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第11話 ダンジョン攻略
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□王宮の別の場所にて……
「ご報告いたします。キーザの街に潜んでいた魔神崇拝者たちは打倒された模様です」
「ルイン伯爵に調査および討伐の指示を出していたと聞いたが、彼女たちがやったのか?」
玉座に座る高貴な男に対して居住まいを正しながら1人の騎士が報告を行っていた。
玉座にあるのは当然ながらこの国の王であるルドルフであり、報告しているのは近衛騎士団長であるカイゼル公爵だ。
「……確かにルイン伯爵とその配下が動いたのは確かですが、実際に手を下したのは別のもののようです」
カイゼル公爵は少し躊躇しながら答える。
その様子は確実に魔神崇拝者たちを倒した者を把握していることを示していた。
「ほう……。魔神崇拝者たちは一定の戦力を有しているとの報告だったはずだ。それを倒したのか。なにものだ?」
国王は玉座から少し身を乗り出し、カイゼル公爵の躊躇には特に配慮せずに単刀直入に聞いた。
才あるものであれば手に入れたいと思っているのだろう。
御身は年を重ねており、直属の部下たちも年を重ねている。
彼は次代の国王の配下として優秀なものを集める必要を常日頃から説いていた。
「大変申し上げにくいのですが、愚息……アッシュだという情報があります」
「なんだと?」
しかしカイゼル公爵の回答は国王にとって予想外のものだった。
アッシュ・フォン・カイゼル。
それはかつて期待した子供だった。類まれなる魔力保有量を誇っていた。
しかし、残念ながら魔力開通の儀式の場で魔力暴走を起こし、彼の愛する娘の命を奪ってしまったことで、"黒き魔の森"に幽閉した子供であった。
「あの森から出てきたというのか?どうやって?そもそもあの忌まわしき場所で10年も生き延びていたのか?」
次々に疑問が湧いて来る。
多大なる魔力を持った高位貴族の子供。
たとえ魔力暴走を起こしたとしても一方的に処刑するのは外聞が悪すぎた。
しかし愛しい娘の命を奪った憎き相手。
場合によってはそのまま首を刎ねることよりも厳しい"黒き魔の森"への幽閉という処分を下した相手だ。
「ならば連れてくるのだ。その責任を追及しなければならぬ」
「はっ」
カイゼル公爵は深く礼をしてから退出していった。
□ダンジョンにて
「……これ、余裕すぎるというか、俺たち必要ですかね?」
わかるわ、ダリウス。その気持ち。そうよね。そう思うわよね。
私たちは今パルメアの新ダンジョンの5層のボス部屋にいた。
なお、既にボスは討伐済みよ。アッシュが。
<探索者たちよ、あなたたちはボスを倒し、このダンジョンの攻略を完了しました>
「ふむ……。エリーが言っていた違和感の正体はこれだな」
ダンジョンではボスを倒したらこういったアナウンスが直接頭の中に流れる。
その言葉を聞いている最中にアッシュが何か言いだした。
その手には奇妙な黒いもの……石かしら?虫だったらそんなものを見せないでって怒るわよ?
「モンスターだな。大量にいると思う。1つ試しに掴んでみたんだが……」
なぜかアッシュの発言も曖昧だった。
「虫ですか?それが大量にいるとか絶対に除きたくない光景なんですがどこにいるんですか?」
ライラが自分で自分を抱きしめながら身震いしている。
ここまで何もしてないんだからちょっとくらい働きなさいと言いたい気持ちもあるが、虫嫌い仲間としてはなかなか言いづらい。
なんか硬質な感じだけど、どう見ても大きなGよね?
「ここだ」
「「「「うげぇ……!?」」」」
アッシュが突然地面を蹴りつけた。
すると鉱石でできた床の一部が削り取られ、そこにいたのは大量の虫の魔物……。
おもわずダリウスやエレノア、ライラと一緒に乙女にあるまじき呻き声をあげてしまったわ……。
覚えてなさいアッシュ!
「ご報告いたします。キーザの街に潜んでいた魔神崇拝者たちは打倒された模様です」
「ルイン伯爵に調査および討伐の指示を出していたと聞いたが、彼女たちがやったのか?」
玉座に座る高貴な男に対して居住まいを正しながら1人の騎士が報告を行っていた。
玉座にあるのは当然ながらこの国の王であるルドルフであり、報告しているのは近衛騎士団長であるカイゼル公爵だ。
「……確かにルイン伯爵とその配下が動いたのは確かですが、実際に手を下したのは別のもののようです」
カイゼル公爵は少し躊躇しながら答える。
その様子は確実に魔神崇拝者たちを倒した者を把握していることを示していた。
「ほう……。魔神崇拝者たちは一定の戦力を有しているとの報告だったはずだ。それを倒したのか。なにものだ?」
国王は玉座から少し身を乗り出し、カイゼル公爵の躊躇には特に配慮せずに単刀直入に聞いた。
才あるものであれば手に入れたいと思っているのだろう。
御身は年を重ねており、直属の部下たちも年を重ねている。
彼は次代の国王の配下として優秀なものを集める必要を常日頃から説いていた。
「大変申し上げにくいのですが、愚息……アッシュだという情報があります」
「なんだと?」
しかしカイゼル公爵の回答は国王にとって予想外のものだった。
アッシュ・フォン・カイゼル。
それはかつて期待した子供だった。類まれなる魔力保有量を誇っていた。
しかし、残念ながら魔力開通の儀式の場で魔力暴走を起こし、彼の愛する娘の命を奪ってしまったことで、"黒き魔の森"に幽閉した子供であった。
「あの森から出てきたというのか?どうやって?そもそもあの忌まわしき場所で10年も生き延びていたのか?」
次々に疑問が湧いて来る。
多大なる魔力を持った高位貴族の子供。
たとえ魔力暴走を起こしたとしても一方的に処刑するのは外聞が悪すぎた。
しかし愛しい娘の命を奪った憎き相手。
場合によってはそのまま首を刎ねることよりも厳しい"黒き魔の森"への幽閉という処分を下した相手だ。
「ならば連れてくるのだ。その責任を追及しなければならぬ」
「はっ」
カイゼル公爵は深く礼をしてから退出していった。
□ダンジョンにて
「……これ、余裕すぎるというか、俺たち必要ですかね?」
わかるわ、ダリウス。その気持ち。そうよね。そう思うわよね。
私たちは今パルメアの新ダンジョンの5層のボス部屋にいた。
なお、既にボスは討伐済みよ。アッシュが。
<探索者たちよ、あなたたちはボスを倒し、このダンジョンの攻略を完了しました>
「ふむ……。エリーが言っていた違和感の正体はこれだな」
ダンジョンではボスを倒したらこういったアナウンスが直接頭の中に流れる。
その言葉を聞いている最中にアッシュが何か言いだした。
その手には奇妙な黒いもの……石かしら?虫だったらそんなものを見せないでって怒るわよ?
「モンスターだな。大量にいると思う。1つ試しに掴んでみたんだが……」
なぜかアッシュの発言も曖昧だった。
「虫ですか?それが大量にいるとか絶対に除きたくない光景なんですがどこにいるんですか?」
ライラが自分で自分を抱きしめながら身震いしている。
ここまで何もしてないんだからちょっとくらい働きなさいと言いたい気持ちもあるが、虫嫌い仲間としてはなかなか言いづらい。
なんか硬質な感じだけど、どう見ても大きなGよね?
「ここだ」
「「「「うげぇ……!?」」」」
アッシュが突然地面を蹴りつけた。
すると鉱石でできた床の一部が削り取られ、そこにいたのは大量の虫の魔物……。
おもわずダリウスやエレノア、ライラと一緒に乙女にあるまじき呻き声をあげてしまったわ……。
覚えてなさいアッシュ!
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