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1章『転生×オメガ=あほ顔になる』

05※

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在昌さんの手が荒々しく私の身体を弄る。形を確かめるかのように蠢く掌が凄く擽ったくて、身体を捩れば首筋にちり、と痛みが走って。

「ん…!」
「高瀬さん、ごめん」

熱に浮かされた声で、在昌さんは私に謝罪をした後パジャマの下を一気に引き抜いた。

「ひゃ…!!」

…しかもパンツも一緒に持って行かれたものだから、今の私は上のパジャマのみの姿だ。必死に恥ずかしいところを隠そうとするけれど、足の間に在昌さんが居る為、隠す事が出来ない。

「ゃ…恥ずかしい…!」
「凄い、良い匂いがする……」
「ぁあ…!」

自分ですら触れた事の無い恥ずかしい秘部に触れられ、頭が真っ白になってしまう。辿るように、何度も何度も触れる愛撫。在昌さんの指が蠢く度に、私の鼓膜を犯す水音。
けれど、その音が私と在昌さんの欲望に火を付けたように感じた。

「凄い、どんどん溢れてくるね、君の此処…」
「あ、ぁ…ひぁ…っ!」

与えられる初めての快感に、いやらしい声を上げる事しか出来なくて。恥ずかしさよりも欲望が勝って、もっと、もっと、と腰を在昌さんに押しつけた。

「可愛い、本当、堪らない…」
「ん、ん、んぁ…!在昌、さぁん…!」
「気持ち、いいね」

粘性を帯びた愛液を絡ませながら、ぐちぐちと入り口を優しく撫でる在昌さんの表情は辛そうだった。

ちらり、と在昌さんの下半身を見やれば、ズボン越しに膨らんでいる、ソレ。

「在昌さ…」

欲しい。
その大きなモノで最奥まで貫いて欲しい、と本能が叫ぶ。何度も穿って欲しい、と。放って欲しい、と。

私は今、どんな表情をしているのだろうか。きっととてもはしたない表情を浮かべている気が、する。

「――…駄目、だよ。今の君は普通じゃ、ないんだ。俺の事は良いから、ね」

私の表情を見て、気が付いたのだろう。私が何を思っているのかを。
はしたないと思われただろうか。浅ましい、と思われただろうか。

「ふ…」
「大丈夫だから、君は何も悪くない。何も考えないで、ね。ほら、何も考えられないくらいにもっと感じて」
「あ、あ、ああぁあ!」

在昌さんがヒクヒクと震える突起を親指で潰す。痛い程の快楽に仰け反りながら絶頂を迎えた。先程の絶頂とは全然違う、もっと深いものだった。

「在昌さ…」
「…お風呂用意しておいたから…入っておいで。汗かいて気持ち悪いよね」

私の言葉を遮るように、在昌さんは私の手を取り浴室へと案内する。絶頂の余韻が続いているせいか、足がふらついてしまったが優しい在昌さんが私のくびれの無い横っ腹を支えながらエスコートしてくれた。

熱に浮かされたまま、私は横に並ぶ在昌さんを見つめる。
きっと在昌さんだって苦しかった筈だ。それなのに私に行為をしなかった。何て優しい人なのだろうか。

…待てよ。私は思い上がっていないか?そもそも、在昌さんのような天使で神で仏のような絶世の美しいお人が私を抱く訳が無いではないか。
在昌さんには桃ちゃんという巨乳美女が居るのだから…。それに引き換え、私みたいなぽっちゃりモブ女なんか抱けないよね。

……自分で言って傷付いたわぁ。

「…高瀬さん?」
「ほわぁぁああい!」

いきなり在昌さんの美しいお顔がどアップになった。ぼーっとしていた私を心配して覗き込んだのだろうけど…。いきなりのどアップに私は3メートル程飛び跳ねてしまった。

「す、すみません…」
「……ぷ」

在昌さんは私から身体ごと逸らし、肩を震わせている。…笑っているな?

「在昌さん?」
「ふふ、ごめんね。君って本当面白いなぁ…」

涙を浮かべながら笑みを浮かべる貴方は国宝級に、寧ろ宇宙級に格好良いです。なんて言える訳もなく、へへっと笑っておいた。

――へへっじゃないよ、あんた。あんたいつから在昌さんをちゃっかり名前で呼んでいるんだ?あ?

「すす、すすすみませんっ!!!」
「え、どうしたの。いきなり」
「在昌さ…じゃなくて、神崎さん!!」

私の言葉に首を傾げた後、言いたい事が理解出来たのか在昌さんは私の頭をぽん、と撫でた。

「気にしなくていいよ。現に俺も気にならなかったしね。寧ろ今更神崎さんって呼ばれる方が変な感じがするなぁ」

ウワァ、破壊力。色々とオーバーキルだ。何なのこの人…。もう、私の中で好きが溢れている。

「あ、在昌さん…?」
「うん、何かな。真緒ちゃん」

ウワァァァァ!
ウワァァァァ!!
私の頭の上に『YOU DIED』って出てない?大丈夫?

絶対に私の顔、真っ赤だ。タコも真っ青になって逃げてしまうくらいに真っ赤に茹で上がっているだろう。

「ふふ、ほら。ゆっくり入っておいで。シャンプーとか勝手に使ってくれていいからね。タオルはここね」
「あ、ありがとうございます」

ごゆっくり、と言って在昌さんはバスルームから出、一人きりになった私はへにゃへにゃ、という効果音が付くような感じで腰を抜かした。

うん、腰を抜かしている場合では無い。取りあえずご厚意に甘えてお風呂を頂こう。

「……!」

さて脱ごう、と思い立ち私は自身の格好を見やった。悲鳴を上げなかった事を褒めて欲しい。

上のパジャマのみで、下はすっぽんぽん。上は着てると言うか羽織っている状態だ。こんな汚物を在昌さんの美しい瞳に映していたと思うと、穴を掘って入りたくなった。

「…取りあえずお風呂頂こう」

パジャマを脱ぎ、浴室へと入れば温かい蒸気が私を包む。しかも良い匂いも漂っていて、肩の力が少しだけ取れた気がした。

シャワーを捻り、温度設定すれば直ぐにお湯になった。私が棲んでいたマンションはお湯になるまで時間が掛かったから凄く羨ましい。冬の時とか地獄だよ。

「……」

改めて浴室に備え付けられている鏡を見やる。

「私だよなぁ……」

見慣れた私が鏡に映っている。わかってはいたけれど、間違い無く私だった。

「こんな私なんか、ね……」

お腹の肉をぷにぃと抓りながら私は独りごちる。

オタクで根暗でぽっちゃりで、30歳で。
喪女で言葉が痛々しくて、現実逃避ばかりして。
現実が怖いから二次元に走って、周りを羨んで。

心の奥底で、桃ちゃんだったらなぁって思った。おこがましく思ってしまった。そうしたら在昌さんに愛してもらえるのに。

――抱いて、もらえるのに。


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