吸血鬼青年

四階堂 上影

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エピローグ

エンカウント吸血鬼

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 まだ秋も始まって間もない頃のこと。月明りに照らされた塾からの帰り道を私は足早に歩いていた。
「はあぁ...七時半が門限って早すぎるにもほどがあるよ、全く...」
 そうぼやいた時だった。目の前から青年がふらつきながら現れた。息を荒くしならこちらへと歩いてくるその姿はとてもしんどそうだ。一瞬、鋭い眼光が私を見る。けど、すぐに目をそらされた。
「あのっ...!大丈夫...ですか?」
 思わず足を止めて話かけてしまう。すると青年は何か小さくつぶやいた。
「............ろ」
 青年は何か言っているけど私にはなにも聞こえない。なに?なんて言ってんの?
 聞こえやすくなるように私は青年に近づいてみる。でも、それがいけなかった。
「ガアアアアアッ!」
 一瞬にして私は肩をがっちりと掴まれた。その力は強く、全く離れそうにない。ウソ...動けない...何なのこれ、不審者?助けを呼ばなきゃ...と、考えた次の瞬間、首に強烈な痛みが走る。...か、噛まれた?首を?これじゃあまるで...まるで西洋の怖い話によく出てくる"吸血鬼ヴァンパイア"...じゃん!続いて、おそらく私の首から出ていると思われる血をすする音が聞こえてくる。うぅ...なにこれ気持ち悪い...
「っく......うぅ......離し...て」
 必死に抵抗するものの離れる気配は全く無い。さらに、私の体は徐々に熱くなり始めていて、抵抗力もどんどん落ちてゆく。そして首を噛まれてから三十秒ほどたった頃、ようやく私は青年の手から解放された。
 と同時に、心臓の音がうるさいくらい耳に響いてくる。さっきからなんなの!?急に襲い掛かってきたと思ったら首を噛まれて、血を吸われて...というか、体全体が熱い。全身の筋肉がこわばって自分が自分でなくなっていくような...
「っあ......ぐぅ.....ぁ...ハァ...ハァ...うっ」
 次第に意識は薄れていき、私は地面に倒れた。最後に見たものは、青年の恐怖に満ちたような表情だった。
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