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第一部 Side 永宮 真紀
彼女の父親
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こうして、どうにか周りの目を掻い潜りながら、私の家へと向かった私と風香。
幸い、私の家は公園に近い団地の中にあり、尚且つ角部屋で非常階段から向かうことが出来たためか――私達は誰にも見つかることなく我が家に到着できた。
そこで私は、全裸の友人を連れて来た娘に目を剥いて驚く母に、風香から聞いた話を告げる。
元来感受性が強く優しかった母は、風香を見つめ、涙を溢れさせると……風香の小さな体を強く抱き締めた。
その後、私の洋服を貸し、帰宅することとなった風香。
念の為、私だけではなく、私の母も一緒に風香を家に送り届けることにする。
そうして、風香の家のチャイムを押したのだが――出て来た風香の父親が、帰宅した我が子である風香を見て最初に告げたのは、
「なんだお前、その洋服はどうした。裸じゃなきゃお仕置きにならないだろう。また最初からやり直すか」
と、いう言葉だった。
が、彼は直ぐに私と――何より私の母がいるのに気付いた様で、バツが悪そうに小さく舌打ちをした。
そして、私や母が何かを言うより先に、
「生憎ですけど、これはうちの教育方針なので。おたくは赤の他人ですよね?なら、言っておきますけど、人の家の教育方針に口を出さないでください」
と、告げて来た。
が、私の母も負けてはいない。
「そうですね。確かに、おたくがどんな教育をしようとおたくの勝手でしょう。でも、それならうちが通報するのも勝手ですよね?おたくがどんな教育方針だろうと結構ですが、うちもうちで、児童虐待は見過ごせませんから。今度同じ様なことをされているのを見かけたら、その時は迷わず通報しますね」
そう、はっきりと言い切った。
見た目の年齢こそ30代位とうちの母に近いが――体格的には巨漢と呼んでも差し支え無い位、かなりの大柄だった風香の父。
だが、それ程大きな男性を目の前にしても尚、私の母は一歩も引く事はなく――。
流石に通報されたら困るのか、風香のお父さんがそれ以上の言葉を告げることは無かった。
幸い、私の家は公園に近い団地の中にあり、尚且つ角部屋で非常階段から向かうことが出来たためか――私達は誰にも見つかることなく我が家に到着できた。
そこで私は、全裸の友人を連れて来た娘に目を剥いて驚く母に、風香から聞いた話を告げる。
元来感受性が強く優しかった母は、風香を見つめ、涙を溢れさせると……風香の小さな体を強く抱き締めた。
その後、私の洋服を貸し、帰宅することとなった風香。
念の為、私だけではなく、私の母も一緒に風香を家に送り届けることにする。
そうして、風香の家のチャイムを押したのだが――出て来た風香の父親が、帰宅した我が子である風香を見て最初に告げたのは、
「なんだお前、その洋服はどうした。裸じゃなきゃお仕置きにならないだろう。また最初からやり直すか」
と、いう言葉だった。
が、彼は直ぐに私と――何より私の母がいるのに気付いた様で、バツが悪そうに小さく舌打ちをした。
そして、私や母が何かを言うより先に、
「生憎ですけど、これはうちの教育方針なので。おたくは赤の他人ですよね?なら、言っておきますけど、人の家の教育方針に口を出さないでください」
と、告げて来た。
が、私の母も負けてはいない。
「そうですね。確かに、おたくがどんな教育をしようとおたくの勝手でしょう。でも、それならうちが通報するのも勝手ですよね?おたくがどんな教育方針だろうと結構ですが、うちもうちで、児童虐待は見過ごせませんから。今度同じ様なことをされているのを見かけたら、その時は迷わず通報しますね」
そう、はっきりと言い切った。
見た目の年齢こそ30代位とうちの母に近いが――体格的には巨漢と呼んでも差し支え無い位、かなりの大柄だった風香の父。
だが、それ程大きな男性を目の前にしても尚、私の母は一歩も引く事はなく――。
流石に通報されたら困るのか、風香のお父さんがそれ以上の言葉を告げることは無かった。
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