異世界召喚された俺は勇者を目指した

はるまき

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森小屋の中で-②-

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「クレアーレ教団の最高司祭ティアナ?」
俺は、ユルドの言葉を反芻する。
「あぁ、確か聖都ユリアに教団の本部がある筈だ。お偉いさんはそこにいるだろう」
「そんな事より…今日のシチューは上出来だな」
ユルドは口元を白く汚している。
「あぁ。御馳走になった」
「気にするな。さて、今夜はもう遅い。床につくぞ」
ユルドが机上のランプを消すと、辺りは途端に暗闇に包まれた。

ーー次の日

陽光が眩いばかりに射し込んでいる。
俺がゆっくりと瞼を開けると、ユルドは台所で調理をしている所だった。
「良い香りだな」
「オニオンスープだ。卵料理にブレッドもあるぞ。今日は豪華だな」
「さて、出来たぞ腹拵えをしたら、今後について作戦会議だ」
「本当にありがとう。いただきます」
ユルドの手料理はどれも美味しくて頬が落ちそうだった。
素材の味が濃く感じる。少しずつ地球とは違うのかもしれない。
暖かな食事は不安な俺の気持ちを吹き飛ばしてくれた。
「なぁ、俺にこの世界のことを教えてくれないか?」
「……………ふむ」
ユルドは数十秒考え込んでいた。
「良いだろう。だが、教える事は山ほどある。ありすぎるぞ」
「そうだな。今日は街へ連れて行ってやろう丁度、記憶ポータルもあるしな」
「記憶、ポータル?」
聴き慣れない言葉に思わず問い返す。
「うん?あぁ、説明がまだだったな」
「こちらの世界の人間が学習を行う際に使用されるのが、この記憶ポータルだ」
「っと、例えばこれなんかもそうだな」
「そうだな…これに触れて〝オープン〟と唱えて見てくれないか?」
ユルドの掌には、見たことも無い、クリスタルのような物体があった。それはキラキラと虹色に光っていて、うっすらと透けている。
「オープン!!!」
突如クリスタルが眩い光を放った。直後、異世界の言葉が空中にずらずらと浮かび上がり…俺の頭の中にすーっと入っていった。
「どれ、ちょうどこの本のタイトル読んでみろ…」
「吟遊詩人と亡国の姫君」
「あぁ、こちらではごく一般的な伝記小説なんだが…試しに数ページめくってみてくれないか?」
「おお…読める!読めるぞ!!!」
「記憶ポータルは高級品なんだ。俺に感謝してくれよ?」
「さて、街に移動するとしよう、」
「隼人、俺に捕まってくれ」
「ーーーー!!」
ユルドが俺には聞き取れない発音で何やら呪文を唱えると、あっという間に俺たちの姿が消えた。
「うわぁぁぁ」
眩い光に目が眩みそうになる。次の瞬間、ゆっくりと目を開くと、そこには広場が広がっていた。
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