オレの来世は黒歴史忍者っ!(連載版)

存在感の薄い者

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学園編

目がぁ!目がぁ!

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彼女は己がまだ子どもであることを自覚しながら、先手必勝と思い先制攻撃を仕掛けた
子ども故の素早さを持って相手を翻弄し、子ども故の力の無さを相手の力を利用しながら次々と敵を倒していった
もちろん大事な証人として殺しはせず、刺客の足や腕を切りつけて意識を奪っただけだが
しかし、心の中の叫びとしては乙女だった

『貴様らのせいで出会ってすぐに失恋してしまったではないかっ!!!』

剣を握ると言葉も荒れる彼女は少し涙目になりながらも、怒りと悲しみによって短剣を振るった
そして、最後の一人を倒して確実に仕留めたことを確認した
短剣についた血を払い、元の位置に戻した
ここまで行くと失恋の傷の方が勝ったが、今までの淑女の心得を最後の砦としてなんとか彼に対し、後ろを向いてスカートをめくった
彼の方に向き直ると目を反らしてくれていたのがわかり、その紳士な態度は失恋したにも関わらずまた恋に落ちてしまった

『こんな私にもお優しいだなんてっ・・・!!』

一人悶えていると、彼がいきなりこちらに走ってきて私を抱き締めた

『ななななな何事ですのっ!?』

一瞬の出来事に何が起こったのか分からず、今この瞬間わかることと言えば彼に抱き締められていることである

『我が人生に一片の悔いなし!』

魂が昇天しようとした時、後方から男の呻き声とカキンと金属を打ち付けたかのような音がした
彼の腕の中にいるため、状況についていけなかった
ただ、先ほどの状況証拠からまだどこかにいた残党を彼が何かしらの方法で倒したということが推測できた
すると、耳の横で彼が声変わり前の高く澄んだ声で呪文を唱えた

雷の咆哮サンダーボルト

彼の魔法により敵が殲滅されたことは分かったが、それよりも彼女は今瀕死の状態だった

『みみみみ耳がぁっ!耳にととと吐息がぁぁ!!』

そう、吐息である
ただでさえ好きな人から抱きしめられて心臓がもたないというのに更に耳への吐息攻撃により、腰がくだけそうである

『あばばばばばっ!』

声に出なかったのはこれまでの淑女教育の賜物である
それでも体がプルプル震え、瞳が潤むのは仕方のないことだと言えよう
今日1日だけで、彼女は何回この淑女教育に助けられただろうか、数えられない
しかし、一点だけ淑女教育と同様に幼少期から彼女の生活に染み付いたものがあることに思い至った

『剣を振るう淑女はいないわよね・・・・』

今度は相手の反応がどう来るのかの恐怖からプルプル震えてしまう
そんな彼女に彼は優しく声をかけてくれた

「お怪我はありませんか?」

「だだだ、大丈夫ですっ!」

なんとか返答し、彼女は次の言葉を待つ

「恐らく、ワタシを狙ったのでしょう。あなたをこのようなことに巻き込んでしまって申し訳ない」

「いいい、いえ!そ、それよりも・・・・どう、思い、ましたか?」

彼の態度から嫌悪するようなものが見えなかったことから彼女は勇気を出して彼に問いかけた

「何をでしょう?」

「その、貴族の私が女であるにもかかわらず剣を扱えるということを、です・・・・・」

すると、はっとしたようにしばらく考えた後彼は穏やかな微笑を顔に浮かべ宣った

「いえ、別に。多少驚きはありましたが、それを厭うような感情はございません」

「・・・・・・・・・」

その時の彼女は正しく天にも昇るということを体で表していた

『嫌・・われて・・・・ない?なんで?あなたは神ですか?あぁ、このような奇跡が起きるなんてっ!!』

興奮のあまり、少しいやだいぶ危ない人のようにハァハァし、顔はリンゴのように赤く体は飛び出しそうな歓喜を抑えるようにプルプルがブルブルとしてきた
そんな彼女にも優しく彼は声をかけた

「あの、アリシア嬢、実は、ワタシが魔法で刺客を倒したことを誰にも言わずに内緒にしていただけませんか?もし、できないとおっしゃるのならば、ワタシはあなたに酷いことをしてしまうかもしれません」

突然の嘆願に彼女は己を叱咤し、顔をあげて彼の顔を見た
そこには天使の微笑みがありあまりの眩しさに目がつぶれるのかと彼女は錯覚した

『目がぁ!目がぁ!それに酷いことって・・・・むしろしてぇぇぇ!!想像しただけで──(自主規制)』

恋は盲目とは言うが彼女の場合新しい扉の前まで来て取っ手に手をかけている状態になってしまっている
だが、その手を離させたのも彼だったのだ
彼の顔を見つめていた彼女は彼の表情の変化がすぐにわかった
少し眉間に皺を寄せ悩ましげな表情をしたのだ
それは一種の艶を出していたが見とれるのも一瞬彼女は彼の嘆願の返答をしていないことを思い出した

『いっ、いけない!折角奇跡的に嫌われてないのに!!』

彼女は表面上は態度を取り繕った

「・・・・・・・・・・・・・・・・理由をお聞きしても?」

「それは、こういった有象無象を排除するためですよ。こちらが弱いと見せかけていれば相手は油断をしてくれますので」

その言葉に彼女はまたしてもハートを撃ち抜かれた

『なんて、なんて知的で勇敢なんでしょう!』

目をハートにさせ、彼女は彼を見つめる

「ここは、ワタシの従者がやったことに致しますので、どうかご内密にお願いします」

意識がどこかにトリップしてしまった彼女は彼の言葉に引き戻された

「わかりました」

「感謝いたします」

そしてその日、彼女は婚約者という愛しい人を得たのだった───
─────────────────────────────────────────────
ありがとうございました!

更新が遅れすみませんでしたorz
今回も彼女の視点という舞台裏でした
はやく続きをと言う方には申し訳ありません!

では、また次回!!
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