陰陽の絆

L0tus

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6 “閉じ込められた俺”

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ゆらゆらと、揺れている。
……俺は、どうしたんだったか?
薄く目を開けると、何だか薄暗い。石畳のようなものが眼下に見えるが………歩いてもいないのに、俺はようだ。ガチャガチャと扉のノブを乱雑に回しているかのような音が聞こえる。

「…っ、あ…。」

両腕を左右から掴まれた状態で引き摺られていたのだと理解した途端、放り投げられて無様に床を転がった。投げられたようだ、打ち付けた背中が僅かに痛む。気を抜いていたせいで旭に衝撃を送ってしまったかもしれない…

「――…旭っ!」

そうだ、思い出した。俺達は登校中に謎の光を足元から受けて、一度目が覚めたものの殴られて気絶してしまったんだ。
周囲を見回すと、旭は居ない。今俺が居る場所は薄暗くじめっとした部屋のようだ。明かりは一つ、小さな蝋燭ろうそくがあるだけ。…明かりがあるだけマシだな。
先程まで目を閉じていたからか薄暗くともいくらか部屋の様子が伺えるが、床も壁も天井も全てが石畳でできているらしい。
扉は一つ。口の中に溜まる鉄臭い物を吐き出してから、容赦無い暴力を受けて軋む身体を引き摺って近付く。
……金属製だが鉄ではなさそうだ。材質は何だろう?判ったところで意味は無いが。

「……独房か。」

脳裏に浮かんだ言葉を呟く。
実際に目にした事は無いけれど、その言葉がぴったりなこの部屋。部屋と言って良いのかも疑問だな。
扉は押しても引いてもビクともしない。ドアノブらしい物は無く、外からのみ開け閉めできるタイプの様だ。俺は閉じ込められたらしい。
当たり前か、奴等は何故か初対面の俺を目のかたきにしていた。そして意識の無いうちにこんな場所に連れてこられたのだ、閉じ込められているのは道理だろう。された側としては、納得できるものではないが。

「……旭…。」

アイツは無事なんだろうか。結局、この訳の分からない状態になってから旭と話せていない。最後に見たのは、俯せに倒れたままの姿だけだ。
不思議と旭に呼ばれているような気がする。

「旭、俺はここだ…。」

明かりの近くに移動し、左手で締め付けられるように苦しい胸元を握り締める。
不安が俺を焦らせるが、現状何も打つ手が無い。
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