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第二章 監禁生活
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「ほら、こっち、こっち。見て、見て」
朝食後、エディアルドに連れられ、庭園に来ていた。
「すごく綺麗なお庭ね。丁寧に手入れされているわ」
私に薔薇のアーチを見せたエディアルドは満足げな顔を見せる。
「向こうの方もいってみよう。噴水の水しぶきが反射するんだ」
エディアルドは絡ませた腕にギュッと力を込めた。
スキンシップが激しいほうだけど、人恋しいのかもしれない。でも、こうやって手を引かれ、腕を絡ませたりするのも嫌いじゃない。前世の学生時代を思い出す。
この子、本当にあのエディアルドなのかと思うぐらい、無邪気な一面を見せた。
今はエディアルドに寄り添ってあげることを第一に過ごそう。真正面から対立しても、いい結果は生まないだろうし。理解を示し、仲良く過ごそう。
それから半日、エディアルドの案内につきあった。
ちょっと疲れたので、午後はソファでゆったりと本を読む。
「ねぇ、リゼット。ちょっと見て」
エディアルドが宝石箱を片手に持って近づいてくると、蓋を開けた。
「うわぁ、すごい綺麗ね」
中には宝石がびっしりと詰まっていた。それも大きなものばかり。
いったいこれ、いくらするんだろう。ごくりと息をのんだ。
「綺麗でしょ? 宝物なんだ。おじいさまが会うたびに、一つずつお土産にくれるんだ」
エディアルドが一つ一つ手に取り、説明してくれるのを黙って聞いていた。
「本当にすごいわね」
こんなのをポンッと買えるカーライル公爵家の財力が。これ一つで、小さな屋敷が手に入るんじゃないだろうか。
「特に気に入っているのがこれ」
エディアルドは緑色の宝石を指さす。やや青みがかった濃く、鮮やかなグリーンはエメラルドだろうか。
「リゼットの瞳と同じ色」
言われてみれば、そうかもしれない。時折、新緑色の瞳を褒められることがあった。
「そう? こんなに綺麗かしら?」
お世辞でも嬉しいと微笑むと、エディアルドは急に真顔になる。
「うん、綺麗だよ。すごく」
その様子にドキッとする。一瞬、すごく大人っぽく感じてしまったから。
エディアルドは宝石箱を指さした。
「欲しかったら、あげる」
「えっ?」
びっくりして、にこにこと笑みを絶やさないエディアルドを見つめた。
「リゼットが欲しいのなら、全部あげる」
そんな簡単にもらっていいわけじゃない。そりゃあ、欲しくないといえば嘘になるけど、こんな形でもらうものじゃないでしょ。
「もらえないわよ、エディアの宝物でしょう。それに君のおじい様は、君のことを思って買ってきてくれたんだもの。だから大切にしまっていて」
私に譲ろうとする宝石箱をエディアルドにしまわせた時、勢いよく扉が開いた。
「エディア!! 帰るなら一言、言ってから――!!」
部屋に入るなり、ジェラールが叫んだと思ったら、そこで私を視界に入れた。そしてゆっくりと二度見したと思ったら、目を見開いた。
「君は……!」
ごくりと喉を震わせ、五秒ほど止まると、エディアルドに指を向ける。
「エディア!! 君!! 勝手に連れてきたな!!」
はい、ジェラール、ご名答。
さすが長い付き合い、よくわかっている。対するエディアルドはすごくうるさそうに耳をいじった。
「うるさい、ジェラール。部屋に入ってくるなり叫ぶな。リゼットがびっくりするだろう」
「叫びたくもなるさ!!」
ジェラールは顔を真っ赤にして両手を広げた。
「どうするんだ、こんなことして!! どうりでハモンド家から、急にいなくなったと思ったよ! ばれたら都合が悪かったからだろう! まさかカーライル家に連れてくるなんて」
「そうだよ、ハモンド家なら人が多いだろう。邪魔されたくなったんだよ、特にジェラールには」
「だからって……!!」
目の前の言い争いをハラハラして見守っていると、ジェラールと目が合った。彼は唇を噛みしめ、息を吐き出した。
「とにかく……安直な行動はやめてくれ。君の行動に振り回される方の身にもなれ」
ジェラールは私に近づくと、地面にスッと片膝をつく。
「リゼット・グリフ嬢。すまなかった、迷惑をかけただろう」
もしかしてこの人、事情を知ったから、私を家に帰してくれるかもしれない。一抹の望みをかけ、切り出すことにした。
「あの――」
「だが、エディアルドの相手をしてくれないだろうか。もう少しだけ辛抱してくれ」
あっ、やっぱりジェラールはエディアルドの下僕だわ。
私を助けるどころか、なだめる方にまわるだなんて、やはり期待してはいけない。エディアルドを止める力は、彼にはない。
「――わかりました」
どうせここからは容易に逃げられない。だったら、仲良くなってからの解放を望むわ。
朝食後、エディアルドに連れられ、庭園に来ていた。
「すごく綺麗なお庭ね。丁寧に手入れされているわ」
私に薔薇のアーチを見せたエディアルドは満足げな顔を見せる。
「向こうの方もいってみよう。噴水の水しぶきが反射するんだ」
エディアルドは絡ませた腕にギュッと力を込めた。
スキンシップが激しいほうだけど、人恋しいのかもしれない。でも、こうやって手を引かれ、腕を絡ませたりするのも嫌いじゃない。前世の学生時代を思い出す。
この子、本当にあのエディアルドなのかと思うぐらい、無邪気な一面を見せた。
今はエディアルドに寄り添ってあげることを第一に過ごそう。真正面から対立しても、いい結果は生まないだろうし。理解を示し、仲良く過ごそう。
それから半日、エディアルドの案内につきあった。
ちょっと疲れたので、午後はソファでゆったりと本を読む。
「ねぇ、リゼット。ちょっと見て」
エディアルドが宝石箱を片手に持って近づいてくると、蓋を開けた。
「うわぁ、すごい綺麗ね」
中には宝石がびっしりと詰まっていた。それも大きなものばかり。
いったいこれ、いくらするんだろう。ごくりと息をのんだ。
「綺麗でしょ? 宝物なんだ。おじいさまが会うたびに、一つずつお土産にくれるんだ」
エディアルドが一つ一つ手に取り、説明してくれるのを黙って聞いていた。
「本当にすごいわね」
こんなのをポンッと買えるカーライル公爵家の財力が。これ一つで、小さな屋敷が手に入るんじゃないだろうか。
「特に気に入っているのがこれ」
エディアルドは緑色の宝石を指さす。やや青みがかった濃く、鮮やかなグリーンはエメラルドだろうか。
「リゼットの瞳と同じ色」
言われてみれば、そうかもしれない。時折、新緑色の瞳を褒められることがあった。
「そう? こんなに綺麗かしら?」
お世辞でも嬉しいと微笑むと、エディアルドは急に真顔になる。
「うん、綺麗だよ。すごく」
その様子にドキッとする。一瞬、すごく大人っぽく感じてしまったから。
エディアルドは宝石箱を指さした。
「欲しかったら、あげる」
「えっ?」
びっくりして、にこにこと笑みを絶やさないエディアルドを見つめた。
「リゼットが欲しいのなら、全部あげる」
そんな簡単にもらっていいわけじゃない。そりゃあ、欲しくないといえば嘘になるけど、こんな形でもらうものじゃないでしょ。
「もらえないわよ、エディアの宝物でしょう。それに君のおじい様は、君のことを思って買ってきてくれたんだもの。だから大切にしまっていて」
私に譲ろうとする宝石箱をエディアルドにしまわせた時、勢いよく扉が開いた。
「エディア!! 帰るなら一言、言ってから――!!」
部屋に入るなり、ジェラールが叫んだと思ったら、そこで私を視界に入れた。そしてゆっくりと二度見したと思ったら、目を見開いた。
「君は……!」
ごくりと喉を震わせ、五秒ほど止まると、エディアルドに指を向ける。
「エディア!! 君!! 勝手に連れてきたな!!」
はい、ジェラール、ご名答。
さすが長い付き合い、よくわかっている。対するエディアルドはすごくうるさそうに耳をいじった。
「うるさい、ジェラール。部屋に入ってくるなり叫ぶな。リゼットがびっくりするだろう」
「叫びたくもなるさ!!」
ジェラールは顔を真っ赤にして両手を広げた。
「どうするんだ、こんなことして!! どうりでハモンド家から、急にいなくなったと思ったよ! ばれたら都合が悪かったからだろう! まさかカーライル家に連れてくるなんて」
「そうだよ、ハモンド家なら人が多いだろう。邪魔されたくなったんだよ、特にジェラールには」
「だからって……!!」
目の前の言い争いをハラハラして見守っていると、ジェラールと目が合った。彼は唇を噛みしめ、息を吐き出した。
「とにかく……安直な行動はやめてくれ。君の行動に振り回される方の身にもなれ」
ジェラールは私に近づくと、地面にスッと片膝をつく。
「リゼット・グリフ嬢。すまなかった、迷惑をかけただろう」
もしかしてこの人、事情を知ったから、私を家に帰してくれるかもしれない。一抹の望みをかけ、切り出すことにした。
「あの――」
「だが、エディアルドの相手をしてくれないだろうか。もう少しだけ辛抱してくれ」
あっ、やっぱりジェラールはエディアルドの下僕だわ。
私を助けるどころか、なだめる方にまわるだなんて、やはり期待してはいけない。エディアルドを止める力は、彼にはない。
「――わかりました」
どうせここからは容易に逃げられない。だったら、仲良くなってからの解放を望むわ。
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