【完結】ごめんなさい?もうしません?はあ?許すわけないでしょう?

kana

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次の日から生徒会メンバーの特訓が始まった⋯⋯
これも調子に乗ったジンのせいだ!

⋯⋯でもな~
彼らの気持ちや意気込みを聞いてしまえば反対も出来なかったんだよね。

『異界の使者様にお願いがあります。どうかお願いします。どんなにキツくても耐えます。私たちを鍛えて下さい』

『『『お願いします』』』

4人にまた頭を下げられた。

『な、なんだよいきなり』

『私たちには何に変えても守りたいがいます。でも⋯⋯私は、私たちは弱い⋯⋯です。⋯⋯強くなりたい。強くなって彼女を守ってあげたい。お願いします。私たちを鍛えてください』

『『『お願いします』』』

リオネル殿下、ラシュベル様、グレン様は分かる。でもレオニール様までお願いするのは誰のため?
⋯⋯ズキッと胸が痛いのは、フィオナの記憶があるから?それとも私が⋯⋯




それまでも『憧れる』だとか『カッコイイ』だとか言われ、持ち上げられて気分が高揚していたジンは私とサラに相談もなくその場で引き受けてしまった。
まあ、サラも反対しなかったし、私も彼らの気持ちを知ってしまえば断る理由もない。

その日は彼らの適正をサラが確認して、翌日からそれぞれに合った特訓をすることになった。のだけど⋯⋯サラはそんなに甘くない。

本来サラは後衛に適した系統の魔法が得意だけど体術もかなりの腕前で、結局は剣術は主にジン、体術はサラ、魔法はジンとサラが分担して教えるのだ。
⋯⋯優しく言えばそうなんだけど、最終的には全てを身体に叩き込むのだ。

私?私は自主練だよ。
黙々と魔物を屠っている。魔法だけ、剣技だけと縛りはあるけれどね。
もちろんダンジョンでだ。
彼らの特訓もダンジョン内で行っている。
今は80階のボスがいた広い部屋⋯⋯部屋と言うには広すぎるが、そこで彼らは毎日鍛えられている。
その間に私は1階~80階までを行ったり来たりしている。

で、今日も息も絶え絶えの3人と何とか立っているレオニール。
でも、この1ヶ月近くで確実に4人は強くなっている。
夏季休暇はまだ残り1ヶ月ある。
これからどれくらい伸びるのか楽しみではある。

が!リオネル殿下は王族だよ?
公務とか執務とかあるよね?毎日ダンジョンに潜っていて大丈夫なんだろうか?
それにラシュベル様だって、宰相の父親から学ぶこともあるだろうに⋯⋯
グレン様は⋯⋯まあ彼は学園卒業後は騎士団に入るらしいからいいか。
てか、この3人はまだ私がフィオナだって気付いていなさそうなんだよね。
当然ちゃあ当然かな。
彼らの特訓に私は一切携わってないからね。

でもレオニール様は⋯⋯確実に気付いている。
何も言わなくても目が言っているもの。



そして今日、彼らから聞いたという話をサラが教えてくれた。

彼らもまた、婚約者を狙ったのは無効化を使える人物だと思っていることを⋯⋯




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