転生したので好きに生きよう!

ゆっけ

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第二章ドラゴニア帝国編

救護室にて

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「そこはトンカツ!!」

 そう、叫んで私は起床した。突然の私の叫び声にビクッと反応したのはキナリさんだった。

「…ビックリした…とんかつ?って何?」

「とんかちゅ?ん?何でしゅかね?」

「覚えてないの?」

「夢っちぇ、覚めちゃらわしゅりぇちゃうんでしゅよね」

 キナリさんからの謎の言葉を考えるけど、直前まで見ていたであろう夢の内容はやはり思い出せなかった。

「お?起きられましたか?」

 清潔な室内に入って来たのはミゲランヘルさんだった。その後を続々と皆が入って来るからあまり広くもない部屋がイッパイになってしまった。

 そもそも此処は何処?私は…ニアですね。はい、そこは大丈夫。見慣れない部屋にキナリさんと一緒に寝かされている状況がいまいち飲み込めないだけです。

「姫様は大きな魔力を使い過ぎたのか、直後に意識を無くされ、そのまま冷たい甲板へ。そのままでは風邪を引いてしまうと思い、私の判断で救護室に運ばせて頂きました」

「う?」

 ミゲランヘルさんから私がどうして此処にいるのかを説明されたので直前までの記憶を思い出そうとする。

 クラーケンに向けて重力魔法やら発光してみたりとなかなかに忙しかったけど、ミゲランヘルさんの言うように魔力の使い過ぎで倒れたっけ?

 クラーケンを倒した後で、急激に襲ってきたのは…眠気だ。あぁ、思い出した。そうそう、幼児が起きていられる時間をとっくに過ぎていた事に加え、激しい運動に遂に私の眠気バロメーターが振り切れたんだった。

「我々も頑張ったのですが、なかなか決定打に欠けていましたので姫様の光の魔法でトドメを刺して頂かなければまた当分とクラーケンと平行戦でしたよ」

 なんで「銛とかで傷つかないから魔法へ」と切り替えなかったんだろう?

「姫様、アイゼンハワーは魔力よりも膂力が高いのです。簡単に言うと脳筋なのです」

 ファンティーヌさん、それ自分で言う?ミゲランヘルさんも微妙な顔してるけど。

「アイゼンハワー一族は竜帝を支える『武』を司り、代々脳筋なのだ」

 ノアさんが覚えたての言葉を使って説明してくれるけど、その説明もどうなの?

「他も聞きたいか?」

「良いでしゅ」

 説明したくてウズウズしているのを感じたけど長くなってしまいそうだったので断った。

「そうか…因み獣人も魔力は低いぞ」

 特に聞きたいわけではない情報を教えられた。『も』てなんだ『も』って。アイゼンハワー一族も元々は魔力が低いって言いたいのかな。

「否定できませんが、次代はそうでもないと思いますよ」

「う?」

 不思議に思って首を傾げると他の面々も首を傾げているのでなんか可愛い。

「ボクとエレンの子はきっと魔力も高い」

 握り拳を作って高らかにぶっ込んできたファンティーヌさんの言葉に一瞬キョトンとし、エレンさんへと視線を動かすと顔を真っ赤にしていた。仲良いね。

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