ガチャガチャガチャ 〜職業「システムエンジニア」の僕は、ガチャで集めた仲間とガチャガチャやっていきます〜

noah太郎

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第三章 ランク戦開催

76話 ミコト×メイジ×魔法

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巨大な尻尾が二人に向けて振り下ろされた。

タケルとミコトがそれを左右にかわすと、叩きつけられた尻尾が地面を大きく揺らす。

タケルは横目でミコトの無事を確認すると、鞘と柄に手をかけて一気に八岐大蛇との間合いを詰めた。


「はぁぁぁぁ!!」

ギギギギィィィンッ!

タケルの斬撃が八岐大蛇の胴体を襲い、乾いた金属音が数度響き渡る。

絶対防御の障壁が斬撃を阻んだ音だ。

刀を振り抜いたタケルに向かって、八岐大蛇頭の一つが襲いかかる。

が、タケルはすぐに後ろにステップを取ってそれをかわした。

目の前では、八岐大蛇の頭が鈍い音とともに地面に突っ込み、砂ほこりを巻き上げる。

その砂ほこりのせいで視界が悪くなる中、少し離れた位置に着地したタケルはすぐに真上に気配を感じ、再び横にステップを踏んだ。

すると、タケルがいた場所に八岐大蛇の頭が突き刺さり、地面を大きく砕く。

しかし、襲いかかってきたのはその一つだけではなかった。
他の6本の頭もタケルを食いちぎろうと四方八方から襲いかかってくる。


「くっ…相変わらず頭が多すぎなんだよ!」


その巨体とは裏腹に八岐大蛇の頭はかなり素早かった。
頭数をうまく利用して攻撃をしてくるため、タケルはなかなか反撃に出ることができなかった。

それでも体操選手顔負けの身軽さで、その攻撃を何度もかわしていくタケル。

最初に攻撃してきた2本の頭も、すでに地面から顔を出して攻撃に加わっている。

そうして、襲いくる8本の頭をなんとか交わしていたタケルだったが、そのうちの一つが自分の方を向いて口を大きく開け、息を吸い込み始めたことを視認した。

それと同時に、自分と八岐大蛇の延長戦上にミコトがいることにも気づく。


(しまった!誘い込まれた…!)


八岐大蛇の攻撃に気を取られ、ブレスの軌道にミコトが重なるよう誘い込まれたタケル。


「ミコト!気をつけて!ブレスがくるよ!」

「うん、大丈夫!」


後方のミコトへ大きく叫ぶタケル。
しかし、その言葉にミコトは相槌を打つと、持っている杖に魔力を込め始めた。

そして、臆することなく目を閉じて詠唱する。


「轟雷を操りし天の主よ、その力、一条の光となりて、彼の者に降り注がん!!ライトニングボルト!!!」


そう叫び、ブレスを吐こうとしていた八岐大蛇の頭に向けて黄色に輝く杖を向けると、そこから一筋の電撃が鋭く走る。


《(んん…?魔法か、そんなん効か…って、グババババババァァァァァァァッ!!!)》


口を開いたままそれを眺めていた八岐大蛇の頭は、突然身体中に走る電撃に驚きと小さな痛みを感じる。


《なっ!?なぜ当たるのだ!?》


電撃を受けた八岐大蛇の頭は、シューっと湯気を立てたままその場に茫然と立ち尽くしていた。

まだパチパチと体の表面を走り抜ける電撃の小さな余韻。
放とうとしていたブレスはキャンセルされてしまった。

ボーッとしているその頭は、身体的なダメージはあまりないようだが、他の頭たちも驚きと動揺が隠せていない。

しかし、もう一人驚いている者がいた。


「ミッ…ミコトって攻撃魔法使えたっけ…」


混乱したまま、戻ってきたタケルの問いにミコトは恥ずかしげに笑う。


「うん…フレデリカさんに教えてもらったの。まだあの人みたいに強くは撃てないけど…ね。」

「そっ…そうかい…それは助かるよ。」


苦笑いを返し、八岐大蛇へ向き直るタケル。
彼の頭には疑問が浮かび上がった。


(ミコトは『メイジ』だから攻撃魔法を撃てない道理はないんだろうけど…このゲームという"設定"内において、職業の域を超えてスキルを覚えることが本当に可能なのか?この世界の『メイジ』って攻撃魔法は覚えれないはずじゃ…そして、何より今の電撃魔法、八岐大蛇の絶対防御の障壁を全部じゃないけど貫いていた…いったい…)


ちらりと視線を向ければ、ミコトは八岐大蛇の次の出方を見極めようと必死に奴を睨みつけている。

タケルも八岐大蛇へと視線を戻す。


(何にせよ、嬉しい誤算ではある。これでゼンさんが復活してくれれば、僕らの勝機も見えてくる…)


一方で、八岐大蛇は未だに動揺していた。
もちろん受けた電撃魔法のことなどどうでもよく、なぜ絶対防御の障壁が貫かれたのか、その一点についてだ。


《(絶対防御は本来プレイヤーなどには貫けるはずなどないのだ。しかし、今の魔法は障壁を貫いてきやがった…全部じゃないにしろ…あの小娘はいったい…)》


ギロリとミコトを睨みつける八岐大蛇。
その瞳には杖を握りしめ、まっすぐこちらを睨み返す小さな少女が映っている。


《お前…何者だ…》


八岐大蛇は小さく問いかけた。
ミコトは一瞬キョトンとなったが、八岐大蛇が自分に問いかけていることに気づいた。


「わっ…わたし!?」

《ああ、そうだ。お前だ、小娘…》

「わたしは…ただのプレイヤーだよ!」

《嘘をつくな…ただのプレイヤーが普通の魔法で俺の絶対防御を破れるものか。》


八岐大蛇はそう言いながらも攻撃は仕掛けてこない。


(これはチャンスだ…)


警戒している八岐大蛇を見てタケルはすぐにそう考え、二人の間に割って入る。


「さっきも言っただろ!"アマテラス"…この言葉の意味を忘れたか!」

《むうっ…》


明らかにその単語に警戒の色を示す八岐大蛇に向かって、タケルは堂々と話を続ける。


「彼女には"アマテラス"の加護がある!お前の絶対防御だって貫けるんだ!」

「タッ…タケルくん…?いったい何を…」

「シッ…!僕に話を合わせて。奴は今、君の魔法を警戒してるんだ。」

「私の…魔法を…?」

「あぁ、君の魔法は奴の障壁を貫いた。奴はそれに動揺してるんだ。どうして貫けたのか理由はわからないけど、これを利用しない手はない。」


驚くミコトにタケルは振り向かずにそう告げる。


「ゼンさんの状況は?」

「まだ何も反応はないよ…」

「そうか、そこは運に任せるしかないね…。ミコト、僕が奴に仕掛けるから、君は魔法で奴を牽制してほしい!できる?」

「うっ…うん…それは問題ないけど、タケルくんは大丈夫なの?」

「大丈夫!一つ、確かめたいこともあるんだ!なら、僕が合図したら撃てる魔法を何でもいいからお願いね!」


タケルはそう言い残すと、動揺している八岐大蛇に向かって飛びかかった。

再び、鈍い金属音が鳴り響く。


《ちぃ…!調子に乗るなよ!》


意表を突かれたことに腹を立てた八岐大蛇は、頭をうねらせて再びタケルへと襲いかかるが、ミコトを警戒しているためか、その動きは先ほどの様な鋭さはない。


(いいぞ!ミコトに注意がいってるおかげで動きが鈍い!この間に…!)


タケルは襲いくる八岐大蛇の頭たちに対して、剣戟を放ちながらうまく攻撃をかわしていった。

そして、八岐大蛇に気づかれないようにゆっくりと目的の場所を目指す。

少し離れたところにいる頭の一つ…そう、先ほどミコトの魔法を受けた頭である。


《おのれぇぇぇ!ちょこまかと!!ならば…》


タケルにいいようにあしらわれていることにイラ立ち、八岐大蛇はいくつかの頭をタケルへと向け、タイミングを合わせて襲いかかる。

今まで以上に避ける隙間もない攻撃に為す術のないタケル。

しかし…


(きた!今だ!)


小さく笑みを浮かべると、大きく声を上げて叫んだのだ。


「ミコトォォォ!撃てぇぇぇ!!」

《なに!!!?》


その言葉に焦った八岐大蛇は、攻撃を止めて一斉にミコトへと顔を向けた。


「紅き炎を司りし豪炎の主よ、その力を持って、我らに仇なすものを灰塵に帰せ!」


見ればミコトはすでに詠唱し、体と杖に真っ赤なオーラを纏っている。

そして…


「インフェルノフレア!!」


その瞬間、大きな炎の柱が立ち昇った。
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