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令嬢は踊る
第十六話 公爵令嬢と公爵令息
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覚悟を決め、ヘンリーがドアを開けろと視線で指示する。
ネモが哀れみを籠めた目で頷き、ドアを開けた。
ドアの向こうに立っていたのは一組の男女だった。
まず先に目が吸い寄せられるのは、美しい黒髪の美女だった。
長い黒髪はハーフアップに纏められ、毛先をクルクルと巻いている。美しいアメジストのような紫色の瞳は甘く垂れがちで、どこか色っぽい。
スタイルも出てるところは出ていて、引っ込んでいる所は引っ込んでいる。男が理想とするようなプロポーションだ。
そんな美貌の女の横に居るのは、短髪の鳶色の髪に、ヘーゼルの瞳を持つなかなかの美男子だった。
顔立ちは甘く整っており、世の女性は優しそうで素敵、と見惚れるだろう。
そして、黒髪の女性――ジュリエッタ・フーリエ公爵令嬢が、ニコリと微笑む。
「初めまして。貴女はここの部員の方ですか?」
「ええ、そうです。ヘンリー殿下に御用ですか?」
男女問わず思わず赤面してしまいそうな美貌の女性に、とても魅力的な微笑みを向けられたというのに、ネモは平然としてそれを受け流す。
その態度に、隣に立つ男は信じられないと言わんばかりの表情でネモを見た。
ネモからしてみれば、ただ美しいと言うだけの人間なら長い人生で山ほど見て来たし、ここ三年以上は絶世の美貌を間近で見続けている。美人に対する耐性が出来ていた。
耐性がネモ程無いレナとエラは素直に綺麗な人だな、と彼女に注目し、イヴァンは一瞬見惚れるも、いやいや、と頭を振ってレナの方が可愛い、と彼女を見つめる。
残る男達の一方は腹の内が読めない顔をし、もう一方はイヴァンのカレー味の骨煎餅を強奪してあっくんと共にバリバリ食べている。
自分の美貌が他人に対しどう作用するか自覚があるのだろう。ジュリエッタは少し驚いたような顔をするも、それをすぐに隠して興味深そうにネモを見る。
「実は私、隣国から留学してきましたの。ですので、ヘンリー殿下にご挨拶をと思い、うかがったのです」
「そうでしたか。いらっしゃいますから、どうぞ」
そう言って中に入れるように体をずらす。
そうして、ジュリエッタと男は部室の中へ入って来た。
ヘンリー以外の部員は空気にならんとそっと気配を消す。
「おや、オーランド・ランドールじゃないか。久しぶりだな」
ヘンリーが椅子から立ち上がり、二人の前にやって来る。
「殿下、お久しぶりです」
礼を取る彼は、予想通りオーランド・ランドールだったようだ。
あれが例のクソバカボンボンかぁ、とレナが眺めていると、隣でイヴァンの気配がソワッと揺れる。
どうしたのかと彼に視線を移せば、ばっちり視線が合い、オロオロと焦り出す。
「どうかしましたか、イヴァン先輩」
声を潜めて尋ねれば、イヴァンは「何でもないよ」と首を横に振る。
そして、そのままドアの方に居る二人に視線を移してしまい、レナは不思議そうに首を傾げ――ハッっとした。
あんな凄い美人、イヴァン先輩が好きになっちゃったらどうしよう、と慌てだす。何人もの男を魅了してきた人物だ。レナなどでは勝ち目がないと青褪める。
そんな二人の様子を逆隣で見ていたエラは全てを察し、オーランド・ランドール公爵子息もジュリエッタ・フーリエ公爵令嬢も恋のライバルになりやしないわね、と二人に生暖かい視線を送っていた。
さて、そんな彼女達の視線の先で、上流階級の人々は挨拶を済ませて、話を進めている。
「ジュリエッタ嬢が我が国に来てそれなりに時間が経ちましたが、暮らしはどうですか? なにかお困りの事などはありませんか?」
「いいえ、皆様にとても良くしてもらっています。実はまだ町の散策をしていなくて、今度の休みの日に行ってみようかと思っているんです」
「それは良いですね。オーランド・ランドール、ジュリエッタ嬢をしっかり案内してさしあげるんだぞ」
「はい! お任せください、殿下」
ヘンリーの言葉にオーランドが張り切って頷く。
ジュリエッタは少し戸惑いを見せたが、すぐにオーランドによろしく頼みますと微笑みを向ける。そんな彼女等を見ながら、エラがそっとレナに囁く。
「あれ、ジュリエッタ様はヘンリー様に休日に町を案内してほしかったんだと思うわ。きっと、今まではそう言えば、相手が案内しようとか気を使ってそれに乗って来たんでしょうね」
その言葉にレナは驚き、エラを振り仰ぐ。
その反応に、コラ、そんなあからさまに反応しないの、と小声で叱られ、レナはそれに小さく謝罪する。
そうやってコソコソ動いていたのが悪かったのだろう。ジュリエッタの視線がこちらに向いた。
「あ、クラブ活動中なのに長々とお邪魔してしまって、申し訳ございません」
「いえ、大丈夫ですよ」
「部員の方々に、謝罪を――」
そこまで言って、言葉が止まる。
「ジュリエッタ嬢?」
「どうしたんだい、ジュリエッタ?」
ジュリエッタは呆けるようにある一点を見つめ、動かなくなった。
それを訝しく思い、その視線を追ってヘンリーは納得する。
「……ん? 何だ?」
注目を集めていることに気付き、美貌の男が顔を上げる。
彼女の視線の先には、あっくんにサツマイモの野菜チップスを与えるチアンが居たのだ。
その絶世の美貌を前に、同じようにジュリエッタの視線の先を追ったオーランドが硬直するが、視界の端に映るジュリエッタの頬が紅潮しているのに気づき、すぐに我に返る。
「ジュ、ジュリエッタ! これ以上お邪魔し続けるのはご迷惑になる。今日はそろそろお暇しよう」
「ええ……」
その返事は、気もそぞろだった。
うっとりとチアンを見つめるジュリエッタには、オーランドの言葉は届いていない。
しかし、オーランドは返事を確かにもらったので、その肩を抱いて自分の方へ引き寄せる。
「それでは、殿下。我々はこの辺で失礼いたします。お時間をいただきまして、ありがとうございました」
「ああ。よい放課後を」
そうしてそのままジュリエッタ強引に連れ出し、去って行った。
残った面々は嵐が去った方向をしばらく見つめ、次に視線を美貌の男へ移す。
しばしの沈黙のあと、おもむろにヘンリーが口を開いた。
「フラグが立ったな」
「立ったわねぇ……」
ヘンリーとネモのその言葉に、チアンは芝居がかった仕草で言う。
「私が美しいばっかりに……」
そんな悪魔すら誑かしそうな美貌を持つ男を、ヘンリーとネモは遠慮なくしばいた。
レナ達は遠い目をしてこれから起こるだろう騒動を思って溜息をついた。
ネモが哀れみを籠めた目で頷き、ドアを開けた。
ドアの向こうに立っていたのは一組の男女だった。
まず先に目が吸い寄せられるのは、美しい黒髪の美女だった。
長い黒髪はハーフアップに纏められ、毛先をクルクルと巻いている。美しいアメジストのような紫色の瞳は甘く垂れがちで、どこか色っぽい。
スタイルも出てるところは出ていて、引っ込んでいる所は引っ込んでいる。男が理想とするようなプロポーションだ。
そんな美貌の女の横に居るのは、短髪の鳶色の髪に、ヘーゼルの瞳を持つなかなかの美男子だった。
顔立ちは甘く整っており、世の女性は優しそうで素敵、と見惚れるだろう。
そして、黒髪の女性――ジュリエッタ・フーリエ公爵令嬢が、ニコリと微笑む。
「初めまして。貴女はここの部員の方ですか?」
「ええ、そうです。ヘンリー殿下に御用ですか?」
男女問わず思わず赤面してしまいそうな美貌の女性に、とても魅力的な微笑みを向けられたというのに、ネモは平然としてそれを受け流す。
その態度に、隣に立つ男は信じられないと言わんばかりの表情でネモを見た。
ネモからしてみれば、ただ美しいと言うだけの人間なら長い人生で山ほど見て来たし、ここ三年以上は絶世の美貌を間近で見続けている。美人に対する耐性が出来ていた。
耐性がネモ程無いレナとエラは素直に綺麗な人だな、と彼女に注目し、イヴァンは一瞬見惚れるも、いやいや、と頭を振ってレナの方が可愛い、と彼女を見つめる。
残る男達の一方は腹の内が読めない顔をし、もう一方はイヴァンのカレー味の骨煎餅を強奪してあっくんと共にバリバリ食べている。
自分の美貌が他人に対しどう作用するか自覚があるのだろう。ジュリエッタは少し驚いたような顔をするも、それをすぐに隠して興味深そうにネモを見る。
「実は私、隣国から留学してきましたの。ですので、ヘンリー殿下にご挨拶をと思い、うかがったのです」
「そうでしたか。いらっしゃいますから、どうぞ」
そう言って中に入れるように体をずらす。
そうして、ジュリエッタと男は部室の中へ入って来た。
ヘンリー以外の部員は空気にならんとそっと気配を消す。
「おや、オーランド・ランドールじゃないか。久しぶりだな」
ヘンリーが椅子から立ち上がり、二人の前にやって来る。
「殿下、お久しぶりです」
礼を取る彼は、予想通りオーランド・ランドールだったようだ。
あれが例のクソバカボンボンかぁ、とレナが眺めていると、隣でイヴァンの気配がソワッと揺れる。
どうしたのかと彼に視線を移せば、ばっちり視線が合い、オロオロと焦り出す。
「どうかしましたか、イヴァン先輩」
声を潜めて尋ねれば、イヴァンは「何でもないよ」と首を横に振る。
そして、そのままドアの方に居る二人に視線を移してしまい、レナは不思議そうに首を傾げ――ハッっとした。
あんな凄い美人、イヴァン先輩が好きになっちゃったらどうしよう、と慌てだす。何人もの男を魅了してきた人物だ。レナなどでは勝ち目がないと青褪める。
そんな二人の様子を逆隣で見ていたエラは全てを察し、オーランド・ランドール公爵子息もジュリエッタ・フーリエ公爵令嬢も恋のライバルになりやしないわね、と二人に生暖かい視線を送っていた。
さて、そんな彼女達の視線の先で、上流階級の人々は挨拶を済ませて、話を進めている。
「ジュリエッタ嬢が我が国に来てそれなりに時間が経ちましたが、暮らしはどうですか? なにかお困りの事などはありませんか?」
「いいえ、皆様にとても良くしてもらっています。実はまだ町の散策をしていなくて、今度の休みの日に行ってみようかと思っているんです」
「それは良いですね。オーランド・ランドール、ジュリエッタ嬢をしっかり案内してさしあげるんだぞ」
「はい! お任せください、殿下」
ヘンリーの言葉にオーランドが張り切って頷く。
ジュリエッタは少し戸惑いを見せたが、すぐにオーランドによろしく頼みますと微笑みを向ける。そんな彼女等を見ながら、エラがそっとレナに囁く。
「あれ、ジュリエッタ様はヘンリー様に休日に町を案内してほしかったんだと思うわ。きっと、今まではそう言えば、相手が案内しようとか気を使ってそれに乗って来たんでしょうね」
その言葉にレナは驚き、エラを振り仰ぐ。
その反応に、コラ、そんなあからさまに反応しないの、と小声で叱られ、レナはそれに小さく謝罪する。
そうやってコソコソ動いていたのが悪かったのだろう。ジュリエッタの視線がこちらに向いた。
「あ、クラブ活動中なのに長々とお邪魔してしまって、申し訳ございません」
「いえ、大丈夫ですよ」
「部員の方々に、謝罪を――」
そこまで言って、言葉が止まる。
「ジュリエッタ嬢?」
「どうしたんだい、ジュリエッタ?」
ジュリエッタは呆けるようにある一点を見つめ、動かなくなった。
それを訝しく思い、その視線を追ってヘンリーは納得する。
「……ん? 何だ?」
注目を集めていることに気付き、美貌の男が顔を上げる。
彼女の視線の先には、あっくんにサツマイモの野菜チップスを与えるチアンが居たのだ。
その絶世の美貌を前に、同じようにジュリエッタの視線の先を追ったオーランドが硬直するが、視界の端に映るジュリエッタの頬が紅潮しているのに気づき、すぐに我に返る。
「ジュ、ジュリエッタ! これ以上お邪魔し続けるのはご迷惑になる。今日はそろそろお暇しよう」
「ええ……」
その返事は、気もそぞろだった。
うっとりとチアンを見つめるジュリエッタには、オーランドの言葉は届いていない。
しかし、オーランドは返事を確かにもらったので、その肩を抱いて自分の方へ引き寄せる。
「それでは、殿下。我々はこの辺で失礼いたします。お時間をいただきまして、ありがとうございました」
「ああ。よい放課後を」
そうしてそのままジュリエッタ強引に連れ出し、去って行った。
残った面々は嵐が去った方向をしばらく見つめ、次に視線を美貌の男へ移す。
しばしの沈黙のあと、おもむろにヘンリーが口を開いた。
「フラグが立ったな」
「立ったわねぇ……」
ヘンリーとネモのその言葉に、チアンは芝居がかった仕草で言う。
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