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第二部 復興編
22.まさかの
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翌朝は、久し振りにベッドで爆睡したお陰でスッキリと目覚めた。
やっぱベッドは最高だな。
領主の館にお世話になっているので、敷地の畑に雨を降らせて作物を成長させたら、執事のローン以下、使用人達に凄く驚かれ、そして感謝された。
「これが神より授かったスキルか。素晴らしいものだな」
スキルを目の当たりにしたネイモスも驚いていた。
「まあでも、期間限定ですからね」
俺が戻ってしまったら消えてしまうスキルだから、一時しのぎに過ぎない。
「それでいいのだ」
「え……?」
ついつい悲観的な言葉になってしまったが、ネイモスの反応は意外だった。
「神の恩恵にずっと頼ってしまうと、人は自力で立てなくなる。期間限定で良いのだ。その後は人間の力で立て直して行かなければ人間の為にならんからな」
スゲー心に響いた。
こんな人が上に立っているならば、この地は大丈夫だ。
そう思えた。
「俺がいる間に、その基礎をちゃんと作れるように、全力で手助けします」
きっぱりと言うと、ネイモスはニッと笑って背中をバンと叩いてきた。
「頼んだぞ!」
が、頑張る。
力が強くてむせたけど。
今日も井戸を中心にしてサーチをかけていく。
井戸の中は分かりづらいだろうから、下の方に雨雲を作って貯水量を増やした。
一時的な貯水槽を作らなくてもいいから、簡単に出来る対策だ。
ケルックは結構広い都市だけに、全部サーチして回るだけで5日もかかってしまった。
しかし恒久対策となる太い水脈が見つからなくて、焦りが募った。
昨日ククルが、ランドスの準備が完了したというライド王子の連絡を持って来たので、よけいに焦る。
その中にはシシル宰相からの伝達も入っていて、ガザル王子の配下の兵士が離宮を出てガルデーンに向かったとのことだった。
足の速い馬を使っていれば、ガルデーンまでは3日。
明日には到着する可能性がある。
離宮の地もガルデーンも、聖女の奇蹟は一目瞭然だ。
領主には聖女は次の土地へ移動したと、包み隠さずに言うように伝えてある。
ガザル配下の兵士達は荒くれ者が多いらしいので、下手に隠し立てするとガザル王子の名を振りかざして領主や民が危害を加えられる危険があるからだった。
いないとなれば、兵士はすぐに次の場所へ移動する筈だ。
ガルデーンから行く先となると、近いのは王都かランドスもしくはケルックなので、ランドスに狙いを定めてくる可能性が大だ。
そりゃあいきなり王都に行くとは思えないよな。
少しだけガルデーンに近いランドスから探しに来るだろう。
明日にはランドスに向けて発たないと、差がかなり詰まってしまう。
「って言っても、もう昼だし!」
あああ、何で無いのかな?水脈よ~。
頭を抱えて唸ってもサーチに引っかかるものは無い。
「これは困ったな……」
さすがにスザールも腕を組んで空を見上げている。
「お得意の勘は、働かないのか?」
「無茶言うなよ」
ですよね~。
毎回スザールの勘が働く訳がないか。
「あ~、向こうの世界じゃ蛇口を捻れば水が出るってのになぁ」
つくづく恵まれた世界だったんだなと実感するわ。
「アキラの世界はそんなに水が豊富なのか?」
「俺のいる国はね。ダムを…水を堰き止めて電気っていうエネルギーを作り出す装置もあってさ。水が身近にある生活なんだよ」
「…ああ、それであの、水車?とかいう装置も考えられていたんだな」
スザールがランドスで作った水車を思い出して、なるほどと納得している。
「ダム……というのは?」
「ああ、ダムってのは山と山の隙間に壁を作って、降った雨水をそこに溜めたり、山の上にある湖の水を下に落としながら………?」
説明していると、スザールの視線が段々と俺を通り越して外れていくのに気づいて、俺は何事かと後ろを振り返った。
後ろには、坂の先に領主の館。
その後ろには、ミニエアーズロック………って、え?
首を戻すと、スザールの視線とかち合う。
「……………」
「……………」
まさか……ね?
「……なあ、アキラ。あの岩山って、サーチしたか?」
「…………してない」
「……………」
いや、そんなに凝視するな。
考えてることは同じだよ。
俺とスザールは、素早く馬に飛び乗って走り出した。
ま~さ~か~!
でももう、神にも縋る気持ちだ。
やっぱベッドは最高だな。
領主の館にお世話になっているので、敷地の畑に雨を降らせて作物を成長させたら、執事のローン以下、使用人達に凄く驚かれ、そして感謝された。
「これが神より授かったスキルか。素晴らしいものだな」
スキルを目の当たりにしたネイモスも驚いていた。
「まあでも、期間限定ですからね」
俺が戻ってしまったら消えてしまうスキルだから、一時しのぎに過ぎない。
「それでいいのだ」
「え……?」
ついつい悲観的な言葉になってしまったが、ネイモスの反応は意外だった。
「神の恩恵にずっと頼ってしまうと、人は自力で立てなくなる。期間限定で良いのだ。その後は人間の力で立て直して行かなければ人間の為にならんからな」
スゲー心に響いた。
こんな人が上に立っているならば、この地は大丈夫だ。
そう思えた。
「俺がいる間に、その基礎をちゃんと作れるように、全力で手助けします」
きっぱりと言うと、ネイモスはニッと笑って背中をバンと叩いてきた。
「頼んだぞ!」
が、頑張る。
力が強くてむせたけど。
今日も井戸を中心にしてサーチをかけていく。
井戸の中は分かりづらいだろうから、下の方に雨雲を作って貯水量を増やした。
一時的な貯水槽を作らなくてもいいから、簡単に出来る対策だ。
ケルックは結構広い都市だけに、全部サーチして回るだけで5日もかかってしまった。
しかし恒久対策となる太い水脈が見つからなくて、焦りが募った。
昨日ククルが、ランドスの準備が完了したというライド王子の連絡を持って来たので、よけいに焦る。
その中にはシシル宰相からの伝達も入っていて、ガザル王子の配下の兵士が離宮を出てガルデーンに向かったとのことだった。
足の速い馬を使っていれば、ガルデーンまでは3日。
明日には到着する可能性がある。
離宮の地もガルデーンも、聖女の奇蹟は一目瞭然だ。
領主には聖女は次の土地へ移動したと、包み隠さずに言うように伝えてある。
ガザル配下の兵士達は荒くれ者が多いらしいので、下手に隠し立てするとガザル王子の名を振りかざして領主や民が危害を加えられる危険があるからだった。
いないとなれば、兵士はすぐに次の場所へ移動する筈だ。
ガルデーンから行く先となると、近いのは王都かランドスもしくはケルックなので、ランドスに狙いを定めてくる可能性が大だ。
そりゃあいきなり王都に行くとは思えないよな。
少しだけガルデーンに近いランドスから探しに来るだろう。
明日にはランドスに向けて発たないと、差がかなり詰まってしまう。
「って言っても、もう昼だし!」
あああ、何で無いのかな?水脈よ~。
頭を抱えて唸ってもサーチに引っかかるものは無い。
「これは困ったな……」
さすがにスザールも腕を組んで空を見上げている。
「お得意の勘は、働かないのか?」
「無茶言うなよ」
ですよね~。
毎回スザールの勘が働く訳がないか。
「あ~、向こうの世界じゃ蛇口を捻れば水が出るってのになぁ」
つくづく恵まれた世界だったんだなと実感するわ。
「アキラの世界はそんなに水が豊富なのか?」
「俺のいる国はね。ダムを…水を堰き止めて電気っていうエネルギーを作り出す装置もあってさ。水が身近にある生活なんだよ」
「…ああ、それであの、水車?とかいう装置も考えられていたんだな」
スザールがランドスで作った水車を思い出して、なるほどと納得している。
「ダム……というのは?」
「ああ、ダムってのは山と山の隙間に壁を作って、降った雨水をそこに溜めたり、山の上にある湖の水を下に落としながら………?」
説明していると、スザールの視線が段々と俺を通り越して外れていくのに気づいて、俺は何事かと後ろを振り返った。
後ろには、坂の先に領主の館。
その後ろには、ミニエアーズロック………って、え?
首を戻すと、スザールの視線とかち合う。
「……………」
「……………」
まさか……ね?
「……なあ、アキラ。あの岩山って、サーチしたか?」
「…………してない」
「……………」
いや、そんなに凝視するな。
考えてることは同じだよ。
俺とスザールは、素早く馬に飛び乗って走り出した。
ま~さ~か~!
でももう、神にも縋る気持ちだ。
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