外に目をやると、エレナとウォタが向き合い、何やら話しているようだ。
「カカカカカ…エレナよ。強くなった証を証明してみせぃ!!」
「後で吠え面かかないでよ!!」
「ふっ…ふたりとも!庭が壊れるからやれてくれよぉ!!」
エレナのランクアップが終わったのだろう。飛びかかるエレナをウォタがいなして、組み手を行なっている。
その横でイノチが泣いているが…
確かにウォタと刃を交えるエレナの動きは、今までに比べて格段に向上しているのが見てわかる。
ゼンはウォタを見据えていた。
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