ガチャガチャガチャ 〜職業「システムエンジニア」の僕は、ガチャで集めた仲間とガチャガチャやっていきます〜

noah太郎

文字の大きさ
70 / 290
第二章 始まる争い

5話 必要素材…パなくない?

しおりを挟む
「エレナ…お主、恨むぞ…」

「そんなこと言ったって、あんたが逃げ遅れるからじゃない。」


イスに座り、紅茶にレモンを絞るエレナと、その対面で紅茶を飲みながら不満を露わにするウォタ。

イノチはそれには関わらず、ベッドの上で携帯画面を確認している。


「あの後、大変であったのだ!ミコトに怒られ問い詰められ…我は悟ったぞ。このクランのカーストトップはミコトだ…あれに逆らってはいかん!」

「そっ…そんなに…?朝はそうでもなかったけど…」

「お主は気づかんかったのか?ミコトはまだ激烈に怒っとる!朝食の食べ方など、まるで修羅の如くであったぞ!」


ウォタは思い出して身震いした。
それを見たエレナも、今朝のことを思い出してみる。

エレナの記憶では、今朝の朝食でのミコトは笑顔で皆に挨拶していた。食べる時もいつもと変わらなかったはずだが…

それなのにウォタのこの怯えようは…


「今頃…ゼンは…はぁぁぁ…奴のことが心配になってきた…」

「あっ…あたしも怖くなってきたわ…」


カタカタと歯を鳴らし、小刻みに震えるウォタを見ながら、エレナは後でミコトに謝る事を決意する。


「まぁ、盗み聞きはよくないよな。」


話を聞いていたイノチは、他人事のように言いながら近づいてくると、携帯画面を二人に見せた。


「…これはなんだ?」

「ランクが『80』になった時に使えるようになった機能。朝話した通り、明日からは『超上級ダンジョン』に挑戦するから、その前にエレナを強くするんだ。」

「あたしを?ふーん、悪くないわ。」

「我は!?我も強くできんのか?!」


さっきまで浮かべていた恐怖の表情はどこへ行ったのか…ウォタは楽しげな顔でイノチに問いかけてくる。


「残念ながらウォタは無理みたい…この一覧にはウォタの名前が載ってないんだ。」


イノチは画面をスクロールして、ウォタへ説明する。


「推測だけど、ウォタはガチャ魔法じゃなくて、この世界で直接仲間になったから、俺の力が及ばないんじゃないかな?」

「なんだつまらんのぉ…まぁよい、我は強化なんぞせんとも最強であるからな。」


鼻を鳴らし、偉そうに腕を組むウォタに苦笑いしつつ、イノチはエレナを向く。


「今からエレナのレアリティを上げるんだけど、とりあえずこれ、確認しておいて。」


イノチの言葉に、エレナは差し出された携帯画面に目を落とす。


エレナ=ランドール(R)
【タイプ】物理アタッカー
【得意武器】短剣(二刀)
【性別】女
【種族】ヒューマン

【必要素材】
『オークの魔石(R)』×2
『暗褐色の巨人の心臓(R)』×3
『イービルアイの眼核(SR)』×1


『エレナのレアリティを『R』から『SR』へランクアップさせますか?YES/NO』


内容を確認したエレナは、携帯をイノチへと返して、小さくつぶやく。


「あたしは構わないけど、フレデリカは?文句言いそうだけど…」

「残念ながら、フレデリカは素材が足りないんだ。必要な素材がエグすぎてさ…」

「そんなに?」


イノチは再び携帯を操作して、フレデリカの『ランク解放』画面を開く。


「ほら…これ。」

「えっと…ん~」


フレデリカ=アールノスト(UR)
【タイプ】魔法アタッカー、アルケミスト
【得意武器】剣、銃
【性別】女
【種族】ドラゴニュート

【必要素材】
『デーモンの魔石(UR)』×2
『メドゥーサの瞳(UR)』×3
『デュラハンの心魂(SUR)』×1

『フレデリカのランクアップに必要な素材が足りません。』


「げぇっ…何よこれ。」
「ほう…フレデリカのやつ、なかなか難儀よのぉ。」

「だろ?フレデリカもだいぶ不満そうにしてたけどな…ただこれで想像できることもある。」

「想像できること?」


イノチの言葉に、エレナとウォタが首を傾げる。


「あぁ…エレナの素材って、主に『上級ダンジョン』までで獲得できたものなんだ。特に『イービルアイ』は上級でしか出現しなかった。ということは、『超上級ダンジョン』ではSR素材をドロップするモンスターが多く出現する可能性が高いと、俺は考えてる。」

「なるほどのぉ…確かに『メドゥーサ』や『デュラハン』はそこらのモンスターとは格が違うからな。本来はこの国にも分布しておらんモンスターたちだ。」

「え?そうなの?」

「あぁ…そやつらは『リシア帝国』や『ジプト法国』に生息するモンスターたちだ。そもそも、この『ダンジョン』と言うものも、昔とは様子が全く違う…」

「昔と今で『ダンジョン』が違うって…どういうことだ?」

「本来、『ダンジョン』というものは洞窟や山岳地帯に長年魔力が溜まり、自然的に発生するものだ。それが今では、突然、森や平原に姿を現しておる。」

「なるほど…なら、ダンジョンの不自然な発生が始まったのは?」

「この不可思議な『ダンジョン』が現れ始めたのは20年前くらいからだな。突然、ポツンと現れて気づいたら消えとる。我がナワバリにしておった『アソカ・ルデラ山』でも、同じことが起こっておったぞ。」


それを聞いたイノチは考えを巡らせる。


(ウォタの話から推察するに、やはり『ダンジョン』は"ウンエイ"が別に作り上げたものである可能性が高い、ということか…でも、現実に存在する世界でそんなことが可能なのかな…ゲームと称した"アクセルオンライン"と、現実世界である"バシレイア"…ウンエイの言うその"現実の世界"っていうのは、どこまで信用できるものか…)

「BOSS…難しい話は終わったかしら?そろそろ本題の、あたしのランクアップをしてくれない?」

「確かに!どこまでエレナが強くなるのか、我も気になるところだ!」


深く考え始めたイノチに痺れを切らし、エレナが頬杖をついたまま、イノチに声をかける。

ウォタも楽しげに尻尾をユラユラとさせている。


「…ん?あぁ、そうだったな。んじゃまぁ、エレナの『ランク解放』をしてみようか!!」

「「おおーーー!!!」」





「ゼンちゃん、ごめんね。」

「ミコトが謝ることではないさ。」


ミコトとゼンは、自室で携帯画面を見ている。

ミコトはその画面をもう一度見直してため息をついた。

明日から挑む『超上級ダンジョン』に備え、獲得キャラの『ランク解放』をしておこうとイノチと話した矢先、ゼンのランクアップに必要な素材を見て、ミコトは愕然とした。


ゼン(SUR)
【種族名】ファイアドラゴン
【属 性】炎
【タイプ】火炎の極意
【備 考】竜種、世界最強の一角

【必要素材】
『ドラゴンオーブ(SUR)』×1
『ドラゴンキラーの真核(SUR)』×1
『極意の極み(SP)』×1
『モユルモノ』×1

『ゼンのランクアップに必要な素材が足りません。』


「なっ…なにこれ…!」


どれもこれも、現時点では獲得不可能なものばかり…というか見たことも聞いたこともないアイテムばかりであった。

がっくりと肩をうなだれるミコトを、ゼンはなぐさめる。

ふと、外から声が聞こえて来ることに気づき、窓の外に目をやると、エレナとウォタが向き合い、何やら話しているようだ。


「カカカカカ…エレナよ。強くなった証を証明してみせぃ!!」

「後で吠え面かかないでよ!!」

「ふっ…ふたりとも!庭が壊れるからやれてくれよぉ!!」


エレナのランクアップが終わったのだろう。飛びかかるエレナをウォタがいなして、組み手を行なっている。

その横でイノチが泣いているが…

確かにウォタと刃を交えるエレナの動きは、今までに比べて格段に向上しているのが見てわかる。

ゼンはウォタを見据えていた。

その瞳には、ウォタの姿を映しつつ、奥に何かを宿しているのであった。
しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

乙女ゲームの正しい進め方

みおな
恋愛
 乙女ゲームの世界に転生しました。 目の前には、ヒロインや攻略対象たちがいます。  私はこの乙女ゲームが大好きでした。 心優しいヒロイン。そのヒロインが出会う王子様たち攻略対象。  だから、彼らが今流行りのザマァされるラノベ展開にならないように、キッチリと指導してあげるつもりです。  彼らには幸せになってもらいたいですから。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

三十年後に届いた白い手紙

RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。 彼は最後まで、何も語らなかった。 その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。 戴冠舞踏会の夜。 公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。 それは復讐でも、告発でもない。 三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、 「渡されなかった約束」のための手紙だった。 沈黙のまま命を捨てた男と、 三十年、ただ待ち続けた女。 そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。 これは、 遅れて届いた手紙が、 人生と運命を静かに書き換えていく物語。

【完結】ドアマットに気付かない系夫の謝罪は死んだ妻には届かない 

堀 和三盆
恋愛
 一年にわたる長期出張から戻ると、愛する妻のシェルタが帰らぬ人になっていた。流行病に罹ったらしく、感染を避けるためにと火葬をされて骨になった妻は墓の下。  信じられなかった。  母を責め使用人を責めて暴れ回って、僕は自らの身に降りかかった突然の不幸を嘆いた。まだ、結婚して3年もたっていないというのに……。  そんな中。僕は遺品の整理中に隠すようにして仕舞われていた妻の日記帳を見つけてしまう。愛する妻が最後に何を考えていたのかを知る手段になるかもしれない。そんな軽い気持ちで日記を開いて戦慄した。  日記には妻がこの家に嫁いでから病に倒れるまでの――母や使用人からの壮絶な嫌がらせの数々が綴られていたのだ。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

処理中です...