丸ごと全部を食べてみて

サトー

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★合わさる

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「陸ちゃん、ちょっとだけ動いてみてもいい?」

 そう聞きながら葉月君が腰を擦ってくれる。一番しんどかったのは「あと半分くらいだよ」と言われた後に、無理を言って一気に挿入して貰った時だったから「いいよ」ってオーケーした。

「あっ……」
「ゆっくりするからね……」

 なんだか俺って寝てるだけで全然ダメだなあ……と思うと恥ずかしくて、コクコクと頷くのが精一杯だった。まだ違和感には全然慣れない。「体位を変えよう」なんて言われたら死んじゃうかもしれない。

「せ、狭い……?」
「そうだね……」
「んっ……、ズリってされると変な感じがする……」
「……う、ん」
「葉月君は、大丈夫……? 気持ちいい?」

 ちょっとだけモゾモゾと腰を動かした後、葉月君は、ふうっとため息をついた。ここまでたどり着くまでの間に、俺にすごく気を遣ってくれていたから、それで疲れてしまったのかもしれない。
 自分の体のことよりも、葉月君が気持ちよくなってくれているかどうかの方がずっと気がかりだった。後ろからぎゅうっと密着されていると、葉月君の体温やいい匂いが感じられて安心出来るけど、どんな様子なのかは全然見えない。
 せっかく、苦労して入れたばかりで、抜けてしまったら嫌だから下手に動くことも出来ずに、「葉月君」「ねえー……」って何度も呼んでいるのに葉月君は何も言ってくれない。

「葉月君……?」

 返事の代わりに、うなじに唇が触れた。葉月君の息遣いを感じる。ふー、ふーって、葉月君が荒い呼吸を何度も繰り返すたびに、つい、ぴくって、反応してしまう。

「陸ちゃん、ごめ……」
「どうしたの?」
「気持ちよすぎて……、ちょっと動いたら出るかも。ヤバイ……」
「えっ……」

 ごめん、と葉月君が俺にもたれかかってきて、その分だけ体の重みを感じる。「まだ、出したくない……」と言いながら、俺のうなじに顔を埋めてくる葉月君の声が、なんだか切ない。

「葉月君? 俺、どうしたらいい……?」
「待って……。どうしよ……、ごめん、陸ちゃん、ごめん……」
「あっ……」

  なんで謝るの? 葉月君が気持ちいいなら、俺は嬉しいよ……って言うよりも先に、胸を揉まれながら思いきりうなじを吸われる。何かに堪えるみたいに、葉月君の唇は、ちゅ、ちゅ、と髪の毛の生え際に何度も吸い付いた。荒い息遣いを肌で感じていると、葉月君がすごく興奮してるんだ、ってわかって、それでドキドキしてしまって、触られてもいない性器が少し反応してしまう。

「あっ……」
「陸ちゃん、陸ちゃんのこと気持ちよくしていい……?」
「はい……」

 俺の体がどうなっているのか葉月君には後ろから全部見られてるのかな、と思うと恥ずかしいのと、これからして貰えることへの期待で「はい」って返事をすることしか出来なかった。
 葉月君は、側に転がったままになっていたローションに手を伸ばしてから、中に入っている液体をそのまま俺の体に垂らした。

「わあっ……!?」

 とろりとした液体が葉月君の手で俺の体に塗り広げられていく。乳首を指の先で転がすようにしつこく触られて、性器へ一気に熱が集まる。
 固く芯を持った乳首はヌラヌラしていて、見慣れた自分の体なのに、とても恥ずかしい光景を見せられているような気がした。

「ああっ……! んっ……」
「ここ、気持ちいい……?」
「あ、んっ、だめっ、いやあっ……!」

 何も付けていない状態で触られるよりも、ずっと気持ちがよくて、とてもじゃないけどじっとしておくなんて出来なかった。シーツに頬を押し付けて、「だめだよ……」って葉月君に何度も訴えた。
 ローションのヌルヌルで、ただ指の腹で擦られるだけでも、声が漏れる。腰が勝手にカクカクと揺れるせいで、「もっと奥まで来て」って誘うみたいに葉月君の体へお尻を押し付けてしまう。

「あっ、りくちゃん……ダメだって……!」
「だって……! ああっ、も、くるし……いきたいよお……」

 勃起した性器には先走りが、ツプ、と後から後から滲んでは、垂れていく。二人とも、気持ちがいいのに苦しくて、ぎこちないまま「ダメ」ってたくさん言い合った。

「陸……」
「あっ、あっ、あ……!」

 性器にもローションをたくさん垂らした後、葉月君が根元から先っぽまで一気に扱いてくれる。受け入れるだけで精一杯で「変な感じ」だったはずなのに、やっぱり今は「気持ちいい」と合わさって「すごく気持ちいい」と感じる。
 いちいち一人でバタバタしないと「いいよ」って葉月君を誘うことも出来ないし、何もかも任せっきりだし、他の体位で受け入れることだってまだ出来ない。けど、俺は、葉月君とセックスするのがちゃんと好きだって、思えた。


「ああっ……、いく……、もう、いく……!」
「りくっ……」
「あっ、あっ、あっ……はづきくん、きもちい……」
    
 しっかりと俺の体を掴まえた後、葉月君はゆっくり腰を振り始めた。痛いとか怖いとか言うよりも、ずうっとイクのを我慢していたから、「早く出したい」という気持ちが先に頭に浮かぶ。

「や、……あっ、あっ、でるぅ……」
「りく、こっち向いて……」
「んぅ……」

 後ろを振り返って葉月君とキスをした。気持ちいいのと、熱いもので体を思いきり貫かれていく感覚とがごちゃ混ぜになる。唇を塞がれているから、思いきり声を出すことも出来ないまま、半分泣きながら葉月君の手に導かれるようにして、たくさん出してしまった。
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