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後日談SS
カフェデート
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「ありがとう」
私は、隣に座るレオンに言う。
美味しい紅茶に、美味しいケーキ。そして、窓には一面の海。穏やかな水面に太陽の光が、キラキラと反射して、輝いている。
早朝、アリシアに、たたき起こされた時には、つい、ひっぱたいてやろうかと思ったけど。
寮の前で待ち構えていたレオンに連れて来られたのが、ここ。海が見えるカフェ。レオンのお気に入りだという。
あれから……。
収穫祭が終わってからも、私の生活は相変わらずだった。アリシアとレオン。この二人に、振り回されている。
いつの間にか、アリシアとの勉強会は恒例となってるし。
レオンもレオンで、今日だって何も言わないまま、ここまで私を連れてきたのだった。
その理由は、何となく分かっている。
「この間のテスト結果に、私が落ち込んでいたからでしょう?」
「礼なら、アリシアに言ってくれ。言い出したのは彼女だ」
もちろんと、私はうなずく。アリシアには、お土産を買って帰ろう。
「あなたにも感謝してる。こんな素敵なところに連れて来てくれて」
「イザベラ」
耳元で名前を呼ばれて、そのいい声に、全身がぞわりとした。
「ねぇ、レオン。一つ、いいかしら?」
「何だ?」
「あなた、どうして、いつもいつも、耳元で話すの?」
右耳を押さえながら、私は尋ねる。
「『レオンのその声ってさー、好きな子の耳元で話しかけたら、イチコロじゃん』と、言われたから実践しているまでだが」
「それ、誰が言ったの?」
「ルークだ」
ルーク~~!
私は、心の中で叫んだ。
「今後、やめてくれるかしら」
「それは、つまり、君はすでにイチコロだということか?」
「……」
どう答えれればいいのか。
こういう時、目の前に選択肢が出てくれれば……。
なんて考えてみると。
「まだ、イチコロではないらしいな」と、さらに体を寄せてきた。
─終─
私は、隣に座るレオンに言う。
美味しい紅茶に、美味しいケーキ。そして、窓には一面の海。穏やかな水面に太陽の光が、キラキラと反射して、輝いている。
早朝、アリシアに、たたき起こされた時には、つい、ひっぱたいてやろうかと思ったけど。
寮の前で待ち構えていたレオンに連れて来られたのが、ここ。海が見えるカフェ。レオンのお気に入りだという。
あれから……。
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いつの間にか、アリシアとの勉強会は恒例となってるし。
レオンもレオンで、今日だって何も言わないまま、ここまで私を連れてきたのだった。
その理由は、何となく分かっている。
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「礼なら、アリシアに言ってくれ。言い出したのは彼女だ」
もちろんと、私はうなずく。アリシアには、お土産を買って帰ろう。
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「今後、やめてくれるかしら」
「それは、つまり、君はすでにイチコロだということか?」
「……」
どう答えれればいいのか。
こういう時、目の前に選択肢が出てくれれば……。
なんて考えてみると。
「まだ、イチコロではないらしいな」と、さらに体を寄せてきた。
─終─
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