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★舌
しおりを挟む生田さんは目を見開いたり、喉をゴクと鳴らしたり、唇を戦慄かせたり、短時間で様々な変化を俺に見せつけた後、「……出来ないでしょ?」と、喉の奥から声を絞り出すようにそう言った。
「で、出来ます……」
「いやいや、普通に同じ男のものを舐めるのは抵抗あるでしょ」
「出来ます!」
思っていた以上に大きな声が出て自分でもビックリした。
生田さんも驚いたらしく、思わず二人で顔を見合わせた。
「ネットでいろいろ調べてたら、すっごい昔のエロ本の画像が出てきて、「フェラしてくれない彼女に絶対に舐めてもらう方法」って言うのを見たんですよ!
あっ!これだ!これなら出来るって俺思って……なんですか、その顔は」
「……いや、ネットで昔のエロ本をわざわざ探して見てるなんて若くて元気だなと思って」
「誰のせいでそんなの見てると思ってるんですか!もう!」
なんだか俺がすごくエロ本に興味があると誤解されてるような気がして不本意だったけど、「鈴井さん、真面目なのに意外とそういうのも見るんだ」と久しぶりに生田さんが興奮しているようだったから、怒らないことにした。
「……エロ本見て、勉強してきたから舐めてもいいですか?下手かもしれないけど……」
なんてバカなことを言っているんだろう、と自分で笑ってしまった。
生田さんは迷っているみたいだったけど、「じゃあ、鈴井さんが出来るとこまでで」と頷いてくれた。
シャワーを浴びてくる、と生田さんが部屋から出て行ってから戻ってくるまでの間、一人でずっとドキドキしていたせいか、すごく時間が長く感じられた。
「……舐めるのを嫌がる女の人には「チュッてしてよ。一瞬でいいから」って言えばいいって、そう書いてありました……」
ベッドに腰掛けた生田さんの股の間に膝まづいた。緊張しながら下着をずり下ろすと、石鹸の香りがした。
……気を遣ってすっごい洗ったんだろうな、とすでに固くなっている場所を労るようにそうっと撫でた。
しゃぶる、と思うから難しく感じるわけで、唇でほんの一瞬触れるくらいならどうということはない。
勇気を出して、生田さんの硬くなった部分へ唇で軽く触れた。
あ、これなら出来るかも、って思えた。そのまま何度もチュッ、チュッと短いキスを繰り返した。
「あっ……」
先端に透明な先走りが滲んできた。迷ったけど、舌を伸ばしてそうっと舐め取った。
カウパーを舐めるのももちろん初めてだった。想像していたより嫌な味はしなかった。
そのままペロペロと先っぽのツルツルした部分を舐め続けた。
「……すずいさん、ちょっと、まって…」
「気持ちよくないですか……?」
「気持ちいいよ。でも、ストップ……鈴井さん……。もういいよ、いいから」
嫌だと思った時は「ストップ」と俺が言えばその時している事をやめてくれる、と生田さんは約束してくれた。
じゃあ、俺もやめないといけないのかな?とほんの一瞬思ったけど、生田さんは気持ち良さそうだし、第一さっきした約束は「鈴井さんが出来るとこまで」だ。
俺はまだ出来る。だからやめたくなんかなかった。
「……ストップは俺が生田さんに言う時だけ有効なんです」
「えっ」
そう言われると思っていなかったのか、生田さんは明らかに動揺していた。
イタズラが成功した小学生みたいに、愉快な気持ちになる。
いつもいやらしい事を言って俺の反応を楽しんでいる生田さんの気持ちが、ほんの少しわかった。
もっとキチンと咥えたらビックリして、違う反応を見せてくれるんだろうか、と思いきってぱくっと口に含んだ。
初めて生田さんの性器を見た時に照れ隠しで「大きい」と言ったことを思い出した。
口に含んでからゆっくりと顔を前後に何度か動かした。
俺の口が小さいのか、生田さんのモノが大きすぎるのかは分からないけれど、とにかく一生懸命しゃぶらないといけないようだった。
奥まで咥えた方が気持ちいいということは分かっていたけど、とてもじゃないけど収まりそうになくて、根元の方を手で掴まえたまま、出し入れを繰り返した。
「生田さん、気持ちいい……?」
はあ、と深い呼吸を繰り返してから、生田さんは「気持ちいいよ」と頷いた。
しゃぶっている最中の自分がどんな顔をしているかなんて想像したくもないし、あまり見ないで欲しかった。
けれど、生田さんは無遠慮に、目に焼き付けるかのようにして、俺の顔を眺めていた。
「……あんまり見ないでください。恥ずかしい…」
「いや、ダメ。見る」
「ダメです……」
鈴井さんも、こっちを見て、と生田さんは要求してきた。
本当は目なんか合わせたくないけど、生田さんがその方が興奮出来るみたいだったから、喜んで欲しくて顔を上げた。
生田さんの手が伸びてきて、そっと俺の耳に触れた。耳裏や耳たぶを、人差し指で何度も撫でられる。
身体全体がくすぐられているような感覚にゾクゾクした。
「んっ……ああっ」
舌で裏筋を舐めようと口を開けると、だらしない声が漏れてしまう。
耳に触れられただけで、自分がここまで感じるということが信じられなかった。
くすぐったさから身を捩りながら、前のめりになって、生田さんの股間に顔を埋めるようにして、夢中で差し出されているものをしゃぶった。
「んっ、んっ……」
耳を触られて、口の中いっぱいに性器を頬張っている。集中しないといけないのに、身体のあちこちがムズムズと疼く。
…本当はいつもみたいに乳首も、ぺニスも触って欲しい。
服が肌にまとわりつく感触が鬱陶しかった。全部脱いでしまって、生田さんの前で身体を晒したら触って貰えるんだろうか、という考えが浮かぶ。
今までは「お金が欲しい」という理由で、触ったり触らせたりしていたのに、それとは違う衝動に自分が突き動かされている気がした。
「生田さん、どうしよ、苦しい……」
「鈴井さん……?」
「ごめんなさい……、俺も、自分の……」
ファスナーを下ろした後、ゴソゴソとパンツの中に乱暴に手を突っ込む。
何日もオナニーを我慢しているわけだから、下着は先走りで湿っていたし、性器は硬く張りつめていた。
腰が揺れているのが自分でも分かっていたし、その姿を生田さんに見られているのにももちろん気付いていたけどやめられなかった。
「んっ、んーっ!んっ、ん、ん……」
イキたい。でも生田さんを気持ちよくさせなきゃ、と必死で喉の奥まで咥え込んだ。
ものすごく焦った声で生田さんが「鈴井さん、もういいよ。口には出せない」と言っている。
……そういえば出されたものをどうするかまでは考えていなかった。
エロ本はしゃぶってもらうことを目標としていたから、どうやって精液を飲んでもらうかということまでは書かれていなかったし、そもそも、俺が何かしたところで生田さんから出される精液の量や味をコントロール出来るはずもない。
飲むか飲まないかのどっちかなんだろうけど、たぶん飲めない。きっと苦手な味と感触だろうし、パニックになるに違いなかった。
飲んだら嘔吐いてしまうかもしれない。それで済めばまだ良い方で吐き戻す可能性もある。
そんな、失礼なことは出来ない、と思いながらもジュポジュポと音を立てて出し入れするのは止められなかった。
口の中はなんだかしょっぱい味がするし、顎は痛くて、苦しい。
うえ、と泣きたい気持ちを堪えて、一生懸命、舌を押し当てて唇をすぼめた。
どうやったらフェラでイカせられるのかをもっと勉強すれば良かった、勉強が足りなかった……と後悔しながらも、硬く尖らせた舌を裏筋に密着させて、頭を前後に早く動かした。
「鈴井さん、ちょっと、まって……」
「んっ、んんっ……ん、ん、んっ!」
待てなかった。首を横に振って、自分の性器を擦り続けた。……興奮し過ぎていたのか、生田さんよりも先に自分の方が達してしまった。
全部を出しきった直後、ほんの一瞬俺の身体から力が抜けるのを生田さんは見逃さなかった。
「生田さん、だめっ……」
もう一度口に含もうとしたのに、生田さんの手によって、性器は隠すようにされてしまった。
自分で何度か扱いた後、生田さんはそのまま自分の手に射精したようだった。
う、と短い呻き声をあげて、肩を上下させている姿をただ見ていることしか出来なかった。
「……鈴井さん、ありがとう」
今日の生田さんは、すまなさそうな顔をしながらも嬉しそうだった。
こんなふうにいやらしいことをして、喜んでいる生田さんの姿を見るのはずいぶん久しぶりに感じられたから、俺も嬉しかった。
「……あの、気持ち良かったですか?」
「うん。すごく」
「……ま、また、呼んでくれますか?」
「うん」
「良かった……。今日はごめんなさい。…次は俺の口に出しても大丈夫ですよ」
生田さんは何にも言わないで俺をぎゅうっと抱き締めた。
服も着ているし、エッチなことを言われたわけでもないのに、身体をくっつけて、さっきまでしていた事の余韻に浸るこの時間がなんだか気恥ずかしく感じられた。
「あの、生田さん……」
「うん……?」
「……あの」
恥ずかしかったし苦しかったけど、フェラが出来て良かったです、生田さんが元気になってくれたから……と伝えたかったけど、生田さんの顔を見ると照れ臭くなってしまって言えなかった。
「生田さん」
「……うん?」
「あの、あの、……もっといっぱい、いろいろしてあげたいことがあるから、いつも元気でいてください」
「……うん」
「ありがとう」と何度も背中を擦られる。
今までみたいに「ごめん」と生田さんから言われるよりも、ずっと嬉しいな…と感じていた。
その日、初めて貰ったお金を、忘れて帰りそうになった。生田さんは、俺がよっぽど疲れたんじゃないかと心配していた。
「ごめんなさい……。俺、いつの間にかお金のことを忘れてて……。
今日は生田さんに喜んで欲しくて必死だったから……」
お金が欲しい、と思ったから頑張ったんじゃなくて、生田さんに喜んで欲しいから、同じ男の人に、フェラすることが出来たに違いなかった。
だから、お金を貰ってしまったら、生田さんのために頑張れたことを嬉しく思っていたことや、ただただ、生田さんを喜ばせたかったという自分の気持ちが嘘になってしまうような……そんな気がして、「受け取ってしまって良かったんだろうか」と家に帰って一人になってからもずっとモヤモヤしたままだった。
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