天才の天才による天才のための異世界

野良子猫

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ルカリア国立図書館

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 和也は今、ピンチを迎えていた。 

「痛い、ちょー痛い。痛いって事はこれが、夢でない事は認めないといけないのか? そう思うとなんか、急に怖くなってきたぞ。っていうかそれどころじゃねー!!」

 痛いという感覚に動揺しながら、どうにか状況を理解し、和也はすぐさま立ち上がり逃げようとするが――

「逃がすかよ」

 赤髪の男が、和也を追う。
 もともと、運動をあまりしない和也と、見た目の体つきから常日頃鍛え上げている赤髪の男。男が和也に追いつくのに、そう時間はかからなかった。
 赤髪の男は和也に乗りかかり、完全に動きを封じる。

「捕まえたぜ。にしても、お前足遅すぎるだろ」

「ちょ、待って待って、タイム。タイム!!」

 和也は必死に抵抗するが、全く歯が立たず、説得を試みる。

「俺があんたらに何をした? 無抵抗の人間を襲うのはおかしくない?」

「はあ? 何もしてないだと?お前らがこの国で生きていけるのは俺たちの税金のおかげなんだぞ。そのせいで、俺たちはその分の金を国に払ってんだ。だから、俺たちがお前らを痛め付ける権利はあっても、お前らが抵抗する権利はどこにもない。
 安心しろ。殺しはしない。ただ気がすむまでお前で憂さ晴らしさせてもらおうか」
 
 赤髪の男は不満をぶち撒けた後、狂気に満ちた笑みを浮かべナイフを和也に突き付けている。

「や、やめ、助けてく――」

「あんたたち何してるの!!」

 三人の声が騒がしかった路地裏に一人の声が響き渡り、すぐさま静寂に包まれた。
 そこには、一人の女性がいた。
 金髪の髪が背中あたりまで伸び、スタイルは抜群だが、それを感じさせない落ち着いた色付きの村娘風な服装をしていてる。
 そんな彼女は腰に手を当て、こちらを睨みつけている。決して目つきが悪いわけでわないので、それほど怖くはないのだが、それでも、まっすぐで力強い目を向けていた。

「何だ。女がしゃしゃり出て来るんじゃねぇよ。こいつは俺たちのおかげで生きてんだ。俺らがどう扱おうが勝手だろ。」

「じゃあ、私がその人をどうするかも勝手よね。さぁ、その人を離しなさい!!」

「あぁ!?」

 赤髪の男は、和也から体を離し、代わりに彼女に向かって走り出す。
 そして、手が届く範囲まで近づいた瞬間、赤髪の男は彼女に向かって、ナイフを突き刺す。 
 しかし、彼女はそのナイフを紙一重で避け、そのまま腕を掴み――

「はぁぁ!!」

「何!?」 

 体格差など感じさせないほど綺麗な一本背負いを決める。

「!? ……て、テメー!!」

 緑髪の男は一瞬、驚きの表情を見せたが、すぐに戻し、彼女に向かって殴りかかった。
 だがしかし、その拳すらも交わし、腕を掴み流れるように後ろに回す。
 
「痛い痛い。分かった。分かったから離してくれ」
 
「なら、さっさとここから去りなさい」

「チッ、クソが。行こうぜ」

 二人組の男は、背中と肩を抑え、その場所から去っていく。



 ********************



「女の子に助けてもらうとは情けねぇ」

「ほんと情けないわね。男ならあれくらいガツンとやれるくらいじゃないと。あんたはもう少し食べて鍛えないとね」

「はいはい以後精進します。それより礼がまだだったな。俺は和也。さっきは助けてくれてありがとな」

「どういたしまして。私はリリ。よろしくね」

 和也はリリの手当てを受けていた。とはいっても、ほとんど血は止まってる。

「ちょっと待ってね。確か水の魔石持ってたから」

「水の魔石?」

 リリが鞄から取り出した水色の結晶を頰にかざすと、結晶が光り輝き、みるみるうちに傷が塞がっていく。

 ――凄い。魔石か……これは便利だな

「はい、終わり。もう大丈夫」

 手当てが終わると和也は傷があった頰を撫で、再度礼を言う。

「じゃあ、私はもう行くね。早くと図書館の整理しないといけないから」

「ちょっと待って、図書館って言った?」

 リリの発言に和也は食い付いた。

「言ったよ。私、図書館の管理人だから。でも、それがどうかしたの?」
 
 リリが図書館の管理人ということを知り、和也は喜びに満ちた笑みを浮かべる。

「丁度良かった。俺も図書館に行きたかったんだよ。もし良かったら案内してくれない?」

「いいよ。じゃあ行こっか。」

 リリの案内の元、和也は図書館に向かう。
 


 ********************



「着いたよ。ここが図書館だよ」

 路地裏から数分歩いた先、そこには立派な建物があった。
 
 ――ここが図書館。見た感じ国会議事堂みたいだ
 
 図書館にしては大きく、人の出入りも多い。
 和也が図書館の外見に唖然となっていると、隣にいたリリが図書館の説明を始める。

「ここがルカリア国立図書館。図書館と言っても、手紙や物の配達もしてるから普通の図書館とは違うんだけどね」

 ――ルカリア……国名か?その辺の情報も集めないとな

「なるほど、あの人の多さは郵便もあるのか」

 和也は口では、見た感じの率直な感想を述べながら、内心では、調べる内容を決めていた。
 するとリリが、和也の手を握って走り出す。

「突っ立ってないで早く中に入ろ」

「お、おう」

 二人は中から出てくる人を避けながら図書館に入っていった。



 ********************



「外から見ても凄かったけど、中はもっと凄いな」

 図書館の中は和也の想像を大きく超えていた。
 入り口の扉から入ってすぐにフロントになっており、そこで配達の受付をしている。
 奥に行くと、そこには大量の書物が広がっていた。
 建物は円柱の構造で、壁に伝って本棚が続いている。高いところははしごで、さらに上は、足場がある。屋根までの高さは二十メートルはあった。

「リリが一人でここを管理してるのか?」

「そうよ。だからいつも大変なの。人手が欲しいけどこれだけの本を扱える人ってなかなかいないのよね」

 リリはため息をつき、疲労感を漂わせている。

「リリはどこにどの本があるのか把握してるのか?」

「そうだけど」

「そうか。なら、今から言う本の場所を教えてくれないか?」

 和也は驚きながら、リリに本探しに協力してもらうように頼み、リリは快く承諾してくれた。
 リリに本の場所聞き、あらかた自分の手元に持ってきた後、リリに許可をもらい、図書館で本を読み漁った。
 和也が息抜きがてら体を伸ばし窓の外を見ると、もう外は朝日が昇っていた――

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