異世界トリップ? -南の島で楽しい漂流生活始めました-

月夜野レオン

文字の大きさ
58 / 73
第二章

知の守護者、子作りする 1

しおりを挟む
ども~、イケメン知の守護者カナンだよ。
前回の「知の守護者 プロポーズする」編は読んでくれたかな?
そっち読んでないと俺とナギの運命の赤い糸がよく理解出来ないから、そっちを先に読んでくれよ。
糸って、細い繊維のことだよな?俺とナギの運命はそんな細いもので結ばれてないけどな。
しかも小指に巻いてあるとか、意味分からんわ。
俺とナギは全身をガッチリ鎖で縛られてるくらいの強固な運命だからね。
外れないし、外させないよ。ふふふ。
昨日の夜、プロポーズを決行した俺は、ついにナギと相思相愛になった。
いやもう感動の嵐だったよ。
美しい夜景と幸福に酔ってるナギの横で、ひたすら妄想爆発させてたけどな。
おかげで昨日は一睡も出来なかったよ。
こういう時は同室はツラいな。
横のベッドでナギの寝息を聞きながら、夜が明けるのを秒単位で数えて過ごしてた。
でも別室とか無理だから。
ナギと同じ空気吸ってないと死ぬから。
やっと夜が明けて、朝一番でライジャ様とナオ様に2人で結婚の許可を貰いに行ったよ。
「は………?」
と、2人して固まること30秒。
早くフリーズを解除してくれ~。
俺は1秒でも早くナギと結ばれたいんだ。
まあ792年待ってるから、今更10秒20秒は耐えられるけどな。
「え……2人は付き合っていたのか?知らなかったぞ」
「いえ、昨日の晩にいきなりプロポーズしたので、交際はしてませんよ~」
「え……」
あらら、また固まってるよ。
聡明なライジャ様の脳内処理能力が低下してるな。
ナオ様はポカンと口を開いたまんまだ。可愛いな。
「ライジャ様、ふたりは生まれた時から付き合っているようなものですよ」
「そうそう、今まで片時も側を離れたことないものね~」
リカーとメルサ、フォローサンキュ。
持つべきものは友だな。
この2人は俺のナギへの執着をよく知っている。
メルサは俺が生まれた時からナギにベッタリなのを見てるし、リカーはナギに向けられる好意の視線を俺がさりげなく絶っていることにいち早く気づいたヤツだ。
そんなことは露ほども知らない他のメンバーは、ライジャ様達と同じくフリーズしているけど。
ノロケは帰ってきてからゆっくりタップリとしてやるからな。
「ナギさん……カナンさんが好きだったの?」
ナオ様は驚きから回復すると、ナギをじっと見上げてきた。
ん?この言い方だと、ナオ様は俺がナギLOVEだったことは知っていたということか?
あー、でもナオ様ってポヤンとしているようで敏いところあるからな。
「はい。俺はこの手のことに鈍感だったので、カナンにプロポーズされるまで気づきませんでしたがカナンが好きです。いつも側で支えてくれていたのはカナンですし、他の者と番う気持ちはありません」
真面目なナギらしい答えに、ナオ様はニッコリと微笑んだ。
「…そっか~。カナンさん、良かったね」
一瞬引きつったのは「囲い込んでいたわけね~」と気づかれたからだな。
うん、敏いな~。その通り。
「……そうか、ある意味恋人以上だったわけだな」
ライジャ様も納得して頷いている。
「わかった。では結婚式を……」
「あ、それなんですが、超略式でお願いします。今は復興が最優先で忙しいですし、俺もナギもあまり大げさにしたくないので」
幹部である統括同士の結婚だから大々的にやろうと思ったんだろうけど、別に式はどうでもいい。
俺もナギも式には興味無いし、大事なのは既成事実だ。
「代わりに、新婚旅行を試験的にやらせてもらえませんか?今後の検証も兼ねて」
俺は今日・明日と休みを取ってること、ナギの業務をダルクが代行してくれること、ふたりならば護衛無しでもルルゥの島に行けること、新婚旅行の工程の検証がまだなこと等々をつらつらと上げて、ライジャ様を丸め込んだ。
「……分かった。全くお前は用意周到だな」
呆れたように溜め息をつきつつ、ライジャ様は了承してくれた。
俺の計画では、すぐに式を挙げて島に向かい、向こうで泊まる小屋を2人で1軒建てるつもりだった。
が、それはライジャ様とナオ様に却下されてしまった。ががーん。
「一刻も早く行きたい気持ちは分かるが、統括のメンバーだけにでも祝ってもらえ。その代わり、島ではナオが建てた家を使うといい」
そ、そんな恐れ多いことは出来ないっしょ~。
ナギも恐縮していたが、ナオ様からむしろ使ってくれと逆に頼まれて、狼狽えつつも使わせて頂くことになった。
ナオ様曰く「家とかって、住んでないと痛むんだよ~」とのことなので、代わりにメンテナンスを約束してきた。

出発が午後になったので、簡易の式とランチを兼ねたミニパーティをラウンジで開いた。
統括の全員と、ライジャ様、ナオ様、メルサの婚約者ダルクとナギの部下で城の警護長2人が出席。
「……よろしい、2人の婚姻を認めよう。末永く共に慈しみ、支え合うように」
式はライジャ様の宣言で終わり、晴れて俺達はカップルになった。
「幸せになってね」
「おめでと~」
「おめでとうございます」
仲間に祝福されて、寡黙なナギも嬉しそうに微笑んでいる。
その首にはナオ様が大慌てで作ってくれた俺のオレンジの鱗のチョーカーが巻かれている。
やっべぇ、俺のもの感ハンパねぇ。
鼻血出そう。
「チョーカーにしてくれって言ったのは、こういう意味もあったんだね」
パーティになってから、ナオ様が近くに来てナギの首元を見ながら小声で言ってきた。
「あ、バレた~?やっぱ鋭いな。そう、愛の首輪ってヤツだよん」
「いやいやカナンさん、式終わった途端、独占欲丸出しになったよね~」
呆れながらも納得した感じのナオ様。
「でもさ、お似合いだと思うし……ずっと好きだったんだよね。一緒になれて良かったね」
「ありがとう。全てはナオ様が来てくれたからだ。リリィとしても、俺個人としても感謝しきれないくらいだよ」
心の底からの感謝を込めて小柄なルーリィにお辞儀をした。
ナオ様はちょっとビックリしてから嬉しそうにニコっと笑って、コッソリと小さな布袋を渡してきた。
「これ、結婚祝い」
「え、チョーカーだけで十分だよ?」
驚いて辞退しかけたけど、ナオ様は首を横に振って手に握らせてきた。
布の上から触ると、何かの玉が入っている感じがする。
こ、これはもしやっ、ナオ様のエキス玉か?
はっとしてナオ様を見ると、悪戯っ子みたいな目でペロっと舌を出した。
「多分、タガが外れるような予感がするからさ~。ちゃんと帰ってこれるようにね」
これは超嬉しいわ~。
「感謝っ。ヤリまくってくるからね~」
「ひえっ、あんまり無茶しないでよっ」
赤くなってアワアワするナオ様、可愛い~。
いや、マジで感謝だわ。
それはもうガンガン攻める予定なんでね。ふふふ。
これがあれば、途中で体力が回復出来るから、更に……ふっふっふっ。
ニヤニヤ笑いが抑えられない俺を不安そうに見あげてくるナオ様に気付いて、安心させるように頷いた。
「愛しいナギを壊すようなことはしないから、大丈夫だよ~。先は長いんだからね、リリィは」
少なくとも2000年以上あるしと言うと、おおっ長いわ~とビビってる。
人間の寿命感覚から言うと、ものすごい長寿だろうしね。
帰ったら俺らの鱗でもっと色々なアクセ作ってくれよと頼むと、目をキラキラさせてウンウンと頷いてくれた。
ホント、可愛い半神様だよ。
ライジャ様も幸せ者だね~。
他の統括のメンバーからも、急なことだったのに、向こうで飲めと長期熟成した秘蔵の酒やら綺麗な柄の布やらを渡された。
ナギと感謝しながらそれらを持って、俺達はルルゥの島へと出発した。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

異世界で8歳児になった僕は半獣さん達と仲良くスローライフを目ざします

み馬下諒
BL
志望校に合格した春、桜の樹の下で意識を失った主人公・斗馬 亮介(とうま りょうすけ)は、気がついたとき、異世界で8歳児の姿にもどっていた。 わけもわからず放心していると、いきなり巨大な黒蛇に襲われるが、水の精霊〈ミュオン・リヒテル・リノアース〉と、半獣属の大熊〈ハイロ〉があらわれて……!? これは、異世界へ転移した8歳児が、しゃべる動物たちとスローライフ?を目ざす、ファンタジーBLです。 おとなサイド(半獣×精霊)のカプありにつき、R15にしておきました。 ※ 造語、出産描写あり。前置き長め。第21話に登場人物紹介を載せました。 ★お試し読みは第1部(第22〜27話あたり)がオススメです。物語の傾向がわかりやすいかと思います★ ★第11回BL小説大賞エントリー作品★最終結果2773作品中/414位★応援ありがとうございました★

愛していた王に捨てられて愛人になった少年は騎士に娶られる

彩月野生
BL
湖に落ちた十六歳の少年文斗は異世界にやって来てしまった。 国王と愛し合うようになった筈なのに、王は突然妃を迎え、文斗は愛人として扱われるようになり、さらには騎士と結婚して子供を産めと強要されてしまう。 王を愛する気持ちを捨てられないまま、文斗は騎士との結婚生活を送るのだが、騎士への感情の変化に戸惑うようになる。 (誤字脱字報告は不要)

オッサン、エルフの森の歌姫【ディーバ】になる

クロタ
BL
召喚儀式の失敗で、現代日本から異世界に飛ばされて捨てられたオッサン(39歳)と、彼を拾って過保護に庇護するエルフ(300歳、外見年齢20代)のお話です。

すべてを奪われた英雄は、

さいはて旅行社
BL
アスア王国の英雄ザット・ノーレンは仲間たちにすべてを奪われた。 隣国の神聖国グルシアの魔物大量発生でダンジョンに潜りラスボスの魔物も討伐できたが、そこで仲間に裏切られ黒い短剣で刺されてしまう。 それでも生き延びてダンジョンから生還したザット・ノーレンは神聖国グルシアで、王子と呼ばれる少年とその世話役のヴィンセントに出会う。 すべてを奪われた英雄が、自分や仲間だった者、これから出会う人々に向き合っていく物語。

男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。

カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。 今年のメインイベントは受験、 あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。 だがそんな彼は飛行機が苦手だった。 電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?! あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな? 急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。 さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?! 変なレアスキルや神具、 八百万(やおよろず)の神の加護。 レアチート盛りだくさん?! 半ばあたりシリアス 後半ざまぁ。 訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前 お腹がすいた時に食べたい食べ物など 思いついた名前とかをもじり、 なんとか、名前決めてます。     *** お名前使用してもいいよ💕っていう 心優しい方、教えて下さい🥺 悪役には使わないようにします、たぶん。 ちょっとオネェだったり、 アレ…だったりする程度です😁 すでに、使用オッケーしてくださった心優しい 皆様ありがとうございます😘 読んでくださる方や応援してくださる全てに めっちゃ感謝を込めて💕 ありがとうございます💞

カワウソの僕、異世界を無双する

コプラ@貧乏令嬢〜コミカライズ12/26
BL
本編完結いたしました♡コツメたん!無双おめでとう㊗️引き続きの番外編も完結しました💕 いつも読んでいただきありがとうございます♡ ほのぼのとワクワク、そしてコツメたんの無双ぶりを楽しんで下さい! お気に入り1200越えました(new)❣️コツメたんの虜になった方がこんなにも!ʕ•ᴥ•ʔキュー♡ ★★★カワウソでもあり、人間でもある『僕』が飼い主を踏み台に、いえ、可愛がられながら、この異世界を無双していく物語。 カワウソは可愛いけどね、自分がそうなるとか思わないでしょ。気づいたらコツメカワウソとして水辺で生きていた僕が、ある日捕まってしまった。僕はチャームポイントの小さなお手てとぽっこりお腹を見せつけながら、この状況を乗り越える!僕は可愛い飼い主のお兄さん気分で、気ままな生活を満喫するつもりだよ?ドキドキワクワクの毎日の始まり! BLランキング最高位16位♡ なろうムーンで日間連載中BLランキング2位♡週間連載中BLランキング5位♡ イラスト*榮木キサ様

番だと言われて囲われました。

BL
戦時中のある日、特攻隊として選ばれた私は友人と別れて仲間と共に敵陣へ飛び込んだ。 死を覚悟したその時、光に包み込まれ機体ごと何かに引き寄せられて、異世界に。 そこは魔力持ちも世界であり、私を番いと呼ぶ物に囲われた。

過保護な父の歪んだ愛着。旅立ちを控えた俺の身体は、夜ごとに父の形で塗り潰される

中山(ほ)
BL
「パックの中、僕の形になっちゃったね」 夢か現か。耳元で囁かれる甘い声と、内側を執拗に掻き回す熱。翌朝、自室で目覚めたパックに、昨夜の記憶はない。ただ、疼くような下腹部の熱だけが残っていた。 相談しようと向かった相手こそが、自分を侵食している張本人だとも知らずに、パックは父の部屋の扉を開く。 このお話はムーンライトでも投稿してます〜

処理中です...