32 / 73
オーギュスト王国編
32
しおりを挟む
「そう言えばリリーシアとギリアン殿下っていとこなんだよな」
「⋯⋯ええ、初めて会ったいとこね」
「まったく似ていませんでしたわね」
「そうねお互い母親似だからね」
会ったことがないと言いながら、母親似だと知っているかのように言った私の言葉が矛盾していることは突っ込まないでくれたようだ。
こんなことを話しながら歩いているとすぐに教室に着いた。
「ねえ、あのべティーって令嬢、これに懲りて関わってこなくなるといいわね」
相変わらずマリエルは優しいわ~
でも、甘いわ!
「何を言っていますの?お馬鹿令嬢とギリアン殿下との会話を聞いただけですが、何度も注意を受けても反省も行動も改めないお馬鹿令嬢が、恥をかかせたわたくしたちに何もしてこないワケがありませんわ」
リズベットお馬鹿令嬢って⋯⋯もう、名前すら呼ぶ気がないのね。
「だな、お前たちなら大丈夫だろうが気を付けろよ?あの女は男を味方につけるのが上手いみたいだからな」
「レイ?誰に言っていますの?返り討ちにして差し上げますわ!最近体が鈍っていましたから是非ともお相手していただきたいですわ」
こんなに楽しそうにしているリズベットは久しぶりに見た。
可愛くて儚く見えても、実は体を動かすことが大好きなリズベットは、小柄な体型を活かせた体術が得意だったりする。
間違いなく返り討ちにする。
ええ、リズベットなら売られた喧嘩は買う。
ついでに容赦もしない。
そう、これは実際にあったことなのだ。
報せを聞いて駆け付けたその場には倒れた三人の男たちと、高笑いするリズベットが⋯⋯過去の記憶がよみがえる。
「そ、それでも気をつけましょうね」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
特別クラスとはいえ、二度目ともなると退屈ね。
王子妃教育で進んだ授業で学院で習う内容は済ませていたから、前回も退屈だったのを思い出した。
ま、今回の私はこの退屈な時間を無駄にするつもりはない。考えることが沢山あるからね。
そうなのだ。
昨日のべティーの取り巻きに絡まれたのを見ていた令嬢たちが、聞きもしないのに彼女の情報を教えてくれたのだ。
その内容がおかしいのだ。
名はべティー・ドドラー。ドドラー伯爵家の養女。
ドドラー伯爵には妻を迎える前から平民の恋人がいたそうだ。それも相手は既婚者だったとか。
政略結婚のために一度は別れさせられた2人だったが、偶然再会してからは焼け木杭に火が付いたのか、2人の愛が再び燃焼したらしい。
その、愛の証がべティーだとか⋯⋯
ただ、ドドラー伯爵は青い髪に黄色い瞳。前回義母だったビアンカは茶髪に薄い緑色の瞳だった。べティーは黒髪に赤い瞳⋯⋯
ドドラー伯爵は奥様が亡くなると、親族からは反対されたが、反対を押し切り正式に二人を迎え入れたらしい。
前回、それと同じようなことを聞いた。
ビアンカの相手がお父様からドドラー伯爵に変わっているだけで他はとても似ている⋯⋯てか、同じ⋯⋯
ビアンカはなぜ今回はお父様を選ばなかったのか⋯⋯
それに結婚前から恋人だったとか、そんな噂はどこから出てきたものなのか⋯⋯
考えることが多すぎて授業なんて聞いている場合じゃな~い!
「⋯⋯ええ、初めて会ったいとこね」
「まったく似ていませんでしたわね」
「そうねお互い母親似だからね」
会ったことがないと言いながら、母親似だと知っているかのように言った私の言葉が矛盾していることは突っ込まないでくれたようだ。
こんなことを話しながら歩いているとすぐに教室に着いた。
「ねえ、あのべティーって令嬢、これに懲りて関わってこなくなるといいわね」
相変わらずマリエルは優しいわ~
でも、甘いわ!
「何を言っていますの?お馬鹿令嬢とギリアン殿下との会話を聞いただけですが、何度も注意を受けても反省も行動も改めないお馬鹿令嬢が、恥をかかせたわたくしたちに何もしてこないワケがありませんわ」
リズベットお馬鹿令嬢って⋯⋯もう、名前すら呼ぶ気がないのね。
「だな、お前たちなら大丈夫だろうが気を付けろよ?あの女は男を味方につけるのが上手いみたいだからな」
「レイ?誰に言っていますの?返り討ちにして差し上げますわ!最近体が鈍っていましたから是非ともお相手していただきたいですわ」
こんなに楽しそうにしているリズベットは久しぶりに見た。
可愛くて儚く見えても、実は体を動かすことが大好きなリズベットは、小柄な体型を活かせた体術が得意だったりする。
間違いなく返り討ちにする。
ええ、リズベットなら売られた喧嘩は買う。
ついでに容赦もしない。
そう、これは実際にあったことなのだ。
報せを聞いて駆け付けたその場には倒れた三人の男たちと、高笑いするリズベットが⋯⋯過去の記憶がよみがえる。
「そ、それでも気をつけましょうね」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
特別クラスとはいえ、二度目ともなると退屈ね。
王子妃教育で進んだ授業で学院で習う内容は済ませていたから、前回も退屈だったのを思い出した。
ま、今回の私はこの退屈な時間を無駄にするつもりはない。考えることが沢山あるからね。
そうなのだ。
昨日のべティーの取り巻きに絡まれたのを見ていた令嬢たちが、聞きもしないのに彼女の情報を教えてくれたのだ。
その内容がおかしいのだ。
名はべティー・ドドラー。ドドラー伯爵家の養女。
ドドラー伯爵には妻を迎える前から平民の恋人がいたそうだ。それも相手は既婚者だったとか。
政略結婚のために一度は別れさせられた2人だったが、偶然再会してからは焼け木杭に火が付いたのか、2人の愛が再び燃焼したらしい。
その、愛の証がべティーだとか⋯⋯
ただ、ドドラー伯爵は青い髪に黄色い瞳。前回義母だったビアンカは茶髪に薄い緑色の瞳だった。べティーは黒髪に赤い瞳⋯⋯
ドドラー伯爵は奥様が亡くなると、親族からは反対されたが、反対を押し切り正式に二人を迎え入れたらしい。
前回、それと同じようなことを聞いた。
ビアンカの相手がお父様からドドラー伯爵に変わっているだけで他はとても似ている⋯⋯てか、同じ⋯⋯
ビアンカはなぜ今回はお父様を選ばなかったのか⋯⋯
それに結婚前から恋人だったとか、そんな噂はどこから出てきたものなのか⋯⋯
考えることが多すぎて授業なんて聞いている場合じゃな~い!
1,890
あなたにおすすめの小説
【完結済】25年目の厄災
紫
恋愛
生まれてこの方、ずっと陽もささない地下牢に繋がれて、魔力を吸い出されている。どうやら生まれながらの罪人らしいが、自分に罪の記憶はない。
だが、明日……25歳の誕生日の朝には斬首されるのだそうだ。もう何もかもに疲れ果てた彼女に届いたのは……
25周年記念に、サクッと思い付きで書いた短編なので、これまで以上に拙いものですが、お暇潰しにでも読んで頂けたら嬉しいです。
∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽
※作者創作の世界観です。史実等とは合致しない部分、異なる部分が多数あります。
※この物語はフィクションです。実在の人物・団体等とは一切関係がありません。
※実際に用いられる事のない表現や造語が出てきますが、御容赦ください。
※リアル都合等により不定期、且つまったり進行となっております。
※上記同理由で、予告等なしに更新停滞する事もあります。
※まだまだ至らなかったり稚拙だったりしますが、生暖かくお許しいただければ幸いです。
※御都合主義がそこかしに顔出しします。設定が掌ドリルにならないように気を付けていますが、もし大ボケしてたらお許しください。
※誤字脱字等々、標準てんこ盛り搭載となっている作者です。気づけば適宜修正等していきます…御迷惑おかけしますが、お許しください。
クレアは婚約者が恋に落ちる瞬間を見た
ましろ
恋愛
──あ。
本当に恋とは一瞬で落ちるものなのですね。
その日、私は見てしまいました。
婚約者が私以外の女性に恋をする瞬間を見てしまったのです。
✻基本ゆるふわ設定です。
気を付けていますが、誤字脱字などがある為、あとからこっそり修正することがあります。
魔法のせいだから許して?
ましろ
恋愛
リーゼロッテの婚約者であるジークハルト王子の突然の心変わり。嫌悪を顕にした眼差し、口を開けば暴言、身に覚えの無い出来事までリーゼのせいにされる。リーゼは学園で孤立し、ジークハルトは美しい女性の手を取り愛おしそうに見つめながら愛を囁く。
どうしてこんなことに?それでもきっと今だけ……そう、自分に言い聞かせて耐えた。でも、そろそろ一年。もう終わらせたい、そう思っていたある日、リーゼは殿下に罵倒され頬を張られ怪我をした。
──もう無理。王妃様に頼み、なんとか婚約解消することができた。
しかしその後、彼の心変わりは魅了魔法のせいだと分かり……
魔法のせいなら許せる?
基本ご都合主義。ゆるゆる設定です。
いくら時が戻っても
ちくわぶ(まるどらむぎ)
恋愛
大切な書類を忘れ家に取りに帰ったセディク。
庭では妻フェリシアが友人二人とお茶会をしていた。
思ってもいなかった妻の言葉を聞いた時、セディクは―――
短編予定。
救いなし予定。
ひたすらムカつくかもしれません。
嫌いな方は避けてください。
※この作品は小説家になろうさんでも公開しています。
その言葉はそのまま返されたもの
基本二度寝
恋愛
己の人生は既に決まっている。
親の望む令嬢を伴侶に迎え、子を成し、後継者を育てる。
ただそれだけのつまらぬ人生。
ならば、結婚までは好きに過ごしていいだろう?と、思った。
侯爵子息アリストには幼馴染がいる。
幼馴染が、出産に耐えられるほど身体が丈夫であったならアリストは彼女を伴侶にしたかった。
可愛らしく、淑やかな幼馴染が愛おしい。
それが叶うなら子がなくても、と思うのだが、父はそれを認めない。
父の選んだ伯爵令嬢が婚約者になった。
幼馴染のような愛らしさも、優しさもない。
平凡な容姿。口うるさい貴族令嬢。
うんざりだ。
幼馴染はずっと屋敷の中で育てられた為、外の事を知らない。
彼女のために、華やかな舞踏会を見せたかった。
比較的若い者があつまるような、気楽なものならば、多少の粗相も多目に見てもらえるだろう。
アリストは幼馴染のテイラーに己の色のドレスを贈り夜会に出席した。
まさか、自分のエスコートもなしにアリストの婚約者が参加しているとは露ほどにも思わず…。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる