8 / 23
幼少期
クリスはいい子ね
しおりを挟む
オレが魔法と出会ったあと、しばらくは平穏な日々が流れた
しかし、オレが3歳になりいつものように母に見守られながら乳母と遊んでいると、父が昼間にもかかわらず、帰ってきたのだ
それを不思議に感じながらも、何か忘れ物でも取りに来たぐらいに思い、遊びを継続した
すると、オレの元に親父が歩いてくるのが見えた
オレがそれに気付き、すぐにこの天使の微笑みと言われる笑みを浮かべ、駆け寄った
これを忘れると、それは恐ろしいことが起こる
そう、髭スリスリの刑だ
あれは、子どものデリケートなお肌には大敵だ
「ちちうえ~」
「クリス!我が息子よ~!今日もかわいいな~!」
ちなみに親父は相変わらず親バカだ
なので、この発言もいつもと変わらず、常にオレはそれをスルーする
そして、いつものように駆け寄ると親父の後ろに18歳~20歳の金髪碧眼の王子様のようなイケメン少年がいた
思わず、親父に抱きつく直前に立ち止まってそのイケメンにくぎ付けになってしまった
『えっ、誰・・・・?』
その声なき声が聞こえたかのように立ち止まっていたオレを抱き締めていた親父が少しだけ腕を緩め彼の方を向き、彼の正体を話し出した
「クリス、彼は今日からお前の側付きになったカイル・アクア君だ。普通だったらお前が5歳になってからにしようかと思ったんだが、賢いお前なら今日からでも大丈夫だろう。」
親父は話している途中からオレと目線を合わせながら、諭すように語った
オレは急な展開に何も言えなかった
だが、そんなオレに構わずにその少年はオレの前に一歩踏み出し、自己紹介をした
「カイル・アクアと申します。以後お見知りおきを・・・・」
綺麗な礼をしたが、こいつの言葉には一切の感情が含まれていなかった
ただ、淡々と音の羅列を述べていったかのようだ
オレはとにかく、挨拶はされたら返すものだと思っているので、一旦親父から離れ、彼の方を向いてからこちらも自己紹介をした
「くりすとふぁー・ろーど・ふぉれすとです。じゃくはいものですが、どうぞよろしくおねがいします!」
そう言ってからオレは彼と同様に頭を下げた
そして、顔を上げると目の前で目を見開いた状態のカイルが固まった
「?」
なぜ、そのような反応をされるのか分からず、オレは首をこてんと傾げてみせた
その様子を見ていた親父は、ハハハと笑いだし、カイルの肩を叩き出した
「な?私の息子はかわいい上に賢いだろ?」
「・・・はい、予想以上です。・・・・・・」
更によくわからないことを言われたので、オレは逆方向に首を傾げた
それを見た親父はなぜか胸を抑え、悶えていたと思いきやオレに抱きついた
「ほっんとに、クリスはかわいいなぁ~!」
「ちちうえ、いたいです。」
「あなた、いい加減にしてください。クリスが嫌がっているでしょう。」
「す、すまん」
抱きつくだけにとどまらず、顔にスリスリしてきたのでオレはすぐに手で親父の顔をどけた
しかし、所詮大人と子ども力で勝てるはずがない
最終奥義泣きわめきを発動しようとしたその時オレは母さんの手によって救出された
母さんがオレを親父から取り上げ、ぴしゃりと言うと、親父は小さくなって謝った
オレはそれを見て、母さんにだけは逆らわないでおこうと思った
「さて、あなたはまだお城でお仕事があるのでしょう?後はまかせてさっさと戻ってくださいな。」
「クリスが足りない・・・・」
「あなた?」
「わ、わかった!戻る!戻るから!じゃあなクリス!」
母さんの笑顔の圧に負けた親父はすごすごと肩を落としながら、捨てられた子犬のような瞳でオレに挨拶をして去っていった
それを見届けた母さんは一つため息を吐き、今度はカイルと向き合った
「騒がしくてごめんなさいね?話は夫から聞いています。今日からはここをあなたの家だと思って過ごしてちょうだいな。今日は疲れただろうからもう下がってもいいわよ。明日以降の詳しいことは執事長にお尋ねなさい。」
「はい、承知いたしました。それでは、失礼いたします。」
母さんがカイルに休むよう告げると、彼はまた淡々と挨拶と礼をして去っていった
その後、さっきまで座っていた椅子に戻り、母さんが腕の中のオレを見た
「クリス?あなたは人の上に立つものなのだから先ほどのように軽々しく頭を他人ましてや使用人に下げるものではなくってよ?」
母さんはさすがである
子どもの教育をよくわかってらっしゃる
このように逃げられない状態からのお説教、見事である
「でも、これからおせわになるのだからあたまをさげてあいさつしないと・・・・・」
オレが小さな声で抗議をすると、母さんは慈愛の笑みを浮かべた
「人としてはね?でも、私達は貴族。それも公爵家よ。だからそうしたいときは私的な時か周りに誰も居ないときにね?できるかしら?」
「っ、はいっ!ははうえ!」
母さんはウィンクをしながら人差し指を口に持っていき、秘密の会話をするように小さな声で言った
オレはその言葉に身分はともかく、生まれてきたのが母さんのところで良かったと心底思った
「クリスはいい子ね」
オレと母さんは同時にクスクスと笑い合い、その日も結局穏やかに過ごしたのだった
─────────────────────────────────────────────
ありがとうございました!
お母さんまじ女神!
そして、お母さん最強説が浮上しましたね~
あと、短編でも登場した謎の男カイルさんが登場!
しかし、オレが3歳になりいつものように母に見守られながら乳母と遊んでいると、父が昼間にもかかわらず、帰ってきたのだ
それを不思議に感じながらも、何か忘れ物でも取りに来たぐらいに思い、遊びを継続した
すると、オレの元に親父が歩いてくるのが見えた
オレがそれに気付き、すぐにこの天使の微笑みと言われる笑みを浮かべ、駆け寄った
これを忘れると、それは恐ろしいことが起こる
そう、髭スリスリの刑だ
あれは、子どものデリケートなお肌には大敵だ
「ちちうえ~」
「クリス!我が息子よ~!今日もかわいいな~!」
ちなみに親父は相変わらず親バカだ
なので、この発言もいつもと変わらず、常にオレはそれをスルーする
そして、いつものように駆け寄ると親父の後ろに18歳~20歳の金髪碧眼の王子様のようなイケメン少年がいた
思わず、親父に抱きつく直前に立ち止まってそのイケメンにくぎ付けになってしまった
『えっ、誰・・・・?』
その声なき声が聞こえたかのように立ち止まっていたオレを抱き締めていた親父が少しだけ腕を緩め彼の方を向き、彼の正体を話し出した
「クリス、彼は今日からお前の側付きになったカイル・アクア君だ。普通だったらお前が5歳になってからにしようかと思ったんだが、賢いお前なら今日からでも大丈夫だろう。」
親父は話している途中からオレと目線を合わせながら、諭すように語った
オレは急な展開に何も言えなかった
だが、そんなオレに構わずにその少年はオレの前に一歩踏み出し、自己紹介をした
「カイル・アクアと申します。以後お見知りおきを・・・・」
綺麗な礼をしたが、こいつの言葉には一切の感情が含まれていなかった
ただ、淡々と音の羅列を述べていったかのようだ
オレはとにかく、挨拶はされたら返すものだと思っているので、一旦親父から離れ、彼の方を向いてからこちらも自己紹介をした
「くりすとふぁー・ろーど・ふぉれすとです。じゃくはいものですが、どうぞよろしくおねがいします!」
そう言ってからオレは彼と同様に頭を下げた
そして、顔を上げると目の前で目を見開いた状態のカイルが固まった
「?」
なぜ、そのような反応をされるのか分からず、オレは首をこてんと傾げてみせた
その様子を見ていた親父は、ハハハと笑いだし、カイルの肩を叩き出した
「な?私の息子はかわいい上に賢いだろ?」
「・・・はい、予想以上です。・・・・・・」
更によくわからないことを言われたので、オレは逆方向に首を傾げた
それを見た親父はなぜか胸を抑え、悶えていたと思いきやオレに抱きついた
「ほっんとに、クリスはかわいいなぁ~!」
「ちちうえ、いたいです。」
「あなた、いい加減にしてください。クリスが嫌がっているでしょう。」
「す、すまん」
抱きつくだけにとどまらず、顔にスリスリしてきたのでオレはすぐに手で親父の顔をどけた
しかし、所詮大人と子ども力で勝てるはずがない
最終奥義泣きわめきを発動しようとしたその時オレは母さんの手によって救出された
母さんがオレを親父から取り上げ、ぴしゃりと言うと、親父は小さくなって謝った
オレはそれを見て、母さんにだけは逆らわないでおこうと思った
「さて、あなたはまだお城でお仕事があるのでしょう?後はまかせてさっさと戻ってくださいな。」
「クリスが足りない・・・・」
「あなた?」
「わ、わかった!戻る!戻るから!じゃあなクリス!」
母さんの笑顔の圧に負けた親父はすごすごと肩を落としながら、捨てられた子犬のような瞳でオレに挨拶をして去っていった
それを見届けた母さんは一つため息を吐き、今度はカイルと向き合った
「騒がしくてごめんなさいね?話は夫から聞いています。今日からはここをあなたの家だと思って過ごしてちょうだいな。今日は疲れただろうからもう下がってもいいわよ。明日以降の詳しいことは執事長にお尋ねなさい。」
「はい、承知いたしました。それでは、失礼いたします。」
母さんがカイルに休むよう告げると、彼はまた淡々と挨拶と礼をして去っていった
その後、さっきまで座っていた椅子に戻り、母さんが腕の中のオレを見た
「クリス?あなたは人の上に立つものなのだから先ほどのように軽々しく頭を他人ましてや使用人に下げるものではなくってよ?」
母さんはさすがである
子どもの教育をよくわかってらっしゃる
このように逃げられない状態からのお説教、見事である
「でも、これからおせわになるのだからあたまをさげてあいさつしないと・・・・・」
オレが小さな声で抗議をすると、母さんは慈愛の笑みを浮かべた
「人としてはね?でも、私達は貴族。それも公爵家よ。だからそうしたいときは私的な時か周りに誰も居ないときにね?できるかしら?」
「っ、はいっ!ははうえ!」
母さんはウィンクをしながら人差し指を口に持っていき、秘密の会話をするように小さな声で言った
オレはその言葉に身分はともかく、生まれてきたのが母さんのところで良かったと心底思った
「クリスはいい子ね」
オレと母さんは同時にクスクスと笑い合い、その日も結局穏やかに過ごしたのだった
─────────────────────────────────────────────
ありがとうございました!
お母さんまじ女神!
そして、お母さん最強説が浮上しましたね~
あと、短編でも登場した謎の男カイルさんが登場!
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
覚悟は良いですか、お父様? ―虐げられた娘はお家乗っ取りを企んだ婿の父とその愛人の娘である異母妹をまとめて追い出す―
Erin
恋愛
【完結済・全3話】伯爵令嬢のカメリアは母が死んだ直後に、父が屋敷に連れ込んだ愛人とその子に虐げられていた。その挙句、カメリアが十六歳の成人後に継ぐ予定の伯爵家から追い出し、伯爵家の血を一滴も引かない異母妹に継がせると言い出す。後を継がないカメリアには嗜虐趣味のある男に嫁がられることになった。絶対に父たちの言いなりになりたくないカメリアは家を出て復讐することにした。7/6に最終話投稿予定。
三回目の人生も「君を愛することはない」と言われたので、今度は私も拒否します
冬野月子
恋愛
「君を愛することは、決してない」
結婚式を挙げたその夜、夫は私にそう告げた。
私には過去二回、別の人生を生きた記憶がある。
そうして毎回同じように言われてきた。
逃げた一回目、我慢した二回目。いずれも上手くいかなかった。
だから今回は。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる