< 小話まとめ >悪役令嬢はやめて、侯爵子息になります

立風花

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四章

61話 異国の終わりの物語 / 亡国王妃

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相変わらず不定期になりますが、週二に近い更新には戻していきたいと思っておりますので、最後まで是非お付き合いください。

< 小さな設定 >
 警備の使用人は夜間にぐるぐる敷地を回ります。ちゃんと魔法も使えます。優秀です。

今日の小話は、本編と殆ど絡みません。本当に裏の設定のお話です。
短編小説を書くつもりで楽しく書かせて頂きました。

 
< 小話 >

――知る人のない遠すぎる過去の物語
 
 馬車の外で、高い剣戟の音が鳴り響く。独特の間隔で響く音が音楽の様に美しいのは、それが戦いの為の剣戟ではなく人を魅せる剣舞だからだ。

 海を渡って嫁いだのは艶やかな意匠に美しい音楽と踊りを持つ小さな国。名をファルシャーンと言う。
 独自の文化を持つその国の技芸は、何処の国でも華やかな美しさが受け入れられた。

「ねぇ、母様。母様のお国はまだ遠い?」

 膝の上で我が子が父親譲りのオリーブの瞳で私を見上げる。私と同じ色の柔らかい金の髪をゆっくりと撫でると幸せそうに目を細める。
 この子と僅かな供を連れて国を捨ててから、もう一年が経とうとしていた。子供は父親の顔をきっと覚えていないだろう。

「とても遠い。世界の反対側、ずっと果てに母の国はあるの。カミールは旅が辛い?」

 私の問いかけに子供は動きを止めて考え込む。外で剣戟の音が止むと、高い歓声が上がった。
 その歓声に動かされる様にカミールが首をふる。

「大丈夫。旅は楽しいよ。僕、ナーシルみたいになりたい」

 その言葉に少しだけ笑って、再び子供の頭を撫でる。

 十数年前に人に魔法という力を与える泉が、幾つかの国に現れた。私の故郷は世界でも最も大きな泉のある国で、小国ファルシャーンは泉のない国だった。
 魔法の力は素晴らしく、泉のない国は泉のある国との婚姻を望むようになった。小さかった国が婚姻を元に繋がり、泉を中心にいくつかの国が争うことなく統合していった。
 ファルシャーンは統合を拒否して、遠い国から僅かな泉の水と魔法の知識を持参金にした姫を貰う道を選んだ。

――お前と子を生せば、初めから魔法が使える子が手に入るという噂がある。確かめるために結婚させられた。互いに愛はなくとも務めと思って欲しい。

 ファルシャーンの王子に出会って最初に言われた言葉だ。泉の水がなければ魔法は使えぬと説明した。
 でも、その為の妻であり、子を生すべきという国の認識は変わらないと言われた。

 会った事も、文も交わした事のない王子。婚姻の目的は国の存続を左右する魔法であり愛はない。
 時折、夜にだけ訪れて、無言で床を共にする。
 うつろな日々を埋めたのは、早くになす事ができた子カミールの存在と――。

「アガット様、宜しいですか?」

 幌の向うから低い声に呼ばれて、昔の記憶から引き戻される。
 返事をすれば、鍛えた上半身を金の装飾で晒した逞しい男が姿を見せた。赤銅の髪から落ちる汗が剣戟が、彼がものだと言う事を教える。

「ナーシル! 今日も上手に踊れた?」

 膝から顔を上げて、カミールが汗ばむナーシル腕に飛び込む。カミールを抱き上げると、鋭い眼差しが綻んだ。

「今日も上手くいきました」

「僕も、もうすぐ覚えられる?」

 カミールの言葉に困ったようにナーシルが笑う。その困惑の意味を思うと胸が痛くなる。

 カミールが学ばなければいけない事は違う。本当ならば王になる為の事を学ばなくてはいけない。
 そして、ナーシルの剣も剣舞の為にあるのではない。ファルシャーンの王宮で三本の指に入る騎士であり、私の夫である王子の近衛だったのだ。

 ナーシルがカミールの頭を撫でながら、私に向き直る。 

「今日のうちに荷を整えて、次の街に向かおうと思います」

「わかりました。祖国からは相変わらず返事がないので、今宵また連絡をしてみます」

 そう答えて、顔を伏せてため息を落とす。
 何度も伝達魔法を使って祖国には連絡している。けれど、返信は一度もない。

 カミールを降ろしてナーシルが跪く。私の服の裾を手に取って、そっと口づける。

「アガット様。貴方が気に病むことはありません。これは、我が主である王子の命でございます。貴方は胸を張って旅をなされば、その御心に沿う事になります」

 一礼してから立ち上がると、ナーシルが出発の為の準備に向かった。
 私たちの今の宮殿は幌馬車二台だ。

 一年と数か月前、ファルシャーンは泉を持つ大国の侵略を受けた。激しい侵攻から半月、成すすべもなく燃え盛る王都の景色は国の終わりを突きつけた。
 宮殿のバルコニーでカミールを抱いて震えながら、燃える街並みを見下ろした私を迎えに来たのはナーシルだった。

――王子より命を受けました。祖国にカミール様を連れて逃げ延びよとの事です。

 返事をするより先にカミールを抱いた私をナーシルは抱えて、僅かな味方と共に王宮を出た。
 旅人に姿を変えて、戦火を避ける様にファルシャーンを出る。大回りになるけれども、船も何もない私達は陸路を使って祖国を目指した。

 いつ終わるか分からない不安定な旅。かつて王宮に務めた者達が、その身につけた技芸を披露して日銭を得る暮らし。異国の王太子妃と漸く喋れるようになった王子にそれ程の価値はあるのだろうか。

「母様、悲しい?」

 私の頭を幼いカミールが抱きしめる。小さな胸に顔を預けてからその背を優しく撫でる。

「ううん。悲しくないから大丈夫よ。少しだけ考え事をしていたの」

「ナーシル、呼ぶ? ナーシルがね。母様が困っていたら呼んでって言ってた」

「大丈夫。ナーシルも皆も準備が忙しいし、母はこうしてカミールといればすぐに元気になる」

 ナーシル。彼に、私は何度も救われてきた。
 
 ファルシャーンに王子の妃にと望まれて来た私には、故郷の供すら与えられなかった。送る船に乗ってきた者達も、ファルシャーン王宮に預けられてすぐに帰ってしまった。
 言葉に大きな差はなかったけれど、何かにつけて違う風習や決まりに戸惑った。何をしていいかも分からず、豪奢な部屋で一人過ごすしかない日々。
 そんな暮らしに、ナーシルが現れたのは嫁いで、一か月を過ぎた頃だった。

――魔法を私に教えてください。

 泉の水を飲み、魔力印を胸に刻んだファルシャーンの騎士の一人だったナーシル。私の夫である王子の近衛であった彼が、魔法の習得の最初の一人として選ばれたのだ。

 私に跪いて見上げたナーシルの眼差しは鋭くてとても怖かった。なのに、私は彼から目を逸らせなかった。

 ナーシルに魔法を教える様になってから、私の生活は変わった。毎日訪れるナーシルに午前中は付きっ切りで魔法を教える。必要な事だけの会話に、互いの事が含まれるのには時間はかからなかった。

 ナーセルと打ち解け始めて笑顔が増えると、次第に周りの者との関係にも変化が見え始めた。
 付き女中やナーセル以外の近衛。庭師。宮廷の踊り子や楽師。私の生活に人と笑顔が増える。

 何処にいても、ナーセルを見つけられるようになって、遠くにいても微笑み合うようになった頃。出会った時に瞳を逸らせなかった本当の理由を私は考える様になった。
 一人だった寂しさから救われる為、抱いてはいけない想いに初めから捕えられていた為。焼けるような胸の痛みは後者であることを告げていた。


 昼過ぎに街を出た幌馬車は、次の街に向かう街道の途中で夜を迎えた。
 そんな時は木陰に馬車を泊めて、野営になる。私とカーミルだけは、私たちの小さな宮殿である馬車の荷台で眠る。

 夜中に目を覚ませば、周囲は静寂に包まれていた。今日は興行の後すぐに出発しているから皆疲れているのだろう。
 隣で休むカミールの頬をそっと撫でて、身動き一つない事を確認して馬車を降りる。

 馬車から離れて、広い草原に立つ。月の明るい夜なのに街を離れた夜空は無数の星が輝く。
 故郷で誰かが言っていた、亡くなった人は星になる。
 今日、街で聞いたファルシャーンのその後の噂を思い出して、すでに亡い人を思って星空に祈りを捧げる。

 私は一体どうしたらいい? 貴方の分まで望んでもいいの?

 祈りに答えは返って来ない。
 諦めて手首を一度捻ると、魔力が作り出した祖国で一番早い真っ白な美しい鳥に向かって語りかける。

「第四王女だったアガットです。私の声が届いておりますか? 異国に出した娘の事はもうお忘れですか? どうかご助力ください。国を出て次期ファルシャーン王になる息子と共に僅かな者と落ち延びました。頼れる場は他にございません。マールブランシュ国王、いいえ、お父様。何も望まなかった娘の最期の願いでございます。助けて下さい」

 美しい鳥の名をハルシアという。
 祖国で王族にのみ許される鳥。どんなに遠く離れていても十日あれば、その鳥は父であるマールブランシュ国王に届くはずだった。でも、月に一度送り続けた助けを求める言葉に未だ返事はない。

 国を出た時から予感はあった。世界の反対側の小さな国に、僅かな泉の水だけを手に送り出された私は、故郷の王国にとっていらない娘だった。
 諍いの絶えないあの国で、侍女上がりの妾の娘である私の存在は利用価値もなく、悪戯に火種になるだけだ。助けを求めたのに返事がないのは、帰還を拒絶している証だった。
  
「この旅は、きっと誰にも報いる事が出来ない……誰にも何も返せない」
 
 空に向けてハルシアを放つ。夜空の星になる様に空に吸い込まれるようにハルシアが消えると涙があふれた。

 私と逃げてくれた者たちは、戦火の中で最後まで私の側に残ってくれたファルシャーンでの数少ない私の味方だ。優しい彼らに苦しい旅をいつまで続けさせればいいのか。終着地が旅を終わらせてくれる可能性はは低い。

「アガット様」

 掛けられた声に振り向くと、ナーシルが立っていた。慌てて涙を拭って笑おうとしたのに、それは上手くいかなかった。拭っても拭っても新しい涙が零れてしまう。

「ナーシル。父上に、マールブランシュ国王に伝言を送ったわ。きっと今度こそ連絡が来る。貴方達に辛い思いをさせて、ごめんなさい」

 影が差して顔を上げるとナーシルの手が私の頬の手前で止まる。
 ファルシャーンでは既婚の女性にみだりに触れる事は許されない。
 鋭い眼差しが僅かに細くなって私を見下ろす。触れる事なく止まった手の熱が、せめて夜気を焼いて私の頬に届いたらいいと思う。

「皆、マールブランシュ王国の救援などなくとも、残された唯一の王であるカミール様と、その母であるアガット様がご無事ならいいと思っております。異国の姫であった貴方がファルシャーンの全てを背負って、苦しむ必要はありません。貴方はよく頑張ってこられた」
 
 優しい言葉に泣きながら笑う。
 ナーシルが頬の前で止めた手を握りしめて俯く。

「そのような顔を見せないで下さい。貴方を見ていると、超えてはいけない一線を越えてしまいそうになる」

 芽生えた思いが一方通行ではない事に気づいたのは何時だろう。
 王子が私の閨を訪れる晩、王子の肩の向こうで貴方が俯くようになった。そして、その翌日だけは魔法を習いに訪れなくなった。

「ナーシルも聞きましたか? 先の街で、ファルシャーンの王子が妻子と共に自害したと噂が流れておりました。離隅の全てが魔法により焼け落ちて、共にいた妻子の遺体も何一つ残らなかったそうです」

 私の言葉にナーシルが顔を上げて、唇を噛む。
 噂に上がった王子は私の夫であり、ナーシルが守り続けた人だ。

「最後にお会いした時、王子はアガット様とカミール様を連れて逃げ延びよ、必要ならマールブランシュ王国を頼れと命じました。そして、去り際に私にしか出来ぬ事があるから、任せると言われた」

 あの方らしいと笑みが零れた。不器用だが、別の愛を知る人だった。

 ファルシャーンは妾を作る事を許さない。王子には私を娶る前から愛している人がいたが、私がこの国に嫁いだ事で王子は愛する人を永遠に失った。
 二度と手に入らぬ愛した人の為に、あの方は閨を重ねても私と唇を重ねる事は一度もしなかった。
 私と王子の間に愛はなく。当たり前の夫婦の会話もない。でも、互いに嫌ってはいなかった。

――別の人生を選べる事があれば、次は互いに幸せになりたいものだな
 
 明け方にあの方が私に呟いた言葉。国の為と体を重ねても、お互い別の人を心に想っていた。それを許し尊重していた私たちは、愛する痛みの一番の理解者だった。

「あの方は、私とカミールの存在を共に死した事にして、最後に隠して下さったようです。生きる事を自由に選ぶ道を残してくださったのだと思います」

 私とカミールのファルシャーンの王家の者としての存在は、王子が命と共に消してくれた。何もかも燃やし尽くす程の魔法はどれ程大変だっただろうか。

 王家の生き残りとして追われて生きる事を選ぶのか、国の滅亡を受け入れて新しい出発をするのかは、私の手に託されたのだと思う。
 
 頬に向かって伸ばされたナーシルの手から逃れるように一歩後ずさる。

「皆がカミールを守るのは、国の再興を求めているからです。マールブランシュについても返事がなかった時は、旅の徒労を皆に詫び、ファルシャーンの滅亡を宣言します。国も民もない私たちは、後ろ盾がなければ出来る事はもうありません。でも、それまでは皆の期待を負って最後の王族としての役目を果たしたいと思います」

 決して触れる事を許されなかったナーシルの手が再び落ちて、きつく目を閉じた。心を決めたように、鋭い瞳を開くと跪く。いつものように私の服の裾に、そっと口づける。

「ナーシル。ファルシャーン最後の騎士として、私が最後の役目を終えるマールブランシュ王国までは仕えて下さいますか?」

「もちろんです。私は生涯をかけて、貴方とカミール様のお側にいます」

 見上げた空には満点の星が輝く。
 あの星とあの星は重なる様に輝く。あの方は星になって愛しい人と出会えただろうか。
 
 
 ファルシャーン壊滅から六年。
 マールブランシュ王国の広場は珍しい音楽と踊りを見せる旅芸人を見る人でに賑わいを見せていた。
 逞しい男が魅せる剣戟に、美しい女性たちが魅せる舞、小さな少年が奏でる音楽。
 大きな歓声が上がって、一時の夢の舞台が終わる。

「この国で、興行はいつまである?」

 興行が終わって楽器を抱えた少年に、観客の一人が声をかける。

「マールブランシュ王国での興行は今日で終わりなんです。次はヴァイツ、イリタシス、フランチェル。僕たちは旅芸人ですから、風の向くまま、気の向くままに!」

 オリーブ色の瞳に金の髪の少年がそう言って、両親と思わしき二人の元に駆け寄る。
 父親は剣戟を見せていた逞しい男で、母親は美しい金の髪に紺碧の瞳を持ったこの国の女に見えた。
 男が少年を優しく片手で抱きあげて、空いた手で女の肩を愛しげに抱く。仲の良い幸せそうな家族に思わず顔が綻ぶ。

「また、来いよー。楽しみにしてるぞー」

「また、いつかお会いしましょう!」

 男に抱かれた少年が、晴れやかな笑顔で手を振った。
 
  
 一つの国が地図から消えて、この世界を巡る者が生まれた。
 初めは一つだったと言われる旅芸人の一座も時がたって数が増えた。

 最古の一座は、色鮮やかな衣装を身に着け、舞と音楽で身を立てる者達と言われている。
 その失われた技芸と発祥の時期から、玉座に付く事のなかったファルシャーン最後の王の血を引く噂があるが、その事実を確かめる術も必要もこの世界の何処にもない。
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