オレの来世は黒歴史忍者っ!(連載版)

存在感の薄い者

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幼少期

もうだれだよっ!オレのかたをたたくや・・・つ・・・は・・・・・

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翌日目が覚め、カーテンを開けて外の景色を見ながらメイドさん達が来るのを待っていると、部屋の扉が叩かれた

「坊ちゃま、おはようございます。朝のお仕度のご用意が整いました。」

「・・・どうぞ」

いつものメイドさんの声じゃなかったので、少し驚いたが、その話し方ですぐに誰かわかったため、入室を許可した

「失礼いたします。」

そう言って扉を開けたのは昨日からオレの側付きになったカイルだった

「かいる、おはよう」

オレは当然のように彼に挨拶をしたが、彼は固まってしまった

「どうしたの?」

「いえ、普通の貴族は使用人になど挨拶をなされませんので・・・・」

オレが不思議に思って尋ねると、彼からはそう返ってきた

「あー、きぞくってめんどうくさい・・・でも、うちではこれがふつうだから」

「そう、なのですね・・・」

昨日から彼はオレの言動について驚いてばかりだ

『そんなに他の貴族って使用人に対して横柄なのだろうか?』

そうやって疑問に思ったが、うちはうち、よそはよそという考えに至った

「それじゃあ、あらためて。おはよう、かいる!」

「・・・・おは、よう、ございます。」

カチンコチンだったが、返してくれたのでひとまずは良しとする

「かたいなぁ~、でもあしたからずっとだからそのうちなれるよ?」

「善処いたします・・・」

こんな感じでオレの朝は過ぎた

その後、食堂で両親と挨拶をして朝食を食べ、冒険の時間が来た
3歳になってからオレはよく屋敷を抜け出して、冒険に行くのだった
タイムリミットはお昼ご飯の時間までで、それはお昼の13時ごろ、今は朝の8時である

オレは1歳のあの時から今に至るまで、魔法の練習を日夜行っていた

『スローライフが無理なら冒険者をやればいいじゃん!』

この思いからオレは屋敷の外で冒険をするために頑張った
それに、貴族は何かと身の回りが物騒だ
誘拐が最たるものである
昼間は魔力操作、夜は皆が寝静まってから魔法の練習だ
子どもの体なので、すぐ眠たくなるが、お昼寝と夜の特訓を数時間とし、なんとか睡眠を確保しながら行った
地道な特訓のおかけで、オレは今あの魔法初級編に載っている大抵の魔法は使えるようになったのだ

「さてと、いきますか」

そう言って、オレは行動を開始した
空間収納イベントリから目立たないフードつきのマントと平民がよく着ているような服を取りだし、それを着た
それから、魔法を詠唱した

色彩幻影からーちぇんじ!」

すると、母さん譲りの銀髪が茶色に、親父譲りの蒼瞳が鳶色に変化した
オレはいつも、図書室にいると思われているので、アリバイも完璧だ

屋敷の抜け道からオレは外に出て、早速朝の市場に出掛けた

「今日も盛況だなっ」

目の前には朝の8時30分とは思えないほど、人が集まり、各々商売をしたり、買い物をしたりと大忙しだ
ではオレも市場に行こうとしたとき、オレを阻むものがあった

トントン

肩を叩かれた気がしたが、市場は人でごった返しているので気のせいと思い、無視をした

トントン

今度は気のせいじゃないかも?と思ったが、オレに用のあるやつをオレは知らない

トントン

「あー、もうだれだよっ!オレのかたをたたくや・・・つ・・・は・・・・・」

イライラしながら後ろを振り向くと、そこには驚きの人物が立っていた

「坊ちゃま、なぜ、このような場所にいるのか聞いても宜しいでしょうか?」

そう、オレの側付きであるカイルだった
─────────────────────────────────────────────
ありがとうございました!

さあ、短編では謎多き男カイルがぐいぐいと登場してきました!
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