お隣さんがパンツを見せろと言うからプロ意識を持ってそれに応える

サトー

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★寝落ち

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 セックスって難しいな、と悩むのは久しぶりのことだった。

 昔、付き合っていた彼女とした時も、初めての時はあんまり上手くいかなかった。暗くて、よく見えなくて、どこをどうすれば上手く入るのかがわからなくて、ちょっとだけ泣きそうになった。

 そのうち要領だけじゃなくて、「セックスって気持ちいいなー」ということも覚えてあまり悩まなくなった。でも、高校を卒業してから出来た年上の彼女に呆れた様子で「まだするの?」と言われて以来、「えっ!? もっとしたいのって俺だけ……?」と申し訳なくなって、俺って性欲が強いんだ、と自分のことをすごく恥ずかしく思ってはいたけど……。

「……マナトは本当にスケベな身体をしてる」

 ヘロヘロになりながら、小さく首を横に振ってイヤイヤすると、顔は見えないけどユウイチさんがフッと笑う。
 さっき涙を流しながら、四回目の射精をしたばかりなのに、「まだ抜かないで」って駄々をこねてユウイチさんを困らせているのだからそう言われたって仕方ない。でも、それを認めるのは恥ずかしかったから、「俺がスケベなんじゃなくて、ユウイチさんがいっぱい気持ちいいことをするからです!」という抗議の意味で、「違う、違う」と言っていたらまた勝手にぽろっと涙が溢れた。

「泣いてる……? あああ……! 泣かないで、ごめんごめん……」
「ちが……、さっき、気持ちよくて泣いちゃったから、それで勝手に……」

 嘘じゃないのにユウイチさんは俺が泣いているということにただただ動揺してオロオロしていた。ユウイチさんの声には、俺を怖がらせたくないという焦りと、小さな子供を思うような優しさが混じっている気がする。

 少し前に初めて最後までセックスが出来るようになったばかりだから、まだまだユウイチさんに気遣ってもらってばかりだ。ユウイチさんは自分が気持ちよくなるのは二の次で、セックスの時は常に俺のことを優先していっぱい愛してくれる。今日だって、フェラと手コキで二回ずつイかせてくれた。……さすがに四回目は気持ちがよすぎたのと疲れたので「もうダメ」と泣いちゃったけど。

 すごく驚かせてしまったのに、ユウイチさんは俺のことを後ろからぎゅうっと抱き締めてから「どこも痛くない?」と優しく聞いてくれた。「抜いちゃダメ」と俺が言ったから、ちゃんとまだ繋がったままでいてくれるのが嬉しい。すん、と鼻を啜りながら顔を上げて「大丈夫です」と伝えた。

「……今日はもう抜こうか。マナトが可愛すぎて、このままだと、もっとしたくなってしまうから」
「でも……。あの、出来れば、このまま、俺に入れたまま、ユウイチさんも気持ちよくなって欲しいです……」
「……ありがとう。でも今日はマナトのおっぱいをオカズにさせてもらおうかな」
「ん、ぅ……」

 ユウイチさんが遠慮をしていると気がついているのに、俺の身体は乳首を「おっぱい」と言われたことと、それをちゅうちゅう吸われた時のことを思い出して、ずっぷりと奥まで咥えこんでいるユウイチさんの性器をぎゅーっと締めつけた。ぐう、とユウイチさんが呻いている。繋がっている部分からダイレクトにそんな反応が伝わってしまうのがなんとも恥ずかしい。

「……本当にエッチな身体をしてる」
「んう……」

 ずり、と大きな性器が引き抜かれて、仰向けに寝かされる。なるべく負担のないようにって、後ろから挿入されて少しだけ寂しく思っていたからだろうか。ユウイチさんの顔を見た瞬間、なんだかホッとしてしまった。

「じゃあ少しだけ、付き合ってくれるかな」
「はい……」

 すり、と乳首を指の先で撫でられただけで俺の身体はびくりと反応する。あんなに出したのにどうして、と戸惑っている間にユウイチさんの唇が俺の乳首に触れた。

「あっ……!」
「あー、可愛い……」

 可愛い可愛い、好きだよ、と何度もキスされるだけでもヤバイのに、「ペニスを咥えこんだまま、手コキですごく気持ち良さそうにイってたのが可愛かった」「マナトの中は温かくて気持ちがよかったよ」なんてエッチなことをたくさん言われたら、頭がぽーっとして何も考えられなくなる。

 乳首のことを「おっぱい」と言われるのは嫌なのに、「可愛いおっぱいだね」と言われながら硬くなったモノを時々太ももに擦りつけられると、ユウイチさんにもっと喜んで欲しくて、つい「おっぱい、もっとペロペロして」「おっぱい気持ちいい」と言ってしまった。自分では「気持ち悪……」と感じるような媚びた声なのに、ユウイチさんは気に入ってくれて「もっとマナトの声が聞きたい」と喜んでくれた。

「可愛すぎる……、この乳首だけで何度でも抜けるな……」

 ユウイチさんは荒い呼吸のまま、コンドームを外した。今日は、コンドームが精液でいっぱいになっているところが見られなかったな、と申し訳なく思っていると、側にごろりと寝そべってきたユウイチさんが俺の手を掴んだ。お金を貰っていた時みたいに指示を出されなくてもどうして欲しいのかはわかっていたから、勃起したユウイチさんの性器をそっと掴んだ。

「マナトは握っているだけでいいから」
「はい……」

 熱い、と感じていると、ユウイチさんの手が重ねられてそのまま上下に動かされる。

「んうっ……! んーっ……」

 唇を塞がれて思うように声を出せないのにもう片方の手で乳首を摘ままれる。何度も達した後で敏感になっているからなのか、胸の先への刺激でお尻にまでぎゅーっと力が入ってしまう。

 どんどん手の動きは早くなっていって、ユウイチさんも時々気持ちよさそうに声を漏らしている。これぐらい早くて激しい動きじゃないとユウイチさんもイけないんだ、と思うと胸が苦しい。俺が「待って、ゆっくり動いて」と怖がるから、せっかく挿入してもユウイチさんは射精出来ない時もある。「マナトが気持ちいいならいいよ」と言ってくれるけど、やっぱり申し訳ないなあと思ってしまう。

「んっ、んうっ……」

 舌を絡ませて唾液が混ざりあうほどの深いキスで、萎えていた俺の性器は立ちあがりつつあるのに、どうして受け入れるのはなかなか上手くいかないんだろう。どうしたら、上手に気持ちよくなれて、激しく動かされるのが怖くなくなるんだろう? 慣れるまで時間がかかるって言うけどそれっていつなんだろう?

 丈夫な身体をしているという自覚はあるのに、ユウイチさんとのセックスの時にはちっとも思い通りにならないのが歯がゆい。大好きなのに、という気持ちでユウイチさんの性器を一生懸命扱いた。

 ◇◆◇

 セックスで疲れはてた時は、自分の身体がぺしゃんこになってしまったような気分になる。もう動けない、身体を洗わないといけないけどダルイ。わかってはいるけど、起き上がれない。

 そんな気持ちでだらだらしている俺のことを咎めたりせず、ユウイチさんは黙ったまま腕枕で寝かせてくれる。二人とも服を着ないで素肌どうしが触れ合っていると、温かくて気持ちがいい。「シャワーに行くの嫌だなー」と思わず心の声が漏れてしまうぐらいに。

「疲れた?」
「ううん……。……うん、ちょっとだけ疲れました。でも、すごく気持ちよかったです」
「……それならよかった」
「いっぱい出ちゃいました」

 特に禁欲していたわけでもないのに四回も射精したなんて、「いったいどれだけ好きなんだ」って自分でも呆れてしまう。恥ずかしいのを誤魔化すように「えへへ」と笑うとユウイチさんも目だけで微笑んだ。

「ちょっとだけ待ってて」

 そう言ってユウイチさんはパンツだけ穿いてから、冷えた水と、それからお湯で濡らしたタオルを持ってきた。水を飲ませてくれた後は、「すぐすむから」とうとうとして半分眠りかけている俺の身体を事務的にてきぱきと拭き始める。
 程好い力加減でサッと肌についたいろいろなものを取り去っていく手つきは、本当にただ、「拭くため」にそうしているのだと感じられた。失礼、と閉じていた足を拡げられてティッシュで割れ目まで綺麗にされた時は恥ずかしくて「わあああ、そんなところまで……」と騒いでしまったけどユウイチさんは一切動じない。「何がそんなに恥ずかしいの?」と思っていそうな顔で、萎んでふにゃふにゃになった性器まで拭いてくれた。

「このまま寝てもいいよ。ローションは拭き取ったから」
「はい……」
「ん……? もう少し拭いた方がいいか……」
「……あっ」

 柔らかいタオルがそうっと裏筋に触れる。もうこれ以上はダメなのに、また身体が反応しそうになってしまう。目を閉じてじっとしていても、ユウイチさんには俺が感じていることがわかってしまうのか、「もう一回出しておく?」と小さな声で聞かれた。

「もう、無理です、本当に死んじゃうかも……」
 大袈裟に言っているんじゃなくて、本気だった。伝わったかどうかはわからないけど、ユウイチさんは俺のことを笑ったりしなかった。ただ「オーケー」と普段通りの口調で返事をして、それから俺の頭をぽんぽんと撫でる。

「……おやすみ。シャワーは明日浴びればいいよ」
「ん……」

 ほんの少しの間でも起き上がれそうにない俺には、その言葉がすごくありがたい。もっと俺がセックスに慣れて、余裕が出てきたら。その時はユウイチさんがヘトヘトになるまで出来るのかなあ、と思う。そうしたら、その時は俺が、自分がしてもらったみたいにユウイチさんに優しくするんだ。眠気に負けそうになりながら、そんなことを考えていた。
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