ガチャガチャガチャ 〜職業「システムエンジニア」の僕は、ガチャで集めた仲間とガチャガチャやっていきます〜

noah太郎

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第四章 全ての想いの行く末

8話 アレックスの怒り

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睨むハーデに対し、ニコニコと笑うアレックス。
二人は互いに自分の得物を構えて見つめ合う。


「てめぇらが本気を出してねぇことがわかったら、まじでムカついてきたぜ。覚悟しとけよ!!」


そう告げたハーデは、怒りのままに巨大な斧を振りかざした。


「はぁ~♪おじさんってそれしかできないの♪?」


つまらなさそうにそうつぶやくアレックスに対して、ハーデはニヤリと笑みをこぼす。


「だから舐めすぎなんだよ!言っただろ…今回は前とは違うって!」


その瞬間、ハーデの姿が消えた。
それにはさすがのアレックスも驚きを隠せない。


「あ…あれ♪?」


驚いた顔を構えた盾の上から出して、キョロキョロとあたりを見回すアレックス。

そんな彼女の真後ろに突然ハーデが現れた。
そして、振り上げていた斧をアレックスに向けて振り下ろす。

しかし、それを察知したアレックスは振り向いてすぐに縦を構えた。


「なんだ♪動きが早くなっただけじゃん♪」


少しあきれたようにつぶやくアレックス。
だが、その言葉にハーデは笑っていた。

ガキンッと乾いた金属音が響き、アレックスの盾がハーデの斧を軽々と防ぐ。

そのまま、アレックスが盾によるカウンターを繰り出そうとするが、突然盾が軽くなり、ハーデが目の前からいなくなったことに気づいた。


「もう…♪またいなくなった♪」


プンスカとハムスターのように頬を膨らませるアレックス。
辺りを見回せば、違う場所に笑っているハーデの姿を見つけた。


「おじさん、やる気あるの♪逃げてばっかりでさぁ♪」


口を尖らせて地団駄を踏む様子は、可愛らしいの一言に尽きる。

しかし、そんなアレックスもハーデがなぜ余裕を見せていたのか、すぐに気づいた。

最初にいたハーデの横に一人、また一人とハーデが複数現れたからだ。


「うぇぇぇ~♪うそでしょぉ♪」


総勢10人のハーデが同じように肩に斧を担ぎ、笑みを浮かべている様子は圧巻であった。

それを見たアレックスは苦虫を噛み潰したような表情を浮かべている。


「「「ガハハハ!!どうだ!さすがのお前でも俺さま10人分の威力を防ぎ切れるかなぁ!?」」」

「き…気持ち悪い…♪」


大笑いするハーデたちを見て、涙目のアレックスは次第に体を縮めて震え出した。


「「「そんな姿にゃ騙されねぇ!全力でいくぞぉ!!」」」


しかし、そんなアレックスの様子を気遣うこともなく、10人のハーデたちは一斉に斧を振り上げ、彼女に向けて飛びかかったのである。


「「「死ねぇやぁぁぁぁぁぁ!!!」」」


センスのかけらもないセリフを吐き出しながら、鼻息荒く斧を振りかざすハーデ。

落下の勢いを利用するつもりなのだろう。
建物の3、4階に到達するのではと思うほど、高く飛び上がった10人のハーデの姿は、脅威を感じてしまうほどであった。


「うわぁぁぁぁ♪来ないでよぉぉぉぉ♪」


そんなハーデの姿に、アレックスの顔はさらに恐怖に彩られる。



一方、メテルを下し、アレックスたちの様子を遠目でうかがっていたエレナは、それを見てポツリとつぶやいた。


「終わったわね…」


その言葉に呼応するように、震えながらも構えていたアレックスの盾から、漆黒のオーラが姿を現したのだ。

ウネウネとまるで蛇のようにうごめくオーラ。
それらはアレックスの周りに一気に拡がって、大きな壁のようなものを形成していく。


「「「なっ…なんだぁぁぁぁ!?」」」


満を持して飛びかかったハーデも、目の前のアレックスに何が起きているのか理解できないでいた。

しかし、そんなことには構うことなく、その壁は実体化しながら拡がっていき、最後には大きな盾を思わせる形へと変貌を遂げる。


「気持ち悪いおじさん♪ごめんねぇ、これで終わりだよ♪」

「「「なっ…ぬ…ぬかせぇ!!!!」」」


アレックスの変化に驚いたものの、ハーデとて諦めるわけにはいかない。

目の前に障害があれど、それを突破しなければ今の彼に次はないのだから。


「「「インパクトアックス・十天撃(じってんげき)」」」


そう叫び、全ての斧をアレックスに向けて振り下ろしたハーデ。

自身の体重に加え、落下によって加速度的に上乗せされた運動量を含んだその一撃…否、十撃は、アレックスが創り出したオーラの盾と激突し、強大な衝撃波を生む。


「確かに…あれはあたしでも受け切れないわ。でも、相手が悪かったわね。」


その衝撃波によって、周りにあったオブジェクトや建物の一部が吹き飛ばされていく一方で、何事もないかのようにその場に立ち、エレナは腕を組み、髪や服をなびかせながら遠目にそうつぶやいた。


「うわぁぁぁぁ♪前回の一撃よりも確かに重たいねぇ♪ちょっと面白かったかなぁ♪」

「「「ぐが…ぐぎぎぎぎ…」」」


ギリギリと斧を押し入れようと力を込めるハーデたち。
その目の前ではアレックスが涼しい顔で笑っている。


(なんなんだ、こいつらは…。あの茶髪の姉ちゃんの動きもそうだが、このちびっ子の防御力もやっぱりあり得ねぇ…団長のバフを受けても越えられないなんて…。)


そう思いつつ必死に力を込めるハーデを見て、アレックスはさらに楽しげに笑ってこう告げた。


「でも、もういいや♪その程度で僕らのBOSSに楯突いてさ♪ほんとにムカつくよぉ♪」


その言葉を聞いた瞬間、ハーデは底知れない気配と寒気を感じ取った。

体中から汗が噴き出して止まらない。
意志に反して体が震えているのだ。

その原因が、目の前にいる小さな少女から感じられるドス黒い殺気であると気づくのに、それほど時間はかからなかった。


「「「て…てめぇは…いったい…」」」


笑う瞳の奥に見えた闇。
本能的に臆してしまい、柄を握る手が少しだけ緩む。

その瞬間…


「あは♪死んじゃえぇ♪シールドカウンター『地』♪♪♪」


アレックスがそう叫ぶと、先ほど波紋のように広がった衝撃波が、まるで逆再生されるかのようにアレックスの漆黒の盾へと再び収束されていく。


「「「な…なんだとぉぉぉ!??」」」


驚愕するハーデをよそに、それら全てがアレックスの盾に集まり終えると、今度はその力を吐き出すようにハーデに向けて大きな衝撃波が放たれた。

襲いかかる衝撃波により9つの分身体は全て消え去り、残された彼の本体だけが天高く打ち上げられる。


「が…はっ…!!」


目、鼻、耳、そして口から血反吐を垂れ流し、朦朧とする意識の中で宙を舞うハーデは、地上で笑うアレックスを視界に捉えた。

ニコニコと楽しげに、そして優しげに笑うその姿はまるで天使のよう…彼にはそう見えていたのだろう。

救われたような表情をしたままハーデは意識を失うと、そのまま落下して鈍い音を立てて地面へと激突する。

決着がついたことを察してエレナが近づいてきた。

彼女の手にはメテルの足が掴まれており、どうやらここまで引きずってきたようだ。

そのメテルの体を倒れているハーデのところへ投げ飛ばすと、エレナは手をはたきながらアレックスにあきれたように告げる。


「アレックス…殺しちゃダメってBOSSに言われたの、忘れたの?」


しかし、アレックスに悪びれた様子はなく、ニコニコしながらそれに返す。


「あ♪エレナさんも終わったんだねぇ♪大丈夫、僕のスキルでは死んでないはずだよ♪でも、今の落ち方はまずかったかもなぁ♪」

「まずかったかもなぁって…あんたねぇ。はぁ…まぁいいわ、さっさと先へ進むわよ。東側を制圧して、レジスタンスたちを王宮へ案内しないとね。」

「うん♪はぁい♪」


可愛らしく手を挙げるアレックスを見て、エレナは小さく鼻で笑った。

先へ進んでいく二人。
気を失ったメテルとハーデが、その背を見送るようにその場に平伏していた。
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